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ガルパンコミック作家座談会【前編】野上武志ほか6作家が語る『最終章』第2話!

野上武志×才谷屋龍一×伊能高史×葉来緑×むらかわみちお×吉田創によるガルパンコミック作家座談会! まずは『ガールズ&パンツァー 最終章』第2話を語る!【前編】

第1話より1年半。ファン待望の『ガールズ&パンツァー 最終章』第2話が2019年6月15日より劇場上映され、もうこれ以上の出来はないだろうと思われた『ガールズ&パンツァー 劇場版』をも超えてくるクオリティで観客の度肝を抜きました。

『最終章』第1話以降、劇場で観てこそ最大限楽しめるように4Dを意識した映像演出が多く見られるようになり、『最終章』第2話でもボコミュージアムのシーンなどに顕著に現れています。

2019年10月11日(金)からは、まさにその4Dで『最終章』を味わえる『ガールズ&パンツァー 最終章 4D ~第1話+第2話~』が公開! 作品の面白さにライドアトラクションの興奮も上乗せされて、最高のエンターテイメントになることでしょう。

そこで『劇場版』『最終章』第1話に続き、今回もガルパンコミック作家の方々による座談会を開催! なんと6名の先生にお集まりいただき、4時間以上に亘って喋りに喋っていただきました!

その連載1回目となる今回は、『ガールズ&パンツァー 最終章』第2話の場面写真を見ながらガルパンコミック作家の視点で語り尽くすコメンタリー! それぞれ戦車には一家言ある面子だけに、着眼点も見どころです。

とりわけ『ガールズ&パンツァー 激闘!マジノ戦ですっ!!』のヒロイン、エクレールが『最終章』第2話に登場するという、コミカライズ作家冥利に尽きる体験をされた才谷屋龍一先生の、このシーンにまつわるコメントは貴重です!

ほかにも『樅の木と鉄の羽の魔女』のむらかわみちお先生、『プラウダ戦記』の吉田創先生が初参戦! あまりにも盛り上がりすぎた結果、『最終章』第2話の後半、対知波単学園戦に関するコメントが入りきらず、次回に回さざるを得なくなったほどの大ボリュームとなっています。

前回のガルパンコミック作家座談会の記事も参照しつつ、たっぷりとお楽しみください!

野上武志×才谷屋龍一×伊能高史×葉来緑のガルパンコミック4作家が『ガールズ&パンツァー最終章』第1話を語る!ガルパンコミック作家座談会【前編】

野上武志×才谷屋龍一×伊能高史×葉来緑のガルパンコミック4作家が語る制作秘話! もちろん秘蔵画像も大公開! ガルパンコミック作家座談会【中編】

野上武志×才谷屋龍一×伊能高史×葉来緑、さらに弐尉マルコ、槌居とガルパンコミック作家大集結! ガルパンコミック作家座談会【後編】

前列中央:野上武志(のがみ たけし)先生
『ガールズ&パンツァー リボンの武者』
前列左側:才谷屋龍一(さいたにや りょういち)先生
『ガールズ&パンツァー』『激闘!マジノ戦ですっ!!』
『フェイズエリカ』『樅の木と鉄の羽の魔女(戦術構成)』
前列右側:伊能高史(いのう たかし)先生
『ガールズ&パンツァー劇場版variante』
後列右側:葉来緑(はぎ みどり)先生
『はじめての戦車道』『戦車道ノススメ』
後列左側:むらかわみちお先生
『ガールズ&パンツァー 樅の木と鉄の羽の魔女』
後列中央:吉田創(よしだ はじめ)先生
『ガールズ&パンツァー プラウダ戦記』

書けないもん、吉田玲子さんのあのセンスは男にはない!(吉田)

――これまでは大洗女子学園が圧倒的に不利な状況に置かれていて、視聴者は大洗を応援するような気持ちで観てきたと思うんです。それが今回のBC自由学園戦では、大洗の戦車が姿を現さないから、むしろ不気味な敵として感じたんですよ。

