『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星』前夜祭 舞台挨拶レポート 黒い三連星がLINEグループを結成していた!?
2018年5月5日(水)から劇場公開がスタートするアニメ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星』。その公開前日となる5月4日、新宿ピカデリーにて「誕生 赤い彗星」の先行上映と、キャスト・プロデューサー陣が登壇する舞台挨拶が行われた前夜祭が実施されていました。ここでは、その舞台挨拶の模様をお届けしていきます。
ジェットストリームアタックの掛け声と共に、黒い三連星が登場
今回の舞台挨拶では喜山茂雄さん(ランバ・ラル役)がMCを務める中、一条和矢さん(ガイア役)、土屋トシヒデさん(マッシュ役)、松田健一郎さん(オルテガ役)と、谷口理プロデューサーが登壇。
一条さん、土屋さん、松田さんの3人が演じるガイア・マッシュ・オルテガの3人は、作中で「黒い三連星」としてチームを組んでいるのですが、今回の舞台挨拶では「ジェットストリームアタック!」(※黒い三連星の得意とするフォーメーション)の掛け声と共に登場し、集まったファンを喜ばせていました。
最初に、いよいよ第6話の公開を迎えた心境として、「前々回(第4話の時)の時には、『もしかしたらここで終わるかもしれない』という話を聞いていたので、ルウム編をやると聞いた時は本当に嬉しかったです」と語る一条さん。実は一条さんはリアルタイムでファーストガンダムの洗礼を受けた直撃世代でもあり、原作を読んだ時から一ファンとして映像化を待ち望んでいたのだとか。
一方で、黒い三連星の大きな見せ場となるルウム戦役が映像化され、巨大なスクリーンで上映されることに感激していることを明かす松田さん。
松田さんは本作について「ガンダムを作っていた世代と見ていた世代がタッグを組んで作りあげている作品。その中にいられるだけでも光栄ですし、何度でも見ていただきたい」と、ガンダムシリーズの歴史の中でも重要な位置づけとなる作品に参加できたことへの喜びを興奮気味に語ります。
また今回の「誕生 赤い彗星」にて、アニメ用のプロジェクトはひとまずの完結を迎えることになる『THE ORIGIN』ですが、「正直、終わってしまうのは寂しい」と現在の素直な心境を明かす谷口プロデューサー。
一方で、「上映会はお祭りみたいなもの。けど、祭りというのはいつか終わってしまうものなので、残り一ヶ月の間、皆さんと一緒に楽しむことができれば」と、有終の美を飾るにあたってのファンに向けたメッセージを送ります。
LINEグループ“黒い三連星”が結成!?
演じたキャラクターについて各声優さんが語ります。
「オルテガはとにかく叫びました。日本語を喋った方が少なかったくらい(笑)。ヒートホークを振り下ろすシーンでは、叫びが足りずに撮り直しになったことも」(松田さん)
「マッシュは戦闘になると、我を忘れるキャラクター。戦闘シーンの収録の時、つい声が裏返ってしまったのですがOKが出て、『これもいけるんだ』と」(土屋さん)
「ガイアは黒い三連星のリーダーですが、統率者というよりは戦争バカのイメージ。本作では指示を出すシーンがありますが、できるだけがさつに、荒々しく演じることを心がけました」(一条さん)
各々がそれぞれ意識したポイントとなった要素を振り返ります。そんな黒い三連星について谷口プロデューサーも「素で演じられているんじゃないかと思うくらいハマり役だった」と、3人の熱演を絶賛します。
今回のイベントでも冒頭でジェットストリームアタックを披露するなど、息のあった掛け合いを見せてくれた御三方ですが、実はプライベートで「LINE」の連絡先を交換し、「黒い三連星」のグループを作っている仲でもあるのだとか。(今回の舞台挨拶の打ち合わせも、LINEで行っていたとのこと)この「黒い三連星」と「LINE」という、イメージに合いそうで合わない要素同士の絶妙なギャップに、客席からも爆笑が沸き起こります。
音響監督・藤野貞義さんがとった驚きの解決法
「誕生 赤い彗星」注目のシーンについて尋ねられると、キャスト陣の間で話題にあがっていたのが、アムロ・レイにガンダムの情報が流出したことを察知した連邦のエージェントが、アムロの家に押しかける場面という、ややマニアックなシーン。
実はこのシーンには、元々音声がついておらず、原作者の安彦良和先生から「声をつけたい」という要望が後から出たそうなのですが、その時はすでにアフレコは終了してしまっており、声優さんを呼ぶのが難しい状況でした。
