映画『天気の子』が興行収入130億円を突破! 新海誠監督が現地入りしたインドプレミア上映イベントより公式レポート到着!
『君の名は。』から3年ぶりとなる新海誠監督最新作『天気の子』。公開から34日間で興行収入100億円を突破し、歴代邦画興行収入ランキングトップ10入りを果たすなど、『君の名は。』に続き日本映画を代表する作品となりました。
その勢いは衰えず、9月23日(月)までの公開から67日間で、観客動員980万人、興行収入130億円を突破! 本年度No.1の大ヒットに!
そんな本作は公開前から140の国と地域での配給が決定していたほか、トロント国際映画祭への正式出品、さらに米アカデミー賞の日本代表に選出されるなど、世界中から大きな注目と期待を集めています。
そしてこの度、世界一の映画大国・インドにて『天気の子』インドプレミア上映が実施され、新海監督が現地入りしました!
『天気の子』は、ムンバイ、デリーをはじめとするインド全国30都市で、10月11日から公開されることが決定(配給会社:Vkaao/興行会社:PVR Cinemas)。日本映画がインドの劇場で一般公開されること自体異例で、過去インドで一般公開された作品は、『万引き家族』『ドラゴンボール超 ブロリー』の2作品のみ。『天気の子』は日本のオリジナルアニメ映画として、初の一般公開となります。
インドでは『君の名は。』が人気を博し、今年の2月にインターネット上で『天気の子』のインド公開を求める署名活動が起こり、5万人を超えるファンの署名が集まりました。その声が新海監督本人や東宝の海外配給担当者、現地配給会社買い付け担当者の耳に届き、署名活動に応える形で公開が決定。
人口13億人を超えるインドは、年間映画製作本数(約2000本)と年間映画観客動員数(約20億人)が世界1位、さらに映画市場は年間24億ドルを超える、正真正銘の【映画大国】。多くのインド人が娯楽として映画を愛し、物語だけでなく歌と踊りを楽しむインド映画=通称ボリウッドは世界の映画産業を牽引しています。
しかし、国内で他国映画の劇場公開が難しいのが特徴のひとつでもあるインド。そんなインドで、一般公開に合わせてインドプレミアを実施する日本映画は『天気の子』が初めてとなります!
初のインド訪問となる新海監督は、9月27日(金)(現地時間)に実施するインドプレミアに合わせて現地入り。上映を前に「インド上映は現地の若者たちによる署名活動のおかげで実現しました。インドの若者たちが日本の映画から何を得てくれるか、彼らの反応を楽しみにしています。」と期待を膨らませていました。
プレミア上映会場となったのは、インドの首都・ニューデリーにあり、いま1番人気のショッピングモールにある劇場「サケットセレクトシティウォークPVRcinema」。インド7都市で開催される「インド日本映画祭」の開幕も兼ねており、当日は全席招待、劇場内の複数スクリーンでインドファン合計約1000人が『天気の子』を鑑賞しました。
予約チケット200席に、半日で約2000人以上の応募が殺到し、さらに当日チケットにも長蛇の列ができ、400人以上が入手できずに諦める状況という、インドでの期待値の高さが伺えました。10~20代を中心に、映画ファン、アニメファン、新海誠ファンが劇場を埋め尽くし、場内満席の大盛況。
「shinkai!shinkai!」というコールが響き、異様な熱気が場内を包み込む中、上映前の舞台挨拶に登場した新海監督は、待ちわびたファンたちの大喝采と歓迎の拍手で迎えられました。興奮と歓声がやまない中、新海監督は「皆さんの署名活動のおかげでインドに来ることが出来て、心から幸せです。本当にありがとう。インドという日本からとても離れた国で、文化も異なり、様々な価値観を持つ皆さんに、『天気の子』をどんなふうに楽しんでいただけるのか、心から楽しみにして来ました。皆さんの心の中に、少しでもこの映画が何かを残すことが出来たら、とても幸せに思います。どうか映画を楽しんでください。」と語りました。
舞台挨拶には、インド配給VkaaoのCEO・vaibhav(バベル)氏、インド大使の平松賢司氏も登壇しました。
