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『映画プリキュアミラクルユニバース』ゲスト声優・田中裕二(爆笑問題)インタビュー

『映画プリキュアミラクルユニバース』ゲスト声優・田中裕二(爆笑問題)さんインタビュー|「大統領の役です」と聞いて、画を見て、ますます混乱しました(笑)

2019年2月から放送がスタートした「スター☆トゥインクルプリキュア」もますます盛り上がりを見せる中、3月16日(土)に公開される『映画プリキュアミラクルユニバース』。通算26本目のプリキュア映画である本作は、プリキュア映画の応援アイテム・ミラクルライトを作る惑星ミラクルの星々が主な舞台。「スター☆トゥインクルプリキュア」「HUGっと!プリキュア」、「キラキラ☆プリキュアアラモード」の15人のプリキュアが、宇宙の危機を救うために大活躍します。

アニメイトタイムズでは、本作のゲスト声優の一人として、惑星ミラクルの星々を司る大統領を演じる爆笑問題の田中裕二さんにインタビュー。人気お笑い芸人でありながら、『モンスターズ・インク』のマイク(・ワゾウスキ)など声優としても活躍している田中さんに、声優としての活動や、初めてのプリキュア映画出演の感想などを伺いました。

今までで一番、「え? なんで僕に?」とビックリした

──本作への出演オファーを受ける以前、「プリキュア」シリーズに対しては、どのような印象を持たれていましたか?

田中裕二さん(以下、田中):僕自身が「プリキュア」を観て育ったわけではないですし、正直、あまり詳しい内容までは知りませんでした(笑)。でも、当然、子供たちにすごく人気のあるアニメだという認識はあったし、特に「可愛い」というイメージが強かったですね。

今、日本のアニメに出てくる可愛い女の子は、世界中で人気があるじゃないですか。「プリキュア」は、その「可愛さ」の原型というか、象徴的な作品なのだろう、という印象を持っています。

──「プリキュア」シリーズは、可愛い女の子たちが格好良く戦うところも魅力の一つですが、そういった一面もご存じでしたか?

田中:女の子たちが戦うことは、もちろん知っていましたよ。でも、今回、台本を読んで、「プリキュアの変身シーンって、こんなに長いんだ!」ということには驚きましたね。CMくらいあるし(笑)。

──では、そんな作品への出演が決まった際の第一印象をお聞かせ下さい。

田中:これまでも何度かアニメなどの声優の仕事はやらせてもらっているんですけれど、今までで一番、「え? なんで僕に?」とビックリしました。「プリキュア」と54歳のおじさんなんて、まったく対極にいる一番遠い存在(笑)。

(キービジュアルを見ながら)この中に僕の居場所があるなんて思えないでしょ? だから、「どうしよう……。やばいなこれは」というのが、正直な第一印象でしたね。

──出演が決まった時点で、作品の設定や田中さんが演じられた大統領というキャラクターの設定などは知らされていたのですか?

田中:最初に聞いた時は、まだ設定などは聞いてなかったのですが、ほどなくして「大統領の役です」と聞いて。画(設定画)も送られて来たんですけど、それを見て、ますます混乱しました(笑)。「こんな可愛い大統領って、何?」って(笑)。しかも、その時は、どこの大統領かも分からなくて、「どういうこと?」ってなりましたね。

──本作の設定やあらすじを知らないと、「プリキュア」と「大統領」というワードは結びつかないですよね。

田中:そうそう(笑)。しかも、その後、台本が届いたのですが、それを読んでも、台本の内容が分からなかったんですよ。

──読んでも分からないというのは、どういう状況だったのでしょうか?

田中:プリキュア素人にとっては、「プリキュア」シリーズの台本って、すっごい難しいんですよ! 分からない単語と分からない単語の応酬で、読み進めても、ますます分からなくなっちゃったんです。しかも、(この映画では)プリキュアもいっぱいいるから、女の子の名前も誰が誰だか全然分からないし。その中に、たまに違う毛色の名前も出てくるんですけれど……。

──きっと、妖精たちですね。

田中:それも、味方なのか敵なのか分からなくって。台本を読むところから、非常に難しかったです。変身すると名前も変わるし、本当に混乱して。自分でそれ以上理解することは諦めました。

──では、作品の世界観や大統領のキャラクターについてつかめたのは、アフレコの現場に行ってからですか?

