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『ほしのこえ』から『君の名は。』まで。新海誠展をレポート

『ほしのこえ』から『君の名は。』まで! 新海誠監督のこれまでがわかる「新海誠展」をレポート

 2017年6月3日(土)より、静岡県は三島にある大岡信ことば館にて、『新海誠展 -「ほしのこえ」から「君の名は。」まで-』が開催中です。

 新海監督といえば、昨年公開された映画『君の名は。』でおなじみですが、今回のイベントは、監督のデビュー15周年目ということで、これまでの作品を振り返ることができて、展示総数約450点が飾られています。『君の名は。』で監督を知ったという人はもちろん、それ以前の作品から監督のファンだという人も必見です。

 今回は、開催前日に行われた内覧会の模様をフォトレポートでお届けします。

監督の初期の制作環境を大公開!
 本展示は、「私たちは、たぶん、宇宙と地上にひきさかれる恋人の、最初の世代だ。」という『ほしのこえ』のキャッチコピーと共にスタートします。

 最初のエリアは新海監督の商業デビュー作品である、『ほしのこえ』。この作品は、監督がほとんどすべての作業を、自分ひとりで行っていたことが知られています。

 なかでも見どころとなるのは、その当時の監督の制作環境の展示です。このスペックのパソコンで、あれほどの作品をひとりで生み出したのかという驚きを感じることができるでしょう。

ヴェラシーラの設定画に注目!
 次のエリアは2004年公開の『雲のむこう、約束の場所』。「あの遠い日に僕たちは、かなえられない約束をした」という本作のキャッチコピーからエリアが変わります。

 ここでも原画や絵コンテがみられるほか、別で用意された作業場のようなエリアでは、ヒロキ(CV:吉岡秀隆)とタクヤ(CV:萩原聖人)が自作している飛行機“ヴェラシーラ”の設定画を展示。

 また、ところどころにある“新海誠の言葉”もお見逃しなく! “新海誠の言葉”は各作品ごとに用意されており、制作当時や公開当時の新海監督の想いを知ることができます。

1階エリア最大規模の展示は『秒速5センチメートル』!
 3作目となる『秒速5センチメートル』のエリアでは、作中に登場するいくつかのキーアイテムの展示が見どころです。本編の第1章「桜花抄」にて、篠原明里(CV:近藤好美)が遠野貴樹(CV:水橋研二)に送った手紙の元素材などは、10年前からのファンにとっては垂涎モノではないでしょうか?

 そのほかにも、第2章「コスモナウト」で貴樹や澄田花苗(CV:花村怜美)が乗り回すスーパーカブも展示されています。2台並んだスーパーカブを見ていると、種子島の情景が思い出されるかのようです。

制作スタッフの貴重な資料も
 2階エリア最初は、2011年公開の『星を追うこども』です。ここでは、本作で作画監督・キャラクターデザインの西村貴世さんによるキャラクター設定画や、美術監督の丹治匠さんによるコンセプトボード、新海監督のイメージボードなども展示。監督自身による修正画などもあり、どのようにして制作されていったのかを見ることができます。

 立体物の展示では、キーアイテムであるアスナ(CV:金元寿子)の父の形見の鉱石ラジオも。

言葉が降ってくるかのような演出はこの会場だけ
 言葉の立体的な展示が一層引き立っているのが、『言の葉の庭』のエリア。作中のセリフに加え、ユキノ(CV:花澤香菜)がタカオ(CV:入野自由)に伝えた万葉集の和歌が目を引きます。

 この演出はことばの造形展示に強い大岡信ことば館ならではのものだとか。全国展開する際は、近い演出を考えているそうですが、この形で見られるのは大岡信ことば館だけ。

 ラストシーンを思わせる一角では、タカオがユキノのために作った靴もファンの心をくすぐります。

『君の名は。』では、制作初期の企画書も見られる!
 お待ちかねの『君の名は。』エリアでは、企画書段階の資料をいくつか展示しており、男女の入れ替わり描写がこの時から決まっていたことがわかります。入れ替わって胸を揉むといった話題のシーンも、この頃から存在していたようです。

 ほかにも立花瀧(CV:神木隆之介)と宮水三葉(CV:上白石萌音)を繋ぐアイテムである“組紐”を作る丸台なども見ることができました。

 また、劇中で使われたRADWIMPSの楽曲と名場面を振り返っていけることもポイント。一緒に歌詞も展示されているので、劇中の名場面が頭の中で再生されること間違い無し。

映画作品以外のお仕事も
 新海監督のお仕事は、映画作品だけではありません。大成建設のCMや、『君の名は。』でタッグを組んだ田中将賀さんとのZ会受験生応援ストーリー『クロスロード』の紹介も、アザーワークスコーナでもちろん展示されています。

 加えて“新海誠の描く風景”と題されたコーナーでは、風景描写に焦点を当て、各作品からカテゴリーに分けた展示が展開されており、これもまた必見です。

 そして最後に、現在の監督の制作環境の様子も展示されていました。『ほしのこえ』の頃と比べてみてみると、また違った見方ができるかもしれません。

 この展示は、8月27日(日)まで開催したのち、新海監督の故郷である長野の小海町高原美術館、東京の国立新美術館ほか全国を巡ります。大岡信ことば館以外の会場にも、ぜひ足を運んでみてください。

コミックス・ウェーブ・フィルム落合さんよりのコメント
 また、当日お話を伺うことができたコミックス・ウェーブ・フィルムの落合さんのコメントをご紹介します。これまでの新海監督作品のファンの人も、『君の名は。』からのファンの人も、お見逃しなく。

■落合さんよりのコメント
今回の展示はデビュー15周年を記念したものなので、実は『君の名は。』が公開する前から企画していました。おかげさまで昨年多くのみなさんに『君の名は。』をご評価頂いて、好きになってくれた方がたくさんいらっしゃいます。その方々にも、監督のそれ以前の作品をより深く知っていただきたいです。

展示にある、監督の言葉からもわかるのですが、この15年間、新海監督は観客のみなさんと共に歩んできて、みなさんと一緒に作り上げてきたと思っているそうです。今この展示で、これまでの歩みを振り返っていただいて、これから先の新作に向けて期待して頂けたらと思います。

[取材・文・写真/胃の上心臓]

開催概要
新海誠展「ほしのこえ」から「君の名は。」まで
会期:2017年6月3日(土)~8月27日(日)※会期中無休
会場:大岡信ことば館
開催時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
入館料:
大人 1300円
学生・シニア(60歳以上)1000円
小中高校生 700円
団体(4名以上)各100円引
未就学児 無料
障害者手帳ご呈示の方およびその付き添いの方1名 無料

主催:大岡信ことば館、株式会社Z会、朝日新聞社
協力:コミックス・ウェーブ・フィルム、東宝
協賛:第一三共株式会社、スルガ銀行、伊豆箱根鉄道株式会社、みしまプラザホテル
後援:三島市、三島市教育委員会、沼津市教育委員会、長泉町教育委員会、テレビ静岡、静岡朝日テレビ、静岡第一テレビ

>>新海誠展公式サイト
>>新海誠展公式Twitterアカウント

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