TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』千葉翔也×M・A・O対談―佐倉が活躍した4~6話で二人が想ったコト
2017年7月より放送開始となった『よう実』こと、TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』(原作:衣笠彰梧/キャラクター原案:トモセシュンサク)。
アニメイトタイムズでは、本作の連載企画「ようこそ実力至上主義の広報室へ ~すべての人間は生まれながらにして知らんことを欲す~」を毎週掲載中。『よう実』に出演する声優陣をはじめ、アーティストやスタッフへ作品について、たっぷりとお話を伺っていく内容となっています。
今回の第6回目に登場していただくのは、主人公 綾小路 清隆役・千葉翔也さんと佐倉 愛里役・M・A・Oさん。お互いが演じるキャラクターの印象をはじめ、M・A・Oさん演じる佐倉が主に活躍した4話~6話にかけてのエピソードまで存分にお話いただきました。
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【第1回】千葉翔也さん×鬼頭明里さん
【第2回】千葉翔也さん×鬼頭明里さん
【第3回】千葉翔也さん×久保ユリカさん
【第4回】鬼頭明里さん×梅原裕一郎さん
【第5回】ZAQさん×Minamiさん
イマココ⇒【第6回】千葉翔也さん×M・A・Oさん
――M・A・Oさんはこの対談が初登場になります。原作を読んだときはどう思いました?
M・A・O:とんでもない学校ですよね(笑)。いい意味でも……なんですけど。ポイント制にしても、そんなに甘い話はないぞ!といった感じで。就職率が高いということもあって、社会に出るまでの学校として「すごいな!」と思いました。
――本当の社会は甘くないですからね。理不尽ですから。
千葉:重い(笑)。
M・A・O:でも、そういう理不尽なところをうまく突破していくぞという感じですよね。しかも綾小路くんの雰囲気もあって、じわじわと静かに、みんなに分からないように進んでいっているところが、面白いなと思いました。
――M・A・Oさんは、佐倉を演じるにあたって考えていたことはありますか?
M・A・O:極度の人見知りで、自分の殻に閉じこもっているんですけど、アイドルをやっているところのギャップがポイントだと思いました。あとは綾小路くんに勇気づけられて、言葉をそのまま受け取っているのを見ると、本当に素直な女の子なんだなと感じました。
思うことはあるけれど、うまく言葉にできない。言葉にしようとしても性格上あまり強く言えない。それが徐々に言えるようになっていくところを、きちんと表現できるように心掛けて演じさせていただきました。
――やっていくうちに、徐々に変化が出るような感じを意識して?
M・A・O:そうですね。「かわいい子なのでそのかわいさは残しつつ、引っ込み思案な感じでお願いします」というディレクションをいただきました。
――お互いのお芝居の印象はどうでしたか? 4~6話は絡みも多かったですが。
M・A・O:綾小路くんは不思議な方だと思いました。常に脱力していて、目もどこを見ているんだろうという感じで(笑)。でも、受け取る側からすると引っかかるところがあるので、魅力的だなと思っていました。
――でも、佐倉には結構いいことを言っていませんでした?
千葉:佐倉の前だとすごくカッコいいんですよ!
M・A・O:はい、いいことを言ってくださるんです(笑)。
千葉:いつもと変わらないはずなのに、佐倉と並ぶとカッコ良く見えるし、佐倉も綾小路も目を合わせてなさそうなのに、不思議な会話をしているなって思いました。ストーカーのところも、綾小路らしからぬカッコ良さだったんですよ。あれは佐倉が引っ込み思案だから、際立って良く見えているのかなって思ったりもしたんですけど……。
――千葉さん的に、佐倉の声に関しては?
