ミュージックビデオにフォトブック、そして最高の楽曲たち――沼倉愛美 1stアルバム『MY LIVE』を語る
TVアニメ『魔法少女育成計画』のOPテーマ「叫べ」で衝撃的なデビューを果たした沼倉愛美さんの1stアルバム『MY LIVE』が2017年6月14日(水)にリリース!
今年8月からスタートする1st LIVE TOURを見据えて、ライブで盛り上がれる楽曲が並ぶ今回のアルバムについて、たっぷり語っていただきました。
――デビューが昨年11月リリースの「叫べ」なので、ここまで結構怒涛ですよね。
沼倉愛美さん(以下、沼倉):そうなんです。思っていた以上でした(笑)。
――アルバムまでの流れは、だいたい決まっていたんですか?
沼倉:細々したことはその都度決めていったんですけど、ライブまではほぼ決まっていました。でもソロの音楽活動って初めてだし、分からないことが多かったので、ここまで慌ただしいとは思わなかったです。でも、よく考えてみればそうだよなぁって。
――キャラクターソングはずっと歌ってきましたけど、また違いますよね。
沼倉:そうですね。たとえば物理的なスケジュールという面で「叫べ」のキャンペーンをしながら2ndシングル「Climber's High!」のMVを撮ってる、みたいなこともあって大変でした。
――でも、作る側の楽しさもあるんじゃないですか?
沼倉:面白いなとは思いました。そもそもそっちに興味があるタイプだったので。とは言いつつも作家さんにお会いする機会ってあまりなかったんですけど、それでも実際に作業している方の意図とか、プロデューサーがどういうつもりでこの曲を作ったのかっていうのが、ある意味聞きやすいというのはありましたね。そこで聞いたことをヒントにしながら自分で構築していく作業は、ものづくりの感覚を強く感じられて、好きだなと思いました。
――今回のアルバム制作への関わり方というのは、どんな感じだったのですか?
沼倉:皆さん、すごく私のイメージを良く思ってくださっているみたいで、アルバムを作るとしたら細部までこだわって作っているんだろう、みたいに思っているんですよ(笑)。それは取材を受けていても感じたんですけど、全然そんなことはなくて、わりと概要しか考えてなかったです。なので細々したところは提案してもらうほうが多かったです。
――どんな概要を伝えたんですか?
沼倉:何かイメージありますか?と聞かれたときに、「前向き」っていう言葉しか言わなかったですね。テーマカラーもオレンジにしたんですけど、好きだからとかではなく、流行色を調べて、その中から選ぶみたいな(笑)。あとは普段からどういうアーティストの音楽を聴いているかというのをお伝えして、そういう私の趣向を汲み取って10曲作ってくださって。この曲はもう少し明るいほうがいいかも、とか言ったりもしたんですけど、ほぼそのまま歌わせてもらいました。なので1からしたことってほぼないかも。
――たしかに何を言っていいのかも、最初は分からないですよね。
沼倉:音楽のこともプロモーションのことも何も分からないのに文句を言うのは良くないと思ったので(笑)、まずはやってみて、本当にやりたいと思うことがあったら言おうと思っていたんです。まだ分からないことのほうが多いんですけど、アルバムを出してライブをやって初めて、私はこういうのが好きなんだな、得意なんだなって分かると思うので、そこからはうるさくなるんだと思います(笑)。
――でも、沼倉さんが何でもできそうな感じがするのは分かります(笑)。
沼倉:見せかけなんですけどね。自己プロデュースはうまくいってるのかな(笑)。でも今回は、助けてもらったことが多いです。
――なぜ前向きな曲を歌いたいと?
沼倉:「叫べ」と「Climber's High!」っていう、ダークな世界観だったり宿命的なものがシングルで続いたので、その反動みたいなものかもしれないですね。前を見ている感じ、笑顔の成分が多いアルバムにしたいと思ったんです。もちろんライブが控えていて、それを前提に作るという面もあったので、ただただ笑顔になれる曲が増えたらいいなと思いました。
――基本はバンドサウンドのロックナンバーが多かったですけど、途中でダンスミュージックに行きますよね。このアイディアは?
