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秋アニメ『のうきん』太田雅彦&あおしまたかしインタビュー

秋アニメ『私、能力は平均値でって言ったよね!』太田雅彦監督×シリーズ構成・あおしまたかし氏対談│アニメならではの魅力で彩られる新たな『のうきん』の世界。パロディーの理解度にアフレコ現場ではジェネレーションギャップが!?

小説投稿サイト『小説家になろう』で累計2億8千万PV超、小説もシリーズ累計80万部を突破した人気作『私、能力は平均値でって言ったよね!』のTVアニメが2019年10月7日より放送スタート!

現実世界で人より少し優秀だったため、思うように生きられなかった主人公が転生時に平均的な能力を望んだにも関わらず、何故か転生後の世界で手にしたのは強大な能力で……!? 普通の幸せを望む少女・マイルと、彼女が出会うレーナ、メーヴィス、ポーリンの冒険、そして友情を描いている本作。

放送を記念して、太田雅彦監督とシリーズ構成のあおしまたかしさんの対談が実現! 『ゆるゆり』や『みなみけ』など人気アニメを手掛けたお二人がどんな想いで制作されているのかや、注目ポイントなど語っていただきました!

『ゆるゆり』や『みなみけ』などを放つ名コンビ再び!

――太田監督とあおしまさんが本作に関わることになった経緯を教えてください。

太田雅彦監督(以下、太田):今回、アニメーション制作を手掛けるproject No.9の知り合いから監督のオファーがあり、引き受けた僕からあおしまさんにお願いしました。

作品に関しては、僕自身ライトノベルや小説に詳しくなかったため、オファーを受けた際に初めて知りました。そこで作品の概要の説明を受けて、今までファンタジー作品を手掛けたことがなかったので興味が湧いて、やってみようと思ってお受けしました。

――監督があおしまさんにシリーズ構成をお願いしようと思った理由は? 

太田:あおしまさんとは結構付き合いが長くて、いつも一緒に仕事をしている流れがあって、今回もお願いしようと思いました。

シリーズ構成・あおしまたかし氏(以下、あおしま):また話が来たから「じゃあ、やろうか」と、中身も詳しく聞く前にOKしました(笑)。

太田:他のスタッフも普段、僕が作る時のメインスタッフとほぼ一緒で。気遣いなく、最初から説明がいらないためスムーズにできるのが利点で、今回もうまくいっていると思います。

キャラクターデザインの渡辺(奏)さんはコンペで決まった方で、初めて一緒にお仕事するんですけど、原作の亜方先生も太鼓判の、とても可愛い絵を上げてくれています。

太田監督が初めて触れた異世界転生作品。異世界転生ものが増えた理由も分析!?

――原作を読んで感じた作品の印象は?

太田:最近、異世界転生ものが流行っていることは知っていましたが、アニメや小説を実際に目にしたことはなかったんです。ですから僕にとって初めて読む異世界転生もので、若い子はこういうのが好きなのかと思いつつ、楽しみながら読ませていただきました。

ナノマシンによって形成された世界というルールはファンタジーですが、個々のキャラについては人間なので住んでいる世界が違うだけだなと違和感なく受け止められたし、主人公のマイルが転生者なので、現代にいる僕にも作品に入りやすかったです。異世界転生ものの作品が多いのはその世界観に入っていきやすいからなんだなとよくわかりました。

あおしま:絵はかわいくて、読んでみたらその割にはキレッキレのギャグが入っていて。たぶんFUNA先生がお好きなんでしょうけど、転生者といえども12歳の女の子がコアなアニメのネタをガンガン入れてきて、「なろう系は読者の年齢層が高いのかな。若い人に通じるのかな」と思いながらも(笑)、楽しみながら読ませていただきました。

ただ、ネタをすべては拾えないので、アニメならではのテンポに持っていけるように調整させていただきました。

原作のFUNA先生はアニメ制作を尊重しつつ、サポート。原作の魅力の1つのパロディーをどこまでやるかもポイントに!?

――アニメ化の際、原作のFUNAさんからどんなオーダーがあったのでしょうか?