千葉:さっきおっしゃっていたように、暗くなりすぎないように、かわいいままっていうのは感じていました。原作で読んだとき、極度のコミュ障で本当に会話ができない子のように感じていたんですけど、声が付いたことで、この子は心を開けば普通にかわいいグラビアアイドルなんだろうなって。
明るい部分も見えたので、そういうところで綾小路としても話をしやすい部分があったのかなと感じました。ほかの作品などでいるような、いわゆる引っ込み思案キャラとは、ちょっと違う感じはしましたね。暗いわけではなく、ただしゃべるのが苦手。でも、グラビアアイドルをやっているということは自信がないというより、二面性があるのかなって。そう思うと不思議なキャラクターですよね。
――二面性はありそうですよね。
M・A・O:でも、アイドルっぽいところは写真だけなので、もしそういうシーンがあったらどうしようと、ドキドキしています(笑)。
――2人の会話で、さっき綾小路がカッコいいと言っていましたが、千葉さんは意識してそういう風に言っているわけではない?
千葉:結構声色に出過ぎたときは、そんなに優しくしなくて大丈夫ですってディレクションは受けましたね。綾小路は普通に思ったことを言っているだけで、それに佐倉が勇気づけられているだけなので「狙って言わないでください」とは言われました。
なのでいつも通りなんだけど、佐倉が引っ込み思案であることにネガティブな感情がないというか。堀北と違って佐倉は素直なので、僕としてはしゃべりやすいところはありました。
M・A・O:佐倉は作中で他の人物とあまりしゃべっていないんです。今回の件がキッカケで綾小路くんに心を開いたんですけど、そこに違う誰かが入ってくるとガシャンとシャットアウトするところは、意識しています。ディレクションでも、主に櫛田さんに対してなんですけど、「怖がっているところがあるので、ぎこちなくお願いします」と言われています。
4~6話にかけての佐倉の活躍について声優陣が想ったこと
――佐倉にとっては櫛田が一番怖いでしょうね。では、4~6話のシーンで気になったシーンはありましたか?
千葉:最初、綾小路を演じているときに、おぉ!って思ったのがストーカーから佐倉を助けるシーン。あそこは綾小路らしいなって思いました。すんなり助けるところとかは、2話で堀北を助けたところと似ているなって。押し付けがましくないところがいいですよね。
――カメラの修理で、さり気なく綾小路が自分の名前を書くところとか……
千葉:でも結局、彼は(6話で)襲ってくるんですけどね。あのシーンの収録現場は、めちゃめちゃ面白かったんです。
M・A・O:店員さんの役の方が、すごく丁寧に役作りをしてくださっていました。最後連れて行かれるところでの変わりよう、二転三転するところが「おぉ~!」という感じで、印象に残っていますね。
千葉:インパクトがめちゃめちゃすごかったんですよ。
M・A・O:絵コンテの段階からすごかったですよね?
千葉:コンテ撮(※1)で一人だけ、作画が違ってた(笑)。
M・A・O:目の動きとかも、すごく細かくカットで入っていました。
千葉:もう演技が怖すぎて、みんなで笑っちゃっていましたね。
M・A・O:何でしょう……ホラー作品は、現場が面白ければ出来上がりが怖い!みたいなことに似ているのかなと思いました。
※1コンテの絵素材で撮影(音声収録)すること。
――でもM・A・Oさん自身も、綾小路にちょっと惚れちゃうところもあったんじゃないですか?
M・A・O:そうですね。ああやってスッと助けてくれるとカッコいいな!と思ってしまいますよね。ヒーローっぽく助けてくれるのもいいと思いますが、それとは違う感じの、スマートなカッコ良さですね。
千葉:佐倉のおかげで、綾小路がカッコよく見えて、ありがたいです。あと5話なんですけど、堀北学が佐倉に「証明しなけれなければ、ただの戯言だ」って言うところも、この作品っぽいなと思いました。(証明しなけれなければ)言った者勝ちになっちゃう世の中だよねって、ちょっと思いました。
審議後の廊下で、学があえてイヤな奴っぽいことを言って揺さぶってきているところが面白くもあり、佐倉的には、それを言われたら言い返せないよなってところでしたね。
M・A・O:せっかく勇気を出したのに……。
――佐倉のモノローグから始まった6話でしたが、いかがでした?