さらに後半の知波単学園戦になると、なんだか知波単を応援したくなりませんでしたか? 大洗が敵のように描かれているというのが、『最終章』第2話の特色かなと思いました。

吉田創先生(以下、吉田):まぁディフェンディングチャンピオンで、挑まれる立場だから、当たり前かなって気はするけど。今までは黒森峰女学園を倒すためにみんなが研究していたんだけど、大洗が倒す対象になったことで、大洗の戦術を改めて研究するようになったってことですよね。

野上武志先生(以下、野上):作劇的な話で言うと、これをやらなければいけないというミッションの中で、大洗が優勝しなければいけないというのが必須の条件ではないんですよね。

桃ちゃん先輩を大学に行かせることができるのであれば、大洗は負けてもいい。ではどういうふうに負けるのかというのが、この後のワクワクする部分だと思うんですよ。

伊能高史先生(以下、伊能):浪人しちゃってもいいわけですしね。

吉田:スポーツの世界では、強いヤツ、練習してきたヤツが勝つわけで。大洗が、まぁ見方によってはヒールのような立ち位置だとしても、大洗の戦術を撃ち破ることができなければ勝つことはできないわけで。

そもそも他のチームだって、ただ優勝したいってだけの動機なわけじゃん? 大洗も、そこに桃ちゃん先輩を大学に行かせるってことをプラスされてるだけですよね。

――余談ですが、桃ちゃん先輩のお父さんのキャラデザ、モデルとなった坂本文具店のご主人にかなり似てますよね。

才谷屋龍一先生(以下、才谷屋):商工会の事務局長さんですね。

野上:ああ、缶バッジをガッチャンガッチャンする人!

――ところで、あのトーナメント表を見ると、反対のブロックから勝ち上がってくるのは聖グロリアーナ女学院だと思うんですよ。だとすると、決勝戦は大洗対聖グロになるのかなっていう。

吉田:そうすれば綺麗にまとまりますよね。決勝戦まで行く間に、桃ちゃん先輩のためじゃなく、もっと戦車道に真摯に向き合おうとか思って目的意識が変わるかもしれない。

――そんな聖グロを率いるダージリン様と、キャラががっつり被りそうなBC自由学園のマリー様が、ちゃんとキャラを立てているのが凄いですよね。

吉田:第1話の時点では、ただのお飾りかなって感じだったんですよね。それが第2話で、戦車道の隊長にはお飾りはいないんだと。ちゃんとスペックのある人間が上に立つんだとわかりましたね。

――あの身体能力は、ガルパンキャラの中でも一番じゃないかってレベルですよね。

吉田:あの脚は太いんじゃなくて、全部筋肉なんですよ! 実は体脂肪率ひとケタなんです!

むらかわみちお先生(以下、むらかわ):相撲取りのような身体なんですね。

野上:全身これバネ!

――また戦車のチョイスも見事だと思うんです。あまり強くはないけれど、現代戦車の原点という、戦車の血統で言えばトップに来るルノーFTにマリー様が乗って、それを周りががっちりガードしているというのが、まさに女王とそれを守る近衛部隊のようで。

吉田:それで弱っちいルノーFTが最後まで残ってるけど、最後までヘッツァーを追い続ける、諦めないってのが、ドラマとして熱いですよね。

――しかも、完全包囲されて撃たれる直前にケーキを食べる豪胆さ!

吉田:あれは辞世の句ですよ! あのケーキは辞世の句です!

才谷屋:第2話は、困り顔のマリー様がけっこう出てきて良かったですね。第1話ではほとんどにっこり顔しかなかったので。

むらかわ:才谷屋さんは女の子をヒーヒー言わせるのが好きなんですよ。困った顔をさせるのが好き、みたいな。

才谷屋:あははっ! むらかわさんらしいですね。

むらかわ:なんでだ!?

