『ダーリン・イン・ザ・フランキス』TVアニメ第15話 Play Back:ヒロ×ゼロツー、新たな姿となったストレリチアで超大型叫竜を圧倒!
2018年1月より放送中のTRIGGER×A-1 Pictures 共同制作によるオリジナル TV アニメーション『ダーリン・イン・ザ・フランキス』(ダリフラ)。本稿では、大量の叫竜と超大型叫竜がはびこる拠点の大規模拠点制圧戦が繰り広げられた第15話「比翼の鳥」本編の内容を筆者が感じた印象と共に振り返っていきます。
絵コンテ:錦織敦史/演出:赤井俊文ーー監督&副監督という布陣で臨んだ第15話。「比翼の鳥」は第1話のモノローグでも語られていたことである。このタイミングであらためて第1話を見ると、すべてがこの15話のためにあったような気もする。フランクスのカラーリングが変わったり最後にオープニングテーマが流れたり、かなりド直球なクライマックスだったが、13話と14話でちゃんと積み上げてきたからこそ、最後の感動は大きかった。
グランクレバスという叫竜の一大拠点を制圧することはAPEにとっても悲願だった。そこに多くのプランテーションを集結させ、各都市を守るフランクス部隊を戦いに次々と投入していった。そして、戦うことだけを使命として育てられたコドモたちは、大量の叫竜の前に果敢に挑んでいく……。
空中移動要塞『コスモス』から指揮を執るAPE七賢人の会話では、フリングホルニの建造が進み、双方が揃えば奴らも土に返るという意味深な会話がなされている。フリングホルニ(北欧神話に登場する大船)の意味を考えつつ、その後の七賢人の会話を紐解いていくと、APEの狙いというのが薄っすらとだが見えてくるようだ。
だが、15話はヒロとゼロツーの物語である。
戦いに投入された9's専用フランクス『九式』の圧倒的な強さ。また多くのステイメンを食いつぶしてしまったゼロツーはスタンピード・モードで叫竜を倒しまくっている。イチゴたち第13部隊も活躍。他のコドモたちよりも圧倒的な強さを手に入れているように見えた。
一方でパートナーを失ったヒロは、再び自分の存在がなくなっていくことを感じていた。そして超レーマン級の叫竜が登場し、Code:090のいた第26プランテーションは完全に破壊される。その後Code:090に自爆を命じるAPE。「これは名誉なこと」だと言ったところに、この世界の悲しさ虚しさがよく表れていた。
決戦は苛烈を極める中、取り残されたヒロはゼロツーの部屋に訪れる。そこで割った手鏡を直そうとするゼロツーの、ある種ニンゲンらしい痕跡を見て迷いが消え、訓練機で叫竜の群れの中に飛び込んでいった。
そしてそんなヒロを見ていられないとゴローはイチゴに、ヒロをゼロツーのところまで連れて行くように促す。二人の気持ちをわかっているからこそ、わざわざヒロに操縦させるというのはゴローだからこその選択だ。そして、そこで再びヒロと繋がったイチゴは、ヒロの頭の中にゼロツーしかいないことを知ってしまう。
小さい頃からイチゴにとってヒロはすべてだった。そしてゼロツーがヒロを餌にしようとしていたこともイチゴだけが知っていた。だからゼロツーからヒロを引き離そうとした。そして何度も告白しようとしたが、ヒロにはゼロツーしか見えてないのでほとんど相手にされなかった。
返事ももらわないまま完全なる敗北を認めざるをえないイチゴの哀しさは計り知れないが、最後はヒロのため、ゼロツーの目を覚まさせる健気さは、イチゴの一番の魅力だ。ここでヒロへの思いの決着は付いたと思うので、そろそろ後ろで支えてくれたゴローを振り返ってもいいのではないかなと、きっと誰もが思っているはずだ。
そして世界の謎に迫る章へ
APEはグランクレバス制圧のために手段を選ばず、プランテーションを自爆させていく。その行為、そして叫竜のコアから出てきた人の形らしいものなど含め、何かがおかしいと第13部隊のコドモたちが思いはじめたのも、この15話だった。そして、このAPEの行為にはナナやハチ、そして博士も引いていたのが印象的だった。
イチゴのアシストがあってゼロツーと再会したヒロ。だがゼロツーはバケモノのような姿になっていた。なぜゼロツーがこんな姿になってしまったのかーーそれはヒロに対する罪悪感でもあるのだろう。忘れないでいたはずなのに気づかなかった。
