この記事をかいた人
- 石橋悠
- 1989年福岡県生まれ。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者。
総ダウンロード数1,000万を突破した人気スマホ向けアプリ『チェインクロニクル3』。2016年には待望のアニメ化作品『チェインクロニクル〜ヘクセイタスの閃〜』が劇場公開、TV放送が行われ、更なる盛り上がりを見せました。
アニメでは、ゲームでは描かれなかったオリジナルのストーリーが展開され、新たな世界観を楽しむことができました。そして、アニメで最も注目すべきキャラクターがアラム( CV:山下大輝さん)です。
そんなアラムの魅力に迫るべく、Blu-ray発売(2017年6月23日発売)のタイミングで山下大輝さんにインタビューを実施。アニメが終了した今だからこそ語れる話題に踏み込んでみました。
アラムと一緒に『チェンクロ』を学んでいく感じ
──アニメが始まる前のインタビューでは、「話数ごとに違うキャラクターが登場するので、毎回違う現場に行っている感じがする」とおっしゃってましたね。
山下:そうですね。新キャラクターが次から次に出てくるので。ゲームの中でもたくさんのキャラクターがいますが、アニメではどのキャラクターが、どうやって出てくるのか、僕も気になっていました。要所要所の大事な部分や、ふとした瞬間に紛れていたりしてましたよね。僕もゲームをやり始めて「あーこんなところにいたんだ!」って、いろいろな発見があって面白いと感じましたし、改めてアニメを見ると違った感覚を味わえますね。
アフレコ現場も毎回新キャラクターがいたおかげでアフレコがあるたびに新鮮で、いつも一からスタートするような印象がありました。その中にもお馴染みのメンバーもいて、すごくいい刺激がありましたね。
──なるほど。山下さんが一番衝撃的だったことは何でしょうか?
山下:やっぱりユーリ(CV:石田彰さん)が闇落ちするシーンですかね。序盤のアフレコのころから「アラムだけはずっと光でいてくれ!」と監督に言われて、「わかりました、頑張ります!」って言って頑張っていました(笑)。実際、ユーリが闇落ちするシーンを見て、「監督が言っていたのはこれのせいか!」と思いましたね。
ところどころでユーリが闇落ちしそうな伏線があったので、予想してはいたんですけど、本当に闇落ちしたときは衝撃的でした。主人公がまさか闇落ちするなんて、予想外というか「こんなことある!?」と思いましたし、ユーリを大ベテランの石田彰さんが演じられていたので、どうやったら光に戻せるか悩みましたね(笑)。
──それは確かに(笑)。『チェンクロ』に関わる前と関わった後で、作品に対する印象は変わりましたか?
山下:『チェンクロ』というタイトル自体は知っていたんですけど、一体どういう内容なのか、どういった世界観なのかは知らなかったんですよ。何も知らない丸裸のまま現場に来たんですが、僕が演じたアラムは、オリジナルキャラクターだったんです。アニメから登場するキャラクターなので、一から作り上げていくということもあって、それが逆に良かったのかなと思いました。
『チェンクロ』ならではの“マナ”(※)や世界観をもともと知っていたら、計画的に演じなきゃいけなかったんじゃないかなと(笑)。アラムは猪突猛進で純粋なので、いろいろ計算してしまったら、今のアラムにはならなかったと思いますね。
※ゲームでは必殺技を使用する際に必要になるもの。魔力や力の源のような生命の根源でもある。
──アラムと一緒に新鮮な気持ちを味わっているような?
山下:そうですそうです!『チェンクロ』では、“絆の力”が重要になっていますが、「どのくらい重要なんだろう?」と、最初はフワッとした認識しかありませんでした。実際にゲームをプレイしてみると「マナってそんな重要なんだ!」って気づきましたよ(笑)。アラムと一緒に『チェンクロ』を学んでいく感じですよね。
アラムがユーリや仲間たちからいろいろと教わりながら成長して、そして僕自身も『チェンクロ』の世界でのマナの役割を知ったり、「闇ってこんなにえげつないのか……」ということをアラムと一緒に知っていきました。ほんとにこのスタートで良かったなと思います(笑)。
──アラム視点で見ていくと、そういう気づきが多い作品でもあると思います。
山下:『チェンクロ』をアニメで知った人がたくさんいると思うんですけど、そういう人たちの疑問や興味を持たせる要素がたくさんありますよね。僕も「このキャラクターってどんなバックボーンがあるんだろう?」って気になることが回を重ねていくごとに出てきて、アニメを見ることでゲームにも興味が出てくるんですよ! 短い登場時間でもそのキャラクターのことが気になったりする作りになっているので、いいなと思いながら見ていました。
自分の気持ちで行動するところが魅力
──山下さんが考えるアラムの魅力は何ですか?