――第1話ではまんまとしてやられた秋山殿が、改めて推理を働かせて逆襲のきっかけを掴むというのが、いかにも作戦で戦い抜いてきた大洗らしくて良いなと思いました。

才谷屋:参謀らしいですよね。

吉田:大洗は、失敗したメンバーを責めないのがいいですよね。それがエリートが集まる黒森峰あたりとはちょっと違う。黒森峰だったら替えがいくらでも利くから、失敗した人間は取り替えられちゃうと思うんですよ。

でも大洗は人数もギリギリで、みんなで助け合ってやっているから、カモさんチームが泥にはまっても責めないで、みんなで助けるっていうのが大洗の強さかなって気がしますね。

――沙織が気付くところですね。

才谷屋:B1bisの砲塔と、ソミュアの砲塔が似てるっていう。

――普通の女子高生が、戦車の知識とか関係なく「見た目が似てる」って感じることが、みほを通すことで作戦につながるっていうのが大洗の凄さだし、『ガルパン』の面白さですよね。

吉田:みほが何か言うと、すぐに他の車輛に伝わるんですけど、本当は沙織を経由してつないでいるんですよ。そのシーンは描かれていないので、沙織は新鮮な視点を提供するっていう役割になったんじゃないかなって思いますね。

才谷屋:俯瞰して物事を見れるっていう立ち位置ですよね。

吉田:あるいは、戦車道の常識に捉われない。

――マウス戦の際の、こんなに大きな戦車なら戦車が乗れそうっていうのも、女子高生の感覚で大きさだけで言っている感じですよね。

吉田:戦車道の発想では、みほにすらなかったっていうことですから。

むらかわ:素人視線の良さですよね。

葉来緑先生(以下、葉来):視線が等身大ですからね。

むらかわ:秋山殿だと情報戦になるけど、それとは違う立ち位置で議論をかき混ぜるっていう。

野上:混ぜっ返し系ですね。

葉来:『World of Tanks』だと、通信手は敵味方の位置情報や索敵情報を共有するめちゃくちゃ重要なポジションなので。

才谷屋:そうですね。情報戦が重要だからね。

葉来:みほがその役割を担っているように見えるから、沙織が目立たない感じもあるけど、それを伝えているのは沙織なんだろうなと。

吉田:スロートマイクで伝えられるのは車内だけなんですよね?

葉来:そうです。他のチームに伝えているのは沙織なんですよ。

伊能:関係ないけど、ヘッドセットがズレていてかわいいですね。

一同:あー!

才谷屋:実は『激闘!マジノ戦ですっ!!』のほうで、B1bisとソミュアの砲塔に関してちょっとだけ話があって。

車体の大きさで捉えているアシスタントさんがいらっしゃって、僕自身はB1bisとソミュアの砲塔の大きさが一緒なんだということはわかっていたんですけど、「ここにB1bis、ここにソミュアを描いてください」って言ったら、B1bisの砲塔だけ車体と一緒になって大きく描かれていて。

葉来:まぁB1bisのほうが大きいイメージありますよね。

才谷屋:そうそう! B1bisは重戦車っていう扱いで、ソミュアは快速戦車で軽いっていう印象があったので、B1bisの砲塔がやたら大きくなって「これ違うぞ!」みたいな(笑)。

吉田:B1bisのほうが前後が長いかな?

才谷屋:そう。B1bisのほうが、ターレットリングの径がひと回りデカいんですよ。でも砲塔は一緒なんです。

野上:コミカライズ作家における、戦車をどのように処理するかというのは、みなさんそれぞれご苦労なさっているんじゃないかと思うんですけれども。

吉田:キューポラの大きさに対して、どうしても人間がね。まほとかが顔を出している姿を描こうとすると、戦車全体が小さくなっちゃうんですよね。アニメの通りにやると、成人男性くらいの体格になるので。

才谷屋:女子高生のサイズじゃないんですよね。

吉田:だからそれはもうウソをついてやるしかない。

むらかわ:描くたびに大きさが変わっちゃうんですよね。

野上:仕方ありません!

