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豊永利行ライブツアー「With my LIFE」東京公演レポート

豊永利行ライブツアー「With my LIFE」~バースデーパーティ~東京公演レポート|時が止まるような“時間旅行”へご招待! ついに噂のお父さんが登場?

2018年4月28日(土)。この日東京・江戸川区総合文化センターで行われたのは、声優・豊永利行さんのライブツアー「With my LIFE」~バースデーパーティ~。

昨年新レーベル「T’s MUSIC」を設立してから初の東名阪ツアーということもあり、各会場ごとにセットリストも少し変化があったりと豊永さんらしいライブが繰り広げられました。

豊永さんのお誕生日でもあるこの日に行われたツアー初日の東京公演では、ご本人も期待していたバースデーサプライズも決行。本稿ではそんな東京公演の模様を余すところなくレポートします!

“旅の案内人”に導かれ、時が止まるような「時間旅行」がスタート!

今回のライブはお約束の豊永父(という設定の豊永さんご本人)による開演前の場内アナウンスからスタート。コミカルなトークに会場からは早速クスクスと笑う声が響きました。

「時間旅行」がテーマとなった今回のツアーにはステージ上に大きな時計が。OP映像もインディーズ時代から現在までを写真と映像で一気に振り返り、観客の高揚感も高まり“時間旅行”へと誘われます。

時計の中から豊永さんが登場すると観客は歓声とともに一斉に立ち上がります。『Music of the Entertainment』で一気にライブの空気を作り出すと、サビでは観客の合唱に合わせて伸びやかな歌声を響かせる豊永さん。歌い切ったところで「With my LIFE、スタートするぜ!」と観客に声をかけました。

続く『Don't Give Up』『とある午後の僕物語』では、豊永さんのライブではお馴染みとなったバックダンサー、矢野奨吾さんと森内翔大さんが登場。豊永さんと一緒にキレのあるダンスを披露し、先輩の舞台に華を添えます。

MCコーナーに入るとかっこよく歌う豊永さんから一変。ダンスナンバーが続いたこともあり「暑い!」と笑顔をこぼしつつ、リラックスモードでトークを繰り広げて行きます。

今回の衣装はツアーテーマともリンクする“旅人”をイメージしたものであると紹介。「旅の案内人みたいにしたいって自分で言ったんですけどね……(暑いから)言わなきゃよかった(笑)。絶賛後悔中です(笑)」とぶっちゃけて笑いを誘いました。

この日が34歳の誕生日という豊永さんに、観客からは「おめでとう」とお祝いの言葉が飛び交います。たくさん届く声援に、OP映像にもあった「豊永屋(インディーズ時代)」での最初のライブは120人ほどからスタートしたと懐かしむ豊永さん。広い会場に集まってくれたファンに向けて「ありがとうございます」と感謝の言葉がこぼれました。

そして、「残り2分です」「曲行ってください」「曲スタート!」といったカンペとのやりとり(もはや喋りたい豊永さんとの攻防戦)もまた、豊永さんのライブではお約束。笑いの絶えないMCコーナーの最後には「これだけやらせて!」と会場に向かって「男子ー!」と声をかけ、最初の頃よりも増えた男性客の割合に笑顔を浮かべました。

曲に入る前に「座ったり立ったりしない方がいい?」と問いかけると、観客からは「座りたい」という切実な反応が。「愚問だったね(笑)」と笑いながらも、曲に移るために「お立ちいただいてよろしいですか?」と観客を丁寧に誘導します。

MC明けの 1曲目は『I’ll Be on Your Side』でのびやかな声を会場に響かせます。リズミカルな曲に合わせてサビでは観客もペンライトを左右に振られました。

つづく『青い花』も優しく歌い上げる豊永さん。「約束」という歌詞に合わせて小指も伸ばされ、心地よく響く高音に観客も酔いしれました。

再びMCコーナーに入ると「汗だから心配しないで」と言いながら汗を拭い「やってきました。私の大好きなMCコーナー」とワクワクしながらトークを始めると「あ、お座りになっていただいて結構です(笑)」と、ここでも丁寧な誘導。「この件、レポで書いてね!」とおどけてみせます。