田中:本当にそういう形でしたね。一人では「大統領って、こういう感じかな?」ということさえ想像もつかなかったので、現場で監督さんとお話しながら考えようと思いました。

▲田中裕二(爆笑問題)さん演じる大統領

▲田中裕二(爆笑問題)さん演じる大統領


 

アフレコって、技術的にすごく難しい仕事

──台本の内容や演じるキャラクターをつかめていない状況で、アフレコの現場に臨むことに不安はありませんでしたか?

田中:本当に不安でした(笑)。監督さんたちにもお会いしたことが無かったので、どんな方なのかも分からなかったですし。現場でやってみて、「うわ……期待外れだな」とか「全然、イメージと違う」と思われたら、どうしようとか思っていました。

でも、実際にお話を聞いたら、「無理に声を作ったりしなくても大丈夫です。普通の高さに近いところでやってください」と言われてホッとしましたね。大統領と言えども、(設定を見ながら)こういう見た目なので、甲高い声で喋ったりするのかな、とも思っていたので。

──比較的、田中さんのナチュラルな感じが出ているキャラクターなのですか?

田中:今、話しているようなしゃべり口調とは違いますけどね。セリフがちょっと長老っぽくて「~~じゃ」とか言うので、おじいさんぽい感じにはなっています。ただ、声を変えたりする感じでは無かったです。

──アフレコ現場で、田中さんの方から特に確認したことなどはありましたか?

田中:台本に「ホウ」というセリフが書いてあって。見た目がフクロウなので、きっとこれはフクロウの鳴き声の「ホウ」なのだろうなと思ったのですが、フクロウのリアルな声色なんて出せないし……。普通に人間のしゃべり口調で「ホウ」って言うと、「ほう、ほう」と相づちを打っている感じになっちゃうじゃないですか。

でも、文脈的にはどう考えても怒りのニュアンスがあったりして。収録の時には、そのつど確認をして。「そこは怒りを込めた『ホウ』でお願いします」と言われたら、(強めな口調で)「ホウ!」ってやってみる、みたいな形で進めていきました。

──田中さんは、『モンスターズ・インク』の人気キャラであるマイク役など、過去にも声優としてアニメに出演されています。声優という仕事に対しては、どのような印象を持っていますか?

田中:本当に苦手意識がずっとあって……。もちろん、オファーをいただけるのは光栄だし嬉しいことなんですけれど、アフレコの前はいつも不安になります。やっぱり、アフレコって、技術的にすごく難しい仕事なんですよね。

画を見ながら、それに合わせて台本に書かれたセリフを言って。しかも、感情を込めた芝居もする。そんな風に、三つ四つのことを同時にやらなきゃいけない。僕には、プロの声優さんみたいな経験も無いし、芝居もそんなにできないですから。

それに、僕は本職の声優さんではなく、ゲスト的な立場で呼んでもらっているから、監督さんたちも気をつかってくださっているんじゃないかな、という気がしてしまって。

──本当はリテイクを出したいけれど、遠慮してOKにしてくれているのでは、と思ってしまう?

田中:そうそう。だから、OKをもらっても、不安になっちゃうんですよ。「本当に良かったのかな。妥協してくれたんじゃないのかな」って。それは今回も同じで。監督さんたちを信じていますが、「僕だけ浮いてるんじゃないかな?」という不安は、今もあります(笑)。

──アフレコは、他のキャストさんとは別録りだったと伺っているのですが。本作の会見(「スター☆トゥインクルプリキュア」『映画プリキュアミラクルユニバース』合同会見)で、共演者の皆さんともお会いになったかと思います。その時の印象などを伺えますか?

田中:会見の前に、「スター☆トゥインクルプリキュア」の4人のキャストさんが楽屋まで挨拶に来てくれたんですよ。その時、いかにも僕らがイメージする女性声優さんという感じで、(すごく感高く)「よろしくお願いしますー」と話しかけてくれる子がいたんですね。

だから「すごいね。声優さんって、普段もそういう喋り方なんだ?」と言ったら、「私、声優では無いんです~」って。その成瀬(瑛美)さんだけは本業の声優さんではなく、アイドルのでんぱ組.incの子だったんですよ。

一番声優さんっぽい喋り方をする子が、声優さんではなかったことに一番驚きました(笑)。他の3人の声優さん(小原好美さん、安野希世乃さん、小松未可子さん)は、そんな喋り方ではなく、普通にしゃべってました(笑)。

(ヤンゴ役の)梶(裕貴)さんは、僕らの漫才のファンみたいで、昔からけっこういろいろな番組を観てくれていたそうなんです。男は僕らだけだったのですが、待ち時間にそんな話をしてくれて、嬉しかったですね。

 

宇宙には限りない憧れや夢がある。1回は自分の目で見たい

──本作では宇宙のどこかにある惑星ミラクルの星々が舞台ですが、田中さんご自身は、もし実際に宇宙に行けることになったら、行ってみたいですか?

