曲中のキスに会場は大興奮!! 羽多野渉さんライブツアー“LIVE CARAVAN”千秋楽 レポート
全国4か所にて開催された声優・羽多野渉さんのライブツアー『Wataru Hatano Live Tour 2017“LIVE CARAVAN”』。昨年リリースした音楽活動5周年を記念した、5th Anniversaryミニアルバム「キャラバンはフィリアを奏でる」を引っ提げての待望のツアーとなりました。
今回は、ツアーファイナルである東京公演(会場: EX THEATER ROPPONGI)夜の部のレポートをお届けします。
オープニングは人気アニメのあの曲で!羽多野さんと巡る“旅”
会場にアニメ「ユーリ!!! on ICE」のEDテーマでもあった「You Only Live Once」のイントロが流れると、会場はツアーグッズのペンライトで青一色に。今回のライブのテーマでもある「旅」をイメージしたトランク型のスクリーンには、表題曲のMVで見慣れた光景が映し出され、観客は一気に世界観に引き込まれました。
続いてアップテンポな「君がいるセカイ、君のいない世界。」、「流星飛行」で会場はさらにヒートアップ。「この公演で(ツアーの)すべてが終わると思うとちょっと寂しいけど、でも、みんなの心に何かを残したいんです。一緒に盛り上がってくれますか!?」と言う羽多野さんの呼びかけに応えようと、割れんばかりの声援が会場に響きました。
続く「Synchronic」は、これまでとは雰囲気が打って変わり、重低音のビート、グリーンの鋭いライティングで、会場はまるでダンスフロアのように色を変えます。ダンサーを引き連れた羽多野さんは激しいダンスを披露しながらも、息切れ一つする事なくクールに歌い上げ、客席もノリノリで“ Synchro(シンクロ)”していました。
会場が暗転すると、どこからともなく響く荒野の風の音と焚き火の音、そして「砂塵舞う、荒野の先に浮かぶ、同じ未来を夢見た愛しき人の面影。乱世に呑み込まれて消えた、誰も知らない物語……」という羽多野さんの朗読と共に「流転流浪」のイントロが流れます。すると、マスタードイエローを基調としたガウンを羽織り、乾いた風の吹く荒野に降り立ったような佇まいで登場した羽多野さん。切ない愛の歌詞を、憂い哀しげに歌う羽多野さんの姿に、そっと涙をぬぐい感動するファンの姿も見受けられました。
涙の乾く間もなく、続いて快活な和ロックが響き、羽多野さんは「明日の篝火」を披露。先ほどの憂いを帯びた羽多野さんから一転、アップテンポなナンバーを力強く歌い上げ、客席のボルテージは急上昇。その後の「覚醒のAir」のラストサビ前では、羽多野さんが「……いくよ」と囁き「チュッ」とリップ音を響かせ、会場からは黄色い悲鳴が上がりました。
「リトル・レジスタンス」では、突如雷鳴と雨音が響き渡り、傘を差した男性が覚束ない足取りでステージに登場。物語を表現したエチュードが繰り広げられ、ここでもまた観客をぐっと世界観に引き込むと、そのまま羽多野さんは、成長する為の一歩を踏み出す背中を押してくれるような、勇気づけられる曲を爽やかに歌い上げました。
「Rolling life」では「さぁみなさんお待たせいたしました! タオルの準備をお願いいたします!」と羽多野さんが声をかけると、観客はツアーグッズのマフラータオルを一斉に頭上で回し始め、会場は一体になって大盛り上がり。曲の途中、羽多野さんはおもちゃのギターを持って演奏するポーズをしてみたり、バズーカを構えると客席に向かってサイン入りボールを発射したりと、お茶目な一面も見せてくれました。
MCに入ると、ファーストシングルの作曲を手掛けた、スペシャルゲストの山下洋介さんが登場。ピアノ伴奏にあわせ「君はぼくが帰る場所」、続いて羽多野さんが大好きだと言うアニソン「ブルーウォーター」のカバーを歌い上げました。ブルーウォーターについては、山下さんの「女性の歌を羽多野さんの甘い声で歌われると、凄く胸にキュンとくる」との言葉に、会場からは賛同の大歓声が。羽多野さんの愛猫「むぎちゃん」の近況についても触れ「むぎすっごい元気! めんこいのよ。今朝もね、装備が全部完璧になってからジャレついてきてね」と、ほっこりするエピソードを聞かせてくれました。
羽多野さん直伝の振付で、会場は一致団結!
