『天気の子』醍醐虎汰朗さん&森七菜さんインタビュー|「じゃあ私は今からどうしよう?」大切な人と観てほしい、新海誠監督が描いた新しい世界
映画『君の名は。』が僕たちにくれたものはなんだろう?
初めて映画館で体験した、あふれる感動の波。友達と見に行った、知らない新宿の景色。ひとり、部屋で見返して涙したあのとき。
『君の名は。』を通して、いろんな体験をした。こんなに多くの人と同じ作品の感動を共有するのも新しい体験だった。
そしてきっと、新海誠監督の最新作『天気の子』もきっといろんなものをくれるのだと思う。
『天気の子』は、主人公の帆高や陽菜は、僕たちをどこに連れて行ってくれるのだろうか。
そんな期待を胸に、帆高役の醍醐虎汰朗さんと陽菜役の森七菜さんにインタビューを行った。
『天気の子』を通して成長を見せたという二人。二人は、『天気の子』で何に出会ったのだろうか?
『天気の子』がいろんな感情に連れていってくれる
――お二人とも、2000名以上の応募があったオーディションで役を射止めたそうですね。本作に出演が決まったときの感想はいかがでしたか?
醍醐虎汰朗さん(以下、醍醐):まさか2000人も受けているとは知らなかったので、受かった時には純粋に嬉しい気持ちになりました。
でもあんまり現実味がなくって……。製作発表記者会見の時に「あ、いよいよ始まるんだな」ってやっと思えました。
言葉で「決まった」と言われても、実際に収録などが動いていたわけではなかったので、空想上の世界で話が進んでいるような感じでした(笑)。
森七菜さん(以下、森):私は、最初に聞いた時に「え、できるの?」っていう感覚でした。
自分がまさか新海監督作品の次回作に出られる、新海監督に受け止めていただけたっていうことが本当に驚きました。
最初は本当に受かったのか、疑いの目を向けていたくらいです(笑)。
私は何かの瞬間に実感したというのは特に無くて、演じているときは陽菜として演じるというだけでした。私がヒロインという実感は、周りの人より感じていなかったと思います。
――『天気の子』の物語はどうやって受け止めましたか?
醍醐:僕は、主人公の帆高を演じたので、帆高目線でしかまだ物語を見られていないんですが、最終的にはハッピーエンドだったなと思いました。
帆高は、陽菜と一緒にいたいがために全ての行動を起こしているんです。どんな形であれ、陽菜と一緒にいれるのであれば帆高にとってそれが幸せなんだと思います。
物語全体を見てみると、感情の起伏が激しくて、エンターテインメント性がすごく高いんです。
泣けるシーンがあったり、笑えるシーンがあったりする中で、『天気の子』のメッセージである“愛”について深く考えることができる作品だなと思いました。
森:ビデオコンテは何百回も見ているんですけど、飽きさせてくれないんですよね。もう一度観たいと思わせてくれる作品なんです。
線画だけだったビデオコンテに、アフレコを重ねるにつれて新しい絵もたくさんついてきて、いろんな音楽がのってきて、本当にいろんな人の力で作られている映画なんだなってわかったんです。
その中の1人として参加させていただけて、しかもヒロインで! って思うと本当にありがたいですね。素敵な映画に出演できてよかったなって思います。
――お二人が仰ったように、2時間の中で感情の振れ幅がかなり大きい印象でした。
醍醐:嬉しいですね。
森:今から映画観るぞ! って身構えなくても『天気の子』がいろんな感情に連れていってくれるんです。
連れて行くといっても無理やりじゃなく手を取ってくれる感じです。
醍醐:気持ちいい映画だもんね、是非皆さんに見て欲しいですね。
森:本当に観て欲しい。
――お二人とも声優に初挑戦ですよね。演技で心掛けたことや苦労したことはありましたか?
醍醐:苦労したという点ではマイクの前で息のお芝居をしないといけなかったところです。振り返る時に「え!?」という感じで声を出さないといけませんでした。
普段から僕はアニメが好きなので、見様見真似でやりながら、先輩方にテクニカルな部分を教わりながらやっていきました。
それと作りこみ過ぎないというのは心掛けました。気づいたんですけど、滑舌だけを気にする、発声だけを綺麗にするのはなんか違うなと思ったんです。
なので感情優先で、気持ちの部分を優先して演じるようにしました。
森:全てが未体験で自分から何が出るかもわからないまま始まったんですけど、周りの方々にサポートしていただきながら挑戦しました。おかげさまで自分でも成長できたと満足しています。
心掛けたことは「ここはこうじゃないといけない」って決め過ぎないことですかね。あとは醍醐君が言ったように、感情を優先して演じられように余裕を持たせていただけたことですね。