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実写映画『鋼の錬金術師』山田涼介、朴璐美対談!エド役二人がハガレンへの愛と絆を語る

山田涼介×朴璐美、2人のエドが語るハガレンへの愛と絆――実写映画『鋼の錬金術師』エド&エド対談

2017年12月1日に公開となる実写映画『鋼の錬金術師』(以下、『ハガレン』)。主人公エド役の山田涼介さん(ジャニーズ事務所所属、Hey! Say! JUMP(ヘイ! セイ! ジャンプ))と、同作のアニメシリーズでエド役を演じた朴璐美さんによる、実写版エドとアニメ版エドの主役対談インタビューをお届けします。

以前、曽利文彦監督も一緒の集まりで初めて会ったという山田さんと朴さんは、すっかり打ちとけた関係。役者としてお互いを尊敬しあう姿からは、共通の役を演じたという絆を感じました。インタビュー中、つい熱くなったり、ストレートな気持ちを話したりという様子は、エドのキャラクターそのもの。山田さんと朴さん、2人のエドが語る『ハガレン』への思いをお届けします。

 

エド役のオファーがあったとき、好きだからこそ悩みました
――まずは、映画をご覧になっていかがでしたか?

実写映画『鋼の錬金術師』エド役/山田涼介さん(以下、山田):率直に「すごいものを見たな」という気持ちです。ワクワク感と、高揚感と、そしてプレッシャー。

プレッシャーは常に感じていますが、撮影のときよりも公開が間近に迫っている今のほうが感じているかも。ドキドキしているけれど、早くみんなに見てほしいと思っています。

アニメ「鋼の錬金術師」 エド役/朴璐美さん(以下、朴):私も緊張しながら試写を見ましたが、まずスクリーンの中に鋼の錬金術師のキャラクターたちがいるということが印象的でした。

そこには、エドが立っていたんです。命がけ・全身全霊ですべてを背負っている山田くんの姿は、まさしくエドでしたね。彼が作品を引っ張っていることに胸が熱くなりました。

――山田さんはエド役のオファーがあった時、少し悩んだとか。

山田:本当に好きな作品でしたから。荒川弘先生の原作とテレビアニメのシリーズは初めの頃から見ていて。だからこそ、やりたい気持ちとやりたくない気持ち、両方がありました。オファーを頂いたときに「どうやって、あの世界観を表現するんだろう」と悩みましたね。

でも、このエドという役は僕にしかできないだろうし、他の人にやらせたくないという気持ちが強かったんです。僕が完璧に頑張って演じるからと、やらせていただいた役です。24年間という僕の人生をすべて注いだ役であり、作品となりました。



――山田さんにとって、『ハガレン』の魅力はどんなところでしょう。

山田:大人も子供も、みんな楽しめるところですね。アクションやバトルシーンなど、少年マンガとして面白くて大事な要素がありつつ、ストーリーは大人向けだと思っています。話が展開していくうちに主軸となるキャラクターも変わっていき、それぞれのバックボーンもしっかり描かれていますよね。

そして、何か弱い部分をぐっと握られるシーンもいっぱいある。それでも惹かれるのは、人間の本質を描いている作品だからだと僕は思っています。誰もが持っている、人としての根本的な部分が描かれているから、子供も大人も入りやすい作品なのではないかな。

――生と死、そして欲望や希望という人間の存在そのものが描かれていますよね。朴さんはいかがでしょうか。あらためて、『ハガレン』の魅力とは。

朴:人が生きていく上でシンプルなことを、『ハガレン』は伝えてくれます。でもシンプルだからこそ、難しくてエネルギーが必要です。荒川先生のカッコつけない、むき出しの生きるエネルギーのようなもの、そして美学が詰まった作品なのではないかなと思います。そこが、人を惹きつける。

私もエドを演じるときは、ものすごくエネルギーが必要でしたし、読んでいる・見ている側もエネルギーが求められますよね。

実は生きることって、疲れるものでもあります。でも、そこから逃げちゃいけない。

――まさに、エドの名セリフ「立って歩け、前へ進め」ですね。

朴:いまだに私も分からないところですが、人の心をぎゅっと捕まえて、震わせて、抱擁と共に放り投げられるというような、そういうところが『ハガレン』の魅力なのではないかなと思います。