ここからはライブも終盤に向けラストスパートに。声優をテーマにした曲「I’m a Voice Actor」では曲中で見事なキャラの演じ分けを披露。続く「Never be too late」では、ツアー前に動画でも配信されていた振付を観客にレクチャー。生き生きと踊る羽多野さんと共に、会場も一丸となって盛り上がりました。
ラストの曲前のトークでは、「ギオルギー・ポポーヴィッチ」役を演じた「ユーリ!!! on ICE」の話題で「ユーリ!!! on ICEに対する感謝の想い。そういったものを、ミニアルバムのアレンジバージョンに込めさせてもらいました」と吐露。そこからラストナンバーの「You Only Live Once‐everlasting‐」が会場に響きます。ファンと共に歩んできた、これまでの「旅」の軌跡を思い返すかのように、観客も「You Only Live Once」のフレーズを一緒に口ずさみ、フィナーレを迎えました。
アンコールでは、羽多野さんがツアーTシャツに着替えて登場。ギターの弾き語りで、アニメ「ハマトラ」のエンディングテーマ「Hikari Unplugged」をしっとりと歌い上げました。
続いてステージは「キャラバントーク」のコーナーに。千秋楽のテーマは「あなたがフィリア(ギリシャ語で「愛」の意味)を伝えたい人や物を教えてください」ということで、アンケートを募集した中から選ばれた回答が紹介されました。
「羽多野さんのファンの方々」という回答には、「一緒に楽しんだり、時には助けてもらって、羽多野さんももちろんですが、皆さん大好きです!」というコメントに、会場は温かい空気に包まれました。また、羽多野さんも「僕、息をするようにエゴサするんですけど、『羽多野のライブはめっちゃ平和だった』とか読んで、それがフィリア!って感じですね」と、ご自身の「フィリア論」も展開。そしてここで、7thシングル制作決定の告知も入り、会場には割れんばかりの歓声と拍手が沸き起こりました。
六本木に響く「BL!」コール!?
アンコールでは続いて「Sing and Dance!」、「SEKAIはボーイミーツボーイ」(アニメ「腐男子高校生活」キャラクターソング)を披露。「一緒に歌ってくれますか? コミケにはちょっと早いけども!」という羽多野さんの発言に、会場は爆笑の嵐に。
曲の間奏では、羽多野さんの煽りで「BLコール」が巻き起こり、六本木の街に「BL!」の声が響き渡りました。そしてツアーの千秋楽を飾る最後の曲は「はじまりの日に」。都会の摩天楼、風吹きすさぶ荒野、木漏れ日の森、青く透き通った海……様々な景色を「旅」してきたツアーは、スクリーンに映し出された『旅の中で、沢山の笑顔に勇気とパワーをもらいました! ついてきてくれて本当にありがとう! これからもいろんな景色を見に行こう! 一緒に!! 羽多野渉』という直筆のメッセージで締めくくられました。
[文/五十嵐 麻維]
『Wataru Hatano Live Tour 2017“LIVE CARAVAN”』セットリスト
1.You Only Live Once
2.君がいるセカイ、君のいない世界。
3.流星飛行
4.Synchronic
5.流転流浪
6.明日の篝火
7.覚醒のAir~運命のCoda
8.リトル・レジスタンス
9.Rolling life
<MC>
10.君はぼくが帰る場所
<MC>
11.ブルーウォーター
<MC>
12.I’m a Voice Actor
<ダンサー紹介>
13.Never be too late
<MC>
14.You Only Live Once‐everlasting‐
アンコール
15.Hikari Unplugged
<キャラバントークコーナー>
16.Sing and Dance!
<MC>
17.SEKAIはボーイミーツボーイ(アニメ「腐男子高校生活」キャラクターソング)
18.はじまりの日に
羽多野渉 初のミュージッククリップ集
「Wataru Hatano Music Clips 2011-2016」好評発売中
羽多野渉 7thシングル制作決定
>>羽多野渉公式サイト