『メアリと魔女の花』は背中を後押ししてくれるような物語！　杉咲花さん、神木隆之介さんらが作品の魅力を語ったスペシャルトークイベントをレポート！

『借りぐらしのアリエッティ』『思い出のマーニー』を生み出した米林宏昌監督待望の最新作『メアリと魔女の花』(以下、本作)。その完成を受けて、2017年6月22日(木)に六本木ヒルズアリーナにて、スペシャルトークイベントが開催されました。

イベントは声優を務める杉咲花さん、神木隆之介さん、小日向文世さん、佐藤二朗さん、遠藤憲一さん、大竹しのぶさんら6名に、西村義明プロデューサーと米林氏を加えた8名で進行。それぞれに完成の喜びや、キャラクターや物語など、作品にまつわるトークを繰り広げました。

前作『思い出のマーニー』とは真逆の方向性を意識

ステージ中央の扉が開き、スモークの中からシックな衣装で揃えた出演者たちが登場！　ひとことあいさつの後、早速トークへと移りました。まずは本作の仕掛け役である米林監督と西村氏に“この作品を作るうえで苦労したこと”を聞いていくことに。

米林監督は『思い出のマーニー』とは真逆の作品を作ろうとしていたと明かすと、古巣である“スタジオジブリ”を出て、何もないところから制作をスタートさせたことが印象に残っていると話しました。

▲米林宏昌監督

それを受けて西村氏は、全部が大変だったと振り返ります。米林監督と西村氏を初めとするスタッフ陣は、ジブリが大好きで入った人たちばかりで、ジブリの凄さをよく知っているのだとか。そんな妥協のないジブリの作風を、本作でも忘れないようにしているんだそうです。

▲西村義明プロデューサー

出演者たちが本作を観た感想は……!?

出演者のみなさんは本作を既にご覧になっているそうで、続いての質問は、それぞれが本作を観た感想！　主人公メアリを演じる杉咲さんは、103分の映画があっという間に感じられるくらい作品に引き込まれたとコメントしました。

▲杉咲花さん

ピーターを演じる神木さんは、自分が出ていないシーンがどうなっているのかなど、ひとりの観客として純粋に楽しめたと話しました。また、観た後に背中を後押してくれるような作品だとも。

▲神木隆之介さん

本作がアニメ声優初挑戦だという小日向さんは、とにかく絵が美しかったと前置きした上で、自分が出ているということを忘れて、作品にのめり込んだ話しました。

▲小日向文世さん

佐藤さんは自身の演じるフラナガンを、当初はネズミだと思っていたと話しました。しかしいざ収録に行ってみると、スタッフさんからアライグマやタヌキだと言われ困惑。正解を求めて監督へ尋ねると、「さぁ、なんでしょう？」と言われてしまったそうです。

▲佐藤二朗さん

自分の役を難しいと語ったのは遠藤さん。演じるゼベディを、怖いわけでも、すごい優しいわけでもない普通の人間だと評しました。理由は、自分のキャリアのなかで、こういった普通の人間を演じたことがなかったからとのこと。

▲遠藤憲一さん

ラストとなった大竹さんは、『借りぐらしのアリエッティ』を観た時のことを回想し、本作でも「もしかしたらこういう世界が本当にあるのかもしれない」と思わされたとコメント。物語に自然に引き込まれ、気づけばメアリを応援していたと話しました。

▲大竹しのぶさん

もし魔法を使えたらどうする!?

なかでもぬか漬けが好きだという杉咲さんから飛び出した、「時間を早送りしたい」という答えは会場の笑いを攫って行きました。ぬか漬けはなかなか漬からないので、早送りしていっぱい食べたいんだそうです。

片付けが苦手な神木さんの「整理整頓できる魔法」や、小日向さんの「劇中のように空を飛びたい」など、現実感あるものから夢のあるものまで、出演者たちの望みを聞いたところでイベント終了の時間が近づいてきました。

マスコミ向けの質疑応答コーナーでは、本作を古巣“スタジオジブリ”の宮崎駿氏や高畑勲氏、鈴木敏夫氏らに見てもらえたのか？　という気になる質問がありました。これに答えた西村氏によると、ゼロ号試写の翌日に高畑氏と鈴木氏には観てもらえたそうです。宮崎氏には観てもらえなかったそうですが、「よく頑張った」と労いの言葉を貰えたのだとか。

いよいよ公開を来月に控えた『メアリと魔女の花』。日本を代表するアニメ制作会社である“スタジオジブリ”を飛び出した米林が、『借りぐらしのアリエッティ』『思い出のマーニー』を経てどのような物語を描くのか、ぜひ劇場でお確かめあれ!!

[取材・文・撮影／胃の上心臓]