野上武志×才谷屋龍一×伊能高史×葉来緑×むらかわみちお×吉田創によるガルパンコミック作家座談会! まずは『ガールズ&パンツァー 最終章』第2話を語る!【前編】
エリカ対エクレールは『マジノ』と『フェイズエリカ』を描いた自分に対するご褒美です(才谷屋)
――ちなみに、今回は『最終章』第2話をどちらで最初にご覧になりましたか?
むらかわ:試写。
葉来:試写会ですね。
才谷屋:試写会ですかね。
――みんな今回は試写ですか?
伊能:アフレコのレポートマンガを描かせていただいたので。
吉田:あれ、勘定に入れていいのかな?
葉来:あれはまだ制作中のやつみたいな。
伊能:たぶん同じものを観たんだと思います。まだ音響がついてなかったので。
葉来:戦車戦とかなかったし。
伊能:映画館で完成品を観たら、「あ、こんなに変わるんだ」と。
吉田:マリーの追いかけるシーンとかも、全然わからなかったですよね。劇場で観たら、「なんだこの熱いシーンは!?」って。全然印象が変わった。
――最後に、『最終章』第2話を観ての感想や、ご自身の作品内で使ってみたいネタ、第3話への期待などをお願いします。
野上:ではトップバッターで。第2話を観まして、『最終章』の方向性というか、アングルというのがようやく見えてきたというのがあるんですけど、それを踏まえた上でアニメの正史から提供されるネタの数々を、どういうふうに偽史、演義としてのコミカライズのほうに反映させて食い下がっていくかというのが、この後ももうちょっとだけ続くのかなと。楽しみだなと思っております。
さっそく今月発売している『コミックフラッパー』のほうでも描いておりますので。我々コミカライズ作家の意地を見よ!
伊能:第1話もそうだったんですけど、第2話を観て、完全に作品の作りが劇場で観てもらうこと前提の音響作り、画面作りになっているんだなと。そこがTVシリーズとは一番違った部分だなと感じました。
この後の話も、普通に無限軌道杯を最後までやるのか、それとも違うことがイベントとして起こって、話がガラッと違う方向に行くのか。
あとは、大洗の市街戦がまた見たいですね。派手に破壊されるみたいな映像を。『ガルパン』というのは破壊ができる題材じゃないですか。
才谷屋:どこかで練習試合とかがあって、「ウチらの戦力だとまだまだ練度が足りん!」みたいな感じで。
野上:特訓だ!
むらかわ:スポ根になるんだ(笑)。
伊能:第1話と第2話は、開けたところだったりボカージュだったり、ジャングルとかの自然物だったので、人工物がたくさんあるところを破壊してもらうというのを観たいです。作るのは大変なんでしょうけど、観る側はやっぱり期待したいです。
才谷屋:もう楽なやつってないですよね。視聴者は今までのものを観て、通過してきているから、楽なものを観たいと思って劇場に来てないと思うから。それに応えるってなると大変でしょうね。
吉田:失陥直前のベルリンはある気がするんですよね。瓦礫で埋まっていて、高低差がある中で市街戦っていう。
伊能:あとは、河嶋がどうなるのかなと思って。
葉来:文具店「かわしま」のほう?
才谷屋:店なの!? そっち!?
伊能:個人的にはぜひ、河嶋自身が指揮を執るみたいな。
才谷屋:それいいですね!
吉田:今までずっと、弾は外すわ判断は間違えるわってあんまり役に立ったことなくて、ず~っと周りにフォローしてもらってきた桃ちゃんが、覚醒する瞬間というのは絶対に来ると思うんですよね。その場面をどう描くのか。
野上:ローズヒップを倒してますよ!