M・A・O:モノローグは、佐倉が自分に言い聞かせていたりもするのかな?という気持ちでやらせていただいていたんですけど、あのあたりの綾小路くんの対応もカッコよかったですね。
千葉:教室で「気負う必要はないんだぞ」みたいなことを言っていましたね。それを掘北とかに言うと、私には合わないって言われそうですけど、佐倉みたいな子だとピッタリ来るのかなぁって。
――佐倉の中で綾小路の株は上がっていますが、決して千葉さんの株が上がっているわけではなないですからね(笑)!
千葉:わざわざそれを言わなくても! いや、危なかったぁ、勘違いするところでした(笑)。でも、この話のあとから、佐倉はちょくちょく綾小路にアプローチしてくるんですよね。
M・A・O:そうですね、デートに誘う練習とかもしていたりするので、そういうところが素直だなと思います。
――あと4~6話だとA~Cクラスが出てくるんですよ。ほかのクラスについて気になるところはありました? ここに入りたいとか。
千葉:龍園さん、どうですか?
M・A・O:龍園さんですか! すごいなと思います(笑)。各クラスのリーダー的なキャラクターにはそれぞれ色があるじゃないですか。Bクラスは天使のような一之瀬さんがいて、その仲の良さがあり、龍園さんのCクラスはあの絶対的な支配感が……。個人的に入りたいのはBクラスかなと思います。Aクラスは、選ばれし方たちみたいな感じがするので。
――逆に、龍園が率いるCよりも低いDクラスっていうのが、どれだけなんだって思いましたね。
千葉:そうですよね。アルベルトに指示を出す龍園さんとか、面白いですから。
M・A・O:アルベルトさんがまたいい声なんですよね(笑)。だから余計に4話のカラオケのシーンで「あぁ、炭酸水」と思うんです。
――その炭酸水、作中では「NERRIER」になっていましたね。タワーや、石崎に炭酸水を頭からかけるシーンは確かに面白かったです。千葉さんは入りたいクラスはありますか?
千葉:僕の性格上、Bクラスも厳しいなって思うんです。いい子たちすぎるというか。それこそ櫛田のような感じで、裏があるのではないかと勘ぐってしまいますね。特に一之瀬とかは。
M・A・O:そこが人間の複雑なところですよね。
千葉:なので、Aクラスで頑張ろうかなって。頑張ったら認めてくれそうだし……(笑)。
――ちなみにM・A・Oさんの気になるキャラクターというと?
M・A・O:高円寺さんが気になっています。本当に素敵です!
千葉:大人気だ。
M・A・O:何があっても曲がらず、友は鏡の中の自分!みたいな感じが、いいなと思います。
千葉:タイプですか?
M・A・O:う~ん、見ていたいだけですかね(笑)。
――でも、ここは綾小路ではなかったんですね。
M・A・O:すみません。
千葉:残念です……。
M・A・O:迷いなく言ってしまいました……(笑)。
千葉:でも、回を重ねることに、ひと言のインパクトがありすぎなんですよね。それで高円寺人気が高まってますね。
M・A・O:まだ放送前なんですが、私はもう、8話のセリフが衝撃的でした(笑)。
千葉:あそこはテストで、みんな爆笑でしたからね(笑)。毎回アフレコ前に台本を読んでいて、たぶん面白い言い方をするんだろうなって予測しているんですけど、岩澤さんがそれを超えた個性で来るので、すごく楽しみなんです。ぜひ、8話を楽しみに待っていてほしいですね。
――千葉さんは、堀北推しはブレずに。
千葉:そうですね。佐倉が気のある素振りを見せているときって、僕は演技をしていて綾小路のようになっているので、何とも思ってないんですよ。でも台本を読んでいるときは、かわいらしい子だなとは思っています。あと、忘れてはいけないのが、6話の最後で、綾小路が施設みたいなところにいた過去が出てくるんですよ。怖い顔の綾小路。
M・A・O:次のお話は綾小路くんのことを深く掘り下げるのかなと思ったら、全然違いました(笑)。
――本当に探っちゃいけないんだなと思いました。
千葉:あれはびっくりしました。原作でも出ていないことだし。
――その流れで、第7話の見どころというと?