沼倉:アイディアとして、ちょっとクールめのダンスミュージックを入れたら喜んでもらえるのかなっていう話はしました。「Spiral Flow」を作ってくださったAJURIKAさんには前々からお願いしたいと言っていたので、そういうブロックがあってもいいのかもねって。
――AJURIKAさんに頼みたかったというのは?
沼倉:AJURIKAさんはもともとナムコの方で、『アイドルマスター』で曲を作ってらしたんですけど、私(我那覇響)のキャラクターソングを作っていただいたときに、いつかソロでやることがあったら僕に作らせてほしいって言ってくださって。
当時はもちろんそんな話もなかったんですけど、今回(ソロが)始まるということになって、ライブも決まった段階で、アルバムに入れる曲を作っていただこうと思いました。そしてご本人に連絡をしたら、各所快く承諾してくださって。
――その時の約束が現実に。いい話ですね。やはり我那覇響の「Next Life」という曲は、アイマスのファンにとっても大切な曲だと思うので、これは嬉しいと思います。
沼倉:ここしかないかなと思いましたね。クラブサウンドの曲があるからといってまだ踊るかは分からないんですけど、私のイメージとして、こういうイメージもあるのかもと思ったし、幅広く歌わせていただけるなら、こういうテイストの曲が入ってもいいのかなと思いました。だから「Spiral Flow」はある意味異質というか、新曲10曲の中では唯一プロデューサーの手が入ってない曲にもなるので、浮いていると言えば浮いてるのかもしれないです。
――でも、その周りの曲の流れもすごく良かったですよ。
沼倉:そこは私が考えました(照笑)。
――「叫べ」から沼倉さんを知った人にとっては、逆に新鮮かもしれませんね。
沼倉:そうですね。だから遡って聴いてもらえたら嬉しいですし、今まで声優としてやってきた私がちゃんと繋がってここにいる、というのが出ていて、いいなぁと思いました。
――ただ全体としては、バンドサウンドの印象が強いですが、それについてはいかがです?
沼倉:ライブありきで作っていたことはあったので、やっぱりライブ感がすごく出るので、やっていて気持ちいいですね。あとピアノを使ってくれている曲がすごく多くて、それは意外だったんです。それが私の音になりつつあるのは、ちょっと嬉しいことではありますね。
それぞれ私らしい楽曲――
――ではレコーディングで思い出に残っている曲というと?
沼倉:薄々気づいていたんですけど、私、たぶんバラードが苦手なんです(笑)。今回のバラードが、わりとテクニックが必要な難しい曲だったので時間をかけさせてもらいました。それこそ「Hello,Ms.myself」なんかは勢いや強さがあるけど、柔らかさみたいなものも保っていないといけない曲だったんです。これまでそういう曲は歌えなかったんですけど、今回作ったことで歌えるようになったかなと思いました。あと「屋根上の朱い花」もきちんとバラードとして完成させることができたということで、学べた部分も多かったです。
――「屋根上の朱い花」も、この中では少し感じの違う曲だなと思いました。
沼倉:最初もらった時、ピンとこなかったんです。でも歌ってみたらすっごく良い曲だと思いました。たぶん単純に、私の中にないサウンド感だったってことなんでしょうけど、歌ったらもう外せないなって。ただ、レコーディングは本当に難航したんですけどね(笑)。
――「Shining Days」って、アルバムの中でも超前向きな歌詞じゃないですか?
