「SOUND THEATRE×火色の文楽」天﨑滉平さん、熊谷健太郎さん、市川太一さんインタビュー|伝統芸能「文楽」に初めて触れる3人が三位一体になって魅せる音楽朗読劇
2019年10月5日(土)・6日(日)に舞浜アンフィシアターにて、新感覚・音楽朗読劇「SOUND THEATRE×火色の文楽」が上演されます。
本作は、日本を代表する伝統芸能のひとつ「人形浄瑠璃・文楽」を題材とした漫画『火色の文楽』が原作。プロのバレリーナを目指していた迫 弓矢があるきっかけで文楽と出会うところから物語が始まります。
文楽に情熱を捧げる青年たちを、天﨑滉平さん(迫 弓矢役)、熊谷健太郎さん(柳川弦治役)、市川太一さん(大楠柑太役)とフレッシュな若手声優3人が担当。
本稿では、そんな3人にインタビューを実施しました! 日本の伝統芸能“文楽”×音楽朗読劇“SOUND THEATRE”という奇跡の融合に彼らもワクワクしている様子。
一体、どんな音楽朗読劇になるのか、意気込みやキャラクター、「文楽」に対する印象などについてたっぷりと語っていただきました。
3人が演じるのは三位一体の太夫、三味線、人形遣い
——まずは、原作漫画『火色の文楽』(全3巻)を読まれての印象を教えてください。
迫 弓矢役・天﨑滉平さん(以下、天﨑):僕自身、文楽に触れたのが初めてでしたので、読む前に「分かるのかな?」と不安がありましたが、すごく分かりやすく描かれているなという印象が強かったです。
ですので、初めて文楽に触れた自分でもすごく分かりやすくて、台本もスムーズに読むことができました。
柳川弦治役・熊谷健太郎さん(以下、熊谷):僕も文楽に触れるのは今回が初めてで、原作を読ませていただいて様々な音の文字表現がすごく独特で素敵だなと思いました。
そのあたりのニュアンスを朗読劇でどのように表現するのか気になりましたし、朗読劇では実際に太夫・三味線・人形遣いの方々も出演されるので、登場人物の心情を声で表現する我々と三業(※1)の方とシンクロしていく部分がどのようになるのかすごく楽しみです。
※1:文楽は太夫、三味線、人形遣いの「三業(さんぎょう)」で成り立っている三位一体の演芸。
大楠柑太役・市川太一さん(以下、市川):登場人物の高校生3人組が三味線を弾いたり、声を出したり、人形を動かしたりと三者三様のあり方、それぞれの役割が描かれているのがとても面白かったです。
僕も文楽に触れるのが初めてですが、原作を読んでなんとなくどういうものか分かりましたし、文楽の楽しみ方が物語に詰まっていると思いました。
文楽の魅力を、作品を通して皆さんに届けられるように自分も頑張っていかなければならないな、と思いました。
——皆さん“文楽”に触れるのは初めてなんですね。天﨑さんは浄瑠璃語りと言われる太夫を目指す迫 弓矢を演じられますが、太夫の語りについてどのように感じられましたか?
天﨑:文楽の独特な言い回しや表現には、おそらく僕らがまだしたことのないような表現がたくさんあると思います。
熊谷くんが言ったように、原作では先生が太夫の発声を独特なフォントで表現されていますが、今度は僕らが原作を見てそれを解釈して、再び声で表現するというすごいプロセスだな、と(笑)。
もちろん原作にある表現も活かしつつ、今回は実際に活躍されている太夫の方も出演されるので、本物の方々からも学ばさせていただきつつ、今まで僕が声優として培ってきたものを少しでも生かすことができれば良いなと思っています。
また、太夫の独特なセリフ回しのシーンを演じる部分がありますが、最初のリハーサルではそこを“どのように読むんだろう”、“どうしよう……”と思いました(笑)。
——天﨑さんが表現する文楽ならではの言い回しは楽しみです!
