天﨑滉平さん、野上翔さん、笠間淳さん、渡辺紘さん演じる「明るいだけじゃない」キャラクターたちを深掘り!|おとぎ話×音楽がコンセプトの『音戯の譜~CHRONICLE~』Bremüsik(ブレ―ムジーク)収録レポ&インタビュー
笑顔で悲しみに寄り添うカッツェと素直になれないフォーゲルは、ユニット内の“子供たち”
――キャラクターの印象はいかがですか? ご自身が演じたキャラクターと、次に回答されるキャストの方のキャラクターについて、バトンタッチするような形でお願いします。
天﨑:カッツェは、このドラマでは明るい部分が多く描かれていたと思うんですけど、癒しの譜声を疎まれて解雇されたことで、「自分はいなくてもいいんだ」と思っちゃうくらい、譜を否定するような悲しい背景があって。エーゼルやヤーク、フォーゲルに出会い、どんどん「これでいいんだ」「俺も俺でいいんだ」と、前向きに生きていけるようになって。
旅をしていく中、悲しい出来事などに直面したカッツェは、それを受け止めた上で、悲しみとかに寄り添って、一緒に笑顔にしてあげるというか。カッツェ自身も今まで譜ってこれなかったという悲しい思いをしたことがあるからこそ、今、譜えることへの喜びに変わっていて、押し付けがましくなく譜で人の悲しみに寄り添えるところは、カッツェの魅力だと思います。
また、方向音痴という一面もあって。あっちに行きたいとか、こっちじゃないかなとか、思うがままにフラフラ歩いて行っちゃうところもあるんですけど、そういうところも演じていてすごくかわいくて……これまで1人で本当に大丈夫だったのかなと。
一同:(笑)。
天﨑:でも、カッツェは今まで迷っている気もなく、フラフラしていただけなんだろうなと思いつつ、「Bremüsik」のみんなと旅ができるようになってからは、きっと迷ってもみんなが「こっちだよ」と言ってくれるので、より自由に、よりリラックスして、自分らしく生きていられるんじゃないかなと(笑)。演じていて「良かったね」と言いたくなるキャラクターです。
家族の役割で言うとカッツェとフォーゲルは子供ということで、フォーゲルとは結構同じ目線で話せる対等な立場だと思うので、掛け合いが楽しかったです。
あと、フォーゲルは優しいですよね。悲しんでいた少女に黙ってなんとか対応しようとしたり、素直じゃないところもかわいいです。正義感もあるし、フォーゲルとも仲良くできるだろうなー。この2人は楽しいんじゃないかなと思っています。
――野上さんは、いかがですか?
野上:僕が演じた感想としては、(フォーゲルは)ツンデレですね。台本が皆様の目に触れることはなかなかないと思いますが、「まあな」などのセリフの前置には、だいたい“まんざらでもなく”とか“照れて”とか、そういうことが書かれてあるほどで(笑)。
今、あまちゃんも言ってくれましたけど、自分の気持ちを素直に出しきれないからで。でもそれは、1人で放浪の民“渡り鳥”としての誇りを取り戻すために旅をしていて、自分のことは自分で守らないといけないし、1人で強くあろうとして、他人とあまり関わらなかったんじゃないかなと思っているんです。
その結果、この4人で旅をすることになった時に、最初の頃は一族の事を忘れたわけではないだろうし、いろいろな葛藤もあったりして、素直になりきれない……けど、他人に何かをしてあげたいという心の優しさは持っていると思うので、黙ってやって、でも褒められて素直に、ありがとうとはなかなか言えないみたいな。
本当はすごく照れ屋で、両手を上げて喜びたいんだろうけど、「さっきは、ありがとな」とぶっきらぼうな感じで言いつつ、こっそり「よし(小さくガッツポーズ)」くらいの表現で。自分のキャラクターながら、そこがかわいいなと思います。
そして、エーゼルの印象はママ!
一同:(笑)。
野上:笠間さんとも長くお付き合いさせていただいていますけど、一番笠間さんのイメージと真逆なキャラクターだったので、どうやって笠間さんが演じられるんだろう……と思っていたら、包容力や安心感があって。
すごく優しくて、他の3人のことをいい意味で俯瞰で見られる人だと思うんですよね。カッツェとフォーゲルがわーわーやっているのを、ヤークと一緒に優しく見守ってくれているような。優しさの塊という印象で安心感がすごくあります。