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春アニメ『フェアリーゴーン』市ノ瀬加那×福原綾香インタビュー

春アニメ『Fairy gone フェアリーゴーン』市ノ瀬加那(マーリヤ役)×福原綾香(ヴェロニカ役)インタビュー

4月からスタートするオリジナルTVアニメーション『Fairy gone フェアリーゴーン』。動物に憑依することで不思議な力を宿す妖精。その動物の臓器を人間に移植することで、妖精を分身として出現させ、兵器として扱う。

戦争後の不安定な政治情勢の世界で、主人公のマーリヤは、妖精関連の事件を捜査・鎮圧する違法妖精取締機関「ドロテア」に入隊する。そして大戦時焼き討ちにあった村で、マーリヤと同じく生き残り、生き別れになっていたヴェロニカは、復讐を誓い暗殺者になっていた。

マーリヤを演じる市ノ瀬加那とヴェロニカを演じる福原綾香に、作品について語ってもらった。

想像力を掻き立てられるオーディション

ーーオーディションなどで作品の世界観を知ったときはいかがでした?

市ノ瀬:オーディションでいただいた資料の中に、ざっくりですが世界観が書いてあったんです。それだけでこの作品に「出てみたい!」と思いました。

私は結構シリアスな作品というか、命のやり取りをしている作品が大好きで、今までもそういう作品を見てきたので、自分もいつかは!と思っていたんです。

それで今回のオーディション原稿を見たら、叫んでいるシーンとかもあり、そういう作品だと思ったので、ここは頑張りどころだなと思いました。

それとセリフが箇条書きで書かれていたので、役者側の想像力も掻き立てられるというか。こちらの想像力にすごく任されているところもあると思ったんです。

福原:ファンタジーと軍事的なもの、そして人間ドラマが共存してて、大河ドラマ的な一面があるなと思いました。あと、印象としては海外ドラマのシーズン1みたいな感じというか、ファンタジーではありつつも人間ドラマで、登場人物の思惑だったりを深いところまでやるというのが、海外ドラマっぽいんですよね。私もオーディション原稿は箇条書きだったので、前後のセリフを誰が言ってて、何でヴェロニカはこう言っているのかが、こちらの想像力に委ねられていたんです。

だから「私のFairy gone フェアリーゴーン」みたいなものを一度書いてみたりしたんですよ(笑)。それが試されていたというか、お前の中のヴェロニカはどうなんだ?って問いかけられていた感じがしたので、それと必死に向き合っていくのにものすごくエネルギーを使ったんですけど、すごく楽しくて!

オーディションに合格したと聞いたときは、その向き合い方は間違えてなかったんだなと思い、すごく嬉しくなりました。

ーー実際にアフレコが始まったら、そういうセリフの意味だったの?と覆されたりもしたんですか?

市ノ瀬:ありましたね。「縮めて、チマにしようか」ってセリフがあって、それを戦闘中の怒りのセリフと間違えてて言ってたんですけど、実際には、動物の名前が長いからチマにしたというほのぼのとしたシーンで、だいぶテイストが遠くなりましたね(笑)。

あと1話の最後の「マーリヤ・ノエル。私はヴェル(※ヴェロニカの略称)とちゃんと話がしたい」というセリフがあるんですけど、ここまで重要なシーンのセリフとは思っていなかったので、日常会話の中のセリフなのかなと思っていたんですけど、最後のキメのシーンだったので、もっともっと想像力が必要だったなと……。

福原:私も細かいところは違いましたね。たとえば、利害が一致するから一緒にやってるけど、あなたの姿勢は好きではない、くらいの気持ちで言ってたら、完全に敵に向かって言っているセリフだったとか。逆に完全に自分が思っていたのと収録したものが一致したのは、マーリヤに対して「スーナのヴェロニカはもういない。どこにも…。忘れなさい」と言うところで、それはすごく嬉しかったです。ちゃんとヴェロニカをやれてるな!と思った瞬間でした。

ーーアフレコで、監督から教えてもらうこともありました?