むらかわ:確かに一回撃破してるけどね(笑)。
葉来:僕の場合は『戦車道ノススメ』って『劇場版』が終わってから始まって、途中で『最終章』の第1話が公開されたから、より新キャラのサメさんチームやらBC自由学園をネタにして、ドラマCDみたいな感覚で短編を描いていた部分があったんですよ。
今回の第2話は連載が終わった後に観たので、「あ~このキャラはもっとこうしたかったな」と思うよりは、新しい高校とかを見て、まだまだ全然描き足りないなという気持ちが強くなりましたね。
ただ、5巻でプロレスネタをやったので、第2話のボコのプロレスシーンは個人的に面白かったし、嬉しかったです。みほがカチューシャに決めたのはケニー・オメガのフィニッシュホールド「片翼の天使」です。
吉田:『劇場版』を観て、これ以上の戦車戦は無理だと思っていたんですよ。あっさり俺の想像を超えていって、この先もっと上がっていくのかと。
――続いて、才谷屋先生。
才谷屋:自分は正直、もう仕事は終わっているので。
むらかわ:いやいや、僕のやつやってもらっているから。
才谷屋:そうですね、むらかわさんのオマケみたいなものなので。
――でもキラーパス出てますよ。
才谷屋:キラーパスは出てますけど(笑)。
吉田:マジノ対黒森峰を描くんじゃないんですか?
葉来:『フェイズエリカ』なのか、『マジノ』なのか(笑)。
才谷屋:『マジノ』をやって、その次に『フェイズエリカ』をやって、終わっちゃった自分に対するご褒美なんだろうなっていう。
実は某軍事考証の方から、制作初期の段階で今回エクレールを出すにあたっての連絡を頂いてまして。その為のチェックや画像の確認等の連絡を、数回に亘ってやり取りしてたんですよ。
その最初の頃の会話で「マジノ出てきますよ! マジノがやられますよ! どこにやられると思います!? 黒森峰ですよ! がっはっはー!」
野上:熱い(笑)。
――ネタばらし(笑)。
むらかわ:リークはされていたのね(笑)。
才谷屋:それ聞いて大爆笑してたんですよ! 当時は『フェイズエリカ』を描いていたんですけど、それをやってくれるんだったら、もう僕はやることないかなとか思って。
吉田:いやいや。マンガ版のアンチョビも出して、『スーパー才谷屋大戦』を描くんですよ!
一同:あははっ!
才谷屋:『最終章』って、今は第2話なんですけど、TVアニメに換算したらまだ第4話ってことなんですよね。第4話ってことは、大洗の市街戦が終わったところくらいで、まだ全然序盤だから、これからどれくらい変わるのか。
吉田:今の時点で語ることは早計なんですよね。この先どういうテーマを語るのか、何も見えていないので。
才谷屋:何かやってくれるだろうなとは思うので、すごい先が楽しみだなという感じですね。
むらかわ:今回の桃ちゃん先輩の物語の投げかけというのは、僕から見ると不正義をはたしてどう回復していくのかなというのがまずあって、それが最終的に指揮を執れる人になっていくとかっていうのが物語のアクションとして出てきたら楽しそうだなと思って見ています。
あと僕が描いているマンガに関しては、時系列的にはTVシリーズの序盤くらいなので、『最終章』とはあまり被ってこないから安心して描いているんですよ。
才谷屋:あははっ!
むらかわ:最初は青師団高校で描こうかなと思っていたんですけど、あの服装なら描かないで良かったなと思っていますけどね(笑)。
才谷屋:まだその設定が出る前でしたからね。
むらかわ:あのおっぱいを描くのは大変だったと思います(笑)。まぁでも戦車はわからないので、どちらかというとドラマのほうを見ていきたいというのがあって。第2話は戦車戦がメインで、ドラマのほうはあまり筋を動かしていないから、逆に素直に楽しめて良かったんですけどね。次もすごい楽しみです。
[取材・文/設楽英一]
上映情報
未知なる4D体験へ、パンツァー・フォー!
10月11日(金)より、MX4D、4DXにて劇場上映!
『ガールズ&パンツァー 最終章 4D ~第1話+第2話~』
『最終章』第1話、第2話をつなげて4D化した『ガールズ&パンツァー 最終章 4D ~第1話+第2話~』が満を持して上映となります!
★4D上映とは?
