『ダーリン・イン・ザ・フランキス』TVアニメ第12話 Play Back:ヒロとゼロツー、ふたりは過去に出会っていて――
2018年1月より放送中のTRIGGER×A-1 Pictures 共同制作によるオリジナル TV アニメーション『ダーリン・イン・ザ・フランキス』(ダリフラ)。本稿では、オトナたちが隠す秘密、そしてヒロとゼロツーの過去を垣間見た第12話「ガーデン/始まりの庭」本編の内容を筆者が感じた印象と共に振り返っていきます。
11話で、コドモがどうやって生まれてきたのかという謎を提示し、12話で「どこから生まれてきたかなんて、僕には関係ない」というヒロのモノローグから始まるこの構成、本当に毎回素晴らしい! で、オープニングのアニメーションでは、ペアがココロとミツルに替わっていて、11話のパートナーシャッフルは嘘ではなかったんだと思い知る(笑)。
でも意外とフトシが最初からケロッとしていて、それほど引きずっている感じではなかったのが、せめてもの救い。途中で少し微妙な表情をしているときがあったので、努めてそうしているだけかもしれないが。
検査のためにパラサイト育成施設“ガーデン”に到着した13部隊。そこのラボ(第3ナースリィ・ラボラトリー)という研究所に足を踏み入れた8人。ここは特別研究対象だったヒロと、あとは体の弱かったミツルだけが入ったことがあるという会話がされていたが、その際、ヒロにミツルの記憶がないというのが気になった。
11話でミツルとの約束を忘れている描写があったが、そのときのヒロの目も印象的だったので、何かあったのかもしれない……。ただ7話以降、こういう意味深な描写がたくさんあるので、それを心に留めておいて、今後の展開に備えるというのが正解なのだろう。
検査をするということでラボに来たものの、本当に検査が必要なのはゼロツーのみ。でもここでAPE直属の特殊親衛部隊 9’sが揃って登場する。彼らからゼロツーはナインイオタと呼ばれていた。9’sは8人いて、オープニングでも映っていたが3人が同じ顔をしているのが気になる……。
で、9’α(ナインアルファ/CV:斉藤壮馬)にゼロツーがニンゲンと仲間ごっこをしていると陰口を言われて、ちょっとキレるイチゴを見ると、チームとしての距離は縮まってきているのかも?と感じた。
ここ最近、精神的にも身体的にも様子がおかしかったゼロツーは、ナナによって強引に検査をさせられる。一方コドモたちは、立ち入りを禁止されていた彼らが育った場所ガーデンに足を踏み入れてしまう。
だがそこは半年前に彼らがいた場所とは変わっていて、ガーデンにいるコドモたちはパラサイト育成用の黄血球を早くから投与されていた。要するに叫竜と戦うパラサイトが急造されている感じだったのだが、ニンゲンとは何なのか? コドモたちとは何なのか? というのを思い知る場面だった。
その後ヒロは、ひとりヤドリギに向かう。ここで幼少期にヒロとゼロツーが一度出会っているようなインサートがある。
そしてココロがみんなに「自分たちがどこから来たのかな?」という疑問を投げかける。「パパたちが作ってくれた」と即答するミク。洗脳に近い教育をされていたコドモたちの中で、ココロの素朴な疑問は大きな突破口になるのもしれない。
戸松遥の迫真の演技と迫力のある作画で圧倒
再び第13プランテーション。ナナとハチによれば、過去現れたことがない地域に叫竜が何体も出現。それを狂ったように倒しまくるゼロツー。そこでゼロツーが「バケモノめ。僕はお前たちを殺してニンゲンになるんだ」と言う。物語当初から自分がニンゲンではないことに劣等感のようなものを感じていたので、ゼロツーの目的はある程度想像はできた。だが、叫竜を倒したことでニンゲンになれるとは思えないので、騙されているだけのような気もするのだが……。
そして場面は雪の中でのヒロとゼロツーの会話シーンになる。ここでの「うるさい! だまれ!」~「キミは僕の餌なんだからさ」の戸松遥の演技は鬼気迫るものがあった。
自分を抑えきれなくなってしまったゼロツーにイチゴも声をかけるが、あまりの怖さに一歩も動けず立ちすくんでしまう。ちなみにここでゼロツーは自分を写す鏡を割りまくっていたり、その前にナオミの手鏡も割ってしまったりしていた。
バケモノに戻りかけている自分を再認識させるという意味で、ヒロがプレゼントした鏡が結果的にゼロツーの精神の崩壊を加速させるだけのものになってしまったかもしれないというのは皮肉である。その後の出撃で再びストレリチアは暴走し、ゼロツーの幻がヒロの首を絞める―――。