山田:本当に天才ですよね、荒川先生は。

朴:荒川先生に……、ハガレンというすごい魔物を産み出しちゃった自覚はおありですか?って、問いたいくらいにね。

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エドを演じた者にしか分からない苦労とは?
――そんな作品の主人公であるエドを演じたお2人ですが、お互いの印象について教えて下さい。

山田:璐美さんは、エドです。僕がずっと見てきたエドは璐美さんだから、やっぱりエドですよね。初めて会ったときは、どうしようかなってそわそわしていました。

性格もすごくエドに似ていて、かっこいいんです。実写化に対しての素直な気持ちも、試写を見た後の感想も、いろいろと考えた上で感じたことを変換せずに、そのまま話してくださいました。僕としては、ありがたかったです。

朴:山田くんのことは、最初会ったときから「なんて目がキレイな子なんだろう」と思いました。本当に「目は心の窓」とはいうもので、とてもまっすぐな目が印象的でしたね。全身全霊でこの作品を背負おうという気持ち、背負っている気迫がバンバン滲み出ていて。何かを共有したがっている、と受け取ったんです。

だから私も、このまっすぐな目に対しては嘘偽りなく、自分が思ったことをきっちり伝えた方がいいのだなと思いました。そのくらい、目の奥に何かがある子だなと感じています。

山田:璐美さんとは、エドを演じた者同士でしかできない会話もいっぱい話せたので、とても嬉しかったですね。

――エド同士の会話とは?

朴:……あれ、あれだよね。

山田:あれ、ですよね。言葉にするのが難しいのですが、エドを演じた者にしか分からない苦労があるんです。僕が今まで演じてきた役のなかで、間違いなく一番大変だった。エドという役を演じることの難しさ、大変さ。それはね、多分誰にも分からないんだろうなということを話しました。

――山田さんと、朴さんにしか分からない。

朴:エドを演じることは、いろんなものをずいーーっと「持って行かれる」んです。ものすごいブラックホールのような吸引力を持っている作品なので、ハンパない熱量が必要になってきます。

――エドを演じる時は、どのようなことを考えていましたか。

山田:僕は正直、深くは考えないことを大事にしていました。もちろん見た目を寄せることや原作やアニメを見直すなど、自分にできることは準備をした上で臨んでいます。

でも、現場に立つ人間は僕です。原作のエドでもアニメのエドでもない、山田涼介のエドとして現場には立たなくてはならないから。僕が選ばれた意味がなくなってしまうので。

やっぱりそこには、どうしてもオリジナリティが必要になってくる。だから、あまり深く考えないようにしていました。現場で起こること、すべてに対して真摯に向き合って、リアクションするということを大切にしていましたね。

朴:私がエドを演じるときは、荒川先生が生みだした『ハガレン』という魔物に「みーつけた」と指さされたような感じでした。「おめーのエネルギーと体を貸せや! まさぐらせろや!」というような強引さ。もう、「どうぞ」と自分を差し出すしかないという感覚でした。

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エドとアルの兄弟ゲンカは、一番見てほしいシーン
――試写を拝見しましたが、派手なアクションシーンも多く、ハラハラしました。撮影で一番大変だったのは、どのシーンでしたか?

山田:アルとのケンカのシーンですね。撮影のときはアルの身長は2メートル20センチ。その高さを想定して動く必要がありました。パンチがね、普通の感覚でやっていると届かないんですよ。

朴:すごかったよ、あのシーン。あの現場に、鎧の姿であるアルはいないわけでしょう? 私には、理恵(アニメシリーズでアルフォンス役の釘宮理恵さん)がいたもん。よくやったねぇ。

山田:ありがとうございます!がんばりました。

あのシーンは、オートメイルの右手ではなく素手の左手で殴るという重要なところ。「左手でカッコよく決めるにはどうしたらいいだろう?」と、家でひたすらシャドウボクシングをやり、見え方を研究しました。

――ストーリーとしてもエドとアル、そしてウィンリィの本音が重なり合い盛り上がるシーンでした。

山田:真夏の撮影だったこともあって、40度超える室内の中でスタッフさんも汗だくで頑張ったシーンです。僕は集中しすぎて、その暑さをまったく感じないくらいで。本当にみんなが大変でしたけど、アルがいる完成された映像を見てすごく満足しました。あのシーンは一番見てほしいところかなと思いますね。

