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TVアニメ『歌舞伎町シャーロック』キャスト座談会第1弾

秋アニメ『歌舞伎町シャーロック』小西克幸さん、中村悠一さん、吉村愛監督による座談会第1弾|ゲストキャスト・関智一さんの演技や、キャスト陣も気付かないような仕込みに笑撃!

TBS、 MBS、BS-TBS“アニメイズム”枠にて放送中の秋アニメ『歌舞伎町シャーロック』は、名探偵シャーロック・ホームズが活躍する探偵小説の要素を交えつつ、架空の街“新宿區歌舞伎町”を舞台に、コメディあり、サスペンスありのオリジナルTVアニメです。

アニメイトタイムズでは、放送を振り返りつつ、キャストと共に作品の魅力に迫る連載キャスト座談会を企画。

第1弾は、シャーロック・ホームズ役の小西克幸さん、ジョン・H・ワトソン役の中村悠一さん、吉村愛監督を迎え、キャラクターや共演しての感想、思い出深いシーンについて伺った模様の前編をお届けします!

「ナイスアシスト!」なセリフ&音響監督のアドバイスで落語シーンに変化

――まず、ご自身が演じられているキャラクターの紹介をお願いします。

シャーロック・ホームズ役の小西克幸さん(以降、小西):人間嫌いな、超落語好きの、変な人です(笑)。以上です。

ジョン・H・ワトソン役の中村悠一さん(以降、中村):元お医者さんで、シャーロックに助けてもらいに来た人です。

小西:キャラクター紹介って難しいね(笑)。

中村:難しいね(笑)。

――監督から脚本やキャスト・スタッフへの要望はありましたか?

吉村愛監督(以降、監督):脚本は、シリーズ構成の岸本(卓)さんがハードボイルドなシナリオを書く人なので、もうちょっとコメディに、という感じで。それも最初だけでしたね。

あとは、他のライターさんやプロデューサー陣とディスカッションして……という感じで、ほとんど要望はなかったです。

――個性的なキャラクターが登場しますが、どのようにして設定は決めたのですか?

監督:シナリオの前に、キャラ付けをみんなで決めて。

ストーリーはコメディにすると決めていたので、この人は“変な人”“まとも”“童貞”とか。わりとザックリ分けて、どんどん肉付けしていってから、シナリオに入った感じです。

――そんなキャラクターを演じるにあたって、キャラはつかみやすかったですか?

小西:僕は、全然わかんないですね!(笑)

シャーロックは、本当にわからないです。でも、唯一共通点としては、人間が嫌いだというところが、大前提の共通点があって。

僕も他の人のことは全く気にしないで生きているので、そこは作りやすかったというか、普段通りやればいいかなと(笑)。

あと、オーディションの時に、ボソボソしたしゃべり方で演じていたら、「もっと声出して」と音響監督から指示があったんですけど、第1話のアフレコ時にボソボソしゃべったら何も言われなかったので、そのまま演じました(笑)。

中村:どうしてですか。

小西:たぶん、オーディションでは、ちゃんと声を聞きたいじゃないですか。

中村:あ! 「ちゃんと声出るのかな?」って(笑)。

小西:雰囲気だけじゃなくて、そういうのがあったのかなと。あと、周りとのバランスとか。

その時はいろいろな人の、いろいろなパターンを聞くというのもあって、本編の収録が始まったら、もうこのキャストで、この作品の世界観を作っていくから、シャーロックとして、そこにハマっていれば良かったのかなと、思います。

僕はわりと自由にやらせていただいていて、笑うシーンで“こういう感じの変かな?”と思って笑っていたら、「もっと変に笑ってください」と言われて。すごく大きいオーダーがきたのは、そこくらいですかね。

監督:他は特に何もなかったと思います。

小西:今は「イヒィィ」みたいな引き笑いとか、すごく変な笑いにしているんですけど。

でも、その笑い1つだけでも、そういうことを言っていただいたおかげで、わりと漠然としたいたものが、少しずつ明確に見えてきたので、すごくやりやすかったかな。

あと、推理落語が大変でした(苦笑)。

――推理落語が始まって、モリアーティの「下手だけどね」というセリフがありましたね。

小西:もう、あれ良いセリフ!