本編上映中は随所で、手を叩きながら大声で笑い、隣の席の友人と肩を組み泣き、腰を浮かし腕を高く上げ大きな声援を送るインドの観客たち。ボリウッドを楽しむようにフルパワーで『天気の子』を楽しんでいました。
上映後は拍手と大歓声が飛び交い、新海監督が再登壇した際も、割れんばかりの大喝采。映画を愛するインド国民に、『天気の子』が届いた瞬間でした。
Q&Aでは、前のめりに挙手をしてアピールをする観客で溢れ、文字通りの大熱狂で日本映画史上初のインドプレミアを終えました。インドの熱を直に感じた新海監督は、「できれば3年後くらいにまたインドに帰って来て、皆さんに新しい映画を見せたいです。また再会しましょう!」とインドのファンへ語りました。
翌日は、インド上映のきっかけとなった、『天気の子』のインド公開を求める署名活動を始めた、現地の男子高校生Divishth Pancholi(パンチョーリ)君と新海監督がご対面。歓迎の花束を渡す感無量のpancholi君に、新海監督は「署名活動をしてくれて本当にありがとう!」と感謝を伝え、『天気の子』の感想や、将来の夢など監督がpancholi君を質問責めに。
最後は、いつか東京で再会し、監督自ら映画の舞台を案内することを約束した2人。対面を終えた新海監督は、「パンチョーリ君の熱意と行動力によって、この先日本とインドのアニメ―ション映画の形が少し変わるかもしれないし、日本の映画産業の形が少し変わるかもしれない。心から凄いことだと思います。」と語りました。
現在『天気の子』は140の国と地域での配給が決定、米アカデミー賞の日本代表にも選出され、インド公開を10月11日に控えるなど、日本を越えて盛り上がりをみせる『天気の子』旋風は、今後も世界を席巻していきます!
インドプレミアを終えた新海監督の感想
インドの観客の熱量に、本当に驚きました。国民性のようなものかもしれませんが、インドの観客は、全力で「自分はとにかく楽しむんだ!」という非常に前のめりの姿勢で映画を観ているのが印象的でした。
あんなふうに映画を観ながら笑って泣いて、僕の名前を呼び大歓迎をしてくれて、一緒に鑑賞していて逆に感動をもらいました。映画を作っていて良かったと思わせてもらえるような瞬間を、インドでいただけたような気がします。
日本のアニメーション映画がインドで劇場公開されることはほとんどないことですが、今回それが1人の若者の署名から実現しました。これをきっかけに、アニメ―ション映画の形が少し変わるかもしれないし、日本の映画産業の形が少し変わるかもしれない。
パンチョーリ君の熱意と行動力がまさに「世界の形を変えてしまう」ようで、心から凄いことだと思います。
関係者コメント
Pancholi(パンチョーリ)君コメント
『君の名は。』を観て僕の人生は変わりました。もっと沢山の人に新海監督の作品を観て欲しくて、署名活動を始めました。新海監督が描く物語は、インド人にも馴染みやすく、世界の若者が誰でも共感できるのが魅力だと思います。それと、美しい東京の街並み。
ボリウッド映画にも撮影の舞台を巡るツアーがよくあるのですが、僕もいつか東京へ行って新海作品で何度も見ている場所を巡ってみたいです。
インドでは、今後ますますアニメーション映画に人気が集まると思います。もっとインド人にアニメーション映画を好きなってもらい、ボリウッド映画やハリウッド映画と同じように、アニメーション映画をインド人が楽しめることを期待しています。
インド配給VkaaoのCEO・vaibhav(バベル)氏コメント
『天気の子』で描かれている壮大なラブストーリーは、インドでも特に10~20代の若者に共感を得て、人気が出ると思っています。
配給が決まった一番の決め手はもちろん署名活動。署名の数が募り、新海監督の過去作をリサーチしたところ、これは署名をした人たちだけではなく、きっとその先のインドの観客たちにも絶対届くはずだと確信を持ち、配給を決めました。
『天気の子』は、インドと日本の配給がタッグを組み初めて公開を迎えるアニメーション映画なので、思い入れもありとても期待しています。
Q&A舞台挨拶の様子
観客からの質問1
上映が実現するまで、僕たちを突き動かしてくれてありがとうございます。これからもたくさん映画を作ってください。そしてまた新海監督の映画をインドで公開して欲しいです。新海監督はいかがですか?
