横山智佐さん、高乃麗さん出演『サクラ大戦真夏のフェス・花の戦士』は新たな歌謡ショウの幕開け!
2018年8月11日(土)、東京・上野恩賜公園野外ステージ(上野水上音楽堂)にて、横山智佐さんが主催する『サクラ大戦真夏のフェス・花の戦士』が開催されました。
上野水上音楽堂で行う夏のサクラステージは、2012年8月、2013年8月に続いて今回で3回目。今やすっかり“おなじみの場所”となった浅草花やしき内「花やしき座」と並んで、上野水上音楽堂にも“夏のサクラの風物詩”という認識が生まれつつあります。
今回は2017年導入の『パチスロサクラ大戦 ~熱き血潮に~』用の新曲が多数あることから、新曲披露が大きな要素となりました。とりわけイベントタイトルにもなった「花の戦士」は、「檄!帝国華撃団」ばりにみんなで踊れる振付も用意され、新旧のサクラファンが同時に新曲の振付を憶え始めるという、歌謡ショウ“再始動”に相応しい光景も広がりました。
舞台が広いことから、久々に派手な殺陣を披露するアクションコーナーも見応えがありました。広井王子氏による脚本も、まさにかつての歌謡ショウの色合いそのまま!
上野という土地は、大帝国劇場がある銀座を本拠地とする帝国歌劇団にとってはアウェーとなるわけで、東京の中でも地域差がある市井の人々の機微を描いた内容は、六代続く東京っ子の広井氏ならではと言えるでしょう。殺陣もかなり激しいもので、横山さんの“真宮寺さくらの剣さばき”も冴え渡っていました。
野外ステージの醍醐味満点! 夏の暑さも舞台の熱気に!
前説は丘菊之丞(演/松野太紀さん)。菊之丞の衣裳の女性士官制服ではなく、陸軍カラーのドレスをまとっての登場となりました。
松野さん曰く、『サクラ大戦』の舞台は7年ぶりだそうで、菊之丞のキャラを探り探りやっていると自嘲しますが、観客に「かわいい」コールをせがむ様などは活き活きとして見えます。
そこにダンディ団の西村ヤン太郎(演/西村陽一さん)とベロムーチョ武田(演/Velo武田さん)が加わり、前説恒例の振付講座へ。「檄!帝国華撃団」のサビの振付に続いて、今回は新曲「花の戦士」の振付があり、振付を担当した松野さん自ら説明します。
オープニングナンバーは「下町ラプソディー」。雨上がりの下町を歩く曲を、実際に雨上がりとなった野外ステージで聴く臨場感は、ホール会場ではなかなか味わえません。
続いて「銀座行進曲」。今回はダンサーチームとアクションチームを入れて、人数もかなり多いため、群舞の見応えが違います。
曲中に寸劇を入れるのもサクラ大戦歌謡ショウの伝統ですが、ダンディ団の追いかけっこに恋の告白、マリア・タチバナ(演/高乃麗さん)登場など、次々に見どころが現れる賑やかな一曲となりました。
今回は舞台が上野なので、上野にまつわる曲を歌おうと考えたものの、サクラソングは銀座の曲ばかりで上野の曲がないことに気付いたさくらさん。そこで浅草と銀座の名店を巡る李紅蘭の名曲「メトロで行こう」の歌詞を、上野バージョンに換えて歌うことにします。
お買い物は三越から松坂屋に、お食事はヨシカミから精養軒に、デザートはアンヂェラスから二木の菓子に置き換わり、さらにパルコヤ、さくらご愛顧の安売店ABAB(アブアブ)まで登場する、情報満載の上野ご当地ソングとなっていました。
次のドラマパートでは、さくらが街を歩いていると、兄が熱烈なファンだという学生が声をかけてきます。帝国歌劇団の舞台をまだ観たことがないそうで、ラムネを渡して「一曲歌ってよ」と気軽に歌をねだる学生。またそれに応えてアイリスの曲「ラムネの歌」を歌うさくら。
街で出逢った芸能人に歌を歌ってもらうなど、今では難しいでしょうが、万事大らかだった昔はこんなことが普通だったのかもしれません。
新曲披露に迫力の剣戟、これぞまさしく歌謡ショウ!
