
7月放送TVアニメ『悪偶 -天才人形-』声優インタビュー第1弾 愛役・芝崎典子さん! 初主演となる主人公・愛を演じる想いとは!?
2018年7月放送開始のTVアニメ『悪偶 -天才人形-』。本作は『霊剣山』シリーズのテンセントとスタジオディーンによる第2弾アニメプロジェクトで、中国で10億ビューを超える一淳さんによる漫画を原作としています。
物語は“悪偶”と呼ばれるアイテムで偽りの天才となった者たちと、その陰に潜む“裁縫師”と呼ばれる存在。そして彼らを追いかける“救済者”たちによる物語です。今回はその放送を前に、作品に出演する声優陣にインタビューを行いました。
第1回目となる今回は、主人公・愛役の芝崎典子さん! 作品に触れた時の印象や演じるキャラクターについて、作品にも登場する“天才”というキーワードにかけた質問を聞いています。
芝崎さんは、フレンドリーに生きる才能の悪偶が欲しい!?
――まずは本作の台本を読んだときの印象を教えてください。
愛役・芝崎典子さん(以下、芝崎):原作はオーディションの時に拝見して、独特で面白い描き方だな、これがどういう風にアニメになるんだろうとワクワクしていたので、既に読者として作品を楽しんでいた自分としては嬉しかったです。原作を読んで「愛ちゃんはどう思ってるんだろう?」と感じた部分があったのですが、アニメの台本では愛ちゃんの心情が掘り下げられていて、さらにいい物語になるだろうなと思いました。
――読者としても作品を楽しまれたとのことですが、どんなところが面白い部分だったのでしょうか?
芝崎:突拍子もないようでいて、実際にあってもおかしくない題材だと感じられるところです。もしかしたら本当に悪遇を持っている人って存在するんじゃないかって。声優として現場に行くと、周りは羨ましく思うような才能のある方ばかりで、凡人の自分は常に努力しなきゃいけないと思っています。そういう意味で共感する部分が多いので、愛ちゃんと同じような気持ちで原作を読み進めました。そんな風にこの作品の不思議な世界に巻き込まれていく、入り込んでいく感覚が面白いなと思いました。
――本作で“悪偶”を持っている人物は誰でも天才になれますが、こんな才能が欲しいと思うことはありますか?
芝崎:フレンドリーに生きる才能でしょうか(笑)。あまり社交的とはいえない性格なので、人とすぐ仲良くなれる才能があったらいいなと思います。でも可哀そうですよね、私のせいで悪偶にされちゃう人がいると思ったら……。
芝崎さんと愛の共通点は前向きさ
――そんな芝崎さんから見た愛の印象は?
芝崎:すごく前向きなんだなって思いました。親友との差を見せつけられたり、心折れそうになることがあっても、なんとか自分を奮い立たせるんです。“悪偶”に関わる事件に巻き込まれていくなかで、絶望的な状況の中でも希望を失わずに自分の道を選べる強い人物だなと思いました。
――では愛との共通点や自分と近いと思った部分は?
芝崎:前向きなところでしょうか(笑)。羨ましいなって思っても一生懸命頑張れば自分もきっとできるって思えるところは似ているのかなと。
愛ちゃんは人間味があるところが良いなと思っていて、16歳の等身大の葛藤や悩み、嫉妬みたいなことを、日々を生きるなかでちゃんと感じているところも共感します。
専門学校時代の話になるのですが、文化祭で映像に声を当てた時に「あなたが一番素人っぽい」と言われたことがありまして。ショックでガーンってなったんですけれど、「なるほど、確かにみんな本当に上手だし私は下手だ。じゃあもっと努力して頑張ろう!」って思ったんです。客観的に思い返すと結構すごいこと言われたなと思うのですが、意外と傷つかなかったなって(笑)。今は自分がそういう思考で良かったと思っています。
――とても前向きなんですね。では今回は主役ですけれど、決まった時の心境を教えてください。
芝崎:事務所から連絡が入った時に寝ていまして……今までにも役が決まった連絡が来て目を覚ましたという夢を見たことがあったので、「夢か現実かわからないぞ」と思って、とりあえず起きてオーディションの時の資料を見ました。ちゃんと資料を確認して設定が頭で理解できるまでは信じないぞと思って(笑)。
その後も朝目が覚めるたびに「あれは夢だったんじゃないか」って毎日思っていました。
これまでは「主役取りたいです!」って宣言できるような人間ではなかったので。目標というか夢であったことですけれど、どちらかというと野望に近くて、夢と言うのもおこがましいと言いますか。なかなか信じられなかったですね。
――そうして役に決まってアフレコも進んでいるとお聞きしましたが、実際に演じられて工夫したところはどこですか?
芝崎:感情の起伏でしょうか。最初、愛ちゃんは前向きであまりため込まないタイプかなと思っていたのですが、感情的に爆発するところがありまして。状況的にそうなってもおかしくないシーンなんですが、今までそれを出していないという事はずっと自分を頑張って鼓舞しようとしていたんだなと。人間としての愛しさを感じながら演じました。
――収録現場では他のキャストさん方もいらっしゃったかと思います。印象的なエピソードはありましたか?
芝崎:羅正役の高木渉さんが、テストで面白いアドリブをしてくださるんです。緊張が和らぐし、マイク前でもちょっと笑っちゃったりして、助けて頂いてます。本当に優しい方で、見習いたいなあと思います。
――愛以外のキャラクターで、気になった人物はいますか?
