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声優・花守ゆみりが語る「ラディアン」とセトの魅力!

セト役・花守ゆみりさんがEテレにて10月6日スタートの「ラディアン」の魅力を語る!

フランス発の少年冒険ファンタジー、いよいよ2018年10月6日(土)午後5:35よりNHK Eテレにて放送スタート!

主人公・セト役を演じるのは現在めざましい活躍をされている花守ゆみりさん。本作でも元気のいい少年役で、叫びまくっています。

その花守さんに、『ラディアン』やセトについてお話を伺いました! 放送前なので、あまり詳しい話はできない中、いかにこの作品にハマっているかがよく伝わるようなインタビューになりました。

9月29日(土)午後5:35からは、EテレにてPR特番『空前絶後の冒険アニメ「ラディアン」』も放送! これぞ王道の冒険ファンタジー!

花守ゆみり(はなもり ゆみり)
9月29日生まれ。神奈川県出身。m&i所属。
http://mand-i.jp/talent/hanamori-yumiri/


日本人が戻れなくなっていた王道を往く『ラディアン』

――作品の印象は?

花守ゆみりさん(以下、花守):子供の頃に見たかった夢が全部詰まった作品になっていると思いました。原作を読ませていただくと、まっすぐなんですよ。お話自体もセトの性格もまっすぐで、明るさはもちろん、悔しい、つらい、悲しいという重い気持ちすらもまっすぐ描かれていて。

いい意味でフィルターを通していないからこそ、全部直接入ってくるから、このワクワクをいま冒険を必要としている子たちに観てほしいと思いました。

――そのまっすぐさは、外国人が描いている影響が大きいと思うんです。日本人だとどうしても、まっすぐより変化球で勝負しようとしますから。

花守:そう思います。少しでも昔のものとは違うもの、アレンジをっていう気持ちが大きくて、いい意味で飾ってあるんですけれど、その飾りを全部取っ払った良さがあると思うんです。

私も今を生きる声優なので、関わらせていただく作品作品で「あ、ステキな作品だな」と思うことはあるのですが、ここまで真っ裸というか(笑)、ほんとに全部まっすぐに貫き通していく作品に出逢えたのは初めてだなと思いました。

――日本のアニメだと、昭和50年代くらいまでの作品でほぼ形作られた“王道”なんですけど、今のクリエイターはそこに戻れなくなってしまっているという。

花守:逆に必要とされているオリジナルがそこにあると思うんです。新しいものを追及し過ぎて、純粋にまっすぐだなと思える作品が最近なかったと思うんです。でも『ラディアン』はそれが全部詰まっている。

大人の方が観たら「あ、懐かしいな」と思えて、子供から観たら「あっ、こんなワクワクな世界があるんだ!」って楽しめる作品だと思います。新しさを求めて、大切とはわかっていても自力では戻ることができなかったからこそ、海外で描かれたマンガが日本に来ることによって、思い出させてもらえることがあるなと思いましたね。

――日本人とは違うセンスを感じたところはありましたか? ネーミングとか。

花守:ネーミングは違和感なかったです。違うというか、いいなと思ったのは、すごいカラフルなんですよ。それこそ往年の作品みたいに、いろんな色がある作品なんです。

見ていて視覚的にもワクワクさせられます。ミスター・ボブリーというマスコット的なキャラクターが登場するんですけれど、まだ色がわからなかった頃は「たぶんパステル調の、ピンクとか白とかそういう感じなのかな♥」と思ってたら、「緑!」っていう(笑)。

「あっそうか、ドラゴンみたいなキャラだから緑なんだ!」って、改めてすごいカラフルな作品だなって思いましたね。

長年かけて培われてきた表現のフィルターを通していないからこそ、すごい明るいし、すごい賑やかだし、それでいてすごい暗い気持ちになってしまう場面もあって、その落差のジェットコースターがワクワクを誘ってくれる。最近なかった刺激を与えてくれるんじゃないかなと思います。

セトは出し惜しみなし! デコボコトリオは気持ちいい!?

――本日の収録でも叫びっぱなしでしたが、セトはどんなキャラクターですか?

花守:明るくてまっすぐで、でもそれは「客観的に見て正しい」わけじゃないんです。「自分が正しいと思った」気持ちを貫いていくからこそ、迷うし、「なんで!?」という気持ちを相手に伝えるし、叫ぶことも多くなるんでしょうね。

セトはこの世界だと、魔法使いという部類に入るんですけれど、それによって周りの人から差別とか、偏見の目で見られることも多くて。だからこそ、この小さな身体で声を大にして相手や敵に伝える姿に、原作マンガを読んでいるときから惹かれたんです。

だから「出し惜しみしちゃダメだな」と。「声帯が壊れる」とか気にしないで演技したほうが、きっと伝えたいことを伝えられると思うから、全力で演じさせていただいています。セトがこう思っているから、そこに合わせて喉も使おうと。

――序盤のセトの見どころは?

