歌とトークのギャップが最高!? 新レーベル「T’s MUSIC」設立の豊永利行さん、アコースティッククリスマスライブをレポート
声優の豊永利行さんが自身のレーベル『T’s MUSIC』を立ち上げてから初のライブイベント『豊永利行アコースティックライブ2017☆メルマガの皆さまへ。メリクリ☆』を2017年12月24日に東京・南青山のスパイラルホールで開催。
今回はメルマガ会員向けに催されたアコースティックライブ。ステージ上にはツリーやリース、真っ赤なソファと、クリスマスの雰囲気バッチリ。豊永さんらしさが爆発するライブは、イブの素敵なプレゼントとしてファンの心を鷲掴みにしました。
今回は昼・夜2回の公演が行われたライブの夜公演の模様をレポートします。
新レーベル設立 これまでの活動を踏まえて“リスタート”の第一歩
オープニングアクトとしてギターとキーボードによるセッションが始まると、クリスマスムードにソワソワしていた観客たちも一気にステージへと集中します。
セッションでは豊永さんが『Time Machineメドレー』と語った、『C”LR”OWN』『Day you laugh』『Reason...』『MUSIC OF THE ENTERTAINMENT』のショートアレンジクリスマスメドレーを披露。豊永さんの登場を前に、ファンの高揚感が煽られます。
メドレーが終わると、場内アナウンスで豊永父(という設定の豊永さんご本人)が挨拶。これはインディーズの『豊永屋』時代のお約束ということで、ファンの皆さんも大喜び。会場を笑いで温めたところで、観客のあたたかい拍手に迎えられながら豊永さんが登場しました。
ジャケット姿で現れた豊永さん、早速『花』を披露。間奏では観客に向かって「最後までゆっくり、ごゆっくり、まったり楽しんで行ってください」と声をかけました。サビ前のキレイな高音に観客の心は一気に掴まれます。
続いて『リフレクション』ではソファに浅く座り、体を揺らしながらのびのびと歌声を響かせます。観客からは手拍子も起こり、豊永さんの歌に酔いしれます。
MCでは遅れて席に着いたお客さんに「今ね、花とリフレクションを歌ったよ」と声をかけるフランクさを発揮する豊永さん。歌っている時とは雰囲気がガラリと変わり、賑やかで軽快なトークを披露します。
ステージセットのコンセプトも『普段やらない人がすっげえ頑張ってクリスマス仕様にしたリビング』と説明し、笑いを誘います。するとカンペで「次へ行ってください」と進行を促され、いつもの豊永さんのペースにファンもほっこり。
新レーベル「T’s MUSIC」を発足して初のライブ。「アコースティックがやりたい」という豊永さんの希望で実現した今回のライブ。ここで一緒にライブを盛り上げるバンドメンバーのギター・薮内寛和さん、キーボード・河津美奈子さんが紹介されました。
ここからは2017年3月に発売したカバーアルバム『T’s』より2曲を続けて披露。『奏』は「僕の声で守るよ」という歌詞にマッチする、優しい歌声に包まれます。
曲の転換中に「次に歌う曲はなんでしょうか?」とクイズを挟みつつも次の曲へ。低音と高音で歌い分けされる『目眩』はゾワっと鳥肌が立つような歌声に引き込まれます。
「お水飲んだら汚しちゃった」とジャケットを脱ぎながらかわいいポーズやセクシーポーズを決めます。ここでもカンペで「安定の8分押しです」と巻きを促される豊永さんですが「自分のイベントだと喋りたいじゃん」と主張し観客と笑い合います。
ここではオープニングのメドレーについて、今までのインディーズからの曲に遡り、“リスタート”の意味も込めてタイムマシーン的な演出にしたと話します。
そのメドレーにも登場した、インディーズで初めてリリースした『MUSIC OF THE ENTERTAINMENT』を紹介。
新曲『With LIFE』は、『MUSIC OF THE ENTERTAINMENT』と同じように、とてもピースフルで元気になれる楽曲。“一緒に進んでいこう”という前向きなメッセージに観客もクラップで楽しみます。