天﨑:できる限り実際にご活躍されている文楽の方々から教えていただいて自分なりに表現したいですし、弓矢自身も文楽に初挑戦する側なので僕も同じように学べていけたらいいな、と思っています。
——弓矢は、実はバレエ界の未来を背負う注目ダンサーでした。
天﨑:バレエ界で注目されていた若手ダンサーだったという経歴はありつつも、1番等身大の高校生なのかな、と思っています。
豊かな感受性を持っていますが、1番普通の子なんです。文楽に出会って感銘を受けて、その世界で初めて触れることがたくさんあって。
そんな彼のピュアな気持ちを自分でもキャッチしてお芝居しないといけないなと思っています。
——そんな天﨑さん演じる弓矢と切磋琢磨し合うのが熊谷さん演じる三味線の柳川弦治です。
熊谷:今回、僕は三味線を弾くわけではありませんが、実際に三業の三味線の方が弾いてくださいます。
生でお芝居をする音楽朗読劇“SOUND THEATRE"としてお届けするからこそ、三味線や太夫の声、人形遣いの人形の動きをより感じていただきながら、相乗効果で良いものが出せればなと思います。
三味線を弾く登場人物を演じる僕が中途半端に演じたら三味線という存在だけが浮き出てしまって、弦治という人間が埋もれてしまうので、良い意味で張り合っていけるよう、負けないようにしていきたいです。
——2人が演じるキャラクターも魅力的ですが、人形遣いを目指し2人がいる大阪にやって来る大楠柑太、かわいいですよね。
熊谷:柑太は確かにかわいいです。
市川:すごいサイコですけど(笑)。
一同:(笑)
市川:(原作の)最後は目が据わっていましたからね。
天﨑:そして行動力が半端ない!
市川:確かに。柑太のような行動力は僕にはありません(笑)。
——(笑)
熊谷:柑太は決めたことを最後までやり遂げるパワーが1番強いと思います。メンタル面でバケモノです。
市川:誰よりも自分を持っているキャラクターですよね。
天﨑:確かに!
熊谷:逆に、僕が演じる弦治は三味線以外のことに興味がなさすぎるのかな、と。
市川・天﨑:あと服のセンスがね……
一同:(笑)
熊谷:弦治は文楽や三味線というものが好きで、そこに費やす時間が何よりも幸せな時間で自分の中で1番大事なものなんです。
彼がどのように文楽や三味線と出会ったのか詳しく描かれていませんが、きっと柑太のように、憧れて師匠の元に入門したんじゃないのかな、と。
三味線に惹かれるものがあって、そこに集中しはまっていった結果、ほかのものに対する興味が削がれていったんだと思います。
そんな1つのものに対する情熱や突き進んでいく部分は、僕自身も見習いたいところです。
——弦治は1番大人びているような気がします。
熊谷:そうですね。年相応に驚いたり落ち込んだりすることはありますが、1番客観的に物事を見ているように感じます。
文楽では三味線の音に言葉がのって、その言葉と三味線の音を受けて人形遣いが人形を扱うように、三味線は1番俯瞰して見ていかなければならないポジションだと思っています。
そういう意味では弦治の気質に合っているのか、三味線に触れていく中でその気質が育っていったのか……どちらにせよ彼にとっては文楽の三味線が出会うべくして出会った天職だったんじゃないかと、原作を読んでいて感じました。
——太夫の弓矢、三味線の弦治、人形遣いの柑太が“三業”として腕を磨いていくことになりますが、この3人の関係性も注目ポイントですね。
天﨑:もともと小さい頃から一緒にいた3人ではないので、文楽を通して絆が深まります。
太夫、三味線、人形遣いと学ぶものが違うからこそ、プライドや教示など大切にしているものがそれぞれにあって。
それが交わったときに、“良い汗を流して仲良くなった3人”のようになるんです(笑)。
熊谷・市川:(笑)
天﨑:うまく表現できているか分かりませんが(笑)。男子高校生の爽やかな感じも、この3人の中で生まれている感じがして。
全うな絆の築き方のような、3人の関係性を見ていてすごく気持ちが良いです。
市川:根幹に文楽というものがあって、そこに向かって進んでいる3人が「良いものを作ろう」という共通認識があります。
それぞれ違った役所で文楽と向き合っていますが、だからこそお互いに意見が言えると思いますし、良い関係が築けているのかな、と。
ただの友人関係ではなく仲間というか、共同体みたいな感じですね。
——ちなみに、実際のお三方は今まで共演したことは……?
