映画『空の青さを知る人よ』長井龍雪 監督&若山詩音さんインタビュー|あおいは全部のハードルを倒しながら進む! 口は悪いけど嫌われないヒロインの姿
不思議な要素は岡田さんの言葉がきっかけ?
ーー本作は「思い出」みたいなものもキーワードになっているのかなと思うんですが、お二人の忘れられない青春の思い出みたいなものはありますか?
長井:僕はだいぶ遠くなりましたからね。
若山:ちょっと待ってくださいね。
ーーゆっくりで構いません。
長井:そうですね……。僕、高校を卒業した後、専門学校に行ったんですけど、行くのが早々に決まったんですよ。頭が悪かったので大学という選択肢がそもそもなかったんですけど(笑)。
平々凡々あとは高校3年やり切るだけだと思ったら、なぜか親に呼ばれて。なんかいきなり怒られて。「えっなんで俺急に怒られてるの?」って思ったら「先生から電話あって、お前が厳しい道から全部逃げて楽な道を選んだ」って言われて。
しかも僕の担任でもない先生からですよ。いったいなんの恨みがあったんだ……みたいな苦い思い出があります(笑)。
ーーなんかあったんしょうね(笑)。
若山:私はそれに比べると平凡な生活を送ってきたなぁと、今しみじみ感じました(笑)。
高校3年間ずっと美術部だったんですけど、文化祭のポスターを毎年作ることになってたんです。シルクスクリーンに手刷りで焼き付けて、何百枚も手でやるんです。
しかも、夏休みの間、クーラーのない美術室の作業で。本当に暑くて、足とかに絵具をつけながら、アイスを食べたりしてやっていましたね。なんか今思うとすごくいい思い出だなって思います。
長井:青春っぽい。
ーー青春ですね。
若山:そうですね、青春してたなっていうのを思いましたね。それぐらいかな、すみません(笑)。平凡な感じでした。
長井:確かに。僕もこうやってネタとして消化できれば、なかなかオイシイものを貰ったなと今にして思います。
ーー(笑)。話は変わるのですが、超平和バスターズの作品は毎回、少し不思議な要素が盛り込まれていますが、あれは何か理由があるのでしょうか?
長井:あれは、岡田麿里さんがポッといきなり言った一言から始まっていることが多いですね。僕らも最初は「えっ、ちょっと待って。今なんて言った?」っていうところから始まっていて。
実はあそこに理屈というものはそんなになくて、いわゆる設定的な部分を組み込んでいった結果と、作品としてのわかりやすさを盛り込んだ結果です。
今回で言うと、慎之介としんのが同一人物であるっていうのも、物語的なわかりやすさがありますよね。
不思議なものを欲しいわけではあまりなく、ほとんどが岡田さんの天啓ですね。岡田さんの天啓が下りてくるのを僕らはひたすら待っている感じですよ。
ーーなるほど。
長井:高校生の時の悩みと30歳の時の悩みを同じ瞬間に見られる。そういうギミックとしてのものでもあったりするんですけど、狙って不思議にしようと思っているわけではなく、気が付いたら不思議な話になっているっていうのが多いですね。