むらかわ:人物比に対して、同じ戦車なのにコロコロ変わっちゃうんですよ。

葉来:ラーテとかはもう全部無視して描きましたけど。

野上:あれは無理!

野上:こうやって観ていくと、『ガルパン』は慣れたスタッフさんだから、違和感を感じないところまで持っていってますけれども、ほとんどのアニメスタッフさんはミリタリーの専門知識がないわけですから、そういう人たちが戦車モノを一から作ってここまでに持ってくるのはどれだけ大変だったか。

宮崎駿監督の1970年代のアニメ以降は、『クレヨンしんちゃん』の――

吉田:『爆発!温泉わくわく大決戦』ですか。

野上:あれも水島監督だっけ?(演出を水島努氏が担当。絵コンテは原恵一監督と水島努氏が担当)

吉田:90式がロボットに立ち向かうんですよね。

葉来:あとは『MEMORIES』の『最臭兵器』とか。

吉田:『ドラえもん』の映画でも凄いのがありましたよ(『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』)。戦車がガーッて降りてくる場面で、手描きの時代にサスペンションで車体がグンッて沈み込むんですけど。絶対これ、戦車好きなヤツが描いてるなってのが。

野上:ゾッとするヤツですね(笑)。

吉田:ゾッとするヤツです! 手で描いたんかコレ!? みたいな(笑)。

野上:じゃあ3Dなら楽かっていうと、そんなわけはない。むしろもっと大変だって話になりますからね。カメラアングルひとつ取っても、レイアウトをやった人がどれだけがんばっていらっしゃるかというのが本当によくわかる感じがしますね。

吉田:俺も線画は3Dなんですけど、うちのパソコンだと5、6台同時に表示すると、もうアカンのですよ。だから足回りだけ単純にした遠景専用のモデルを作って、なんとか同時に表示させています。

伊能:気持ち悪い動きをしていたポルシェティーガーですね。

――自動車部が昼飯の角度のことを、お昼ごはんの角度とか言うんですよね。あの言い方がかわいいなと思って。

野上:そういうところに脚本の吉田玲子さんのセンスが入っているんだと思いますね。

――ミリタリー畑の人には逆に思いつかない言い方ですよね。

才谷屋:固定されている言い方があって、そのイメージでミリタリーファンは見てますからね。そうじゃない、女性視点で脚本を書かれているところが、ウチらにはないセンスだなって感じますね。

――そこが『ガルパン』は上手いですよね。周りをミリタリーのガチ勢が固めて、その中で吉田玲子さんが女性の視点で思いっきり書くっていう。

葉来:こんなゴツい中でかわいい表現をされると、やっぱりインパクト残りますもんね。

吉田:だからコミカライズで口調がちょっと変わっててもゴメンね♥ 書けないもん、吉田玲子さんのあのセンスは男にはない!

葉来:でも逆に、鬼塚は吉田先生ならではのキャラですね。

▲『プラウダ戦記』に登場する、黒森峰女学園の先代副隊長・鬼塚瑠奈
 
吉田:だから逆方向に振り切ったんですよ! 中途半端が一番イカンと思って。

野上:まさか傷をマジックで描いていたとは(笑)。

伊能:毎朝描いてるっていう(笑)。

吉田:あれは俺のかわいいポイントなんですけどね(笑)。あそこでかわいいと思ってほしかったんですけど。

野上:アイライナーじゃなく、油性ペンを使っているってところがね。

吉田:一応、水性です(笑)。

――大洗の策略が決まって同士討ちが始まると、この辺りから大洗が怖く感じるんですよね。

吉田:いやぁ、怖いですよ! 一瞬でその作戦を思い浮かぶのはまだしも、なんで実行できるんだ、練習もなしに!? それが凄いですよ!

野上:これ、大洗のマーキングは消えてる状態になってたっけ?

才谷屋:いや、消えてないです。大慌てでスプレーで消したから、端っこだけ残っているんですよ。

野上:それ、戦車道のレギュレーション上の指摘はされないの?

