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- 小澤めぐみ
- 営業職を経験後、記者業務に携わりフリーへ。主に男性声優、漫画、アニメなど浅く広く…今はもっぱら藤沢朗読劇中毒
「おとぎ話」×「音楽」をコンセプトとしたプロジェクト『音戯の譜~CHRONICLE~』(通称、オトクロ)の第2弾シングル発売を記念して、公開ニコニコ生放送が、2019年5月28日(火)に東京・アニメイト池袋本店にて行われました。
第2弾シングルとなった、『ブレーメンの音楽隊』がモチーフのユニット「Bremüsik(ブレームジーク)」から、ボーカルのカッツェ・トロイメライを演じた天﨑滉平さんと、『蜘蛛の糸』がモチーフのユニット「無色の空と嗤う糸」から、ボーカルのノノを演じた橋本晃太朗さんが登壇。
ユニットごとのドラマや楽曲について、お2人だけでなく、収録に立ち会ったスタッフからも裏話が明らかにされたイベントの模様をお届けします!
平日にも関わらず多くのファンが集まり、大きな拍手の中、天﨑さん、橋本さんが登場すると、お2人からご挨拶。
天﨑さんは、第1弾シングル発売記念イベントに登壇した仲村宗悟さんのやり取りを再現するかのように、MCに「緊張してますか?」とツッコミをしたり、仲村さんと同じ位置のイスに座り「宗悟くんの温もりを感じます」とコメントしたりと仲睦まじげ。
第1弾イベントに参加したという方も多く、天﨑さんの遊び心に笑い声が上がります。
一方、譜人としての力が弱まると変身してしまう動物の姿“ミュート”のぬいぐるみに目を留めた橋本さんは、以前から「ください!」言い続けていても手に入らないそうで、今は貴重なぬいぐるみを手に取り、熱いまなざしを注ぎうらやましそう。
再販の要望も多いということで、会場でも賛同するようにうなずくファンに「声を上げ続ければ実現するかも」と、諦めずに声を掛けていました。
早速、翌5月29日(水)に発売となる作品の感想へ。
オーディションを受けてから時間が空いての発売ということで、他のユニットの楽曲やドラマパートを聴いて、お2人とも楽しみにしていたそう。
また、「おとぎ話」×「音楽」というコンセプトに対して、童謡を例に挙げながら、漫画など現代の物語にも通じる構成という視点から、ユニットの歌詞やストーリーのもとになったおとぎ話とのつながり、それぞれのおとぎ話が“対盤(ライブバトル)”という形で関わっていく点に興味を引かれたことを振り返ります。
そんな中、「ドラマ収録について」の質問を、どう説明しようかしどろもどろになっているMCに、天﨑さんが「緊張してます?」と再びツッコみ、「待ってました」とコントのようなノリで笑いを取ってひと呼吸。
「ドラマ収録について」は、イベント当日が入荷日ですでに聴いた方もいれば、まだCDを聴いていない方もいるということで、「どこまで話して大丈夫!?」と天﨑さんが気遣う場面も。
「家族のような絆が『Bremüsik』の良さ」だと語った天﨑さんが、いろいろとツラい思いをしても、笑顔で前向きなメンバーであること、前向きになれる優しい世界観で、共演経験のあるキャストだったことも安心して収録できたことを挙げると、橋本さんから「そんなに温かい(世界観)ですか?」と、さらに質問が。
「Bremüsik」の楽曲の歌詞にも、彼らの過去の経験や思いが反映されていて、“終止符(おしまい)”を目指すことになるまでの「彼らの強さも聴いてほしい」と、身振り手振りを交える天﨑さんに対し、橋本さんが「全然、僕の知っている『音戯の譜』の世界じゃない!」とギャップを主張し、笑いが起こります。
「無色の空と嗤う糸」で描かれた世界観は、ピリピリとすごく殺伐としていて、「うち(のユニット)が特殊なのかな……」と橋本さんは首を傾げつつ、第1弾シングル発売のユニット「セツダン倶楽部」も殺伐としていたことから、暗い世界をイメージしていたそうで、「全然違うんですね。びっくりした」と衝撃的だった様子。
ユニットごとに陰と陽の対照的なイメージもありつつ、それぞれのドラマパートにも重たい過去もあれば、コミカルで明るい要素も含まれていると話題に。
橋本さんが共演者の沢城千春さん、山下誠一郎さんと一緒に、収録後に飛び入りで、地獄のうめき声を収録したことを明かすと、天﨑さんも、癒しの譜(うた)を鼻歌で譜うシーンがあり、現場での要望にアドリブで応えたことを告白しました。
他にも、「気になるキャラクター」や「ドラマパートに出てみたいユニット」について盛り上がり、それぞれドラマパートで共演した「Momotroop(モモトループ)」や「BLASSKAIZ」、第3弾シングルの「Alice×Toxic(アリストキシック)」や「一寸法師」との掛け合いに想像を膨らませます。
