劇場版『えいがのおそ松さん』Dream Amiさんが語る映画と主題歌の魅力/インタビュー
2019年3月15日から全国公開中の劇場版『えいがのおそ松さん』。主題歌「Good Goodbye」を作詞し、歌うのはDream Amiさん! さわやかな曲調と、別れを温かく描いた歌詞は映画の世界観に寄り添っているだけではなく、卒業シーズンの今にピッタリ!
アニメイトでは3月13日の最新シングルCDをリリースしたAmiさんにインタビュー! 楽曲のテーマや想い、『えいがのおそ松さん』の感想などについて語っていただきました。
自分も見ていた『おそ松さん』の主題歌を担当できる喜び。映画版はTVシリーズの良さ+映画らしさに「さすが!」
――『えいがのおそ松さん』の主題歌を担当することが決まった時の感想をお聞かせください。
Dream Amiさん(以下、Ami):『おそ松さん』ファンの方が私の周りに多かったですし、私も見ていました。そんな大人気シリーズの映画版の主題歌を歌わせていただけることはとても光栄だなと思いました。むしろ「私で大丈夫かな?」という不安もありました。
――『おそ松さん』が映画化されると想像もできなかったのでは?
Ami:私に限らず、『おそ松さん』ファンの皆さんも「どうやって映画にするんだろう?」と思ったんじゃないでしょうか。実際に映画を見てみたら、TVシリーズで6つ子兄弟の楽しい空気感や、ギャグのテイストやスピード感はそのままで、冒頭からなかなかのセリフがあってビックリしました(笑)。でも映画版らしく、感情に訴える部分もあって「さすがだな」と思いました。
最初から最後まで笑える映画。印象的なシーンは一松のキャラ変!?
――『えいがのおそ松さん』をご覧になった感想は?
Ami:最初から最後まで笑えて、でも爆笑ではなく、「ふっ」と地味に笑えるシーンがいっぱいあって。そこが魅力だと思うんですけど、映画でもそんなシーンがたくさんあってよかったです。
――印象的なシーンを挙げていただけますか?
Ami:6つ子が18歳の自分達に会いに行って、どんな風になっているのかをみんなでのぞき見るシーンで、それぞれ意外な高校生活を送っているけど、らしさもちゃんと残っているのが印象的でした。
特に一松がクラスのイケてるメンバーの中にいて、ハイタッチしているところは一番笑いました。そして高橋さんと6つ子が記念撮影するシーンはじーんと来ました。
主題歌「Good Goodbye」は映画を見た後に作詞。明るい別れを描き、サウンドは新境地!
――主題歌「Good Goodbye」はご自身で作詞されていますが、どんなイメージやテーマで作詞されたのでしょうか?
Ami:映画を見て歌詞を書いたので、エンドロールで流れた時にちゃんと映画が振り返られて、いろいろなシーンを思い浮かべてもらえたらいいなと意識して作詞しました。作中に登場する高橋さんの手紙がキーアイテムになっていますが、そこも大切に。
そして高橋さん目線から6つ子を見た時のイメージで書いていたので、悲しいお別れではなく、『おそ松さん』らしいお別れにしたかったので、曲名はポジティブなイメージで付けました。
あと作詞するのにすごく時間がかかって。どこまで『おそ松さん』に寄せるかという部分と高橋さんの想いを重過ぎないように描くバランスが難しかったです。「これで大丈夫かな?」とか「映画の主題歌としてもちゃんと成立しているかな?」と迷いながら制作していったので、完成した時はホッとしたし、これで映画にハマるものができたかなと自信が持てた瞬間でした。
――サウンド感や歌声も優しくさわやかな曲調で温かい気持ちになれました。
Ami:ありがとうございます。曲もバラードなど悲しいものにはしたくなくて。10曲くらいの候補曲から選びましたが、これまで私が歌ってきた楽曲にはなかったリズム感だったので新鮮だなと思いつつ、ちゃんと自分で歌いこなせるかなという疑問も湧いて。
スタッフさんたちから「新境地としていいんじゃない?」と背中を押してもらったので、この曲を選んだのですが、今はこの曲に出会えてよかったと思っています。
明るすぎず、せつなすぎずを意識。お気に入りフレーズは「あるある」なラップパート!?
――レコーディングで意識した点は?
