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『ワンピース』プリン役・沢城みゆきさんが感じた結婚相手としてみるサンジの印象とは

『ONE PIECE(ワンピース)』プリン役・沢城みゆきさんが感じた結婚相手としてみるサンジの印象とは/「シケモク サンジの結婚前夜」放送記念インタビュー

毎週日曜午前9時半に放送中のTVアニメ『ONE PIECE(ワンピース)』。12月10日(日)は、原作でも話題になった第817話「シケモク サンジの結婚前夜」が放送されます。ホールケーキアイランド編で、キーとなる人物シャーロット・プリンの真の姿が見られる衝撃の展開は必見です!

原作は週刊少年ジャンプ(集英社)にて連載中の尾田栄一郎先生による少年マンガ。今年2017年は、原作連載開始から20周年を迎えます。1999年よりスタートし、放送18年目となるアニメは今や国民的アニメと呼ばれ、高い人気を誇るロングシリーズ作品です。

結婚前夜に婚約者・プリンに会いに行ったサンジ(CV:平田広明)だが、何故かそこにサンジの姉レイジュ(CV:根谷美智子)がいて……? そして追い打ちをかけるように、サンジは衝撃の真実を知ることに!

本稿では、シャーロット・プリン役の沢城みゆきさんにインタビュー。プリンを演じる沢城さんの現在の率直なお気持ちを語っていただきました。

 

プリンはクラスのマドンナ?! 演じる上でのイメージ
――TVアニメ『ONE PIECE』に参加し、プリン役を演じることになった時のお気持ちをお聞かせください。

プリン役・沢城みゆきさん(以下、沢城):『ONE PIECE』は声の仕事をさせていただいているからには、一度は出演できたらいいなと思う国民的アニメひとつだったので、やっと参加させていただけるんだなという感じでした。ただ、最初からプリン役でオファーをいただいて、「いや、オーディションをして欲しい」というやりとりはあったんですけどね。

プリンは見た目のイメージ通りの可愛らしさだけじゃない、いろんな顔を持っているキャラクターであるということだったので「本当に全部表現できるかな」という気持ちがあったので、最初は不安な要素の方が多かったですね。

 
──プリンのような幅の広いキャラクターを演じる際に、沢城さんご自身はどんな意識で取り組まれたのでしょうか?

沢城:原作が現在進行中で、まだホールケーキアイランド編の結末も見えていないので、プリンは逆算して演じられるキャラクターではないんです。

しかも読み進めていくごとに、いろんな面が出てきて、全部をわかって始めるというよりは、今日の話数の今日のプリンの印象を素直に受け取って、それを全力でやるということを続けていけば、つぎはぎしていった先でプリンというキャラクターが完成されていくのではないかなと。

サンジにプロポーズしてもらった時には、本当に心からドキドキしていればきっとそれが正解で、あえてそういう姿勢で臨んでいきました。

 
――レイジュとのやりとりのシーンでは、プリンの別の顔が見えますけど、実際に演じられてみていかがでしたか?

沢城:ちょうどその話数の辺りの収録で、シリーズディレクターさんと話していて「沢城さんが今やってくれたのだと、アサシン(暗殺者)すぎる」って言われました。

「学校の休み時間中に教室を離れていて、うっかり忘れものを取りに行ったら、クラスのマドンナが自分のことをすごくバカにしているっていう。見ちゃいけない顔を見ちゃったというぐらいのラインでいきましょう」って言われて、「なるほど!」って思いました。

 
――わかりやすい表現ですね。

沢城:なので、あくまで制服を着たクラスのマドンナをイメージして演じました。毒を吐いていたりすると、みんなそっちを本性だと言いたがるんですけど、実はそれこそ強がっているというか、自分が作り上げてきた「誰にも負けない私」という虚像のような印象が今ではありますね。

――プリンは様々な感情が見えてくる複雑なキャラクターですが、その辺りは考えないようにして、その時のプリンを演じているんですね。

沢城:そういった表に出ていない要素を引っ張ってきて演じるよりも、ひとつひとつのクオリティーで見せていくことを心がけました。アニメは原作よりも少しゆっくりと描いていくので、原作だと、小さいコマでの台詞でも、アニメはアップでカチッと抜かれてお芝居することがあります。

なので、その時にあくまでも原作状況で一貫性を持たせて演じるよりも、まずはアニメとして、「このストーリーを面白くするぞ!」というような感じでいいのかなと思って、今はそういうつもりでやらせていただいています。

 
沢城さんが演じる上で大切にしていること
――プリンをどんな人物だと思いましたか?