太田:FUNA先生はすごく寛大な方で、基本的にはお任せいただきました。僕らのほうが勘違いしたり、世界観の裏設定がわからない時にこちらからお聞きすると快く、教えていただいて助かりました。

あおしま:脚本的にも大筋の部分では特に言われたことはなく、原作からガラっと変えた部分があっても受け入れてくださって、おもしろいところは「おもしろい」、違っているところはすぐに反応してくださいました。

我々、アニメ制作側を尊重してくださって、「ありがたいな」と思いつつ、「これでいいのかな?」とか「もっと言ってくれても大丈夫なんだけど」と思ったり(笑)。

――ということは、アニメのストーリーや構成は監督とあおしまさんで相談して?

太田:僕らだけではなく、関わるスタッフみんなで話し合いました。

あおしま:そうしたらオリジナルっぽくなった部分もありますけど(笑)。

太田:原作にあるパロディーをどれだけやるのかという選択も含めて、みんなで話しました。僕からは「どうせやるなら中途半端なことをせずにやりましょう」ということと、「新しい、上乗せするようなネタがあれば入れてもらってもいいですよ」とライターさん達に発注しました。

あおしま:「とりあえず書いてください。削るかもしれないけど」と。

太田:そうしたら、みんな好き放題なことをやり始めて、大変だったんでした(笑)。

あおしま:書くほうとしては楽しかったです(笑)。

アニメならではの魅力で描かれるキャラクターのかわいさや楽しさ

――転生もののポイントの1つとして、転生前の過去をどのくらいのバランスで描くかというところもあるのかなと。

あおしま:転生前のことを長く見るのが好きな人もいると思いますが、この作品の1話ではまず転生後を見せて、途中で転生前を匂わせつつ、後でしっかり説明するという形にしました。

――アニメ化していく過程の中でポイントになると思ったところや意識した点、苦戦した点を教えてください。

太田:小説には小説の良さがあるし、アニメにはアニメの良さがあるので、アニメの良さをどう効果的に活かせるかだけ考えて作っています。

どうしても細かい描写は小説にはかなわないし、アニメで同じことをやろうとしても尺的に入らないです。無理に入れてもテンポを削いでしまうので、うまく調整しながら、シンプルかつ映像的に最適な表現を臨機応変に判断して作っています。

――アニメでは絵でキャラの内面や細かい情報を見せることができますからね。

太田:そうなんです。小説ではキャラの表情は見えないけど、アニメなら見せられます。表情がコロコロ変わるところは映像の得意分野なので、小説とは違う、かわいさや楽しさを表現できていたらいいかなと思います。

助けられたナノちゃんの存在。パロディーの理解度にジェネレーションギャップが!?

――あと転生者は、セリフが多くなりがちですよね。セリフとモノローグで、かなりの文字量になって。

あおしま:そうですね。今回はナノちゃんがいるので、マイルが何か言っても反応してくれるし、会話ができるところは助かりました。

太田:説明が多すぎると視聴者も飽きるし、画面も単調になりがちですから。最低限の説明はしつつ、楽しげに説明できたかなと思います。

▲ナノちゃん:海里が転生した世界に神が散布したナノマシン。生物の思念波に反応して様々な現象を起こし、この世界ではその現象が「魔法」として扱われている。この世界では、マイルだけがナノマシンと会話できる権限が与えられている。本来は特定の姿形を有しないが、マイルとの長いやり取りの結果、この姿に落ち着くことになる。

▲ナノちゃん:海里が転生した世界に神が散布したナノマシン。生物の思念波に反応して様々な現象を起こし、この世界ではその現象が「魔法」として扱われている。この世界では、マイルだけがナノマシンと会話できる権限が与えられている。本来は特定の姿形を有しないが、マイルとの長いやり取りの結果、この姿に落ち着くことになる。

――あおしまさんもおっしゃっていましたが、パロディーが多いけど、ちょっとアラフォーに刺さりそうな(笑)。

あおしま:それはFUNA先生の趣味だと思うので、アニメでも変にわからせようとしないで、その時のネタをそのまま使いました。ついでに僕らも引きずられて。

太田:アフレコ現場でも皆さん、苦労されていました(笑)。全体的に若いキャストさんが多いので、たまにゲストでいらっしゃったベテランの方に教えてもらったりしていました。

(C)FUNA・亜方逸樹/アース・スター エンターテイメント/のうきん製作委員会
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