【連載】TVアニメ『アサシンズプライド』小野友樹さんが語る、3つの演じ分けがあると感じた主人公・クーファというキャラクター/インタビュー
天城ケイ氏によるライトノベル『アサシンズプライド』(富士見ファンタジア文庫 刊)がTVアニメ化し、2019年10月から放送中! アニメイトタイムズでは、各話ごとの声優インタビューを敢行しました。第1話「暗殺者の慈悲」の放送後は、白夜騎兵団に所属するマナ能力者で、本作の主人公のクーファ=ヴァンピールを演じる小野友樹さんです。
大きく3つの演じ分けがあると感じた主人公、クーファ
――原作を読んだ感想をお願いします。
小野友樹さん(以下、小野):作品を読ませていただいたとき、シリアスなパートとギャグのパートがあって、ちょっとヒロインとの甘さもある時間のギャップが面白かったです。
それこそ、シリアスなときは最悪相手を殺さないといけないみたいなストーリーなんですけど、そんな背景をたたえつつも日常パートでは、すごくヒロインとの距離が近い。それもギャグとして楽しめる部分なので、面白いなと思っていました。
――こういうバトル系の作品は、ジャンルとしては好きですか?
小野:信念を持って戦うキャラクターたちの作品はもちろん好きなので、『アサシンズプライド』でいうとメリダがまさにそうですよね。強くあらねば!と思って戦っているし、そこにはお母さんとの絆みたいなものもあったりして……。
――ランカンスロープに髪を触られて切られそうになったシーンのところですね。
小野:そうですね。ああいう髪に対しての思うところがあったりするところは、すごく共感が持てますよね。
――世界観についてはいかがでしたか? ガラス容器キャンベルの光の集合体であり、人類最後の都市国家ということですが。
小野:フランドールって“ランタンの中の世界”と書いてあるんですけど、すごくきれいな世界観を感じるんですけど、そこにいるランカンスロープという影の存在というところ、あとは思惑みたいなところにそのきれいな世界観が支配されているみたいなところは面白いですよね。
――その中で、メリダの家庭教師兼、暗殺者としてアンジェル家に派遣されたクーファに関しても、シリアスさとギャグの二面性がある感じでしたか?
小野:本来の使命と偽りの使命が共存しているので、表向きでしゃべっている雰囲気とメリダとしゃべっている雰囲気とモノローグの本気の部分という、大きく3つの演じ分けがあるのかなと思いました。しかもクーファ自身が本当にそれを演じ分けているので、僕自身が気持ちを同じくして演じ分けている感覚でした。
――キャラクターを演じるときは、どういうところをきっかけにするんでしょうか?
小野:キャラクターの目的ですね。なぜそういう振る舞いをしているのかなっていうところが見えると、自ずと気持ちは付いてくるので、理由があるのであれば、その理由を知ってから演じていく感じです。
――なるほど。特に自分との共通点を探していくというよりは、理由を探るというか。
小野:もちろんそういう気持ちを共感できるのであれば、それはベストなのかもしれないですけど、動機や理由がわかれば、気持ちを近くして演じることができるのかなとは思います。
――そうやって演じていく中で、クーファはどういう人間だと思いましたか?
小野:ギャグパートみたいなところに関してですが、作品を見た視聴者側からすればギャグに感じるかもしれないんですけど、クーファは至って真面目……というか大真面目だったりするんですよね(笑)。
だからメリダとの行き過ぎな甘い部分も、自分が望んでやっていたりするんです。もちろんあえてやらなければいけない部分もあるんですけど、本当にそういうところが面白いなって思います。
――実は真面目な性格。1話のアフレコの雰囲気はいかがでしたか?
小野:メインキャストの4人は事前に撮影があったりしたんですけど(オフィシャルサイト参照)、そのときに、楽しそうだなっていう空気感は見えていたんです。いざアフレコに参加して、他のキャストさんも一堂に会してみて、より空気感が楽しげな雰囲気で、一話にして、すごく楽しくやれているなと思いました。
崩れすぎずというか。やっぱり緊張感もある作品なので、そこも持っておきたいんです。だから楽しいときは楽しんで、ビシッと行くときは行くみたいな。『アサプラ』に親しいバランスでやれたらなと思っています。
――アフレコはやはり男性が少ないんですか?
小野:男性は少ないですね。とうとう今日の収録で男性が僕一人になりました(※取材はアフレコ後に行われました)。なのでガヤのときもまず最初に「女性のみです」って言われるんです。しかも最終的にガヤを録っているさなかに、小野さんは取材があるので出てくださいと言われましたし(笑)。