花守:この言葉を使っていいのかわからないんですけれど、たぶんみなさん「クソガキ!」って思うでしょうね(笑)。大人の方だったらアルマさんの目線になったり、トミーの目線になったりして、「ダメだよそんなことしたら!」ってセトに対して未熟さを感じると思うんです。

それが物語が進んでいくにつれて、思わずセトの目線になってしまう。そういう作品になっていると思います。まっさらで、ただ強くなりたいと思っていて、正しいとか間違っているとかもない状態なんだけど、まっすぐ自分を貫き通そうとしている。

敵とか壁に対して果敢に立ち向かっていく姿に惹かれ、思わずのめり込んで、いつの間にか好きになってもらえるキャラなんだなと、演じていて思いました。

――周りのキャラクターもみんな個性的ですね。

花守:やっぱり1話といったら、アルマが出てくるんですよ。アルマはセトの本当の母ではないんですけれど、私も「あっ、お母さんだ!」って思ったんです。

アルマ自体も言葉が足りないところがあったりして、セトとすれ違うこともあるんですけれど、2人は通じ合っているからこそすれ違う場面もあるっていうのが、すごいお母さんらしいなって感じるんです。

ちょっと乱暴なところとか、心配してのことなのに素直になれないところに、美化されていない、ありのままの母というものを感じて。それに対してセトは反抗もしちゃうんですけれど、アルマに対する感謝と、これまで守ってもらったぶん守ってあげたい気持ちもあるんです。

すれ違いながら、セトの成長も見守っていて、自立させようとする一方でちょっと寂しいなと思っている場面もあったりして。きっとお母さんが観たら、感情移入して泣いちゃうようなキャラクターだろうなと思います。

アルマとセトの親子のような愛、絆というものが、序盤のテーマにもなっているんです。そのアルマと離れてから出会うのが、メリとドクなんです。

メリは最近のヒロインのような、とにかく「好き♥」と想いを寄せるというよりも、メリ自身も未熟で迷っていて、変わりたいという想いを抱えながら生きている子なんです。

3人が出会って、メリもセトという「初めての友人」に特別な感情を抱くし、セト自身も「こんなに話せる仲間がいるんだ」とか、「3人一緒にいるのが当たり前」というような存在に会えたのは初めてだと思うんです。チグハグなんだけれど、そのデコボコ具合が気持ちいいトリオだなと、演じていて思いますね。

そんなセトとメリという、フワフワしている2人を面倒見てくれるドクという、要になる存在がいるんですけれど、とにかく苦労人なんです。

これでもかってくらい、毎回とばっちりを受けるんですよ。でも、観ていて「ドク、ドンマイ!」って(笑)。「ああ、かわいそ。だけど面白いな」っていう(笑)。ドク自身、懐かしさに溢れるキャラクターで、ほかのキャラクターたちもどこか懐かしさを感じつつ、感情移入しちゃう子たちが多いかなって思いますね。


キングサイズのベッドにダイブする感じで大暴れ!?

――このキャラクターたちを演じるキャスト陣もまた、錚々たる顔ぶれですね。

花守:そうなんですよ! 新しいキャラクターが出てくるたびにドキドキします。

現場でいうと、芸歴的にも私がほぼ一番下のような存在で、最初こそ「だ、大丈夫かな……」と思っていたんですけれど、この作品ってセトが暴れないと魅力が出せないから、「怒られても構わない!」と思いながら自由にやらせていただいています。

それに対して先輩たちも「わかった!」と受け入れて、しっかり返してくれるので、今はキングサイズのベッドにダイブする感じで演技していますね。

「セトだったらこうする!」と思った通りに音を出して、それにメリ役の悠木さんとかが乗ってくれたり、ドク役の大畑さんも全力でつっこんでくださったりして、すごい気持ちよく演じています。

――今日のアフレコではアドリブが飛び交っていましたが、普段からあんな感じですか?

花守:あんな感じです! 表情が動いたらセリフを入れる! みたいな(笑)。何かしていようものなら好きな言葉を入れるぞ、みたいな勢いで演じているところがありますね。

最初はセトだけが暴れている感じだったんですけれど、仲間が増えたことによって、「じゃあもっと暴れよう!」みたいに全員のテンションが上がっている気がします。自由に暴れてます。

こんなに自由に演じていて大丈夫かなって心配していると、監督が「大丈夫です!」って仰ってくださって、演技をはるかに超える絵の自由さで魅せてくれるんですよ。どんどん動くし、観ていて気持ちいいし、「冒険してる!」って気分になってもらえると思います。

――作品の世界観については、最近の作品と比較すると、セトが置かれている状況がかなりきついように感じます。

花守:周りの人間のセリフやアドリブに、「この魔法使いめ!」みたいな敵意が含まれているんですよ。確かにつらい世界観ではあるんですけれど、それに対抗できるガッツとまっすぐさを持っているのがセトなので。

「セト強いから、マイナスとプラスで大丈夫でしょ」みたいな感じで、絶対的な信頼をもって観ることができるなと思っています。ただ、セトの明るさによって気にならなくはなっているけれど、改めて世界観を見ると、けっこう酷いことを言われているし、私だったら部屋に引きこもっているなというセリフもありますね(笑)。