その中でゼロツーの記憶が流れ込んできて、ヒロが昔ゼロツーに出会っていたことを思い出す。
特にBパートは、演出や絵の迫力、そして戸松さんの迫真の演技に終始圧倒されてしまった。今にして思えば、あの水着回って平和だったなと懐かしくなるくらいのゼロツーの狂気。それをここまで丁寧に映像化してくれたことに感動する12話だった。とにかく早く続きが見たい! ここまで、ゼロツーとヒロの関係というのは、かなり積み上げてきていて、ヒントもたくさん散りばめてあったので、それらがすべて次回13話で回収してくれるのか? 期待したい。
[文/塚越淳一]
作品概要
■放送情報
TOKYO MX:1月13日より毎週土曜23:30~
とちぎテレビ:1月13日より毎週土曜23:30~
群馬テレビ:1月13日より毎週土曜23:30~
BS11:1月13日より毎週土曜23:30~
ABC朝日放送:1月13日より毎週土曜26:29~
メ~テレ:1月13日より毎週土曜26:39~
広島ホームテレビ:1月18日より毎週木曜27:00~
BSS山陰放送:1月19日より毎週金曜26:18~
BBCびわ湖放送:1月22日より毎週月曜26:45~
※放送開始日・放送日時は編成の都合等により変更となる場合がございます。予めご了承ください。
■主題歌情報
・オープニング主題歌
アーティスト:中島美嘉
曲名:KISS OF DEATH(Produced by HYDE)
作詞・作曲:HYDE
編曲:HYDE/Carlos K.
・エンディング主題歌
アーティスト:XX:me(キス・ミー)
作詞・作曲・編曲:杉山勝彦
■スタッフ
原作:Code:000
監督:錦織敦史
副監督:赤井俊文
シリーズ構成:錦織敦史/林直孝(MAGES.)
キャラクターデザイン/総作画監督:田中将賀
メカニックデザイン:コヤマシゲト
アクション監修:今石洋之
ミストルティンデザイン:中村章子
叫竜デザイン:岩崎将大
美術設定:塩澤良憲
美術監督:平柳 悟
色彩設計:中島和子
3Dディレクター:釣井省吾/雲藤隆太
3DCG:スタジオカラー/A-1 Pictures
モニターグラフィックス:座間香代子
撮影監督:佐久間悠也
音楽:橘 麻美
音響監督:はたしょう二
編集:三嶋章紀
制作:TRIGGER/A-1 Pictures
■キャスト
ヒロ:上村祐翔
ゼロツー:戸松遥
イチゴ:市ノ瀬加那
ミツル:市川蒼
ゾロメ:田村睦心
ココロ:早見沙織
フトシ:後藤ヒロキ
ミク:山下七海
ゴロー:梅原裕一郎
イクノ:石上静香
ハチ:小西克幸
ナナ:井上麻里奈
フランクス博士:堀内賢雄
■ストーリー
彼らは夢を見る。
いつの日か大空へはばたく夢を。
ガラスによって遮られたその空が、どれだけ遠いものだと知っていても。
遠い未来。
人類は荒廃した大地に、移動要塞都市“プランテーション”を建設し文明を謳歌していた。
その中に作られたパイロット居住施設“ミストルティン”、通称“鳥かご”。
コドモたちは、そこで暮らしている。
外の世界を知らず。
自由な空を知らず。
教えられた使命は、ただ、戦うことだけだった。
敵は、すべてが謎に包まれた巨大生命体“叫竜”。
まだ見ぬ敵に立ち向かうため、コドモたちは“フランクス”と呼ばれるロボットを駆る。
それに乗ることが、自らの存在を証明するのだと信じて。
かつて神童と呼ばれた少年がいた。
コードナンバーは016。名をヒロ。
けれど今は落ちこぼれ。
必要とされない存在。
フランクスに乗れなければ、居ないのと同じだというのに。
そんなヒロの前に、ある日、ゼロツーと呼ばれる謎の少女が現れる。
彼女の額からは、艶めかしい二本のツノが生えていた。
「――見つけたよ、ボクのダーリン」
●TVアニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」×「アニメイトタイムズ」コラボページ
→https://www.animatetimes.com/darli-fra/
TVアニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」公式サイト
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