JUNNA 2ndライブツアー東京公演レポート! ソロからワルキューレの楽曲まで披露
TVアニメ『マクロスΔ(デルタ)』の劇中に登場する戦術音楽ユニット“ワルキューレ”の美雲・ギンヌメールの歌を担当しているJUNNAさん。これまでソロアーティストとして、シングル『Here』とミニアルバム『Vai! Ya! Vai!』を発売。今回の『JUNNA ROCK YOU TOUR 2018~I’m Here~』は「Here」を引っさげてのツアーとなります。
全公演ソールドアウトになった2ndライブツアー。2018年夏スタートのTVアニメ 『ロード オブ ヴァーミリオン 紅蓮の王』の ED主題歌となる2ndシングル「紅く、絶望の花。」を7月18日にリリースすることを発表した東京公演(4月28日 Zepp DiverCity TOKYO)の模様をレポートします。
ソロでの楽曲からワルキューレでの楽曲まで、会場を熱狂させたワンマンライブ
紗幕にJUNNAのシルエットが映写され、ギターのイントロからバンドの音が重なっていく。そのサウンドに合わせ会場のテンションも上っていきクラップが起こる。そして紗幕の奥にいるJUNNAが〈Hey! Hey! Hey!〉という歌声を轟かせると、「Steppin' Out」からライブが始まる。歌の途中で紗幕が落ち、くっきりと姿を現したJUNNA。ギターソロ時には観客から〈Hey! Hey! Hey!〉というコールも起き、オープニングから会場は最高の盛り上がりを見せた。しかも間髪入れずにワルキューレの人気曲「いけないボーダーライン」で畳み掛ける。
彼女のライブが見たいと会場を埋め尽くしたオーディエンス。その光景を見渡して感謝の気持ちを伝えると、勢いを止めることなくエモーショナルな楽曲を続けざまに歌っていく。前回のライブのときよりも、バンド自体もJUNNAのボーカルも、確実にパワーアップしている。そんなステージから放たれるパワーに負けじと盛り上がる観客。この熱のぶつかり合いが、この夜をより素晴らしいものにしていた。
ワルキューレでの曲も交えながら突き進んだあとのMCでは、自身が歌唱を担当した美雲・ギンヌメールがいたから今の自分がいると、美雲への想いを述べると、『マクロスΔ』から名バラード「GIRAFFE BLUES」を披露する。そして、アコースティックギターに寄り添って歌った「火遊び」、ピアノの音色が美しい「ソラノスミカ」と続ける。
JUNNAは激しくてエモいボーカルというイメージが強いが、バラードもとても魅力的で、彼女が歌うと魂を震わす歌になる。歌う直前に衣装チェンジをして真っ黒なドレスで歌った「Here」などは、複雑な曲の構成を物ともせず、ただただ心に強く響く歌になっていた。この表現力は彼女だからこそ出せるものだろう。曲が終わって少し経って歓声が起こったのだが、まさしくこの“間”が、会場全体が彼女の歌に聴き入っていた証拠だ。そしてスタンドマイクで、振りを交えながらソウルフルに歌う「JINXXX」まで歌い切る。
「ゆったりとした雰囲気はここまで。盛り上がる準備はできてますか! みんなが予想していなかったこの曲を歌います!」と言って歌ったのは、本当に予想外だった「ワルキューレは裏切らない」。ここで一気に再加速すると「破滅の純情」では、間奏でバズーカをぶっ放し観客にプレゼントを、「Vai! YA! Vai!」でのコール&レスポンス含め、観客も持てる力を振り絞って声をステージに届けていた。ライブの楽しさ、そして一体感を味わえた終盤。本編ラストはグルーヴィな「Catch Me」で、タオルをぐるぐる回して盛り上がって、締めくくった。
大きなアンコールに応えてのアンコール1曲目はワルキューレから「涙目爆発音」。この曲はカナメ(CV:安野希世乃)がメインボーカルを務める曲で、美雲とフレイア・ヴィオン(CV:鈴木みのり)は参加していない。なので、JUNNAが踊りながら歌うとは思っていなかったので驚きも大きかったのだが、やはり最高にカッコ良かった。
そしてアコギを手にし、ひとりでステージに残ったJUNNAが、3年前に『マクロスΔ』のオーディションを受けたときの話を始める。ツアータイトルになった“~I'm Here~”――彼女が美雲として歌えたことが、ここにいるファンと出会う縁となった。そしてその縁をくれたオーディションで歌った曲が、RCサクセションの「スローバラード」だったという。
「ずっとみんなの前で歌いたいと思っていました。どうしたらこの気持ちが伝わるかなと思って弾き語りで歌うことを選びました。3年前の自分を思って歌います」と言って、ギターを弾きながら、彼女がここにいるきっかけとなった大切な曲「スローバラード」を歌いあげる。
さらに「荒削りで、何も完成していない私を、みんなが求めて、遊びに来てくれる。それは本当に私の自信になります。だからこれからもついてきてくれますか? これからもっともっと大きい舞台でみんなに恩返しできたらと思っています。これで最後の1曲だけど、これからもずっとずっとつながっていくんだよというのを共有して最後にしたいと思います」と言って「Shooting Star」を歌う。この曲はもともと英詞なのだが、ライブでは途中から日本語バージョンになっていた。それが直前のMCともリンクしていてグッと来てしまう。彼女が進んでいくこれからの輝く道を見ていたいし、彼女の歌を聴き続けていたい。そう心から思えるライブだった。
[取材・文/塚越淳一]