「何喋るんだっけな~。あ、ここが自由に喋っていいんだ!」といつものように進行をバラしていく豊永さんの様子には、客席からクスクスという笑い声も響きます。

「この前羽多野(渉)さんと…、羽多野さんご結婚おめでとうございます!」と話し始める豊永さん。羽多野さんと岩手(盛岡)で朗読イベントをした際に「“ギックリ首”になっちゃったんです」という話題をしたというトーク内容に。

アフレコ現場で「おはようございます」と挨拶をした動作で“ギックリ首”になったと話すと、観客から「え~」と驚きの声が。「1週間ぐらい僕の動きが面白かったんですけど。それをやろうと思います」と実演を始めます。

「笑い事じゃないんだけどね(笑)」と自分で笑いながらも、その期間の現場での振る舞いや、一番不便だったという入浴時の様子を話しました。自分が回ってシャワーを浴びていたという豊永さん。「洗車かなと思った」という一言も飛び出し、場内を笑いの渦で飲み込みます。

そんな話題で盛り上がっている中「曲スタート」というカンペが。「このカンペ見せてえ~(笑)ビックリマークが18個くらいある」と笑います。

「僕のライブは全部言っていくスタイルなので」と、この後2曲披露した後に一旦はけて着替えてくるという流れをバラします。「着替えてる間VTRで楽しんで頂くんですけど、今回のVTR今までで1番気合い入ってるよ!」と期待を煽り、曲を披露します。

衣装の雰囲気とも相性抜群な『希望の唄』ではサビで力強い歌声を披露。そのまま「盛り上がっていくよ!」と煽り、こぶしを突き上げながら『1:1』を勢いよく歌い上げるとかけ足でステージ裏へとはけていきました。

お待ちかねの幕間VTRは、“某ドキュメンタリー番組風”にスタート。豊永さんと豊永父(に扮した豊永さん)が登場すると、ここから観客の笑いが止まりません。

親子対談(?)で熱いトークが交わされる合間に、画面上に組み込まれたトリックには驚きの声ととも拍手が起こります。ファンのみなさんは、期待通りの面白さと不思議さが詰まったVTRを楽しみました。

アコースティックにキャラソンカバー!“いいとこ取り”なボリューミーさにファンも歓喜

衣装チェンジを終えた豊永さんがステージに戻ってくると、後半戦の最初はアコースティックパートから始まります。ゆったりと椅子に座りながらリズムカルに歌い上げる『ひとつだけ』には観客もクラップで応えます。

『ココロノトビラ』はアカペラからのスタート。笑顔を見せつつ、優しい高音を響かせる豊永さんの歌声に観客もうっとりとステージを見つめました。

「ここから少しだけ不思議な空間にご招待します」と歌い始めたのは『僕の☆☆計画』。アコースティック編成のジャズテイスト、さらにダンサーの森内さんが登場しコンテンポラリーダンスでのパフォーマンスに戸惑いつつも盛り上がる観客の様子にご満悦な豊永さん。

そのままセットチェンジも兼ねたMCコーナーに入ります。「ちょっとだけ長く喋れるんだよ」と楽しそうな豊永さんから「VTRどうでしたか?」とVTR制作のウラ話が語られました。

ここで予定を覆してバンドメンバーの紹介を始める豊永さん。ギターのKc.さん、キーボードでバンドマスターも務めるフッキーさん(吹野クワガタ)、ベースの(西塚)真吾さんと、エピソードトークも交えながら1人1人丁寧に紹介していきます。ドラムの一Qさん(一ノ瀬久)だけは「豊永屋」からの長い付き合いというだけに、一瞬で絶妙なコンビネーションを披露しました。

一通りの紹介が終わるとまたまた「曲スタート!」のカンペが出てしまったようで、次の曲について説明を始めます。

インディーズ、メジャーを経ての新レーベル「T’s MUSIC」設立ということで「いいとこ取りをしたい」と話す豊永さん。「豊永屋」時代にもやっていた“自分がやったキャラソンをカバーしちゃおうのコーナー”に会場は大盛り上がり。