映像に合わせて座席が動いたり、揺れたりするほか、シーンに合わせた水しぶきや風、香りなどの特殊効果や演出によって、作品を五感で体感することのできる「体感型」の上映です。MX4Dと4DXの上映形態となります。
★『ガールズ&パンツァー』と4D上映
2015年11月に公開された『ガールズ&パンツァー 劇場版』では、翌2016年2月に4DX版の上映がスタート。
戦車の動きや砲撃の衝撃などをリアルに体感できる鑑賞体験が大きな話題となり、異例の大ヒット。
公開から一年後には「4DX効果マシマシ版」としての再上映も実施されました。
また、2018年9月からは『ガールズ&パンツァー 第63回戦車道全国高校生大会 総集編』が上映。
通常上映に加えてMX4D、4DXでも上映され、人気を博しました。
<最終章 ストーリー>
学園存続を懸けた大学選抜チームとの試合にからくも勝利し、ようやく平穏な冬の日々を過ごしていた大洗女子学園戦車道チームのメンバーたち。
3年生の卒業を控え、生徒会が改選されて新執行部が始動するなど、小さな変化も始まっていた。
そんなある日、彼女たちの上に降って湧いた騒動。新たに現れた難問に立ち向かうため、戦車道チームが再始動する。
<スタッフ>
監督:水島 努 脚本:吉田玲子 キャラクター原案:島田フミカネ
キャラクターデザイン・総作画監督:杉本 功
考証・スーパーバイザー:鈴木貴昭
キャラクター原案協力:野上武志 ミリタリーワークス:伊藤岳史
プロップデザイン:竹上貴雄、小倉典子、牧内ももこ、鈴木勘太
3D監督:柳野啓一郎 モデリング原案:原田敬至、Arkpilot
3DCGI:STUDIOカチューシャ、グラフィニカ
色彩設計:原田幸子 美術監督:平柳 悟
撮影監督:関谷能弘、棚田耕平 編集:吉武将人
音響監督:岩浪美和 音響効果:小山恭正 録音調整:山口貴之
音楽:浜口史郎 アニメーション制作:アクタス
製作:ガールズ&パンツァー 最終章 製作委員会 配給:ショウゲート
<キャスト>
西住みほ:渕上 舞 武部沙織:茅野愛衣 五十鈴 華:尾崎真実
秋山優花里:中上育実 冷泉麻子:井口裕香 角谷 杏:福圓美里
小山柚子:高橋美佳子 河嶋 桃:植田佳奈 磯辺典子:菊地美香
近藤妙子:吉岡麻耶 河西 忍:桐村まり 佐々木あけび:中村 桜
カエサル:仙台エリ エルヴィン:森谷里美 左衛門佐:井上優佳
おりょう:大橋歩夕 澤 梓:竹内仁美 山郷あゆみ:中里 望
阪口桂利奈:多田このみ 宇津木優季:山岡ゆり 大野あや:秋奈
園みどり子:井澤詩織 ナカジマ:山本希望 ねこにゃー:葉山いくみ
蝶野亜美:椎名へきる マリー:原 由実 安藤:津田美波
押田:安済知佳 西 絹代:瀬戸麻沙美 福田:大空直美
玉田:米澤 円 細見:七瀬亜深 他
上映館 MX4D:20館、4DX:59館
上映分数 本編98分
製作 ガールズ&パンツァー 最終章 製作委員会
配給 ショウゲート
上映劇場は公式サイト 劇場情報ページに掲載しています。
ガルパンコミック情報
『ガールズ&パンツァー リボンの武者』
野上武志×鈴木貴昭/原作:ガールズ&パンツァー製作委員会
株式会社KADOKAWA MFコミックス フラッパーシリーズ
第12巻好評発売中
戦車道の“生ける伝説”西住みほとの「公式戦車道での試合」を賭け、強襲戦車競技(タンカスロン)の両雄たる鶴姫しずかとヤイカが公式戦車道ルールで激突! ヤイカ率いるボンプル高10輌に対し、しずかは各校から隊長車を集めたムカデさんチーム連合5輌で挑む。油断すれば一瞬で戦況をひっくり返されるフラッグ戦で、互いに狙うは大将首ひとつ!