市ノ瀬:監督自身がアフレコが始まる前に、新たなキャラクターについての説明をしてくださるんです。最初の段階でも、それぞれのキャラクターについての説明があったりして。

でも、その後はこちらに任せてくれている感じだったので、1話のテストのあとに微調整が入ってからは、キャラクターをこうしてくださいというのはなかったです。でもオリジナル作品で、綿密な世界観なので、わからないことは監督に聞くんですけど、すぐに答えが帰ってくるので、監督の中にこの作品の世界観というのが広がっているんだなと感じます。

福原:ヴェロニカについての説明はものすごくシンプルだったんですけど、(新たに登場するキャラクターについて説明する)前説が毎回の楽しみで、聞いておかなくちゃ!って気持ちにすごくなるんです。丁寧に、でも最適な量で説明をするんです。

市ノ瀬:そうなんですよね!

福原:あまり多く話し過ぎてもお芝居に出ちゃって良くないから、これだけ話しておきますね、という適切な説明をくださるので、それを手がかりにやらせていただいてます。

ファンタジーな世界観と重厚な人間ドラマ

ーー2人の関係性、そして1話からあった掛け合いはいかがでしたか?

市ノ瀬:本当に久々に会った!という感じでしたよね?

福原:そうだね。

市ノ瀬:マーリヤは本当に探して探して、やっと会えた!というシーンだったので、マーリヤからしたら感動の瞬間ですよね。

だけど「忘れなさい」と言われちゃうし、複雑な心境だったと思うんです。でもヴェロニカもヴェロニカで、自分自身が変わったと思っているから、真っ直ぐなマーリヤを突き放さなければいけないという葛藤があったりして、そこはすごく難しかったです。

ーーそういう心の大きな揺れ動きも、全部言葉に込めないといけなかったんですね。そういうときはお二人で話すのですか?

市ノ瀬:演じている上で、それぞれ役になって言うので、特に2人で打ち合わせをしたとかはないんですけど。

福原:逆に息が合ってしまうと久々感がなくなるのかなぁとも思って。

それぞれ歩んできた道があって、見られたくないものもヴェロニカにはあるはずだから、すっと身を引きながら、でもどこかで手を差し伸べたいし、生きてて良かった、会えて良かったという気持ちもあるだろうし。

絶妙な距離感というか、必要な溝がそこにあるといいなと思いながら演じました。

ーーそういう距離感を、セリフだけでなく絵でも表現できていたら、すごく面白い作品になりそうですよね。

市ノ瀬:この作品は人間ドラマがすごいんですよ。世界観はファンタジーなんですけど、やり取りはすごく人間ドラマなので、リアルな感じがします。

ーーちなみにマーリヤとフリーの掛け合いはいかがでした?

市ノ瀬:1話はお互いの素性もわからないので、結構硬めでキリッとした印象ではあったんですけど、マーリヤが「ドロテア」に入ってからは、砕けた会話も多くなりました。会話が多いので、すごく馴染みやすかったというか。

もちろん戦闘シーンも盛り込まれているんですけど、フリーとは会話から始まった出会いでもあったので、スッと自分の中に入ってきていて、演じやすさはありました。

ーーあと、お芝居の面では、かなり年齢が変わりますよね?

市ノ瀬:私たち2人は結構変わりましたね(笑)。

福原:大変でした(笑)。ただ普通に時系列で戻っていくというわけでもなく、一回戻って、また元に戻るみたいなところもあるので。

市ノ瀬:回想シーンが、後の話数でも出てくることがあります。

福原:モノローグも16歳のヴェロニカでやったり、別のシーンでは、モノローグは現在のヴェロニカだったり。それを混乱しないように気をつけながらやっていました。

でも、そうやって遡ることによって、この時点の2人はこうだったんだとか、出会った頃はヴェロニカのほうがマーリヤを引っ張っていたんだとか、あのときはこうだったけど、今はこうっていうのを噛みしめることもできるので、大事に演じたいなと思っています。

ーーどこも見逃せないということですね。では、そんな中で序盤の見どころや期待してほしいところを教えてください。

市ノ瀬:今後描かれるかわからないという意味で、マーリヤが妖精に憑かれたシーンですかね。本来は臓器移植をして妖精を使えるようになるんですけど、移植もせずに妖精に憑かれるというのは、マーリヤみたいな特異体質者だけで、今後描かれるかわからない、レアなシーンになるんじゃないかと思っているんです。だからそこは見どころですね。