市川:それぞれ共演したことはあると思いますが、3人同時は今までなかったかもしれません。
——おぉ!では、今回の音楽朗読劇が3人での初めての共演なんですね。
天﨑:『火色の文楽』の高校生3人のように、僕らも良い汗を流したいと思います(笑)。
市川・熊谷:(笑)
天﨑:これから3人そろって作り上げていきたいなと思いつつ、きっとこの作品がきっかけで3人の会話がさらに増えたり、集まったりできるのではないかな、と感じています。
(嬉しそうな表情を向ける熊谷さんと市川さん)
天﨑:そして「SOUND THEATRE×火色の文楽」の本番に向かって3人で同じ方向を向いて、少しずつやっていくのでさらに仲良くなれる気がします!
「火色の文楽×SOUND THEATRE」ならではの楽しみ方とは?
——文楽というテーマを、「SOUND THEATRE」という形でお届けする今回の音楽朗読劇ですが、普段のお芝居とは違う点や心がけていることがあれば教えてください。
市川:シンプルにアフレコで声を入れた後に音楽を入れるのですが、今回は音楽が同時に流れていて、そこに感情をのせていくのでより情景に合ったお芝居ができるのかな、と思っています。
SOUND THEATREならではの空気が生まれるのかな、と。
なので本番が楽しみです。
——実際に活躍されている文楽の方々も出演されるので、より臨場感が伝わってきそうですね。
市川:はい。情景がより鮮明になると思います。
熊谷:普通の朗読劇ではSEやBGMがあって、“このセリフが言ったらこの音が鳴る”“この音の後にセリフ”とあらかじめ決まっていることが多いと思います。
今回は、三業の方々やバンドの方々がその場で実際に演奏されるライブ感でやらせていただくのは僕自身も初めてです。
また、「SOUND THEATRE」は今まで客席で観させていただく側でもありましたので、実際に自分が舞台に立ったときにどのような感情になるのか、リハーサルや本番を通して自分が感じるままに演じることができたら良いな、と思っています。
あとは、その音やいろいろなものを聴ける余裕を持てるように準備できたら良いな、と。今のままでは余裕がありません(笑)。
天﨑・市川:あははは(笑)。
——天﨑さんはいかがですか?
天﨑:生の朗読なので、ほかの方との兼ね合いでセリフの間が少し変わったり、長くなったりする部分もありますが、音楽監督の土屋さんを始めとした音楽チームがセリフに合わせてその場で調節してくださるんです。
役者側のちょっとしたハプニングや生で生まれた良いものでもすぐに反応してくださるので、すごく安心感があります。
役者でもセリフで生の掛け合いをしていますが、音楽チームとも生で掛け合いをしている“セッション”のような感じがして、とても気持ちが良いなと思いました。
熊谷:グループ感があるよね。
天﨑:うんうん。
熊谷:市川さんは「SOUND THEATRE」初めて?
市川:初めて~!
熊谷:だと、(天﨑さんのほうを向いて)この3人の中で唯一の経験者だ!
天﨑:ですね。僕は1度出させていただいたことがありますが、すごく楽しかったです。
——経験者ならではのアドバイスはありますか?
熊谷:ぜひ!
市川:アドバイスください!