ここで、キャスト陣の後ろの壁を彩るミュート姿のイラストに注目。
『おとぎのうたげ』と名付けられたイラストは、2019年6月9日(日)まで、東京・アニメイト秋葉原別館で開催中の『音戯の譜~CHRONICLE~ POP-UP STORE』に設置されているもので、キャラクターたちの好物を食べている姿が描かれています。
ドイツの昔話を集めた、グリム童話に収められている『ブレーメンの音楽隊』をモチーフにした「Bremüsik」だけに、カッツェの前に置かれているのはドイツのお菓子、プレッツェル。
ノノは蓮根、モモセはきびだんごと、作品にちなんだ好物に、キャストのお2人も「なるほど」と感心する一方で、好物が謎めいている「Alice×Toxic」や、テーブルの隅で寂しげな「一寸法師」などキャラクターの特徴や関係性が見え隠れするイラストに。
『POP-UP STORE』の会場には、等身大パネルや公式HPのストーリーパネルなどの展示もあるので、近くでじっくりと堪能できる機会となっています。
次は、歌唱パートについて「Bremüsik」と「無色の空と嗤う糸」の楽曲を聴きながら、その魅力に迫ります。
まずは、天﨑さんによる「Bremüsik」の曲振りから。「Blinzen Parade」では、サビの収録で「うつむいて歩いていて、ふと夜空を見上げたら星空が広がっていたかのような開放感で」というディレクションを受けた直後のテイクがCDに収録されたというスタッフ情報により、天﨑さんも「ぜひ、星空を思い浮かべて聴いてほしい」とアピール。
「Gutes Fest!」では、「ネズミさんの」という歌詞とドラマパートがリンクし、CDの収録順に聴くことでより世界観に入り込めるようになるのでは、とコメントも。
ニコニコ生放送のコメントには、どちらの楽曲も「癒し」「浄化ソング」という反応が見られ、橋本さんも「本当に、癒しの力が備わってるかも」と笑顔で耳を傾けていました。
さらに、サビ前の「さあ」という一言だけで、カッツェが手を差し伸べている姿が見えるような天﨑さんの表現力に感心したというスタッフのコメントや、間奏では各キャラクターを紹介するように、それぞれの担当楽器が入ってくることから、ヤークトフント・シンフォニエこと、ヤーク担当の大太鼓の音を録るために、バスドラを担いで収録したことが明かされました。
続いて、橋本さんの曲振りで流れた「堕ちゆく蓮の花びら輪廻を見つめて」は、キャラクターの関係性が楽器演奏にも表れた楽曲に。
他人に興味のないノノが演奏するベースがメインでありつつ、楽曲のリズムを支えるポジションなので、「ノノが、(同じくリズムを支える)ドラムとアイコンタクトを取っていると思うと、かわいいな」と橋本さん。
スタッフからは、最初から本気を出さないキャラということもあり、「1番、2番、3番と、全部歌い方を変えてほしい」というディレクションがあったそうで、ドラムの手数が増えたり、ギターがノイジーになったりと、ラストに向けて狂気が高まっていくような演奏になっていて、橋本さんも「最後は力を見せつけて終わるように歌った」と思い返していました。
「涅槃寂静」では、前回とは違って「攻撃的に」というディレクションだったそう。橋本さんもこだわって収録に臨み、最後のワンフレーズでテストも含めて20テイク歌う姿勢に、スタッフから「最後は気圧されるほど真剣で、カンやクモオの気持ちはこうなのかなと感じた」という声が寄せられていました。
その熱意に、体でリズムに乗っていた天﨑さんが驚きの表情を見せ、自身もスタッフの対応に感謝。天﨑さんも橋本さんも、楽器演奏にまでキャラクター性が反映されていることや、ストーリーとの関連性といったスタッフのこだわりに話は尽きません。
この他、Twitterで寄せられた「楽器演奏の経験は?」や「ご自身以外のユニットで歌ってみたい楽曲」など、互いに顔を見合わせたり、時に客席やニコ生のカメラに目線を向けて回答。キャラクターモデルの楽器のグッズ化など、新しいアイデアも飛び出し、夢を膨らませます。
最後は、第3弾シングル発売や次回の発売記念公開ニコニコ生放送開催などの告知の後、一人ずつご挨拶へ。
「カッツェたち「Bremüsik」の譜を聴いて癒されると言ってくださるのがうれしかったですし、橋本さんと出演して、今後、彼らのライブバトルは『いったい、どうなっていくのか!?』というところが我々もすごく楽しみで、ドラマパートなどで『音戯の譜』のストーリーを自分たちも追わせていただくのが楽しみになっています」と天﨑さん。
橋本さんは「おとぎ話の世界と世界のぶつかり合いというイメージがすごくあって、第1弾シングルの時からゲストの方もこられて、世界の関わり合いが見えてきたと思います。もっともっと他の世界との絡みがこれから見えて、大きくなればなるほど面白さが増す世界だと僕は思っています。第4弾、第5弾とどうなるかすごく楽しみなので、ぜひ応援してください」と、締めくくりました。