あとは何より、妖精同士が戦っているシーンがすごく好きです。(リハVに)BGMが入っているときがたまにあるんですけど、臨場感が本当にすごいな!って思うんです。

絵もリアルで素敵だし、妖精自体もカッコいいし、戦い方もスタイリッシュだったりするし、いろいろ組み合わさって、どんどんすごいものができていくんじゃないかなっていうワクワク感が非常にあります。

福原:ものすごくダークというか。重厚な作品だからこそ、コミカルなシーンが救いというか、いい箸休めになって、すごく生きていると思うんです。

そのテンポ感も意図してテンポ良くしているんだろうなと思うくらい小気味良いので、そういう明るいシーンだったりは見てほしいですね。

キャラクターでいうと「ドロテア」の仲間たちとか。あとはジョナサンやスウィーティー、パトリシアなどの味の濃いキャラクターたちが見せる間だったりテンポだったりは見どころなので、ぜひ楽しんでほしいです。

ーーちなみに、妖精の声もやってるらしいですね?

市ノ瀬:妖精の声は難しいです。特にマーリヤとヴェロニカは妖精に憑かれた立場なので、獣ではないんですよ。

だからどのように声を出していいのかを想像するのが楽しくて。でも同時に難しさもあって、マーリヤの妖精(アッシュクラッド)は口を閉じている印象があるので、出たとこ勝負の声ではあるんですけど、気持ち的にこうだ!って思いながら出す感じですね。

福原:ヴェロニカの妖精(ブラッドドーター)はまだ声を出してないんですよ。傷口から侵入して壊すみたいな、すごくアサシンらしい妖精なので、あえて声を出さないのか、声を発する時があるのかが楽しみです。でも、いつも前野さんが唸ったり、ウワーーってやっているんで。

市ノ瀬:一番叫んでますよね。

福原:それがすごく大変そうなので、大丈夫かな?と思いながら、私もそういうことがあったらできるのかな?って思いながら、聞いてます(笑)。

取材・文・撮影:塚越淳一

TVアニメ『Fairy gone フェアリーゴーン』作品情報

 


 

放送情報

4月7日(日)より、TOKYO MXほかにて放送開始
TOKYO MX:4月7日(日)より毎週日曜24:00~
MBS:4月9日(火)より毎週火曜26:30~
BS11:4月7日(日)より毎週日曜24:00~
AT-X:4月7日(日)より毎週日曜24:00~
※リピート放送:毎週(火)21:30/毎週(木)13:30/毎週(土)29:30
 

 

スタッフ

原作:Five fairy scholars
監督:鈴木健一
シリーズ構成・脚本:十文字青
キャラクター原案・妖精原案:中田春彌
キャラクターデザイン:清水貴子
美術監督:東潤一
色彩設計:中野尚美
撮影監督:江間常高
3D監督:宍戸光太郎・市川元成
編集:廣瀬清志
音響監督:明田川仁
音響効果:上野励
音楽プロデュース:(K)NoW_NAME
アニメーション制作:P.A.WORKS
 

キャスト

マーリヤ・ノエル:市ノ瀬加那
フリー・アンダーバー:前野智昭
ヴェロニカ・ソーン:福原綾香
ウルフラン・ロウ:細谷佳正
クラーラ・キセナリア:諏訪彩花
セルジュ・トーヴァ:中島ヨシキ
ネイン・アウラー:園崎未恵
ダミアン・カルメ:子安武人
マルコ・ベルウッド:大塚芳忠
レイ・ドーン:津田英三
リリー・ハイネマン:種﨑敦美
ロバート・チェイス:沖野晃司
エレノア・ニード:小松未可子
オズ・メア:間宮康弘
グリフ・マーサー:津田健次郎
カイン・ディスタロル:麦人
アクセル・ラブ―:川田紳司
“スウィーティー”ビター・スウィート:寿美菜子
パトリシア・パール:井口裕香
ジョナサン・パスピエール:興津和幸
ビーヴィー・リスカ―:江川央生
ソフィー:伊藤静
シュヴァルツ・ディーゼ:土師孝也
ジェット・グレイブ:東地宏樹
ユアン・ブリーズ:乃村健次
 

主題歌情報

オープニングテーマ:
(K)NoW_NAME「KNOCK on the CORE」(TOHO animation RECORDS)

エンディングテーマ:
(K)NoW_NAME「Ash-like Snow」(TOHO animation RECORDS)
 
公式サイト
公式ツイッター(@fairygone)

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