天﨑:それはもうグループ感に乗ることです! 波に乗る感じで(笑)。
一同:(笑)
天﨑:本当に肩肘張らずにというか、視野が狭くならないように。みんなで一緒に作ろうという意識を高めると素敵な朗読劇になると思っています。
——あと、今回は関西弁でのお芝居だとか!
天﨑:そうなんです!僕は大阪出身なので大丈夫ですが……
熊谷:……耳に入ってくる音すべてが関西弁だったら良いのに……
天﨑・市川:あはははは(笑)。
熊谷:僕自身、沖縄出身で育っていく中で染みついた言葉のアクセントを標準語に矯正してお仕事をさせていただいていますが、標準語を離れてしまうとやっぱり染みついた言葉が出てきてしまいます。
そこに囚われないように意識すればするほど、さらに迷ってしまうので、今はすごく右往左往している状態なんです。
本番までに何とか……いや、“本番までに”じゃ遅い!
天﨑・市川:(笑)
熊谷:関西弁ができるようになりました、という状態で本番を迎えても意味がないですし、弦治の言葉や感情は音をなぞるだけでは表現できないと思うので、関西弁でお芝居ができるようにならないといけない。
なので、“なるべく早く”という焦りとともに、関西弁については今迷っている状態です(笑)。
市川:実は、(熊谷さんが)インタビューを受ける前までずっと練習していたんですよ。
——そうなんですね!
熊谷:前回より、0.5歩ぐらいは進んだような気がします。
一同:(笑)
(キャスティングマネージャーさんからもう少し進んでいたと励まされる熊谷さん)
熊谷:(キャスティングマネージャーさんに)1歩くらい?……どうやら1歩くらい進んだようです(笑)。
——(笑) そういえば、2人とは違って市川さんは標準語ですよね。
市川:そうなんです。僕はみなさんが関西のイントネーションで話をしている中で標準語で喋っているので、自分では標準語のつもりなのに“ちょっと関西弁移っていない?”と思うことがあります。
熊谷くんと比べたら大変なことではないですけど、関西弁につられないようにしなければいけないな、と。
あと、エセ関西弁を喋るところがありますが、そこがエセになりきれません(笑)。
天﨑:ちゃんと言っちゃうんだね(笑)。
市川:そうそう。最初の稽古の時に“もうちょっと分かりやすくやってほしい”とディレクションを受けたので、そういうところも自分の中で課題があります。
熊谷:このようにトラップがいろいろなところに(笑)。
一同:(笑)
熊谷:また、てらそまさんや植田さんやネイティブな関西の方がいらっしゃる中で、ずっと関西弁を聞いているとエセが出しにくくなりますよね。
天﨑:でも、実は、関西出身者にとっても柑太との会話に緊張感があるんです。
——というと?
天﨑:どうしても直前に標準語を聞いてしまうと、そっちに引っ張られてしまって。“ちゃんと関西弁で出そう”と心の中で思っていないとダメになってしまうんです……
市川:(笑)
天﨑:本番までにはもちろん自然に演じようと思っていますが、最初のリハーサルではそんな緊張感もありました。
▼原作者の北先生も期待を寄せる朗読劇!
朗読劇 #サウンドシアター ×#火色の文楽 全体リハーサル、土屋雄作さんの楽曲と皆様の演奏がすばらしかったです!音楽が声に呼応して跳ねまわっていた…龍みたいだった (図解)
— 北 駒生「火色の文楽」 (@kitakoma0) September 28, 2019
舞台では朗読× 文楽の芸×音楽がさらに融合されるそうで…まさに生で体感してほしい空間です?https://t.co/d7pXPoYlZX pic.twitter.com/3CmR4DHI9S
——いろいろなところで楽しみな音楽朗読劇になりそうです。本作では、弓矢たちが文楽に触れて心が動かされますが、天﨑さんたち自身、心が動かされたエピソードなどがあれば教えてください。
熊谷:(天﨑さんの)隣にいるから言うわけではありませんが……
天﨑:!?