芝崎:町と言いたいところですが、ここはおじいちゃんの羅正で。突然現れるのですが、実は愛ちゃんがその朝読んだ本の作者という立ち位置なんです。すごい人のようでいてちょっと飄々としたところがあるナチュラルに面白いおじいちゃんです。本人はふざけている感じではないのにギャップが面白いんです。
――台本や公式サイトを見ただけだと、渋いおじいさんでお師匠さんみたいな印象を受けました。面白いというのは驚きです。
芝崎:じゃあ高木さんが面白いんですかね(笑)。
一同:(笑)。
スタッフ:羅正さんはおじいさんなんですが、自分で漫画を描いて自費出版しているんです。今でいう同人誌ですね、おじいさんがコミケに出ているようなイメージです。
――ユニークなキャラクターなんですね。
芝崎:そうですね! この作品に出てくるキャラクターはみんな濃くて、みんな面白いです。羅正さんはその筆頭ですけれど、カッとしやすい羅布くんも印象深いです。羅布くんはいつもアクセル全開で、“悪偶”にされた人たちのことを想って行動しています。彼がどうなっていくのかにも期待してもらえると。
声優になるきっかけは放送部での活動に
――声優になろうと思ったキッカケみたいなところはなんだったのでしょう?
芝崎:長い話になってしまうんですが、小学校の頃に給食を教室で食べることに飽きてしまっていい手がないかと考えたところ、放送委員だけは給食を放送室で食べられる特権があったので。それで放送委員になろうと思ったらじゃんけんに負けてしまい、その想いを抱えたまま中学に入りました。
その頃になると「放送部に入る」ことに目標が変わっていて、とりあえず入ってみたらNHK杯のナレーションや朗読の部門に出場するような本気の部だったんです。中高一貫だったのでそのまま6年間放送部に所属して、何度か大会に出場して賞を頂くこともあって、自分のアイデンティティだと思っていたのですが、大学に入って一度離れてしまって。
美術系の大学で、周りはそれぞれ自己表現の方法を確立している人ばかりだったので、「自分ってなんだろう」と自分自身を顧みる気持ちになりました。その時に放送部でやっていたことをもう一度やりたいと実感して、最初はマンションの一室にあるようなナレーション講座に通い始めたら、途中からカメラ映りの授業みたいなものが始まったんです。そこで「あっ、これはアナウンサーさん用の講座だ!」って気づいて。当時は人前に出るのが苦手だったので、ズル休みをしてしまって。声だけに特化した表現がないかと考えて、ダブルスクールで声優の専門学校に通い始めました。卒業後に事務所に入って今に至るという感じです。
――それでは最後に放送を楽しみにしているファンのみなさんへ、メッセージをお願いします。
芝崎:愛と町という親友同士が、ちょっとしたボタンの掛け違えですれ違っていきます。このふたりはどちらが悪いと言えないところがあって、両方に理解できるところがあるんです。だからこそ、どういう結末を迎えるのかみなさんも見守ってください。私自身も見守っていきます!
また、原作を知らない方が多いと思うので、愛ちゃんと一緒に“悪偶”とは何なのかというところから、この作品の不思議な世界に入っていただけると嬉しいです。ダークな世界観ですが、気が付いたら入り込んでしまいます。私も初めての主人公を精一杯演じさせていただきます。そして、初めてのエンディング曲も歌わせていただいていますので、本編が終わっても、最後まで見届けていただけたらと思っています。
――ありがとうございました。
『悪偶 -天才人形-』作品概要
あらすじ
平凡な少女、愛はどこにでもいるダンサーである。親友である町とのダンサーとしての才能を見せつけられ落ち込む日々であったが、ある時彼女の才能の「秘密」を知ってしまう。それは、邪な術方により掌サイズまでされた天才たち「悪偶(あぐう)」の存在である。悪偶(あぐう)を持っているものは誰でも天才になれるのだ。悪偶を作る「裁縫師」となってしまった町を救うべく、愛は裁縫師と代々対立してきた「救済者」となる。
放送情報
TOKYO MX:2018年7月~
サンテレビ:2018年7月~
KBS京都:2018年7月~
BS11:2018年7月~
キャスト
愛(あい):芝崎典子
町(まち):松井恵理子
羅正(らしょう):高木渉
羅布(らふ):柴崎哲志
エルバト:安元洋貴
李純貞(りじゅんてい):井上喜久子
李白綿(りはくめん):M・A・O
黄鶯鶯(おういんいん):水野理紗
カルリチ:内田彩
スタッフ
原作:一淳(テンセントアニメ連載)
監督:ボブ白旗
キャラクターデザイン・総作画監督:河南正昭
シリーズ構成:加藤結子
プロップデザイン:あおきまほ
美術監督:三宅昌和
色彩設計:桂木今里
撮影監督:川口正幸
編集:内田恵
音響監督:郷田ほづみ
音楽:シバサキユウキ
OPテーマ:「prima dynamis」(プリマ デュナミス)
歌:電気式華憐音楽集団
EDテーマ:「ツギハギ」
歌:芝崎典子
総企画:邹正宇
企画:熊猫盖饭
総エグゼクティプロデューサー:李筱婷
エグゼクティプロデューサー:ASKASK、沉默的章鱼、水獭
プロデューサー:宮本逸雄
アニメーションプロデューサー:大野雅義
アニメーション制作:スタジオディーン
製作:腾讯动漫
TVアニメ『悪偶 -天才人形-』公式サイト
TVアニメ『悪偶 -天才人形-』公式Twitter(@aguu_anime)