続いてはマリアのコーナー。まずは花組の演目『あぁ、無情(レ・ミゼラブル)』からマリア&アイリスの曲「我が心に鳴る鐘」を、マリア&さくらで披露します。
次がステージ初披露となる、『パチスロサクラ大戦 ~熱き血潮に~』用の新曲「殺したいほどOHH-LA-LA」。
マリア曰く、「初めてこの曲をいただいたときは、なんの冗談だろうなって」「これ、どういう風に歌えばよろしいんでしょうかとお聞きしたくらい」と、自身の名前から引用されたであろう「OHH-LA-LA」を連呼する歌詞に戸惑ったことを明かします。
圧巻は、アコースティックギターとハーモニカの曲にアレンジした「つばさ」。紅蘭&アイリスの名曲ですが、マリアらしくジャジーに歌い上げることで、花組メンバーの曲を自分の色にアレンジするという新たな楽しみ方が生まれたようでした。
今回の大きな見どころとなったのがアクションコーナー。
上野で愛を探す菊之丞がチンピラに絡まれ、そこに騒ぎを聞きつけたベロが割って入ります。ベロは花組の公演真っ最中のこの場を収めようとしますが、上野のチンピラたちは「誰に断ってここで公演してるんだ!?」と因縁をつけてきます。
ベロが「俺を銀座のダンディ商会のベロムーチョ武田さんと知って因縁つけてんのかコラ!?」と凄めば、チンピラも「ここは三代将軍家光公が、天海僧正に開山させた上野だぞ! 埋立地の銀座とは歴史が違うんだよ!」と、ためになる返しを見せます。
東京とひと口に言っても、土地の者の意識には差がある。こうした細かい描写も『サクラ大戦』ならではの持ち味です。
そこへさくらが登場。チンピラたちは女だと舐めてかかるも、圧倒的な剣腕の前に、たちまち全員返り討ちにされます。
これだけ太刀回りをたっぷり魅せるのは久々ですが、さくらの剣にはさらに磨きがかかっていました。
さくらの強さを見て、本腰を上げる牙鉄のアニキ。木刀のさくらに対し、真剣で斬りかかります。
激しい攻防の後、さくらが一刀流の秘剣・金翅鳥王剣(こんじちょうおうけん)で牙鉄の剣を飛ばすと、潔く負けを認める牙鉄。
せっかく綺麗に勝負がついたのに、手下が銃を持ち出してさくらを狙います。
響く銃声! しかし腕を押さえて倒れたのは手下のほうで、そこに銃を構えたマリアが颯爽と現れ、「素人が銃を持つんじゃないわよ」。
さらに、「この野郎!!」と襲いかかるチンピラたちを一蹴し、「野郎じゃないから」と告げるマリア、イケメン過ぎです。
新たな定番曲「花の戦士」に「ゲキテイ」で、クライマックスは鉄板!
「夢見ていよう」「夜空の花」の次は、『パチスロサクラ大戦 ~熱き血潮に~』用の新曲「戦恋歌~IKUSA KOIUTA」。新曲が次々に出てくるというのはいいものです。
ここからはラストに向かって盛り上げるため、まずはレビュウナンバーから「夢のつづき」「これがレビュウ」。
煌びやかなドレスのダンサーを従えて歌い踊る様は、これぞ歌謡ショウ!
この日一番の盛り上がりを見せたのが、新曲「花の戦士」。疾走感ある曲調で、観客の手拍子もハイテンポで打ち鳴らされますが、サビに来たとたん一斉に手拍子が鳴り止み、全員で新しい振付に挑みます。
若いファンにとっては、これまでずっと先輩ファンたちの背中を追うしかなかったサクラにおいて、初めて横一線のスタートを切れる機会となったわけで、これからのサクラを象徴する曲にもなりそうです。
アンコールでは、実は声がうまく出ないほどの体調不良の中、横山さんが今日のライブを務めていたことが明かされました。
そして最後は感謝を込めて、客席をくまなく回りながら「笑って笑って」。たとえ身体は倒れる寸前でも、笑顔を絶やさず歌い続ける姿はまさに戦士!
どうやら横山さん自身が「花の戦士」だったようです。
[取材・文/帝劇スタ夫]
ダンディ商会プロデュース
サクラ大戦歌謡ショウより~『続々・花咲く男たち』大帝国劇場支店花やしき支部劇場
【開催日時】
2018年9月4日(火)~9月9日(日)全8回
【会場】
東京・浅草花やしき内「花やしき座」
東京都台東区浅草2-28-1
【チケット価格】
全席指定/6,000円(税込)
※浅草花やしき入園料含む
【出演者】
園岡新太郎、西村陽一、Velo武田、陶山章央、内田直哉、螢雪次朗
佐藤浩希、氷上恭子、松野太紀(9月6日~9日のみ出演)、他ゲスト出演者
<ゲスト出演日>
9月4日(火)19:00 松原剛志 ※チケット有
9月5日(水)19:00 渕崎ゆり子
9月6日(木)19:00 西原久美子
9月7日(金)19:00 松原剛志 ※チケット有
9月8日(土)13:00 小林沙苗
9月8日(土)17:30 田中真弓
9月9日(日)13:00・17:30 横山智佐
*開場は開演の30分前
脚本:広井王子
演出協力:大澤遊
【チケット発売中】
CNプレイガイド http://cnplayguide.com/hanasaku3/
イープラス http://eplus.jp/hanasaku3/
【協力】
浅草花やしき/株式会社セガホールディングス
【制作】
株式会社オフィスサイン
【企画・主催】
株式会社ダンディ商会
【公演に関するお問い合わせ】
浅草花やしき
TEL:03-6802-8780(10~17時)
https://www.hanayashiki.net/
>>サクラ大戦ドットコム
>>『ちさくら部』~横山智佐公式ファンクラブ Web Site~