一同:(笑)。

小西:やり始めた瞬間、次に「下手だけどね」って言ってくれたのは、あれは最高ですよね。

モリアーティ、ナイスアシスト!

――過去にも落語を題材にした作品があったので、演じるのは難しいんだろうなと思ったのですが、そのセリフから、シャーロックは落語がうまい人じゃないんだと伝わりました。

小西:第1話と第2話では、落語のやり方も全然違います……そうなんです、変えたんです(苦笑)。

本来の落語は、声を変えずにお芝居でキャラクターを変えるという話を聞いたことがあって。

中村:あと、顔の向きですよね。

小西:そう。でも、アニメだと、ワトソンやモリアーティを映していたり、別のものを映していたりとか、常にシャーロックのことを見ているわけじゃないので、わかりにくいなと思って。

音響監督さんからも「もっとキャラ付けて下さい」という感じのことを言われたので、アニメはアニメとして、声質から分けて演じた方がいいかなと思って、第2話から少しやり方を変えているんですよね。

――なるほど、第1話と第2話を聴き比べてみるだけでも面白そうですね。

小西:僕が聴いても、ちょっとやり方変えてるなと思ったので、たぶん聴いて「違うな」とわかると思います。

真人間で人のいいワトソンも実は“変”な人!?

――中村さんは、ご自身のキャラクターについていかがですか?

中村:ワトソンは、わりとシンプルめなのかなと。

大前提として、このキャラクターたちの中にいて、一番真人間というか。視聴者の方たちの常識に近いポジションにいて、おかしな人たちがいる輪の中に入った時にどういう風になっていのくか、染まっていくのか……というところが、変化としてあるかどうか。

あるとは思うんですけど、おいおいの話なので。皆さんが、おかしなことをやっているのを普通に受けて、真人間としてリアクションしていれば良いかなと。

よく、アニメなどの作品で、周りに流されて、お任せする“主役芝居”というお芝居があるんですけど、わりとそこに近かったので、やりやすかったかなと思います。

ただ、立ち位置として「探偵にお願いに来ているから、わかりやすく、へりくだって」みたいな。自分で解決するために来たんじゃなくて、お願いをしに来ているという立ち位置だけ、気をつけてくださいというのはありました。

――第2話からは、まさに“へりくだった”感じが出てますよね。

小西:(車でシャーロックを)ひきましたからね。奴隷です(笑)。

監督:(笑)。

中村:人身事故だったので、しょうがないですけど(笑)。

先ほど、(小西さんから)シャーロックのキャラ付けの話がありましたが、僕もシャーロックのオーディションを受けたんです。

ワトソンが簡単という意味ではないんですけど、やっぱりシャーロックは難しいなと思いました。

オーディションは掛け合いで、僕がワトソンを受けている時に、他の方のシャーロックも見たんですけど、全然アプローチが違っていて。

与えられた資料が一緒でも、こんなにやること違うんだと。本来、他の人のオーディションは見ないから新鮮でした。

監督:へぇ~。

中村:(小西さんの方を見て)全然違いましたよ。

小西:へぇ、他の人のを見ていないから全くわからないです(笑)。

中村:恫喝が強い、人殺しみたいなシャーロックもいました。演じる人によっていろいろ変わってくるんだなと、面白かったです。

――先ほど、監督が例えにあげた「まとも」がワトソンのことかなと思い、一般常識人的な印象がします。

監督:いや、ワトソンも最初のキャラ付けでロリコンとか、そういう設定はあって。

ただ、外から見るとわりと“まとも”みたいな。でも、×××××××××。

小西:それ、×××××。

中村:詳しくは、使えないじゃないですか。

小西・中村:(笑)。

監督:真面目ではあるけれども、“そこだけじゃない”みたいなのはあります。

わりと変な人が多すぎて、埋もれているんですけど、実は“変”みたいな感じのキャラクターではありますね。

小西:周りから見てると、(ワトソンは)すごく人がいいですよね。頼まれたら嫌とは言えなくて、結局助けてあげる。

中村:悪意はなさそうですよね。

監督:涙もろいとか、人に引っ張られちゃうとか、そんな感じで。絶対、ツボ買うタイプの人ですよね。

小西:昔の「人情に弱い人」みたいな感じですね。

(C)歌舞伎町シャーロック製作委員会
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