熊谷:もともと「SOUND THEATRE」は同じ事務所の先輩方が出演されていて観劇していたので、純粋にすごいなぁと感じては自分にとっては遠いところにあるものだと思っていました。
でも、『ヴィンランド・サガ』(2017年9月・10月公演)の作品をSOUND THEATREでやったときに、クヌート役を天﨑さんが演じられていたのを拝見して。
そのクヌートが王として人を導き覚醒するシーンがあるのですが、その天﨑さんのお芝居を聴いて、そこから「SOUND THEATREに出たい」と口に出すようになりました。
なので、SOUND THEATREに出たいと思ったきっかけは、隣にいる天﨑さんのお芝居だったんです。
(天﨑さんを見て)実は、そうなんですよ?
天﨑:(照れながら)……はい。
熊谷:千秋楽は本当にすごかったです。
天﨑:ありがとうございます(笑)……うぅ~こそばゆい(笑)。
一同:(笑)
——恥ずかしがっていられますが、そんな天﨑さんは何かエピソードはありますか?
天﨑:業界に入ってからのことを話そうと思っていましたが、今パッと思い出したことでもいいですか?
——はい!ぜひお聞かせください!
天﨑:僕は学生の頃、委員長のポジションでいることが多くて、先生からも「真面目にやっているね」とよく言われていたんです。
ある日、いつも通りに「頑張ります!」と言ったら、別の先生から「頑張らなくていいんだよ」と。
「無理して頑張らなくて大丈夫」「肩の力を抜いてやったらいいよ」と言われたのが、僕の中で衝撃的でした。
今まで肩肘を張って頑張らないと!とやっていたことが、その一言で肩の荷が下りたというか。“もうちょっと自分らしくしていても良いんだ”と思えたきっかけでした。
先生がどういう意味で僕にその言葉を言ったのか分かりませんが、今でも僕の中にずっと残っています。
——先生にとっては気軽に発したことでも、天﨑さん自身には大きく響いたんですね。
天﨑:そうですね。本当に青天の霹靂のような、衝撃的な言葉でした。
——市川さんはいかがでしょうか?
市川:この業界に入ったきっかけになるんですけど、今まで“家族が何をしたら喜んでくれるだろう?”と何とかなく思いながら大学に普通に進学して進路を決めてきました。
でも、初めて自分の意思でやりたい!と思えたのが、この業界に入ることだったんです。自分でアルバイトをしながらお金を貯めて養成所に入って、ご縁があって事務所にお世話になることができて。
そんな中で、なかなか家族に“こういうことをやっているんだよ”と言い出せずにいました。事務所に入ったときはちょうど就職の時期と被っていたので「就職どうなの?」と聞かれたのですが、うまいことはぐらかしていたんです。
でもそろそろ言わなきゃいけない時期になってきたときに、母親が「隠さなくていいんだよ、やりたいことをやっていいんだよ」と言ってくれたのが、自分の中で“許してもらえた”という軽い気持ちになって、“自分がやりたいことをやっていいんだ”と肩の力が抜けました。
また、父親が結構厳しいほうなので母親が説得してくれたりして。その母親の一言で本当に救われました。
——皆さん素敵なお話を聞いて胸がジーンとしてきました……。最後になりますが、本公演を楽しみされている方へメッセージをお願いします。
天﨑:「SOUND THEATRE」自体が初めての方や、文楽に触れるのが初めての方もいらっしゃると思いますが、絶対に楽しい朗読劇になると感じています。
“三業”のように、「SOUND THEATRE」でも1つの作品を作り上げるためにたくさんの人が熱を注いでいるので、目でも耳でも体全体で感じられる朗読劇になっています。
臆せず、ぜひ来ていただいて楽しんでもらえれば嬉しいですし、「SOUND THEATRE」が好きな方もまた違ったアプローチの「SOUND THEATRE」を楽しんでいただけるはずです。
また、文楽が好きな方にも“朗読になるとこんな感じになるんだ”と新しい発見があると思います。
「SOUND THEATRE」だからこそ表現できる『火色の文楽』を楽しみに観ていただければ嬉しいです。ぜひ心を解放してお楽しみください!