沢城:正面から見ている時って、表情もコロコロ変わるし、設定も環境も特殊なキャラクターに感じるんですけど、

一度裏に回って彼女を知ってしまうと、ある意味で、まだ全然成長しきっていないような子供っぽさを残したままの、すごくシンプルな人だと感じました。なので、よく複雑なキャラクターと言われるのですが、私はあんまり難しさを感じていないんですよね。

作画的には、女の子としては絶対にしちゃいけない顔をしたりするんですけど(笑)その時の気持ちでいうと、ただの強がりだったり、これまで自分が下に見られて蔑まれてきた分、サンジやジェルマ66の人たちを罠にかけて、自分が上の立場にいるという高揚感を感じているだけだったりするのかなと。それならわかるな、友達になれるなと思いながら、演じさせていただいているんです。

 
――プリンを演じる上で、気をつけたところやご自身の中で、何か決め事などはありますか?

沢城:普段だと、例えば「この人を絶対に助けたい」とか、「この任務を絶対に成し遂げたい」とか、ひとつでも絶対に揺らがないものがあれば、マイク前に立てるんですけど、「さて、プリンはどうするか?」となったんですよね。

特に大きな使命があるわけでもなくて、今回が自分の家族にとって一大イベントになっているけれど、彼女の人生の中では通過点に過ぎなくて、目的地じゃない。

だから、この事件を機に、何か彼女が芯を持って生きていくのかなと、スタートラインにあたる出来事なのかなと思っています。「この先はどうしていくのかな?」というのは、友達としてはとっても楽しみです。

 
――沢城さんが役者として、キャラクターを演じる上で、これだけは大切にしていることは何でしょうか?

沢城:元気そうな役を元気そうにやらず、本当に元気にやるということ、でしょうか……。「その瞬間は本当であってくれ!」と自分に思っています。

子供の時に、ごまかされるのが苦手だったんですよね。「みんな一緒に楽しもうね!」って大人が言っているのに、「(言っている)この人は全然楽しそうな感じがしないな」って思うことがあったりしたんです(苦笑)「この人は何の責務があって、こんな状態になっているんだろうな」とずっと不思議でしたから、そこだけは嘘がないようにやっています。

 
――具体的に言うと?

沢城:私の場合、ある気持ちを表現する時に、純粋にその気持ちで「いる」よりも、少しそこにテクニックを加えるることによってより表現できるというか、持ち前の血圧の低さもあり(苦笑)気持ちだけでやると半分も伝わらなかったという過去もあるので、一概には言えないんですけど、とにかく役と同じ気持ち、血圧に(笑)なれるように努めています。

(ルフィ役の田中)真弓さんは毎回本当に熱演されていて、本当に素敵なんです。「こうなりたいなぁ……。」と思っているところなんですけど、道半ばです。

 
プリンを演じて改めて気づくサンジの魅力
――ホールケーキアイランド編で、印象に残るシーンはありますか?

沢城:今回のホールケーキアイランド編の中で、ひとつキラッと輝く1シーンって、あのサンジがプロポーズをするというシーンだと思うんですよね。

サンジはシャイだけど、レイジュの言っている通り、優しいということが彼の芯なんだなと思いました。平田さんが演じているから、かっこよく聞こえちゃうんですけど……。

かっこいい声で言わないんですよね。本当にふわっとした優しい感じで「俺でよければ、結婚しよう」って、全然キザとか、かっこいいとか、スカしている要素がなくて、ただただ優しく言われました。

 
――それが一番グッときますね。

沢城:そう! 女性にはドキュンじゃないですか。(かっこいい声で)「俺と一緒に」って言われるよりはね。


――本当の気持ちに感じますね。

沢城:ただ「結婚しよう」というセリフが「こんなに気持ちがいいものなんだなぁ……」と家に帰って主人に話しました(笑)。

 
――今シリーズで印象に残ったセリフはありますか?