才谷屋:そこまではないんじゃないですか?

吉田:砲塔のは消しても、車体に残っていればいいとか。

伊能:カモさんチームのマークだけなら消してもいいとか。大洗のマークが残っていればOKとかなのかもしれないですけど。

むらかわ:車体には残っているから違反ではないんじゃないかな。

野上:カモさんチームのマークを消してるの?

才谷屋:砲塔だけ色が違うんですよ。

吉田:初めて観たときは、色を塗っているシーンがなかったから、色が違うってのがわからなかったんですよ。

野上:そこは何回も観て「あーっ!」て思ってくださいっていう(笑)。

才谷屋:最初は「車体の色も変えないのはなぜなんだ?」みたいな話がありましたけどね。

野上:そこで考察させようっていうのが上手いよね。

――元々不信感を抱いた状態だったら、あれで充分なのかなと。要はあの程度の偽装で同士討ちを始めるくらい、BC自由学園のチームワークはめちゃくちゃだったってことですよね。

野上:そういうことだね。

――押田と安藤がにこやかに話しているときでさえ、相手のことをボロクソに言ってましたし。

野上:だからこそキャラが立って、押×安は一大ジャンルになりましたからね!

吉田:女子人気が一気に来た感じでしたね。今まで『ガルパン』に見向きもしなかったような人が、押×安をいっぱい描いてますよね。

むらかわ:CGとマリー様の合成がすごい綺麗ですよね。

才谷屋:今のマリー様は合成だったんですか? CG?

むらかわ:戦車がCGで、ナメて動かしているんだけど、マリー様は全部動画で切ってるから。すごいカロリー使って描いてるなって感心したんですけどね。

後半になっていくとだんだんCGキャラに置き換わっていくけど、前半は手描きでやっている部分が多くて、観ていて感動しましたね。

むらかわ:この辺はセリフがオフで、みほが何を喋っているのかわからないじゃないですか。その内容が知りたいです! どういう指示を出していたのか!?

野上:『リボンの武者』でも、戦車戦を勝負モノとしてやっているときに、たまに視点を主人公側から敵側に替えるんですよ。そうやって主人公の怖さとか恐ろしさを敵側から体験させるっていう演出をやるんですけど、ちょうどここが視点の変更の場面ですよね。

これまでずっと大洗側にカメラがあったのが、この辺りから完全にマリー様に移るっていう。

むらかわ:攻守が切り替わった場面ですよね。

――この辺りではすっかり自分の気持ちはBC側にあって、「大洗こえぇ~!!」って思いながら観ていましたね。

吉田:まぁ、追いすがる大軍に対しての退き口ですよね。

野上:遅滞戦闘ですよ。

吉田:押田がやられた後、ハンドサインで「健闘を祈る」みたいな。あれもかっこよかったですけどね。

――これも聖グロリアーナのティータイムと諸被りしそうなのに、個性の違いをしっかり出していますよね。

野上:イギリス貴族とフランス貴族の差ですよね。ブリオッシュを食べているんだっけ?

吉田:やっぱりごはんの美味さの違いですかね。イギリスは紅茶だけ、あとはスコーンみたいな。

野上:どのカットを見ても、構図としてかっこいいなっていう。マンガと違ってフレームは固定じゃないですか。その中でもちゃんと戦車と人間が調和するような、いい構図にしているんですよね。

それをやるためには戦車と人間だけじゃなくて、背景とか雲とかの位置もすごい大事なんですよ。そこに意識を向けていないと、本当に間抜けな構図になるんですね。

『ガルパン』で見てほしいのは、戦車シーンの背景です。

吉田:できるだけ狭いところで戦うようにしてますよね。普通、戦車だったらだだっ広いところで戦ったほうがいいわけじゃないですか。装甲もあるわけだし、陣形も固めたほうが有利なのに、戦力差を埋めるためかもしれないですけど、あえて狭いところで戦っている。

だからこそ、背景が戦場の重要な情報として描かれるんですよね。

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