「これもう聴けねえだろうなってやつを歌います」の宣言に期待が高まるファンの皆さんですが、続く「さらに東名阪で違う曲です」という宣言にはなんとも言えない反応。「今から歌うって言ってるじゃん(笑)」と豊永さんから笑顔でツッコミが入りました。

「東京のキャラソンカバーはこれです!」と歌い出したのはアニメ『君と僕。』より『マシュマロ・デイズ』。松岡春のキャラ設定に合わせて“音痴バージョン”で一茶番を披露すると「これがやりたかったんです」とはにかみます。その後「これじゃ1コーラスも持たないのでちゃんと歌います」と仕切り直し、改めて『マシュマロ・デイズ』を歌うとちょっと懐かしいキャラソンにファンの皆さんもほっこりと笑顔を浮かべました。

歌い終えると「ここでメンバー紹介だったね」と言いながらもMCに入ります。

アコースティックではなくバンド編成のライブが久しぶりだということで、他の人のライブ映像を見て勉強したという豊永さんですが「かっこいいしか出てこないよね(笑)」と話しつつ「ここのMC15分あるんだよ」とニンマリ。カンペも「残り8分です」に観客からも拍手が起こりました。

予定していたバンド紹介もやってしまいノープランで話出す豊永さんは「今日なんか若いね」と観客の年齢層を聞いたり「どこからきたの?」と聞いたりゆったりとした雰囲気でトークを繰り広げます。

今回は東名阪ツアーということで「大阪は豊永屋の時に行ったな」などと話しているうちに時間になり「続いて最後の2曲です。大丈夫、アンコールあるから」といつものようにこの後の進行を観客と打ち合わせ始めます。

「俺と一緒で今日誕生日の人いる?」と問いかけると今回はその人たちがアンコール隊長に任命。さらに「アンコールじゃなくてT’s MUSICにしようか」と掛け声も決めます。

「アンコールありきのセトリっておかしいじゃん」と熱く語り出した豊永さんに「-fin-」のカンペが。ということで、改めて「最後の2曲となってしまいました」と言う豊永さんに観客からは「え~!」と落胆の声。豊永さんも「わかっててもリアクションできるじゃん」とご満悦な表情を浮かべました。

次の曲は「T’s MUSIC」設立前にリリースしたカバーアルバム「T’s」より『YELL』。ギターの低音と一緒に伸びやかな歌声を会場いっぱいに響かせます。

ライブ本編ラストとなる『TEMPE×∞』にはストーリー仕立ての演出が。“おかん”姿の森内さんと“オレ”役の矢野さんとともに可愛くてカッコ良くて、ユニークなダンスも披露。「ラストに何やってんの?」という声が聞こえてきそうなクセの強いパフォーマンスを終えると3人揃ってかけ足で撤収して行きます。

バースデーサプライズも大成功! 豊永さん念願の“アレ”もグッズ化

衝撃的なパフォーマンスに、およそ2分間場内はざわついたまま。約束通り「せーのっ!」と掛け声がかかると「T’s MUSIC! T’s MUSIC!」と息の合ったアンコールが始まります。

『Reason…』のイントロが流れると歓声が上がり、豊永さんがアレンジされたツアーTシャツ姿で登場。キレキレのダンスとハイキックも披露します。続く『Day you Laugh』でも「まだまだいくぜ!」と観客を煽り、ここでもダンサーの2人と一緒に激しいダンスで魅せました。

「アンコールサンキュー!」とMCを始めると「休んでていいよ~」とダンサーの2人を休ませると見せかけてヘロヘロな2人を紹介。声優としても活動している矢野さんは自身の演じる“もふもふ”なキャラクターボイスを披露して歓声が上がりました。

子役時代に豊永さんも出演したことのある劇団四季の元劇団員だった森内さんの紹介をしていると、後ろのモニターに「バースデーサプライズします!」の文字が。「3・2・1!」のカウントダウンで会場に集まったファンからのメッセージが寄せられたボードが登場。「おめでとう!」とお祝いの言葉が場内に響きます。