最初の街のセトとアルマの扱いとかを見ると、オブラートに全然包まず、がっつりやっちゃうから、観る人によってはけっこうショックが大きいかもしれません。

――最近の作風で言えば、セトたちがアルテミス学院に行った後くらいの雰囲気で始めるのが普通ですよ。

花守:セトのバカさで世界観を中和させているところがあるかもしれませんね。普通は主人公もある程度大人で常識を持って始まるから、「見ない振りをする」ことが多いと思うんです。

でもセトって未完成だからこそ、「なんでそうなるんだよ!?」って言葉にするし、行動も起こすし、「そこ聞いちゃう!?」っていうことを率先してやっちゃうんですよ。暗黙の了解なんて取っ払って、見たいものは見る。まっすぐに伝えてくれるからこそ、観ていてワクワクするんじゃないかと思いました。

――空を飛ぶ船や、空に浮かぶ学院といった世界観はいかがですか?

花守:箒に乗って飛ぶじゃないですか。それこそ子供の頃に魔法使いに憧れていたし、空中艇とかが出てくる世界観を見ると「自分が子供のときに観たかったよ!」って思いますね。

私が小さい頃は、科学と魔法の合体みたいな作品はあったんですけど、ここまで魔法魔法な作品には出会えなかったんです。だからこそ、空を自由に飛び回るというのが観ていて気持ちいいし、ワクワクする要素になっているんじゃないかなと思います。

空って冒険の代名詞だなと思うし、監督たちとも「これが冒険活劇だよ!」って話していますね。

――NHK Eテレで放送するということで、全国の子供たちにしっかり届けたいという想いも伝わってきます。意気込みをお願いします。

花守:今を生きる子供たちに観てほしいのはもちろんなんですけれど、最近疲れたな、いつも同じものばかり見てるなっていう、日常に閉塞感を感じている大人の方たちにも観てほしいなって思います。

まっすぐに生きることがちょっと難しい時代になってしまっていると思うんです。人付き合いの中でも、うまく行くための嘘をつくことが必要とされてしまう。自分の想いとは裏腹なことを言ってしまう。そういう時代だなって思っていて。

だからこそ、「このくらいまっすぐに生きたら気持ちいいんだぞ!」っていうことを伝えたい! 観てほしい! そういう作品になっていると思うんです。

この作品を観て、今の自分に嫌気が差したとしたら、「まだ自分は大丈夫なんだな」と思えるようになると思うんです。自分の中のまっすぐさに再び気付かせてくれる作品だと思うし、お子さんだったら「ボクもラディアン探しに行きたい! もっと冒険したい!」って思ってもらいたい。

今を生きる人にワクワクを届けられる作品だと思うので、すべての世代の方に観てほしいです。

番組情報
『ラディアン』
Eテレにて2018年10月6日(土)より、毎週土曜日午後5:35~ 放送スタート

【あらすじ】
カッコいい大魔法使いになることを目指す少年・セト。空からやってくる怪物・ネメシスを倒すため、毎日魔法の特訓に励むが、うまくいかずトラブル続き。住人たちに迷惑をかけ、育ての親・アルマからも叱られてしまう。

そんなとき、超巨大ネメシスが町を襲う! 世界を救うためネメシスの根絶を決意したセトは、ネメシスの巣があるという伝説の地“ラディアン”を探す旅に出る。新たな仲間との出会いや、強敵との戦い、待ち受ける困難に立ち向かうセトの冒険が今、始まる!(全21話)

【スタッフ】
原作/トニー・ヴァレント
監督/岸 誠二
シリーズディレクター/福岡大生
シリーズ構成/上江洲誠
脚本/重信 康、蒼樹靖子、菅原雪絵
キャラクターデザイン・総作画監督/河野のぞみ
プロップデザイン/沙倉拓実
モンスターデザイン/廣瀬智仁
アクション作画監督/アミサキリョウコ
美術監督/鈴木友成
色彩設計/竹川美緒
撮影監督/中川せな
音楽/甲田雅人
オープニングテーマ/『Utopia』 歌:04 Limited Sazabys
エンディングテーマ/『ラディアン』 歌:ポルカドットスティングレイ
アニメーションプロデューサー/宮﨑裕司、比嘉勇二
プロデューサー/藤田裕介
制作統括/米村裕子、八木雪子
アニメーション制作/Lerche
制作/NHKエンタープライズ
制作・著作/NHK

【キャスト】
セト/花守ゆみり
メリ/悠木 碧
ドク/大畑伸太郎
アルマ/朴 璐美
ミスター・ボブリー/小市眞琴
ドラグノフ/遊佐浩二
グリム/子安武人
マスター・ロード・マジェスティ/山口勝平
ヤガ/吉野裕行
ミス・メルバ/東山奈央
トルク/三宅健太
フォン・ツェペシュ/寺島拓篤
ウルミナ・バグリオーレ/早見沙織
リゼロッテ/佐倉綾音
サントーリ/緒方賢一
ピオドン/木村良平
ボス/稲田 徹
ナレーション/速水 奨


>>アニメ「ラディアン」公式サイト

(C)2018 Tony Valente, ANKAMA EDITIONS / NHK, NEP
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