沼倉:でも意外とそうじゃないことに最近気づいたんです。ちなみにこの曲が、もう少し明るくしてはどうですかと言った曲なんですけど、言葉としてはすごく前向きな言葉を使っているから、もっと明るいほうがマッチするんじゃないかと話したものの、言葉回しのもったいぶってる感じとかが私っぽいのかなと思って。でも、それぞれの曲が私っぽくはあるんです。作家さんにお会いすることは少なかったですけど、やっぱり私のことをイメージしてくださっていると思うので。
あと「Hello,Ms.myself」に関しては、私がよく聴いていますっていう好みの感じにすごく寄せてもらった曲だと思います。それと「Good Day」かな。この2曲は思い切り私の好みのテイストです(笑)。
――「Good Day」は心地よくノれる感じがいいですね。これまでになかった曲というか。
沼倉:ちょうどいいというか、歌詞は日常的な感じなんですけど、程よい明るさと前向きさもあって、気持ちはすごく上がっていく感じがあるので新境地と言えばそうなのかも。
――沼倉さんが作詞した曲についてですが、「My LIVE」は表題曲になっています。
沼倉:曲が上がってきた時、前向きで、いい明るさを持った曲だったので嬉しかった反面、私なりの前向きをどう書くかということを考えました。で、曲を聴いた時、まっすぐというよりちょっとひねってある印象を受けたんです。なので歌詞もちょっとひねってみようと思って出てきたのが、“概ね正解”っていう歌詞で。悪くないみたいな意味で、それに集約されているんですけど。“何かうまくいかないな、何でこうなっちゃうんだろうな~……でも、だいたい合ってる!”みたいな(笑)。
何か私の人生ってそんな感じだなっていうのがうまく書けている感じがしました。もちろん演出は入っていますし、すべてが私ではないけど、私の生き方みたいなものが反映できた曲になったと思います。……思っていますけど、MVがあんな感じになるとは思いませんでした(笑)。自分が書いた言葉、歌った歌からこんな映像が出来上がるんだって、ある意味感動というか。
それこそ1stアルバムの表題曲だから、もうちょっとまろやかにと言われるのかと思ったんですけど、MVが一番はっちゃけていて、いいスタッフだなって思いました(笑)。ちなみにMVは公開されてない部分でも衝撃的なところもあるので、フルで見ていただくと聴き方が変わるかもしれないです。結構仕掛けがいろいろある曲になりました。
――もう1曲作詞した「暁」は、ライブの景色を歌っている感じがしました。
沼倉:ステージからの景色を想像した部分はありました。だから“あなた”がお客さんに対する言葉であるところもあるんですけど、最初はラブソングにしようと思ったんですよ。でも曲を聴いて、ちょっと変えようと。もう少し広い意味合いの愛にしたほうがいいなと思って書いたんですけど、わりとすぐに書けました。「My LIVE」はロジカルに考えて、言葉遊びもしているけど、こっちは素直な言葉を出てくるままに並べていった感じですね。
――作詞は楽しいですか?
沼倉:う~~ん。「叫べ」のときは、作品の内容が内容だっただけに心のダメージもあって(笑)。あとタイアップの責任がすごく重かったんだなって、今になって思います。アルバム曲の場合は、気持ち的にちょっと余裕があったなと(笑)。
1枚のアルバムを作り終えて、感じたい想い
――アルバムを作り終えてみて、いかがですか?
沼倉:まずは間に合って良かったなって思いました(笑)。3~4月って、インフルエンザとかもまだ流行っていて、私とかプロデューサーがかかったら終わりだったなと思うと、なかなかの緊張感はありましたね(笑)。マスタリングをして私の作業は終わったんですけど、全曲通して流してもらいながら、できたんだなぁって思いました。3形態での発売って初めてで、苦手な写真もフォトブックでたくさん撮りましたし(笑)、すごく濃い2ヶ月でしたね。レコーディングしてトラックダウンして、フォトブックの撮影、さらにレコーディングを2回して、MV撮影みたいな8日間もあって、そこが一番大変でした。
――そのストレスもあってMVではあんな破壊衝動に駆られてたんですね(笑)。
沼倉:あははは。ストレス溜まってたのかな(笑)? いや、でも意外となかったみたいですよ。最初はすごく気持ち良かったんですけど、だんだん私何やってるんだろう?って思っていたので。意外とストレス溜まらないタイプで、すぐ忘れちゃうんですよね。
――そしていよいよライブがありますね。
沼倉:ライブまでやってひと回りみたいなところがあるので、終わったあとで私のできることも増えるのかなと思いました。いろいろな変化が起こって、次へのエネルギーになるんだと思います。せっかくファンクラブも作っていただいたので、面白いことを続けていけたらなって思います。
――ちなみに沼倉さんはライブは好きですか? 実は人前に立つのはちょっと苦手って人もいると思うんですけど。