そこで本作の音響監督を務める藤野貞義さん(『機動戦士Ζガンダム』の頃から音響監督を務める大ベテラン)がとったのが、「自分の声を入れる」という驚きの方法。完成したフィルムでも藤野さんの声はそのまま使われており、音響監督が声優として出演する、なかなか貴重な映像となっているようです。
また本作では、戦闘中に交わされる戦艦のクルーたちの台詞が、独特な言い回しとなっているのですが、これはスタッフが海上自衛隊の戦艦を実際に取材し、そこで教わった言い回しをガンダムの世界観の中に落とし込んだ、リアリティを追求した結果なのだとか。
くわえて本作に登場する戦艦のクルーは、皆訓練された兵士たちであるため「簡単なことでは動揺しない」という点も他のガンダムシリーズと異なるポイント。アフレコの際には、他のロボットアニメだと一般的な、焦りの感情を含んだようなオペレーターの演技にNGが出されたことがあったという、スタッフの細部への徹底的なこだわりを感じさせる裏話も披露されていました。
最後には出演者一同から、それぞれファンに向けてのメッセージが送られたあと、『THE ORIGIN』の上映会では恒例の「ジーク・ジオン!」の大合唱で会場が一つとなり、舞台挨拶は締めくくられました。
「激突 ルウム会戦」に続き、一年戦争の始まりとも言えるルウム戦役の戦いが描かれる「誕生 赤い彗星」。
キャスト陣も自信をもって送り出す、新たに生まれ変わったファーストガンダムの世界を、是非とも劇場の大スクリーンでご覧ください。
[取材・文・写真/米澤崇史]
作品概要
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星』
【あらすじ】
宇宙世紀0079年1月23日、サイド5、ルウムで、ジオン、地球連邦の雌雄を決する戦いが始まった。圧倒的劣勢に追い込まれたジオンは、秘策である人型兵器「モビルスーツ」で編成した特別強襲大隊を投入し、戦況を一気に逆転させ、大勝利を収める。なかでも、ジオン軍のシャア・アズナブルは、赤いモビルスーツ「ザクⅡ」で戦果を上げ少佐に昇進、“赤い彗星”の異名をとる。ルウム会戦後、地球連邦軍はジオンに反撃すべく“V作戦”を計画。
その裏側で、サイド7の少年アムロ・レイは自ら行動し、新兵器「ガンダム」の秘密を探っていた。一方、地球の南極大陸でのジオン、地球連邦の両軍の両軍の高官がそろう早期和平交渉の場でルナツーから世界中にある声明が発信される…。
【STAFF】
原作:矢立 肇・富野由悠季(「機動戦士ガンダム」より)
漫画原作:安彦良和(KADOKAWA「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」より)
キャラクターデザイン:安彦良和、ことぶきつかさ
オリジナルメカニカルデザイン:大河原邦男
メカニカルデザイン:カトキハジメ、山根公利、明貴美加、アストレイズ
脚本:隅沢克之/演出:原田奈奈、カトキハジメ
総作画監督:西村博之
メカニカル総作画監督:鈴木卓也
美術監督:東 潤一
美術設定:兒玉陽平
軍装装備デザイン:草彅琢仁
ディスプレイデザイン:佐山善則
SF考証:鹿野 司
色彩設計:安部なぎさ
撮影監督:葛山剛士
CGディレクター:長嶋晋平
編集:吉武将人
音響監督:藤野貞義
音響効果:西村睦弘
音楽:服部隆之
総監督:安彦良和
企画・製作:サンライズ
【キャスト】
シャア・アズナブル:池田秀一
アムロ・レイ:古谷 徹
デギン・ソド・ザビ:浦山 迅
ギレン・ザビ:銀河万丈
ドズル・ザビ:三宅健太
キシリア・ザビ:渡辺明乃
ガルマ・ザビ:柿原徹也
ガイア:一条和矢
オルテガ:松田健一郎
マッシュ:土屋トシヒデ
ヨハン・I・レビル:中 博史
マ・クべ:山崎たくみ
セイラ・マス:潘 めぐみ
カイ・シデン:古川登志夫
ブライト・ノア:成田 剣
フラウ・ボゥ:福圓美里
ミライ・ヤシマ:藤村 歩
ハヤト・コバヤシ:中西英樹
リュウ・ホセイ:田中美央
ナレーション:大塚明夫
【Blu-ray】OVA 機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI
<封入特典:特典内容>
・安彦良和コミックを使用した解説書(32P)
・特製ブックレット(12P)
・スタッフ&キャストオーディオコメンタリー
・映像特典
・第5話イベント上映初日舞台挨拶映像
・第5話イベント上映2週目舞台挨拶映像
【DVD】OVA 機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI
<封入特典:特典内容>
・特製ブックレット(12P)
・映像特典
・第5話イベント上映初日舞台挨拶映像
・第5話イベント上映2週目舞台挨拶映像
・PV&CM集