しかも自分の餌として殺そうとまでしてしまったことへの報い。「餌なんだからさ!」とヒロに言ってしまったことに対する後悔。ヒロはヒロで「バケモノだ」と言ってゼロツーを傷つけたことを悔いていた。ココロが誰かを傷つけることは誰にでもあることだと言っていたが、そうやって人は成長していくんだというメッセージも込められているような感じがした。
ヒロからゼロツーにキスをしたことでストレリチアは復活! 真っ赤な機体になり空を駆ける。ゼロツーのダーリンの連呼のかわいさと、ふたりの大告白。表情の豊かさも素晴らしかったし、アニメーションの気持ちよさが詰まったクライマックスだった。
超レーマン級の叫竜はストレリチアによって粉砕したが、巨大なコアの複合体が残っていた。辺り一帯が消し飛ぶほどの力を秘めたコアは、グランクレパスから出現した巨大な手によって消滅させられる。あの手の正体は何だったのか。いよいよ世界の秘密に突入していく今後も見逃せない。
[文/塚越淳一]
作品概要
■放送情報
TOKYO MX:1月13日より毎週土曜23:30~
とちぎテレビ:1月13日より毎週土曜23:30~
群馬テレビ:1月13日より毎週土曜23:30~
BS11:1月13日より毎週土曜23:30~
ABC朝日放送:1月13日より毎週土曜26:29~
メ~テレ:1月13日より毎週土曜26:39~
広島ホームテレビ:1月18日より毎週木曜27:00~
BSS山陰放送:1月19日より毎週金曜26:18~
BBCびわ湖放送:1月22日より毎週月曜26:45~
※放送開始日・放送日時は編成の都合等により変更となる場合がございます。予めご了承ください。
■主題歌情報
・オープニング主題歌
アーティスト:中島美嘉
曲名:KISS OF DEATH(Produced by HYDE)
作詞・作曲:HYDE
編曲:HYDE/Carlos K.
・エンディング主題歌
アーティスト:XX:me(キス・ミー)
作詞・作曲・編曲:杉山勝彦
■スタッフ
原作:Code:000
監督:錦織敦史
副監督:赤井俊文
シリーズ構成:錦織敦史/林直孝(MAGES.)
キャラクターデザイン/総作画監督:田中将賀
メカニックデザイン:コヤマシゲト
アクション監修:今石洋之
ミストルティンデザイン:中村章子
叫竜デザイン:岩崎将大
美術設定:塩澤良憲
美術監督:平柳 悟
色彩設計:中島和子
3Dディレクター:釣井省吾/雲藤隆太
3DCG:スタジオカラー/A-1 Pictures
モニターグラフィックス:座間香代子
撮影監督:佐久間悠也
音楽:橘 麻美
音響監督:はたしょう二
編集:三嶋章紀
制作:TRIGGER/A-1 Pictures
■キャスト
ヒロ:上村祐翔
ゼロツー:戸松遥
イチゴ:市ノ瀬加那
ミツル:市川蒼
ゾロメ:田村睦心
ココロ:早見沙織
フトシ:後藤ヒロキ
ミク:山下七海
ゴロー:梅原裕一郎
イクノ:石上静香
ハチ:小西克幸
ナナ:井上麻里奈
フランクス博士:堀内賢雄
■ストーリー
彼らは夢を見る。
いつの日か大空へはばたく夢を。
ガラスによって遮られたその空が、どれだけ遠いものだと知っていても。
遠い未来。
人類は荒廃した大地に、移動要塞都市“プランテーション”を建設し文明を謳歌していた。
その中に作られたパイロット居住施設“ミストルティン”、通称“鳥かご”。
コドモたちは、そこで暮らしている。
外の世界を知らず。
自由な空を知らず。
教えられた使命は、ただ、戦うことだけだった。
敵は、すべてが謎に包まれた巨大生命体“叫竜”。
まだ見ぬ敵に立ち向かうため、コドモたちは“フランクス”と呼ばれるロボットを駆る。
それに乗ることが、自らの存在を証明するのだと信じて。
かつて神童と呼ばれた少年がいた。
コードナンバーは016。名をヒロ。
けれど今は落ちこぼれ。
必要とされない存在。
フランクスに乗れなければ、居ないのと同じだというのに。
そんなヒロの前に、ある日、ゼロツーと呼ばれる謎の少女が現れる。
彼女の額からは、艶めかしい二本のツノが生えていた。
「――見つけたよ、ボクのダーリン」
●TVアニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」×「アニメイトタイムズ」コラボページ
→https://www.animatetimes.com/darli-fra/
TVアニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」公式サイト
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