沼倉:私、レコーディングは苦手で、ライブのほうが得意かもしれないです。何かシチュエーションみたいなのがないとうまいこといかないタイプなんです。ライブってシチュエーションができあがっているので、あるがままでできるなって感じです。
――しかも今回ライブハウスですからね。
沼倉:それはありがたいなって思うんですよね。感覚的なものなんですけど、以前他の方のライブを見に行った時に、会場そのものがその人の空気になるっていう現象があるなと思ったんです。その空気を後ろまで届かせるって、その人の力だと思うんですけど、そういうライブがしたいなって思ったんです。
ステージだけで世界が完成して、それを見ているというより、会場の隅々までその空気にして、その世界にお客さんもいてくれる。そういうのがいいなって思います。そのライブで感じたのは、ライブハウスの壁に空気が染み込んでいく感じだったんですね。ハコそのものがライブみたいな。それができるかどうかは本当にわからないですけど、目標かもしれないです。
[インタビュー・文/塚越淳一]
リリース情報
■沼倉愛美 1stアルバム『My LIVE』
[初回限定盤A] CD+Blu-ray 3,800円+税
[初回限定盤B] CD+フォトブック 3,500円+税
[通常盤] CD 3,000円+税
【収録曲】
1.叫べ 作詞:沼倉愛美 作曲/編曲:WEST GROUND
2.Climber's High! 作詞:瀬尾公治 作曲:WEST GROUND 編曲:SHO from MY FIRST STORY
3.Good Day 作詞:篠崎あやと 作曲/編曲:篠崎あやと
4.Smiling&Smiling 作詞:堂野晶敬 作曲:堂野晶敬 編曲:大谷崇介
5.Spiral Flow 作詞:AJURIKA 作曲/編曲:AJURIKA
6.Anti-Gravity 作詞:RYLL 作曲/編曲:RYLL
7.Shining Days 作詞:baker 作曲/編曲:baker
8.ハレルヤDrive! 作詞:加賀山長志 作曲:加賀山長志 編曲:WEST GROUND
9.Hello,Ms.myself 作詞:重永亮介 作曲/編曲:重永亮介
10.屋根上の朱い花 作詞:堂野晶敬 作曲:堂野晶敬 編曲:有木竜郎
11.暁 作詞:沼倉愛美 作曲:WEST GROUND 編曲:伊賀拓郎
12.My LIVE 作詞:沼倉愛美 作曲:重永亮介 編曲:WEST GROUND
【初回限定盤A収録内容】
「叫べ」「Climber’s High!」「My LIVE」のMusic Videoとメイキング映像を収録。
イベント情報
●アルバム発売記念フリーライブ&お渡し会開催!
2017年6月17日(土) 14時 大阪・あべのキューズモール
2017年6月18日(日) 14時 名古屋・アスナル金山
2017年6月25日(日) 14時 神奈川・ラゾーナ川崎プラザ
【内容】
フリーライブ&お渡し会
◆チェーン別特典
□ビクターエンタテインメントオンラインショップ:複製サイン&コメント入りブロマイド(オリジナル)
□アニメイト:A4クリアファイル(オリジナル)
※アルバム「My LIVE」初回限定盤または通常盤を上記各チェーンでお求めの方に先着で上記のオリジナル特典を差し上げます。一部取扱いのない店舗もありますので、ご予約の際は各店舗にご確認ください。
ライブ情報
●沼倉愛美 1st LIVE TOUR 「My LIVE」
・2017年8月12日(土) 大阪・Zepp Osaka Bayside Open/17:00 Start/18:00
前売:6,800(税込・Drink代500別・1F Standing / 2F指定席とも)
・2017年8月14日(月) 名古屋・ダイアモンドホール Open/18:00 Start/19:00
前売:6,800(税込・Drink代500別・All Standing)
・2017年8月20日(日) 東京・Zepp Tokyo DiverCity Open/17:00 Start/18:00
前売:6,80(税込・Drink代500別・1F Standing / 2F指定席とも)
ファンクラブ情報
●沼倉愛美・オフィシャルモバイルファンクラブ「AREA NU」
本人ブログや動画コンテンツ、本人に質問ができるQ&A等々、本サイトだけのオリジナルコンテンツや会員様限定のライブチケット先行発売も随時実施!沼倉愛美を一番身近に感じることのできるファンクラブサイトです。
開設日:2017年4月17日(月)10時~
サービス概要:
URL:http://sp.arena.emtg.jp/numakuramanami/
(スマートフォンのみ)
会費:[スマートフォン] 月額400円+税
※docomo、au、Softbank、クレジットカード決済に対応
対応OS・ブラウザ:iOS:6.0以上、Safariの最新版
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