『銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱』第二章が3週間限定劇場上映中! キルヒアイス役の梅原裕一郎さんインタビュー
心地よい緊張感がある現場。印象的だったラインハルトとの最初の掛け合い
――新たな『銀英伝』のファーストシーズンを昨年、演じた感想は?
梅原:今まで僕が関わらせていただいた作品の中でも、一位二位を争うような重厚な作品で、現場は見渡す限り、先輩ばかりです。僕が一番芸歴が浅く、とんでもない環境でお芝居させていただいているなと毎週のように感じていました。
現場は、緊張感はありますが、嫌な緊張感ではなく、心地よくて。1つの作品に向かってみんなで一丸となって、多田(俊介)監督も三間音響監督もものすごい熱量を注いでいる、やりがいのある現場でした。
――ファーストシーズンで印象的なシーンやエピソードを挙げていただけますか?
梅原:一番最初のラインハルトとの会話シーンですね。「星を見ておいでですか」というセリフはオーディションの原稿の中にもあって、オーディションで何度もやったシーンを、また第1話で、しかも絵を見ながら演じられたのは感慨深いものもありました。
そして、「ここからすべてが始まるんだな」と実感した印象的なシーンでしたし、アフレコ中も宇宙空間の戦艦にいるような感覚になりました。
セカンドシーズンでどこまで描かれるのかドキドキ。久しぶりの収録もすぐに『銀英伝』の世界へ
――そしてセカンドシーズンが制作され、9月27日から第一章、10月25日から第二章、11月29日から第三章と劇場上映されています。
梅原:ファーストシーズンを録っている時から次は劇場上映があるということは伺っていたので、率直にどこまで描かれるんだろうなと気になりました。スタッフさんも長く続けていきたいとおっしゃっていましたし、キルヒアイスにとって重要なあのシーンはいつ出てくるのかなと。
――久しぶりにキルヒアイスを演じることについては?
梅原:ファーストシーズンの収録から半年ほど時間が空いたので、またキルヒアイスになれるのか心配でした。
でも現場に行って、皆さんの声やお芝居、目の前に広がる映像を見たら、すぐに『銀英伝』の世界に戻れました。またファーストシーズンの時と同じ曜日と時間での収録だったこともあり、空気感は一瞬で元に戻り、違和感なく溶け込めた気がします。
――第一章の映像をご覧になった感想は?
梅原:僕も劇場で観たいなと思いました(笑)。この作品を劇場の大スクリーンで、素晴らしい音響の中で見たら没入感が半端じゃないと思うし、絵のクオリティも高いので、改めて自分はとんでもない作品に関わらせていただいたんだな、と感じました。
――重厚感のあるBGMが流れる中、艦隊が進んでいくシーンを見た時、「これぞ、『銀英伝』だな」と感動しました。
梅原:そうですよね。音楽も含め、こんなにすごい作品を大スクリーンで見られる機会はなかなかないので、各章3週間限定のチャンスをお見逃しなく!
セカンドシーズンで描かれるのは帝国と同盟両陣営が内乱をどう鎮めるか
――ファーストシーズンではラインハルトとヤンが激突し、両雄を中心とした時代の動きを感じさせる内容でしたが、セカンドシーズンではそれぞれが属する銀河帝国と自由惑星同盟での大きな内乱が描かれていますね。
梅原:ファーストシーズンでは帝国VS.同盟の対決構図で、ヤンがイゼルローン要塞を華麗に攻略するエピソードなどが描かれていましたが、今回はより政治的なお話です。それぞれの陣営における内部の権力争い、帝国側は皇帝の死去による門閥貴族との闘争が、同盟側はクーデターがあり、決して国がまだまとまっていないことをリアルに描いていて。
どんなに優秀なラインハルトにも反発する人物はいて、ラインハルトがどう対応していくのかも見どころの1つかなと思います。
――銀河帝国と自由惑星同盟、それぞれの陣営の印象は?
梅原:帝国軍は規律正しく、みんながイメージする軍人や、中には貴族もいて、折り目正しい印象がありますね。ラインハルトの強さとカリスマ性によって統制されていて。部下達も仲間同士で軽口を叩くことはあってもランハルトがいるとピリついた雰囲気になるし、参謀役のオーベルシュタインみたいな冷静過ぎるゆえに嫌われる人もいます。
一方の同盟はヤンの雰囲気がそうさせていると思いますが、帝国が大企業だとしたら町工場みたいな(笑)。彼が指揮するイゼルローン要塞駐留艦隊はゆるりとした空気感があって、それぞれのキャラ同士で信頼感を築いている気がします。
――そしてラインハルト達に戦いを挑むのがブラウンシュバイク率いる貴族連合ですが……。
梅原:彼らの気持ちも理解できます。今まで持っていた利権や名誉を守ろうとする欲はある種、人間らしいし、この現実世界でもあることなんだろうなと。でもその壁を崩さないと前に進めないと思っているラインハルトの気持ちもわかります。
そのための手段にオーベルシュタインとキルヒアイスの考え方の違いがあって、ラインハルトとキルヒアイスの関係性にも影響するわけですけど……。