Ami:明るすぎず、せつなすぎずという部分は意識しました。私は何も考えずに歌うと気付いたら明るくなってしまうタイプの声質や歌い方なので。サビは明るく、でも歌詞の意味が深くなってきたところは落ち着いて聴いてもらえるように歌いました。
――お気に入りのフレーズを教えてください。
Ami:この曲はいつも歌いながら半分笑っちゃうんですけど、そのクスっとしちゃうところがお気に入りという点では2番のAメロでラップ調のところで。ラップ調だけど、あえて韻は踏みたくないと思って曲に歌詞をあてています。
自分らしく背伸びしない感じで書きましたが、歌詞自体も「あるある」みたいになっていて。しばらく経って、10年くらいに久々に会った人がイメチェンしていたり、自分自身も10年前の写真を見たら「何、この服!?」と驚いたりして。当時は流行していたのに。
どんなにいいと思っていても時間が経つとおもしろくなっていたりすることってよくあると思うので、それを同窓会などでネタに盛り上がっているイメージで書いています。ヘンテコな歌詞のあて方と内容がマッチしているかなと私は思っています。
Amiさんが好きな6つ子とは?
――6つ子の中で一番好きなのは? また6つ子以外で好きなキャラは?
Ami:私はカラ松ですね。すぐにカッコつけるけど、ダサさも見えてしまうのがかわいいなと思うし、実際にこんな人がいたらキュンとしちゃうかも。
6つ子以外だとトト子ちゃんです。周りに「かわいい!」と言われても、喜びもせず、「知ってる。知ってる」と返すところはなかなかのキャラクターだなと思いました。
――ちなみに普段、アニメやマンガを読んだり、ゲームをプレーしたりすることは?
Ami:子供の頃、よくアニメを見ていて、『姫ちゃんのリボン』や『マーマレードボーイ』、『赤ずきんチャチャ』が好きでした。周りのみんなも見ていたし、おもちゃも持っていたり、憧れでした。
――そんなアニメを見て自分が、アニメの主題歌を歌うようになって思うことは?
Ami:不思議な感覚です。アニメに憧れたり、その主題歌を歌っていたあの頃の自分のように、今の子達が私の曲を聴いて、同じように思ってくれているのかな? と考えることはあります。
楽しかった高校1、2年生。もし戻れるなら中学時代へ
――本作では高校時代の6つ子達がいる時代に迷い込みますが、高校時代で一番好きなのは何年生の時ですか? また高校時代の思い出に残る印象的な出来事を教えてください。
Ami:高校1年生と3年生の時が好きでした。1年と3年の時の担任の先生が同じ先生で、すごく好きで楽しくて。先生が明るく元気だとクラス全体も明るくなって、クラスもまとまり、チーム感も感じました。
私が通っていた高校はいろいろなタイプの人が通っていて、たぶんこの高校に来てなければ出会うこともなかっただろうなと思うような個性的な人ばかりで。でも同じ学校やクラスになると仲良くなれたことは不思議な経験だったし、いまだに定期的に会って仲良くしている子もいて。青春でしたね。
――もし不思議な世界に迷い込んで、もう一度戻れるとしたらいつの時代に戻りたいですか?
Ami:中学時代です。あの頃の私は今と全然人格が違っていて。今回の映画でもキャラ変してた子もいましたけど(笑)。友達なんていらないと思ったり、反抗期で。今思うと何をやっていたのかな? と。だからもう一度、戻ってちゃんとした中学生活を送りたいです。
E.G familyでまわるツアーでも「Good Goodbye」を披露し、盛り上がり曲に
――現在、ツアー『E.G.POWER 2019~POWER to the DOME~』の真っ最中ですが、どんなライブ、ステージなのか、ご紹介お願いします。
Ami:私とE-girls、Dream Shizuka、Happiness、Flower、スタンナユズユリーの6組、E.G.familyで全国をまわっているツアーなので、それぞれのアーティストの魅力がぎゅっと詰まったライブになっています。
E.G.familyで一緒にライブをするのは久しぶりなので最初は手探り状態な部分があって。自分がいた頃のE-girlsとは違った雰囲気になっていたり、それぞれのメンバーの成長や個々を知り合うのにいい機会だなと思っています。
お互いの空気をつかんでいくことでお客さんとも一体になれますし、ツアーが終わる頃にはどんな形になっているのかなと楽しみな自分もいます。ホールツアーなので皆さんとの距離も近いので、皆さんの笑顔や声を近くで感じられるのも楽しいです。
――ツアーでは「Good Goodbye」はステージ上で披露されているのでしょうか?