2018年3月には『With LIFE』を含む8曲の新曲が収録されるアルバムを発売することが発表され、観客からは喜びの声が上がりました。これまでどおり豊永さん自身が作詞作曲を手掛ける4曲と、半分の4曲はいろいろな方にオファーをして制作してもらうことも発表。新レーベルを発足したことを機に、さらに豊永さんの世界が広がっていくことに期待が高まります。
さらに、このCDには特典として2016年12月24日に豊洲PITで行われた『豊永利行 2nd LIVE-Singing CROWN. Dancing CLOWN.-』のライブ映像を収録したDVDがつくことも発表され会場を沸かせました。
告知の間に「祝10分押しです」とカンペも出てしまったということで次の曲へと移ります。
最後にビッグなプレゼントも!? 後半戦も豊永節が炸裂
ライブも後半戦に突入すると、インディーズから、最近歌っていなかったという『siren』を披露。ちょっと寂しいナンバーを力強く歌い上げる様子にはグッと引き込まれてしまいます。
「2曲続けてお届けしたいのですが、もう最後です」という豊永さんに観客からは「ええ~っ!」と落胆の声が……。そんなファンに対して豊永さんは「大丈夫、アンコールあるから!」とこれまたいつも通りに進行をぶっちゃけ、笑いを起こします。
「すぐアンコールってやるの疲れちゃうでしょ? だから1分間余韻に浸って。そこから、せーのっ!アンコール!ってやってくればいいから」と最前列からタイムキーパーとなるアンコール隊長を選出し、笑いが起こったまま最後の2曲を披露します。
1曲目はインディーズ時代にも1、2回しか歌ったことがないという『こたつシャーベット』。冬の日に猫とたわむれる様子を描いた心がホッとあたたかくなる曲を観客の優しい手拍子に包まれながら披露しました。
最後は、前年のクリスマスライブのために書き下ろした「この雪が解ける前に」。「ジングルベル♪ ジングルベル♪」と全員で合唱するパートでは、「いいね~」と笑顔も見せます。曲の終盤には「メリークリスマス」と投げキスと、おまけのおふざけも交えたプレゼントを飛ばしました。
約束どおり、1分間の余韻タイムの後にアンコール隊長の「せーのっ!」という掛け声でアンコールが始まり、その声に応えた豊永さんが再びステージに登場します。
深々とおじぎをして口パクで「アンコールありがとうございます」と声をかけると『月は知っている』をしっとり優しく歌い上げました。
「アンコールサンキュー!」と決めポーズを決めると「まさかアンコールあるとは思わなかったな~」とおちゃらけます。
いろいろな作品を通して知ってもらえて、今こうやってみにきてもらえて嬉しいですと話します。そんな他愛のない会話をしているうちに「最後いっちゃいましょう!」というカンペが「どっちの“いっちゃいましょう”かな(笑)」と笑います。
「クリスマスイブなので、皆様にクリスマスプレゼントという形になったかどうかはわかりませんけれども、こうやって歌をお届けしたいなと。そして明日からの活力になればいいなと思いながら、最後の1曲は、みなさんに“頑張れ”というエールを送れるように歌います」と、集まったファンにメッセージを述べました。
ライブの最後を締めくくるのは『メッセージ』。明日からも頑張ろうと、励ましてもらえる1曲を優しい笑顔とともにファンに届けました。
大盛況のうちにライブが終了かと思いきや、「そうそう、GWにね、ツアーやる! メリークリスマス!」とラストにビッグなプレゼントを残し、爽やかな笑顔で豊永さんは姿を消しました。
騒然とする会場の中、豊永さんの素敵な歌のプレゼントと今後のさらなる活躍に期待するファンの顔には笑顔がこぼれ、聖夜のライブは幕を閉じました。
[取材・文/菊地真由 撮影/村林 千賀子]
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