竹達彩奈さん&悠木碧さんのプチミレディ・オーケストラコンサートレポート|壮大なオーケストラと、小さな淑女達の歌声が奏でるハーモニー!
2018年10月27日、東京芸術劇場コンサートホールにて、声優・アーティストの竹達彩奈さんと悠木碧さんによるユニット「petit milady(プチミレディ)」が「petit milady オーケストラコンサート~Happy Halloween!観に来てくれたらイタズラするぞ~」を開催。
プチミレディとしては初のオーケストラコンサートといことで、ファンの期待も高かった本公演。ここでは、その夜の部の模様をレポートしていきます。
二人は、ハロウィンにあわせた魔女風のコスチュームに身を包んで登場
今回の会場は、実際に数々のオーケストラコンサートが行われている東京芸術劇場。これまでのライブ会場とは雰囲気が異なる厳かな趣で、ムッチュ☆(プチミレのファン達の総称)達もどことなく緊張している様子が伺えます。
そんなムッチュ☆達の緊張をほぐすように、ハロウィンに合わせた二人の軽妙な掛け合いの前説が行われたあと、ステージには今回の演奏を担当する東京ニューシティ管弦楽団と、魔女風のコスチュームに身を包んだ、悠木さん・竹達さんが登場。
コンサートが幕を開けると、まるでゴシック・ホラーの世界観のような、神聖かつどこか不気味げな、パイプオルガンによるソロ演奏から、シームレスに「Black Snow White」へと移行。
ポップでキュートなイメージの強い、普段のプチミレのライブとは一線を画する、重厚感に溢れた旋律が奏でられ、これまでのライブとは全く違う意気込みのようなものが伝わってきます。
なお今回のコンサートは、ハロウィンの時期に行われたこともあり、客席にはお化けの仮装をしたムッチュ☆達の姿もちらほら。
お二人によると、夜の部は昼の部よりも派手な仮装が増えていたようで、昼の部で「ここまでやっていいんだ」という安心感を得たことで、仮装をする人が増えたのではと予想していました。
続く「Girl's Jubilee」と「Ma Chérie」は、共にアニメの最終回に流れそうな壮大なアレンジが加えられ、バイオリンとピアノのハーモニーが心地よく響き渡ります。
中でも勇ましさと切なさを両立させたような「Ma Chérie」のアレンジは、悠木さんと竹達さんにとっても特にお気に入りなのだとか。
プチミレを代表する人気曲「azrite」では、ステージの照明からムッチュ☆達の振るサイリウムまで、まさに「アズライト」色である青の世界が展開。
こちらはピアノを主旋律に、しっとりとしたアレンジが加えられており、ハイテンポでリズミカルな原曲とはまったく異なる印象を受ける楽曲へと変わり、歌い上げる二人の感情を、より感じられるような仕上がりとなっていました。
続いて「箱庭のヒーロー」&「YAYAKOSHI GIRL」と、アルバム「Mille Mercis」に収録されていた、それぞれが対になった2曲を立て続けに熱唱。
「箱庭のヒーロー」では、庭をイメージした緑のサイリウムが振られていたのですが、お二人はその様子を「草生える」「アースになってた」という独特のセンスで表現し、ムッチュ☆達の笑いを誘います。
ソロパートでは、それぞれにとって思い入れの深い楽曲を熱唱
その後は、ソロパートのコーナーへと突入することに。
まず竹達さんが披露したのが、自身のアーティストとしてのデビュー曲でもある「Sinfonia! Sinfonia!!! 」。
「Sinfonia! Sinfonia!!! 」は、その曲名の通り音楽がテーマの一つにもなっている楽曲で、PVでは指揮棒を振る場面も。オーケストラ楽団の中心に立ち、指揮棒を振るう竹達さんの姿は、あのPVを現実へと映し出した、本当の指揮者のようでした。
一方、悠木さんが歌い上げたのは、TVアニメ『ピアノの森』のエンディングテーマであり、新たな音楽活動の幕開けを飾った「帰る場所があるということ」。
ピアノソロを中心に様々な音色が入り交じってくる楽曲は、オーケストラの伴奏との相性も抜群。この時の悠木さんは、普段のトークやプチミレの時とはまた異なる歌声を発しており、その卓越した表現力と、ソロならではの一面をムッチュ☆達に披露していました。
衣装を新たにした2人が再び揃い踏みとなってからは、ALI PROJECTの宝野アリカさんが作詞、片倉三起也さんが作曲・編曲を担当した「緋の糸輪廻ノGEMINI」を熱唱。
「緋の糸輪廻ノGEMINI」も、独自の世界観をもつALI PROJECTらしさがふんだんに盛り込まれた楽曲となっており、当初はプチミレの二人には歌うのが難しいとも感じられたそう。
また、実は当初は仮歌として、ALI PROJECTの歌姫・宝野アリカさんによるボーカルが入っていたという豪華さになっていたそうで、「これをこのまま出せばよくない?」と内心で思っていことを明かし、ムッチュ☆たちの爆笑を誘います。
それに続くのは、タイムリーな楽曲である「はろうぃんあるばいたー」。これまではなかなかファンの前で披露する機会がなかったという楽曲ですが、今回のコンサートにはまさにピッタリ。
ハロウィン風の照明がステージが彩られる中、管弦楽器のシックな音色と二人のキュートな歌声が響き渡り、絶妙なハーモニーを奏でていました。
5thアルバム&5thライブの開催が決定!