M・A・O:私は最後の堀北さんが好きです。もう本当にかわいい!と思いました。あとは男性陣ですね。真面目にやればやるほど面白い。あのチームワークと下準備を見ると、なぜそれを勉強に向けられないのかと(笑)、ちょっと思いました。
千葉:女性キャストはどういう気持ちで見ていたんだろうと思いました。
M・A・O:本当にあったらニュースものですよね(笑)。
千葉:普通に逮捕ですね(笑)。
M・A・O:あと、須藤くんが頑張るところがあるんですけど、そこがかわいかったです。
千葉:やっぱり男性陣のイキイキとした感じが出ているので、このへんでDクラスのみんな、かわいいなと思えてくるというか。問題児なだけではなく、親しみやすさもあったりするんだなって思いましたし、綾小路も友達っぽく連帯感があったのが、ちょっと演じている側として「良かったね」って思うところはありました。
M・A・O:堀北さんの電話を切るところも素敵でした。
千葉:あそこの綾小路も、真剣に誘うんですよ。なので「どうした綾小路?」って思っていただけたらうれしいですね。珍しい綾小路が見れるかもと期待させて、その先どうなんだ?ってところをぜひ、見てほしいです。
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【第1回】千葉翔也さん×鬼頭明里さん
【第2回】千葉翔也さん×鬼頭明里さん
【第3回】千葉翔也さん×久保ユリカさん
【第4回】鬼頭明里さん×梅原裕一郎さん
【第5回】ZAQさん×Minamiさん
イマココ⇒【第6回】千葉翔也さん×M・A・Oさん
作品情報
【放送情報】
AT-X:毎週水曜 夜11時30分~
【リピート放送】
毎週金曜 午後3時30分~
毎週日曜 朝8時30分~
毎週火曜 朝7時30分~
TOKYO MX:毎週水曜 深夜1時05分~
テレビ愛知:毎週水曜 深夜2時35分~
KBS京都:毎週水曜 深夜1時05分~
サンテレビ:毎週水曜 深夜1時30分~
TVQ九州放送:毎週水曜 深夜2時35分~
BS11:毎週金曜 夜11時00分~
【スタッフ】
監督:岸 誠二 × 橋本裕之
シリーズ構成:朱白あおい(ミームミーム)
キャラクターデザイン:森田和明
アニメーション制作:Lerche
製作:ようこそ実力至上主義の教室へ製作委員会
【キャスト】
[Dクラス]
綾小路清隆 千葉翔也
堀北鈴音 鬼頭明里
櫛田桔梗 久保ユリカ
佐倉愛里 M・A・O
軽井沢恵 竹達彩奈
平田洋介 逢坂良太
高円寺六助 岩澤俊樹
須藤 健 竹内栄治
池 寛治 阿部大樹
山内春樹 岩中睦樹
幸村輝彦 郷田翼
[Aクラス]
坂柳有栖 日高里菜
葛城康平 日野 聡
[Bクラス]
一之瀬帆波 東山奈央
神崎隆二 若山晃久
[Cクラス]
龍園 翔 水中雅章
伊吹 澪 小松未可子
[生徒会]
堀北 学 梅原裕一郎
橘 茜 小原好美
[教員]
茶柱佐枝 佐藤利奈
星之宮知恵 金元寿子
【音楽情報】
・OP:ZAQ「カーストルーム」(2017年8月9日発売)
・ED:Minami「Beautiful Soldier」(2017年8月23日発売)
【STORY】
この社会は平等であるか否か。真の『実力』とは何か――。
東京都高度育成高等学校。それは徹底した実力至上主義を掲げ、進学率・就職率100%を誇る進学校である。そこに入学して1年Dクラスに配属された綾小路清隆だったが、学校は実力至上主義の看板とは裏腹に、生徒に現金と同価値のポイントを月10万円分も与え、授業や生活態度についても放任主義を貫く。夢のような高校生活の中で、散財を続け自堕落な日々を送るクラスメイトたち。
しかし、間もなく彼らは学校のシステムの真実を知り、絶望の淵に叩き落とされるのだった……!
落ちこぼれが集められたDクラスから少年少女たちが見出すものは、世界の矛盾か、それとも正当なる実力社会か。