■新海監督の回答
次の新作が出せた時、またインドで僕の映画を上映できるかは皆さんにかかっています(笑)。今回のように日本のアニメーション映画がインドの方々にも面白いと思って頂けたのであれば、自然に劇場公開が出来るようになっていくのかな、と思っています。
観客からの質問2
日本のアニメ―ション映画の作り方と、ハリウッドのアニメ―ション映画の作り方は何が違うと思いますか?
■新海監督の回答
日本のアニメーション映画は“作家主義”。つまり、監督の作家性が映画の軸にあるのが日本のアニメーション映画だと思います。ハリウッドの方は、はるかに分業が進んでいるような気がしますね。
日本がいま作家主義になっているは、宮崎駿さんのような強力な監督・アニメーターの影響だと思います。この先ハリウッドから学び、優れたスタッフと分業していく必要姓を感じると同時に、ハリウッドと同じ作り方をしても適うわけではなく、宮崎監督や僕のように従来の作り方を続けていくことにも意味があるような気もしていて、迷いますね。
観客からの質問3
日本のアニメ―ション映画には子どもが多く描かれていますが、新海監督は何を意識していますか?
■新海監督の回答
日本のアニメに子どもが多く描かれているのは、アニメーション映画を一番必要としているのが彼らの年代だからだと思います。エンターテインメントには10代の子供たちの人生を変えてしまう力があるかもしれない。
ただ、高齢化が進み大人が増えている日本の社会で、これから僕の映画をどうゆう人たちへ届けていけばよいのか、大人を描くのか、それとも今までどおり10代を主人公にすべきなのか、今ちょうど迷っているところでもあります。
観客の感想
≪20歳男性≫
素晴らしい映画でした。「君の名は。」の大ファンだったので、それと同じくらいのものを期待して見にきたのですが、その期待は決して裏切られませんでした。この映画は、単に我々を楽しませたり、感情を沸き起こさせるだけのものではなく、我々の人生に永遠に影響を与え続け、心に残り続けるような映画だと感じました。
≪20歳男性≫
インドは大陸で、いろんな州や言語がありますが、日本映画の素晴らしいところは、常に日本語を大切にしているところだと思います。日本は自国の文化をすごく大切にしていて、インドのように自国の言語の前に英語を優先していないところが素敵だと思います。新海監督の作品は、いつも真の日本の魅力を描いていて素晴らしいです。
≪20歳女性≫
将来は漫画家になりたいのですが、今回の署名活動に参加したのは、いちアニメファンとして作品を楽しみたいということだけではなく、インドのアニメ・漫画ファンが増え、その分野での職業も増えることで、自分自身の将来性にもつながると思ったためです。新海監督の作品は、インドでのアニメの既成概念を打破する力があり、アニメそのものを新しいレベルに引き上げてくれました。
≪10歳女性≫
インド各地でこれから「天気の子」が公開されこと、信じられない気持ちです。とても驚いています。つい最近日本語を勉強し始めたところで、「心からありがとうございます」と言いたいです。新海監督の作品を通して、日本文化や日本そのものにももっと興味を持つようになりました。
世界公開日状況
韓国:10月30日、ロシア:10月31日、タイ:11月7日
映画『天気の子』絶賛上映中!
ストーリー
「あの光の中に、行ってみたかった」
高1の夏。離島から家出し、東京にやってきた帆高。しかし生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく見つけた仕事は、怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。
彼のこれからを示唆するかのように、連日降り続ける雨。そんな中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は一人の少女に出会う。ある事情を抱え、弟とふたりで明るくたくましく暮らす少女・陽菜。彼女には、不思議な能力があった。
「ねぇ、今から晴れるよ」
少しずつ雨が止み、美しく光り出す街並み。それは祈るだけで、空を晴れに出来る力だった――
スタッフ
原作・脚本・監督:新海誠
音楽:RADWIMPS
キャラクターデザイン:田中将賀
作画監督:田村篤
美術監督:滝口比呂志
製作:「天気の子」製作委員会
制作プロデュース:STORY inc.
制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
配給:東宝
公開日:7月19日(金)全国東宝系公開
キャスト
醍醐虎汰朗
森七菜
本田翼
吉柳咲良
平泉成
梶裕貴
倍賞千恵子
小栗旬
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