熊谷:『火色の文楽』はエンターテインメントとして非常に稀有というか、声優の朗読、音楽チームの生演奏、そこに文楽という本来交わることのない3つのエンターテインメントが1つになって、1つのステージで繰り広げられます。
なかなか普通の朗読劇では味わえないようなものがそこに詰まっていると思いますし、「文楽」というテーマにした作品に自分も関わらせていただくことができました。
『火色の文楽』を通してお芝居や演奏、生の文楽などに触れて“文楽って面白そうだな”、“実際の文楽を見てみようかな”と思っていただけるような音楽朗読劇をお届けできたらと思っています。
心を開いて感じてみてくださったら、面白く楽しめるものになると思いますし、何より自分も精一杯やらせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
市川:生の音楽にのせてお芝居をさせていただくということで、物語の立体感が浮き出てくると思います。
また、三者三様の好きなものに向かっていく姿やキャラクターに感情移入していただけるはずです。
学生時代に“こういうことあったな”“こういうことしたかったな”と感じていただけるような作品になっています。
そういう部分も楽しみながら弓矢くんの苦悩だったりキャラクターの感情に心を寄せていただいて、いろいろな感情を作って楽しんでいただければ幸いです。
——ありがとうございました!
[インタビュー・文・写真/福室美綺]
『SOUND THEATRE × 火色の文楽』作品概要
命を賭して、語れるか。
その綺麗な跳躍姿から「バレエ界の星」と呼ばれていた少年・迫弓矢。しかし練習中の怪我により、バレエへの夢を絶たれてしまう。失意に暮れる弓矢を、幼馴染の入江湊は人形浄瑠璃・文楽の舞台へ連れていく。
そこで弓矢の心を震わせたのは、耳に火の灯るような義太夫の声だった――。情熱の火を灯した弓矢は、三味線奏者の弦治や人形遣いの柑太と出会い、青春の日々を彩りはじめる。
約400年の歴史を誇る伝統芸能・文楽の世界。最上の芸を追い求め、もがきながら輝きを放つ、少年たちの“火”の物語が幕を開ける。
公演概要
タイトル:SOUND THEATRE×火色の文楽
会場:舞浜アンフィシアター
公演日時:
2019年10月5日(土)開場17:15/開演18:00
2019年10月6日(日)開場11:15/開演12:00
チケット:
前売 9,000円(全席指定・税込)
当日 10,000円(全席指定・税込)
※未就学児童の入場不可※営利目的の転売禁止
※出演者の変更によるチケットの払い戻しは行いません
原作:北駒生「火色の文楽」(ゼノンコミックス/ノース・スターズ・ピクチャーズ)
脚本・演出:キタムラトシヒロ
音楽監督:土屋雄作
文楽協力:公益財団法人文楽協会
主催:サウンドシアター事務局
制作:アハバクリエイティヴパーティー
朗読
迫弓矢:天﨑滉平
入江湊:日笠陽子
柳川弦治:熊谷健太郎
大楠柑太:市川太一
藤竹潮路太夫:てらそままさき
松永珠市:井上和彦
蓮本光臣:秋元羊介
菊元千鳥太夫:高橋広
樹
末広蕗:植田佳奈
演奏
ヴァイオリン:土屋雄作
ヴィオラ:田中詩織
チェロ:井上真那美
ピアノ:廣瀬みちる
津軽三味線:藤井黎元
太鼓・鳴り物:美鵬直三朗
文楽
太夫:豊竹希太夫
三味線:鶴澤友之助
人形:吉田一輔
人形:吉田玉翔
人形:吉田簑悠