田中:それはすっごい悩みますね~。う~ん……子供たちが大人になってたら行ってみたいかな。今、宇宙に行って、万が一、事故にでもあったら、さすがに嫌なので(笑)。子供たちのことを考えると、いつも「あと20年は死ねない」って思っちゃうんですよ。でも、20年くらい経ったら、仮に事故とかあっても、まあ良いかなって(笑)。

──すごくリアルな回答です(笑)。事故などは怖いけれど、憧れも大きいのですね。

田中:それは、もちろん。僕らは、ちょうど中学生くらいからSFブームが始まった世代ですからね。映画では『スターウォーズ』、アニメだと『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999』とかを観て育ったんですよ。だから、宇宙には限りない憧れや夢があるので、1回は自分の目で見たい気持ちは強いですね。

──でも、お子様のことを考えると、まだ行けないわけですね。そんなお子様たちにも、この『映画プリキュアミラクルユニバース』を観て欲しいという気持ちはありますか?

田中:やっぱり、子供が喜んでくれることが一番嬉しいですからね。上映が始まったら、家族みんなで映画館へ行こうと思っています。

──最後に、『映画プリキュアミラクルユニバース』の見どころをお聞かせ下さい。

田中:プリキュア映画は、みんなで協力することや、思いやり、勇気、友情といった普遍的なテーマも持ったシリーズになっていて。今回ももちろん、それらのテーマが描かれた作品となっています。

また、ミラクルライトを振ってプリキュアを応援しながら、つまり騒ぎながら観て良いというのも、子供たちにとってすごく楽しいこと。例えば、ヒーローショーの場合は、声に出してヒーローを応援して良いじゃないですか? 僕らの世代だと、ドリフターズの「志村、うしろー!」もそうでしたよね(笑)。

「プリキュア」シリーズは、それを映画でもOKにしたんですよ。こういった参加型の作品はすごく楽しいし、これからの子供向け映画のムーブメントになりそうだなと思います。

──最近は、大人のファン向けのミラクルライトも発売されています。

田中:大人が応援するのも良いと思いますよ。みんなで楽しみながら、観ていただきたいですね。

[取材・文・撮影/丸本大輔]

作品情報

『映画プリキュアミラクルユニバース』

2019年3月16日(土)公開

◆ストーリー
わたし、星奈ひかる! ある日星をみていたら、宇宙にワープしちゃった!? キラやば~☆この宇宙のどこかにミラクルライトを作る惑星があるって本当? あれ? えぇ~!? いきなり光が消えて、星たちが闇に包まれていく!? このままじゃ世界が真っ暗になっちゃう…大ピーンチ!! でも、宇宙の光を取り戻す為に絶対にあきらめない!だからみんな、応援して!

◆ミラクルライトとは
「プリキュア」の映画で中学生以下の子供たちに配られる入場者プレゼント。今回のミラクルライトの名称は【ミラクル☆ユニバースライト】。子どもたちはこのミラクルライトを光らせて振りながらプリキュアを応援するアイテム。

【声の出演】
成瀬瑛美
小原好美
安野希世乃
小松未可子
木野日菜
吉野裕行
引坂理絵
本泉莉奈
小倉 唯
田村奈央
田村ゆかり
多田このみ
野田順子
福島 潤
美山加恋
福原 遥
村中 知
藤田 咲
森なな子
水瀬いのり
かないみか
水島 裕

【ゲスト声優】
田中裕二(爆笑問題)
梶 裕貴
小桜エツコ
ゴー☆ジャス
脳みそ夫

【主題歌】
「WINくる!プリキュアミラクルユニバース☆」(歌:北川理恵)

映画プリキュアミラクルユニバース公式サイト
映画プリキュアミラクルユニバース公式ツイッター(@precure_movie)

(C)2019 映画プリキュアミラクルユニバース製作委員会
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