矢野さんが運んできたケーキには「With LIFE」のジャケットが印刷されています。いつの間にかマイクを持っていた矢野さんの仕切りで会場みんなでバースデーソングを豊永さんにプレゼント。ローソクの火を吹き消した後には「期待はしてたよ!」と照れながらもお祝いをしてくれたファンの皆さんに感謝を伝えました。

サプライズコーナーが終わると「“重大な”お知らせがあるんですよね?」という矢野さんのフリで、“重大な”告知へ!

それは、豊永さん念願の『パンツ』がグッズ化するというこれまたサプライズな展開に。T’s MUSICスタッフが全精力をかけて優先順位トップで鋭意製作中と話ます。「7月のワンマンライブで発売できるかも?」とのことなのでファンの皆さんも期待して待っていてくださいね。

「パンツの後にこれなの?」と続いて告知されたのは先日オープンした『豊永利行 楽(FUN)倶楽部』。ファンクラブサイト内には「ボイスレター」や「おみくじ」、「ポイントコンテンツ」など遊べるコーナーも設置し、毎日ログインしたくなる仕様を目指したとのこと。そのほかにもイヤーブックの発行や公演チケットの先行販売、ファンクラブ限定イベントの開催も予定しているということなので、まだ入会していない方は要チェックです!

告知を終えると、そろそろライブも終わりの時間。「次が本当に最後の曲です」と話し始めます。「え~」という観客の落胆の声にも「こればっかりは次の曲がないんだわ」と豊永さんも寂しそうな表情を浮かべます。

「僕のライブは協調性を必要としないライブです(笑)」とお客さんが気兼ねなく参加してそれぞれの楽しみ方で楽しんで欲しいと伝えます。また、「楽しかったですか?」と1階席、2階席それぞれに問いかけると「終わりたくないからずっと喋ってるんです」とはにかみながらも最後の時間を惜しむように語り続けます。

「With my LIFEというテーマにある通り、人生というものは時間に限りがございます。その時間を僕のライブで少しだけ止めたり、お借りしたりして一緒にこの空間を楽しめたらなと思いました。そんな平和な時間にしてくださいまして、みなさん本当にありがとうございました」と語る豊永さんはやさしい笑顔を浮かべます。

最後の曲はもちろん“アレ”。「一緒に歌ってください」と語りかけると、改めてバンドメンバー&ダンサーを紹介。最後に「会場に来ているみんな! ありがとう!」という言葉から最後の曲『With LIFE』を笑顔で歌います。

観客と一緒に「ラララ」を合唱すると「みんなの声聞こえました!」と最後に全員でジャンプ。曲を終えるとメンバー全員が並んで手を繋ぎ「ありがとうございました!」と挨拶。

バンドメンバーとダンサーチームを先に送り出し「素敵な楽しいチームに恵まれて僕は幸せ者でございました。ここからまたみなさんの時を進めたいと思います。また時が止まる夢のような時間を作りたいと思います。その時にまたお会いしましょう。ありがとうございました」という言葉をファンに贈ると豊永さんは時計の中へと帰っていきました。

ED映像は『TEMPE×∞』をBGMにライブのリハーサルの様子などが映し出されます。観客も映像を見ながら笑ったり、曲に合わせて掛け声を出したりと最後までファンを楽しませました。映像の最後には『あー楽しかった また会おうね バイビー(⌒▽⌒)』という豊永さんからのメッセージも添えられました。

『Music of the Entertainment』で始まりアンサーソングでもある『With LIFE』で終わるという構成に豊永さんのインディーズ時代から今までの音楽活動を一気に“時間旅行”した気持ちになりました。つかの間の“旅”からそれぞれの時に戻っていくファンの皆さんも笑顔に溢れ、幸せな時間を噛み締めているようでした。

[取材・文/菊地真由 写真/菊池さとる]

豊永利行 ミュージックサイト
『豊永利行 楽(FUN)倶楽部』サイト
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