大盛り上がりのコンサートも、ここからいよいよクライマックスへと突入します。
「Lost my memory」は、シックでしっとりとしたメロディへとアレンジされており、ややアップテンポ気味な原曲から印象がガラリと変わる、新しい楽曲の一面を披露。
竹達さんは「アニメの終盤のいいシーンで、挿入歌として流れそう」とアニメ好きならでは視点からの感想を述べる一幕も。
さらにその後には、5thアルバム「Howling!!」の発売と、5th LIVEの開催が2019年3月3日に決定したことが発表され、会場は大盛り上がり。
今回のアルバムは、ライブ向けに特化した熱くカッコいい楽曲が数多く収録されているとのことで、期待も高まります。
そして最後の曲となった、今年のプチミレを代表する人気曲「360° 星のオーケストラ」では、ステージの演出とムッチュ☆達が一つとなって、美しい星空を描き出します。
さらに壮大なフルオーケストラによる演奏がそれを盛り上げる、タイトル通りの「360° 星のオーケストラ」がついに実現することとなり、その幻想的な光景の中心で可憐な歌声を響かせる二人の歌姫は、本当の魔法の世界に住む妖精たちのようでした。
これでコンサートは幕を閉じる……かに思われたのですが、ステージを後にする二人と東京ニューシティ管弦楽団に贈られた割れんばかり拍手とアンコールに答える形で、悠木さんと竹達さんが再登場。
これまでのフルオーケストラとは異なる、ピアノとバイオリンが主旋律となった小規模オーケストラでのしっとりとしたメロディで、「SNOW // SLASH」を情感豊かに歌い上げます。
その後は、残りの楽団の面々も合流してフルオーケストラへと戻り、聞いていると元気が湧いてくる、プチミレらしさが全開の楽曲「アップデートの坂道」を熱唱し、いよいよ本当のラストナンバー「Fantastique Phantom」へと突入。
実はここまで、今回はコンサートというもあってコールは控えめになっていたのですが、ライブの定番曲でもある「Fantastique Phantom」では、今まで抑え込んでいたものを解放するかのように、ムッチュ☆達もライブさながらに声を張り上げ、そのボルテージも最高潮に。
ステージと客席が一つになる盛りあがりの中、コンサートは幕を閉じました。
プチミレにとっては、初めての試みとなった今回のコンサート。
オーケストラによるアレンジが加えられた楽曲の数々は、ライブやCD音源とはまた趣の異なる魅力を持ち、通常のオーケストラコンサートではなかなか見られないであろう、サイリウムやコールによる一体感など、普段と一味も二味も違うイベントに、ムッチュ☆達の誰もが満足していた様子でした。
待望の5thライブも決まり、小さな淑女たちが、次はどんな新しい世界を見せてくれるのか、今から楽しみです。
[取材・文・写真/米澤崇史]
「petit milady オーケストラコンサート~Happy Halloween!観に来てくれたらイタズラするぞ~」夜の部 セットリスト
1.OPENING Pipe Original Solo
2.Black Snow White
3.Girl's Jubilee
4.Ma Chérie
5.azrite
6.箱庭のヒーロー
7.YAYAKOSHI GIRL
8.Sinfonia! Sinfonia!!!
9.帰る場所があるということ
10.緋の糸輪廻ノGEMINI
11.はろうぃんあるばいたー
12.Lost my memory
13.360° 星のオーケストラ
EN1. SNOW // SLASH
EN2.アップデートの坂道
EN3.Fantastique Phantom
petit milady OFFICIAL WEBSITE
petit milady OFFICIAL Twitter(@petitmilady)