『火垂るの墓』金曜ロードショーで今夜9時放送|高畑勲作品を振り返る
2018年4月5日、肺がんのため東京都内の病院にて逝去した、日本アニメーション界の巨匠・高畑勲監督(82歳没)。4月13日の金曜ロードSHOW!では、高畑勲監督の代表作『火垂るの墓(ほたるのはか)』が放送されます。今回は『火垂るの墓』をはじめ、これまで高畑勲監督が携わってきたアニメ作品を振り返ってご紹介していきます。
太陽の王子 ホルスの大冒険|1968年(監督・演出)
『太陽の王子 ホルスの大冒険』は、1968年の東映まんがパレード ( 東映まんがまつり ) で公開された長編アニメーション。本作が長編アニーションの監督デビューとなった高畑勲による演出に加え、場面設計 ・ 原画に宮崎駿、作画監督に大塚康生、原画に森康二といった当時の東映動画スタジオの精鋭スタッフが手掛けている。
太陽の剣を託された少年ホルスが、少女ヒルダや動物たちと出会い、悪魔と戦うために村人と団結する冒険物語。一貫したテーマ、登場人物の心の葛藤、幻想的な映像表現など大人の鑑賞に堪える傑作と評価を受けた。
母をたずねて三千里|1976年(演出)
『母をたずねて三千里』は、フジテレビ系の世界名作劇場シリーズ枠で放送されたテレビアニメ。放映期間は1976年1月4日から同年12月26日までで、全52話。
原作は、エドモンド・デ・アミーチスの『クオーレ』(Cuore)中の5月の挿入話「Dagli Appennini alle Ande」(アペニン山脈からアンデス山脈まで)。
赤毛のアン|1979年(演出・脚本)
『赤毛のアン』は、フジテレビ系の世界名作劇場シリーズ枠で放送されたテレビアニメ。放映期間は1979年1月7日から同年12月30日で全50話。厚生省児童福祉文化賞受賞(1979年)。
2010年7月17日から、テレビシリーズの第1話から第6話までを再編集した映画『赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道』が公開された。
じゃりン子チエ|1981年(劇場版:監督・脚本、テレビ版:チーフディレクター・絵コンテ・演出)
『じゃりン子チエ』は、博打と喧嘩に明け暮れる父に変わり、ホルモン焼き屋を切り盛りする日本一不幸な少女・チエと、その周囲の人々を描いた人情コメディ。
1981年4月に劇場版作品が公開、同年秋から毎日放送(MBS)の企画・制作でテレビアニメ化された。
セロ弾きのゴーシュ|1982年(監督・脚本)
『セロ弾きのゴーシュ』は、1982年に高畑勲が監督しオープロダクションが5年の歳月をかけて完成させた自主制作作品。劇場公開は1982年1月23日であったが、同月発表された1981年度の大藤信郎賞にノミネートして受賞している。原作は宮沢賢治の童話作品。
風の谷のナウシカ|1984年(プロデューサー)
『風の谷のナウシカ』は、宮崎駿監督による長編アニメーション映画。制作陣には、高畑勲・鈴木敏夫・久石譲ら、のちのスタジオジブリ作品を支えるスタッフが顔を揃えている。
火垂るの墓|1988年(監督・脚本)
『火垂るの墓』は、1988年4月から東宝系で公開されたスタジオジブリ制作によるアニメーション映画。日本カトリック映画大賞、文化庁優秀映画、国際児童青少年映画センター賞ほか様々な受賞歴を持つ高畑勲監督の代表作となっている。
おもひでぽろぽろ|1991年(監督・脚本)
『おもひでぽろぽろ』は、1991年7月に公開されたスタジオジブリ制作による劇場アニメ作品。舞台となった1982年の山形県山形市高瀬地区の様子や仙山線高瀬駅などが緻密に描かれている。
2016年2月には北米で劇場公開され、英語吹き替え版が北米で劇場公開されるのは本作が初となった。
平成狸合戦ぽんぽこ|1994年(監督・原作・脚本)
『平成狸合戦ぽんぽこ』は、原作・監督・脚本を高畑勲が務めたスタジオジブリ制作によるアニメーション映画。開発が進む多摩ニュータウン(多摩市)を舞台に、その一帯の狸が化学(ばけがく)を駆使して人間に対し抵抗を試みる様子を描く作品。
かぐや姫の物語|2013年(監督・脚本・原案)
『かぐや姫の物語』は、高畑勲監督のもと日本トップクラスのスタッフが集結し、全く新しいアニメーション表現としてアニメ史に残るジブリ史上最大の野心作。
スケッチのような描線で人物に生命力を持たせる天才アニメーター 田辺修 ( 人物造形 / 作画設計 ) 、淡彩であたたかな背景美術を描く“ジブリの絵職人” 男鹿和雄(美術監督)、そして、初めて高畑勲監督作品の音楽を担当した久石譲がスタッフとして参加。
高畑勲監督のこだわりによって、デジタルならではの技法を極限まで追求した作品。