沢城:(817話の)「皆殺しよ!!!」っていうセリフです。

収録時に「あくまでも私は今制服を着ていて、マドンナ」というつもりで演じていくと、「こんな感じになるんだ」と自分でも意外でした。ずっと口角が上がったまま「皆殺しよ!!!」という感じは、自分では想像できなくて、現場で自分がやってみてビックリしたので、個人的に印象に残っています。

 

ずっと士気が落ちない 楽しいアフレコ現場
――アフレコ収録現場での雰囲気やキャストについて、印象に残ったエピソードがあればお聞かせください。

沢城:新規参入組は「あの『ONE PIECE』の現場だぞ」と思うとどうしても緊張すると思うんですけど、真弓さんを筆頭にレギュラー勢の方々は穏やかで、受け入れてくださる空気がとってもあります。(ナミ役の岡村)明美さんは「おはようございま~す!」とハリのあるすごく元気な感じで現場へ入っていらっしゃいますし、(チョッパー役))大谷(育枝)さんもいつも全員の顔を一回確認するようにしながらニコニコとスタジオに入ってらっしゃいます。

長くやればやるほど、どんな仕事も日常になっていくから、社会人として毎週元気でいるって、意外と難しいことだと個人的には感じているんですが、皆さん本当に賑やかに過ごされていてすごいなと思います。

 
――そうなんですね。

沢城:真弓さんなんか、あれだけ叫ぶから毎回瀕死なんですよね。でも、休み時間は率先して、みんなでお菓子を食べたりとか、尾田先生にLINEしてみたりとか、写真撮ってみたりとか、ずっと士気が落ちない現場なんです。

長くやっていて、こんな現場作りもできるんだなと……。いつか自分がその立場になった時に、「こんな風にやれるのかな?」と思います。あの現場で疲れた顔はとてもできないですよね(笑)。やっぱり「すごいなぁ~」って思いましたね。

 
――では、わりとすんなり入っていけたんですね。

沢城:そうですね。受け入れていただいたような気はします。私は周りがどうであっても自分が緊張するから、OKが出るまでは緊張はしたんですが、ものすごく楽しく毎週仲間に入れていただいているような気はしますね。

今日も熊本から、おみかん「ONE PIECEみかん~ナミが愛したみかん~」(『ONE PIECE』と熊本県産みかんのコラボ商品)が届いて、真弓さんが「これ、美味しいんだよ。皮が薄くてさぁ~」とおっしゃっていて、それを(ブルック役の)チョーさんが胸のところにふたつ置いて写真撮ったりとか、またそのみかんを戻しちゃったりして、「チョーさん、それもう戻さないで!」とか言って……(笑)。

一同:(笑)。

沢城:(シャーロット・リンリン/ビッグ・マム役の小山)茉美さんがちょうどおみかんを食べている時に、ダメ出しが始まって、演出の方に「半分どうですか?」って……(笑)。

本当にみなさんそれぞれにマイペースに楽しみながらやってらっしゃって、いいですよね。あんまり途中でスマホを見ている人がいないのかな。それが意外と稀有な現場ですね。

 
二転三転する関係になりそうなサンジとプリン
――今後のプリンに関する見どころを教えてください。

沢城:やっぱり一番豪勢になると思われる結婚式のシーンですね。私自身も描写や音楽も含め、どれぐらい華々しく演出されるのかなと楽しみにしています。

原作を読んでいらっしゃる方々はご存知かと思うんですけど、サンジとプリンの関係がガラッと変わりだすところがありますので、「その時にプリンがどうなってしまうのか?」というところにご注目ください。

まだ二転三転する関係になりそうなので、ふたりが転がっていく様をぜひアニメの方でも楽しみにしていていただきたいですね。

 
――最後に、アニメの放送を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。

沢城:ホールケーキアイランド編は、ミュージカルシーンとか、アニメで見ていただくと、より楽しんでいただける要素がいっぱいあるシリーズなんじゃないかなと思っています。

プリンに関していえば、コロコロと表情が変わっていく様に声が乗っかることで、より魅力が増すキャラクターなんじゃないかなと思って、そうなるように演じておりますので、ぜひアニメで『ONE PIECE』をご覧ください。よろしくお願いします!

――ありがとうございました。

[取材・文/宋 莉淑(ソン・リスク)]

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(C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション
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