すると、退場前に天﨑さんが、飾ってあったグッズのアクリルキーホルダーをひっくり返して、後ろ姿も描かれていることを紹介。手を振りながらステージをあとにした天﨑さんに橋本さんも続くかと思ったものの、やはりぬいぐるみが気になったようで、「ほしい!」と目線で訴えかけます。
気付いた天﨑さんがステージに戻って「再販したらね」と声を掛けたり、橋本さんとスタッフのお互いに譲らない様子に会場じゅうに笑顔がこぼれたり、最後まで作品へのキャストの熱い思いを感じるイベントとなりました。
[取材・文/小澤めぐみ]
営業職を経験後、記者・編集業務に携わりフリーへ。男性声優を中心に、漫画、アニメ、外ドラ、BLなど浅く広く好奇心は一人前。飲食、旅行、音楽、(ヘタだが)写真撮影、話を聞くことも好きで、近年の自粛生活は苦痛。最近のお気に入りは『薬屋のひとりごと』『異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます。』。王道モノから西東問わず歴史モノなど“ファンタジー”や“ミステリー”が好物。今はもっぱら藤沢朗読劇中毒
むかしむかし 譜(うた)で物語を紡ぐ 音戯(おとぎ)の世界があった
そこに生きる 譜人(うたいびと)たちは 対盤(ライブバトル)を繰り返す
望んだ “終止符(おしまい)”を 手にするために
永遠の彼方に響くのは 希望の譜(うた)か それとも――
誰も知らない おとぎ話の はじまりはじまり
モモセ〈Vo.&Gt. / CV:仲村宗悟〉
トリサワ〈Gt. / CV:山中真尋〉
イヌタケ〈Ba. / CV:熊谷健太郎〉
サルハシ〈Dr. / CV:鈴木崚汰〉
鬼退治して、大切な故郷を守ってみせる!
望んだ終止符(おしまい)を手に入れるために
誰よりも強い譜(うた)を 世界の果てまで響かせてやる。
走り出したら止まらない 爆走ミクスチャーロック。
▼Momotroop「Liberty」公式PV
ディースバッハ男爵(通称“青ひげ公”)〈Vo. / CV:深町寿成〉
レネ・ユンカー〈Vn. / CV:ランズベリー・アーサー〉
我が望みはこの世界を美で満たすこと。
美しい女神たちへ 愛を込めて譜(うた)を紡ごう。
華麗なる蒼の旋律が鼓膜へと流れ込む 極上のシンフォニックロック。
▼BLASSKAIZ「Rosen Melodie ~蒼い薔薇の旋律~」公式PV
ノノ〈Vo.&Ba. / CV:橋本晃太朗〉
カン〈Gt. / CV:沢城千春〉
クモオ〈Dr. / CV:山下誠一郎〉
うるさい譜(うた)など無くしてしまえ。
その先にあるものが崩壊であろうとも 静寂を願い、自由を望む。
重低音が雑音をかき消す絶望のラウドロック。
▼無色の空と嗤う糸「堕ちゆく蓮の花びら輪廻を見つめて」公式PV
カッツェ・トロイメライ〈Vo. / CV:天﨑滉平〉
フォーゲル・コンツェルト〈Gt. / CV:野上翔〉
エーゼル・ナハトムジーク〈Ba. / CV:笠間淳〉
ヤークトフント・シンフォニエ〈Dr. / CV:渡辺紘〉
世界中に笑顔と希望を届けたい。
悲しい事があったなら 空を見上げてともに歌おう。
大丈夫だよ きみはもうひとりじゃない
幸せを運ぶ音楽隊が紡ぐ きらめく幻想パレードポップ。
▼Bremüsik「Blinzen Parade」公式PV
アリスティア〈Vo. / CV:徳留慎乃佑〉
バギィ☆クロウ〈Ba. / CV: 永塚拓馬〉
スニックスニッカ〈Key. / CV: 寺島惇太〉
ムゥムゥ〈Cmp. / CV: 駒田航〉
息苦しい世界を“治療”しちゃおう!
ようこそ素敵な患者さん♠
不思議な森の病院で夢いっぱいの 自由なワンダーランドを見せてあげる。
足を踏み入れたらもう最後 出口の見えない奇想天外ピコピコサウンド。
▼Alice×Toxic「HaPpY uNBirThDAy♠」公式PV
夜雀(よすずめ)〈Vo. / CV:土田玲央〉
小葛籠(こつづら)〈Gt. / CV:中島ヨシキ〉
大葛籠(おおつづら)〈Ba. / CV:濱健人〉
すべては舌を切られた姉雀の為。
地の果てまでも追い詰めて泣イテ血ヲ吐ク仇討チ。
哀しき異形が喉かき鳴らす 前衛的呪詛レトロック。
▼セツダン倶楽部「朱殷ノ獄門」公式PV
一寸法師〈DJ / CV:石谷春貴〉
一寸だよ。これは昔のあだ名。
とっても素敵なお譜(うた)ができたから聞いてよ。
ずっと一人で作っていたんだ。
この譜(うた)で、みんなと
お 友 達 に な り た い な。
歪んだ悲哀のダブステップ。
▼一寸法師「独法師」公式PV
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