『ガールズ&パンツァー フェイズエリカ』
才谷屋龍一/原作:ガールズ&パンツァー劇場版製作委員会
株式会社KADOKAWA MFコミックス フラッパーシリーズ
全3巻好評発売中
逸見エリカを主人公にしたスピンオフ。黒森峰女学園の副隊長・西住みほの甘さに不満を募らせるエリカ。曲者揃いの継続高校との試合では、継続の陽動作戦にかかってみほとエリカがまほたち本隊と分断、大ピンチに陥ってしまう。敵と相討ちになったエリカを助けようと駆け寄るみほに、エリカは自分よりも隊長を頼むと懇願する。ふたりの西住流が揃った黒森峰の大逆転劇が始まる。
『ガールズ&パンツァー 劇場版 Variante』
伊能高史/原作:ガールズ&パンツァー劇場版製作委員会
株式会社KADOKAWA MFコミックス フラッパーシリーズ
第4巻好評発売中。第5巻11月発売予定
メガヒット劇場版アニメの行間を紡ぐ、超濃厚コミカライズ。ついに始まった、大洗女子学園対大学選抜チームの試合。大洗の窮地を救うべく、続々と集まってきた各校の思惑から、アンフェアな試合をやらされる大学選抜チームの心情までをきめ細やかに描写。劇場版に新たな視点を与えることで、画面に映っていないキャラクターにまで愛着が湧くようになる魔法のような一冊!
『ガールズ&パンツァー 戦車道ノススメ』
葉来緑/原作:ガールズ&パンツァー劇場版製作委員会
株式会社KADOKAWA MFコミックス フラッパーシリーズ
全5巻好評発売中
西住まほのドイツ留学のお祝いと称して始まった紅白オールスター戦車道大会。ただし、勝負方法は戦車戦に限らないため、料理対決に紅茶対決、果てはプロレスタッグ戦までが始まってしまう。サメさんチームにBC自由学園と、最終章からの新メンバーも続々登場し、ラストは全チーム入り乱れてのお祭り騒ぎとなっている。
吉田創/原作:ガールズ&パンツァー製作委員会
株式会社KADOKAWA MFコミックス フラッパーシリーズ
第2巻好評発売中
プラウダ高校に入学し、共に戦う中で互いを同志と認め合ったカチューシャとノンナは、北の強豪校の位置で満足しているチームの性根を叩き直すため、本職のロシア軍人を招聘。2カ月に亘るロシア軍流特訓をやり遂げた2年生は、新1年生の前で行われた3年生との試合で3年生を圧倒。2年生を率いるカチューシャが、ついにプラウダを掌握する。その頃、黒森峰女学園では隊長・西住まほの「本物の怪物」ぶりが囁かれていた。
『ガールズ&パンツァー 樅の木と鉄の羽の魔女』
漫画:むらかわみちお/戦術構成:才谷屋龍一
原作:ガールズ&パンツァー製作委員会
コミックウォーカーにて連載中
戦車道界では無名の伯爵高校と、強豪・サンダース大付属高校の練習試合。伯爵高校2年生の小檜山野咲(こひやま・のえみ)が車長として臨む初めての試合――。自車の乗員に指示を出し、隊長の指示に従い、勝つために戦車を駆るとき、思い出すのは“先輩”の言葉――。『宇宙戦艦ヤマト2199』のむらかわみちおが描く、少女と戦車の叙情詩。
ガールズ&パンツァー最終章
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吉田創ツイッター (@sabo666)
(C)GIRLS und PANZER Projekt
(C)GIRLS und PANZER Film Projekt
(C)GIRLS und PANZER Finale Projekt
(C)Takeshi Nogami,Takaaki Suzuki
(C)Ryohichi Saitaniya
(C)Takashi Ino
(C)Hagi Midori
(C)Hajime Yoshida
(C)Michio Murakawa , Ryohichi Saitaniya