Ami:はい。みんな聴いている間に体を揺らしてくれたり、大きく手を振ってくれたり、盛り上がっていただいています。
曲調的に「盛り上がっていこう!」という曲でもないし、「しっとり聴いてください」という曲でもないので、ライブでどう見せようかなと悩みましたが、いざパフォーマンスしてみたらみんな、自然にリラックスして体を揺らしている様子を見て、曲に身を任せてゆったり聴ける曲なのかもしれないと思えるようになりました。
『おそ松さん』ファンの女性に曲や衣装など共感してもらえたらうれしい
――Amiさんの曲やステージに触れたことがない方にメッセージを送るとしたら?
Ami:私はお客さんと一緒に楽しみたいという気持ちが強いので、例え私の曲を知らなくても楽しんでもらえるポイントは作っています。一緒に手を振ったり、体を揺らしたり、声を出したりできるように。
『おそ松さん』ファンの方は女性の方が多いと思いますが、私の曲を聴いて共感してもらったり、衣装を見てかわいいなと思ってもらえたらうれしいです。
ライブは私が良いと思うものを表現させていただいている場でもあるので、私のライブや楽曲を体験したことがない方は今回をきっかけに他の曲を聴いたり、ライブに遊びに来てください。
『えいがのおそ松さん』との出会いから生まれた曲をたくさんの方に聴いてもらい、背中を押してあげられたら
――では最後に皆さんへメッセージをお願いします。
Ami:『おそ松さん』の初めて劇場版の主題歌を歌わせていただいて、不安もありましたが、映画とセットで聴いてもらえたら、きっと皆さんにも納得していただいたり、共感していただける曲になったかなと思っているので、たくさんの『おそ松さん』ファンの方に聴いていただきたいです。
普段、私の曲を聴いたり、応援してくださっている皆さんへ。今回『えいがのおそ松さん』と出会えたことでこの楽曲が生まれました。今まで私の曲には卒業ソングがなかったので、今回作ることができてうれしいです。
学校からの卒業だけでなく、様々な出会いが訪れた時にこの曲を聴いてもらって、明るくバイバイして、次のステップに進む背中を押してあげられたらいいなと願っています。
CD情報
Dream Ami「Good Goodbye」/発売中
発売:rhythm zone
●CD+DVD:1,800円(税別)
●CD:1,200円(税別)
劇場版「えいがのおそ松さん」作品情報
新宿ピカデリーほかにて全国公開中!
イントロダクション
初めて描かれる「おそ松くん」と「おそ松さん」をつなぐストーリー!
赤塚不二夫生誕の名作ギャグ漫画「おそ松くん」を原作とし、2度にわたって制作・放送されたTVアニメ「おそ松さん」。
“クズ”で“ニート”、しかも、全員“彼女ナシ”で“童貞”。ダメだけど、どこか憎めない大人に成長した松野家6兄弟が主役として描かれた、予測不能なギャグコメディとして、2016年度の流行語大賞にノミネートされるなど、社会現象を巻き起こした。
完全新作となる劇場版には、高校生時代の6つ子たちも登場し、「おそ松くん」と「おそ松さん」をつなぐストーリーが、初めて明らかになる…!
“笑い”はもちろん、まさかの“青春”や“感動”も詰め込んで贈る「おそ松さん」の新境地。
スタッフ
原作:『おそ松くん』 赤塚不二夫
監督:藤田陽一
脚本:松原 秀
キャラクターデザイン:浅野直之
美術監督:田村せいき
色彩設計:垣田由紀子
編集:坂本久美子
音楽:橋本由香利
音楽制作:エイベックス・ピクチャーズ
音響監督:菊田浩巳
音響製作:楽音舎
アニメーション制作:studioぴえろ
主題歌「Good Goodbye」Dream Ami(rhythm zone)
配給:松竹
キャスト
おそ松:櫻井孝宏
カラ松:中村悠一
チョロ松:神谷浩史
一松:福山 潤
十四松:小野大輔
トド松:入野自由
トト子:遠藤 綾
イヤミ:鈴村健一
チビ太:國立 幸
デカパン:上田燿司
ダヨーン:飛田展男
ハタ坊:斎藤桃子 ほか