音楽
『豊永利行 ライブツアー「光」』千葉公演レポート

声優・アーティストの豊永利行さん「女性のアイドルソングを歌ってみたい」思いから新たな挑戦を見せた『豊永利行 ライブツアー「光」』千葉公演をレポート

声優、アーティストとして活躍する豊永利行さんが、2019年4月17日(水)発売の最新アルバム「光へ」を引っ提げてのライブツアー『豊永利行 ライブツアー「光」』を開催。

2019年5月2日(祝・木)の兵庫公演を皮切りに、愛知公演を経て、2019年5月6日(祝・月)にはツアーファイナルとなる千葉公演が。

本稿では、これまでのアーティスト活動を踏まえ、新たなステップへと進む豊永さんの思いが垣間見えた千葉公演の模様をご紹介します!

ブロードウェイをイメージしたオープニング!

天井から吊るされた丸い球体を囲むように、複数の星が輝くような装飾、舞台上には階段状に作られたステージのセット。

コツコツと響く靴音に合わせ、ポッと照明の点った舞台上には、中折れ帽を目深にかぶり、トレンチコートを足元まですっぽりとまとった全身黒づくめの男性が上手から下手へ、別の男性が下手から上手へと行き交います。

ガス灯の灯るレンガ畳みの街中が目の前に広がるような錯覚に、じりじりと期待が高まる中、バンドメンバーらも雑踏に紛れるように登場。

そして、トレンチの襟を立てて顔を隠し、舞台の上手から下手へと、息を潜めるように歩く人物が。

しっとりと始まったメロディアスな楽曲と豊永さんの歌声に感情が高まった瞬間、その人物がトレンチコートを脱ぎ捨て、金色のスパンコールに輝く燕尾服姿の豊永さんが現れると、ファンの大きな歓声が会場を包みます。

ミラーボールがキラメキ、ジャズのような軽快なリズムに青色のサイリウムが振られる中、ツアータイトルの由来でもある「光へ」を高らかに歌い上げる豊永さん。

スポットライトを浴び、中折れ帽とベスト姿のダンサーさんと華麗なステップを決め、まさにブロードウェイの舞台を見ているようです。

舞台に作られたステージの奥へと豊永さんが下がると、モニターにはオープニングVTRが。

アーティスト活動の歴史ともいえるCDパッケージが次々と映し出され、シルエットごとにバンドメンバー&ダンサーが紹介されます。

キーボード、ベース、ドラム、ギターとピックアップされていき、それぞれのソロ演奏に拍手喝采。ダンサーによる宙返りなど、大胆なアクロバティックには歓声も。

パンクスタイルに着替え、ステージ奥から再登場した豊永さんは、「Shiny Glory Story」で客席を指したり、「オイ」コールでマイクを向けたりと、ファンを乗せていきます。

「Chase」では、重たいドラムビートに合わせてジャンプしたり、舞台前のカメラマンに向かってポーズを取ったり。力強い豊永さんの歌声が熱気をはらんでいき、会場を埋める青色のサイリウムもファンの心を反映し、弾むように揺れていました。

ここでMC……の前に、激しいダンスや舞台上をアクティブに動き回った豊永さんは、セット中央の階段部分に座り込み、荒い呼吸を整えつつ「(みんなも)自主的に座っていいですよ」とファンを気遣う一言。

まったりとした雰囲気の中、最終日を迎えた喜びを語り、恒例となりつつある男女別・年代別での「乗ってるかい! 10代!!」コールから、恐る恐る問い掛けた「60代!?」コールまでレスポンスがあると、ファンからも拍手と驚嘆の声が掛けられました。

関係の深い声優陣も多数観覧に来ていて緊張すると言いつつ、呼び掛けた「関係者!」コールにも反応が。

今ツアーの演出について解説したり、最近のトイレ事情を身振り手振りで表現したり、ファンとのレスポンスのキャッチボールを楽しむような距離感の近さを感じさせ、笑いも忘れません!

VTRから飛び出してきたような演出&愛らしい姿に大歓声☆

次の歌唱終わりにはVTRが流れることを告知した上で「楽しんで」と、トークで緩急を付け歌い出した「Don’t Give Up」では、ダンサーと息の合ったステップや、ピンク系のライティングと甘いハイトーンボイスが相まってセクシーな一面が。

「2:00 a.m.」では、ピアノのこぼれる音と、ミラーボールのライトが雨の影を散らし、名作『雨に唄えば』を彷彿させる傘を使ったダンスにと、どちらもダンスが印象的。

続けて、水色の淡い光が舞台を照らし、琴の音色がはかなさをプラスした「青い花」へ。歌詞をなぞるように強く拳を握り、ファン一人ひとりと視線を合わせて会場を見渡す仕草に、グッと世界観へと引き込まれていきます。

柔らかな余韻が残る中、モニターに豊永さんと思われる手描きイラストの“とっしー”が映り、「作・演出:豊永利行」と表示されると、会場にはどよめきが。

「マジカル☆だでぃ?(仮)」と題し、BGMや効果音もふんだんに使われたアニメーションは、ライブの幕間に楽屋へ下がったとっしーが主人公のようです。

なぜか“マジカル☆だでぃ?(仮)”こと、魔法少女の力を受けいだとっしーの変身シーンやバトルシーンで、思わず笑い声がこぼれるものの、ファンの大きな声援をパワーに換えるシーンでは、全員一丸となった声援が送られます。

しかし、とっしーが目覚めると楽屋だった……という夢オチかと思いきや、魔法のステッキを見つけたとっしーは“マジカル☆だでぃ?(仮)”に変身!?

この時点で「まさか……」と気付いたファンも多かったのではないでしょうか。

そう、VTRのごとく、ピンクのチュチュ&リボン型のカチューシャ、ポンポンという愛らしい姿の豊永さんが、色違いの衣装を着たダンサーチームを連れてステージ奥から駆け出してきたのです!

画面の中から飛び出してきたような演出と、ポンポンを使ったチアのような全力ダンスにファンも大興奮。

踊りきった後のMCコーナーでは、豊永さんだけでなく、ダンサーチームにも疲労の色が。ダンサーらに水を手渡して労いつつ、「かわいー!」というファンの声に応える豊永さん。

公演を重ねるごとに衣装・構成に手が加えられ、バンドメンバーもカチューシャを着けているのは東京公演だけということで、記念撮影タイムも。

ダンサーにチュチュ&カチューシャを外してもらって“豊永利行”に戻ると、「女性のアイドルソングを歌いたかった」ことがきっかけになったという楽曲「マジカル☆だでぃ?(仮)」の制作・演出秘話も明かされ、会場には驚きの声が上がっていました。

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