「光へ」進むためには「ラクに行こうぜ!」ーーアーティスト活動してきたらかこそ見えた世界|豊永利行さんニューアルバム「光へ」インタビュー
声優として数々の人気作品に出演するだけでなく、アーティスト、シンガー・ソングライターとして楽曲を生み出している豊永利行さん。ご自身がチャーミングな方ということもあり、彼の活動はいつも周囲に笑顔を巻き起こしています。
アーティスト活動としては、レーベル「T’s MUSIC」を設立して1年半。そして、その集大成のひとつであるニューアルバム「光へ」が2019年4月17日に発売されました。
今回のアルバムを制作するにあたって、「誰かに向けたメッセージ」から「自分に向けてのメッセージ」シフトしてみたという豊永さん。その心境はどうやって生まれたのでしょうか?
本稿では、そんな彼に行ったインタビューの模様をお届け。豊永さんが新たな一歩を踏み出した瞬間とは?
僕が僕に宛てたメッセージソング
――T’s MUSIC設立から、ご自身の活動を振り返ってみていかがでしたか?
豊永利行さん(以下、豊永):怒涛の1年半でしたね。ありがたいことに、自分のレーベルを立ち上げる際に、今までインディーズやメジャーデビューさせていただいた時にお世話になったスタッフさんに声をかけていただいたという経緯があったので、今までやってきたアーティスト活動は無駄ではなかったのだと感じることができましたね。
アーティスト活動以外の声優業もありがたいことにたくさん出演させていただけてる中での挑戦だったので、2つのお仕事をいいバランスで行うことができたと思っています。
声優業は監督さんたちが求めるキャラクターの一部になるお仕事。
アーティスト活動は自分自身が何かを生み出していって、それを周りのスタッフさんが協力してくれていて。
双方の立場からお仕事をすることができたので、それぞれがいい刺激になり、無駄のない1年半になりました。
――なるほど。そんな中で作られた今回のアルバムのコンセプトを教えてください。
豊永:1枚目に出させていただいた『With LIFE』というアルバムと全体的なコンセプトは変わっていないのですが、『With LIFE』の時はどちらかというと“メッセージを人に届ける力”というものに重きを置いていたんですけど、今回の『光へ』に関しては「自分自身を見つめなおそう」「自分自身に届けるべきメッセージは何だろう?」ということを考えて作りました。
僕が音楽を作る上で大事にしている「メッセージソング」という部分は変わってないんですが、今回は僕が誰かにではなく「僕が僕に宛てたメッセ―ジソング」というものを主軸にしています。
なので、ジャケット写真もあえてお客さんの所を向きたくないっていうのがあって、みなさんと同じ向きで光へ向かっていくイメージにしたくて。
僕自身がどうしたいか、どうありたいかを言葉にすることで、みなさんに共感する部分があればいいな、ということを考えて作らせていただきました。