山下:とにかく素直でまっすぐなところが彼の魅力だと思っています。「俺はこうだと思うからやるんだ!」と、自分の気持ちで行動するところが魅力的ですよね。裏がない真っ直ぐで純粋な気持ちは、人を動かす力があると思うんです。その迷いのない言葉や目線って、普通はどこかで迷いが出てしまうものなんですけどね。
でも彼は、強い意志や信じる心でそれを貫ける。めちゃくちゃかっこいいなと思いますね。信じたことに真っ直ぐ向かっていく力が誰よりもあるし、それが最初から最後までブレない。そして、それを支えてくれる仲間がいるからこそ、ブレずに行えていて、お互いにいい関係を築けているのがいいですよね。嫌味がなく、ただただ自分の信じた道を全力で突き進むというのが、彼の魅力なんじゃないかなと思います。
──ユーリがいなくなって「どうしよう?」とみんなが悩んでる中、アラムだけは何も変わらずに突き進んでいくところがかっこいいですよね。
山下:「細かいことはいいからとにかくやるんだよ!」っていう感じはいいなと思いましたね(笑)。
──「ヘクセイタスの閃ってなんだろう?」という意見も多かったのですが、アラムが持っていたという王道な展開も好きでした。
山下:なぜアラムに「ヘクセイタスの閃」があるのかということもすごく気になっているんですが、そこは明かされていません。でも、彼には普通の人には無い何かがあるんだろうなと思っています。そのあたりも妄想が膨らみますよね。
ドラゴンはやっぱり少年心がくすぐられる!
──ちなみに、山下さんの好きなキャラクターは誰ですか?
山下:僕が印象に残ってるキャラクターはブルクハルトですね。アフレコが始まった当初から「オリジナルキャラクター仲間だ!」と親近感を寄せていました(笑)。オリジナルキャラクターがアラムとブルクハルトしかいなかったので、ブルクハルト役の川原慶久さんと話していたら意気投合してたんですよ! と思っていたらすぐ闇落ちしてしまって切なかったですね……。川原さんも「お前もこっちに来いよ」「こっちはいいぞ、楽しいぞ!」と闇落ちしたみたいに楽しそうでしたが(笑)。オリジナル仲間ということもあって、やっぱりブルクハルトが印象深いキャラクターでしたね。
──あんなにすぐ闇落ちするなんて誰も思っていませんでした(笑)。
山下:びっくりですよ! 気持ちいいぐらいの闇落ちをしていて、あの落ち方はきっと川原さんも演じてて楽しいだろうなと思いましたね(笑)。なんか清々しいくらいに叫んで、川原さんも自由に気持ちよく演じてらっしゃったので、そういったところでもブルクハルトは忘れられないキャラクターだったなと思います。
──(笑)。好きなシーンはいかがでしょう?
山下:ムジカ(CV:東山奈央さん)の歌のシーンが印象的でしたね。ああいう歌ってザ・ファンタジーって感じでいいですよね。曲と戦闘とのコラボが大迫力で、この世界の中で歌の力ってすごいんだなと感じました。東山さんの声も相まって素敵な曲になっていて、印象深いシーンでしたね。
あとは、ドラゴンの戦闘シーンも印象に残ってます!
──ケマミレvs黒の王ですね!
山下:「やっぱりドラゴンって20後半になっても興奮するな!」って思いましたね(笑)。僕にとってもドラゴンは、少年心をくすぐる存在だったので、未だにその気持ちがあるんだなと思い知らされました。魔法陣からレーザーが吹き出してくるところも「最高だな!」と思いましたよ! かっこよかったなー。ああいうド派手なアクションはいいですよね。
「ここ好きかも!」と思える部分を見つけてほしい
[インタビュー/石橋悠]
1989年(平成元年)生まれ、福岡県出身。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者兼ナイスガイ。アニメイトタイムズで連載中の『BL塾』の書籍版をライターの阿部裕華さんと執筆など、ジャンルを問わずに活躍中。座右の銘は「明日死ぬか、100年後に死ぬか」。好きな言葉は「俺の意見より嫁の機嫌」。
1989年(平成元年)生まれ、福岡県出身。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者兼ナイスガイ。アニメイトタイムズで連載中の『BL塾』の書籍版をライターの阿部裕華さんと執筆など、ジャンルを問わずに活躍中。座右の銘は「明日死ぬか、100年後に死ぬか」。好きな言葉は「俺の意見より嫁の機嫌」。