――アルフォンスはフルCGとのことですが、エドのオートメイルもすべてCGで描かれているのですか。

山田:CGではないところが、一箇所だけあります。そのシーンのためだけに、リアルなオートメイルを作っているんです。めちゃくちゃ高いそうなのですが、あのシーン1カットのためだけに作られている。そういうところにも、原作に対してのリスペクトや愛をスタッフさんから感じますね。だから僕も、撮影のときはとても大事に扱いました。

 

エドとアルの兄弟の絆、そして『ハガレン』がつないだ多くの絆を見てほしい
――『ハガレン』は、兄弟や親子、上司や部下、友達、幼なじみとたくさんの絆が描かれます。実写映画のストーリーは、よりエドとアルという兄弟の絆にフォーカスされていました。最後に、お2人が映画を通して感じた絆について教えてください。

山田:監督との絆でしょうか。僕はいつも、現場で撮影に必要なこと以外を監督と喋るということはないんですよね。

だけど曽利監督とは、クランクインしてすぐに『ハガレン』への愛を語り合いました。作品に対して僕が抱える、うざったいくらいの熱を浴びせてしまいましたが、監督は一緒になって答えてくれました。そこで、すごく絆を感じましたね。

朴:2010年に原作の連載とアニメの放送が終わり、7年経ったこのときに『ハガレン』の実写化が実現するということ。熱量がハンパない曽利監督と本当にとんでもないエネルギーを持っている山田くんが、ガチンコでできるタイミングを待っていたのかもしれないなと思っています。

曽利監督ですので、CGアクションや映像技術は見どころの一つです。さらにストーリーもじっくり掘り下げてあり、鋼愛がハンパないなと感じました。アルとエドの兄弟愛含め、『ハガレン』はやっぱり絆なんだよねということを改めて思いましたね。とにかくみなさんの「鋼の錬金術師に対するエネルギーがパねえな」と。

――実写映画と原作にアニメ、すべての『ハガレン』に関わる方たちの絆が集結した作品だと思います。劇場公開が待ち遠しいです。ありがとうございました。

(取材・構成・文/マチコマキ)

 
作品情報

映画『鋼の錬金術師』
12月1日(金)ロードショー!

●概要
本作は、月刊「少年ガンガン」(スクウェア・エニックス刊)で2001年~2010年に渡り連載された、荒川弘氏による大人気コミック『鋼の錬金術師』(略称:『ハガレン』)の実写化作品。エド役の山田涼介さん、ウィンリィ役の本田翼さんら豪華キャストが集結。監督はジェームズ・キャメロン監督の下『タイタニック』(1997)のCGを手掛け、『ピンポン』(2002)で日本映画の新たな扉を開いた曽利文彦氏です。

●STORY
全世界待望のファンタジー超大作、兄弟の絆を懸けた冒険が始まる!
運命に挑む兄弟エドとアル。幼き日に最愛の母を生き返らせようと、禁忌の術を犯したエドは手脚を失い、アルは魂だけの鎧の身体になった。必ず弟の身体を取り戻す――そう決心し、鋼の義肢、オートメイル(機械鎧)を身に着けたエドは、 “鋼の錬金術師”と呼ばれる国家錬金術師となる。
身体を取り戻す唯一の手がかりは、謎に包まれた「賢者の石」。伝説を求めて旅をする二人は、やがて国家を揺るがす恐大な陰謀に巻き込まれていく…。壮大な旅の果てに、待ち受ける驚愕の真実とは? 兄弟の絆を懸けた、超ド級の冒険がいま始まる!


●キャスト
山田涼介 本田 翼 ディーン・フジオカ

石丸謙二郎 原田夏希 内山信二 夏菜
大泉 洋(特別出演) 佐藤隆太/小日向文世/松雪泰子

●スタッフ
原作:「鋼の錬金術師」荒川 弘(「ガンガンコミックス」スクウェア・エニックス刊)
監督:曽利文彦
脚本:曽利文彦 宮本武史
音楽:北里玲二
主題歌:MISIA「君のそばにいるよ」(アリオラジャパン)
製作:映画「鋼の錬金術師」製作委員会
制作プロダクション:OXYBOT
配給:ワーナー・ブラザース映画
©2017 荒川弘/SQUARE ENIX ©2017 映画「鋼の錬金術師」製作委員会

>>映画『鋼の錬金術師』公式サイト
>>映画『鋼の錬金術師』公式ツイッター(@hagarenmovie)
#ハガレン

(C)2017 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2017映画「鋼の錬金術師」製作委員会
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