【連載】TVアニメ『アサシンズプライド』石川由依さんが語る、明るくみんなを引っ張ってくれる楠木ともりさんの存在／インタビュー

男性でも女性でも応援したくなるメリダの一生懸命さ

――ここまでで印象に残っているシーンはありますか？

石川：まずエンディングが好きです！　オープニングもエンディングもすごく好きなんですけど、エンディングは映像にかぶさってかかってきたりするんですよ！　しかもともりるの歌がすごく良くて、聴き入っちゃいます。音楽の高橋邦幸さん(MONACA)もアフレコに来てくださっていて、監督と話し合いながら作っているらしいんですけど、本当に音楽が良いなぁって思います。

エリーゼに関して言うと、何となくメリダとうまくいってないのかな？ってところから、エリーゼの家庭環境というか、オセローさんのことも明かされつつ、自分は目立ちたくなくてメリダの下にいたいのに、マナの強さだったりで目立たざるをえなくて、そんなときにメリダが自信をなくしてしまい、自分の前に立ってくれない日々が続く。

はたから見るとエリーゼって羨ましがられる存在だと思うんですけど、そうじゃないっていう思いがずっとある、という流れがもう好きです！　エリーゼは素直な子なので、思ったことを言ってるだけなのですが、それが逆にメリダを傷つけてしまうんですよね(4話)。

――自分のほうが強いから、メリダに対してわざと負けようとするところですね。

石川：エリーゼはエリーゼで、何でわかってくれないのかな？って、メリダが怒っていることすらわからないという。で、それがわかったのが5話になるんですよね。1～4話までにクーファに鍛えられた力が発揮されて、誰が見ても強いメリダになってるっていう。

――訓練シーンは、わりと少なかったですしね。メリダとクーファの関係は、見ていてどうですか？

石川：何だろう。メリダの一生懸命さって、男性でも女性でも応援したくなるものだと思うんです。今まではパラディンの娘であることを認めてもらいたいがために見えないところで頑張ってたんですけど、クーファ先生が来て、そこからはどうにかみんなに認めてもらいたいと訓練を必死にやってて、なんて健気な子なんだろう！って。

こんな良いヒロインの子いるのかって思うくらいいい子だなぁと思ってます。クーファはクーファでズルいぞ！って思うんですけどね(笑)。でも1話のマイ、リトルレイディーのバラの舞いようは、素敵でした。

――エリーゼだと、ロゼッティ先生とのやり取りになるんですかね。

石川：でも、やぶまりと話してたんですけど、意外と掛け合ってないんですよ(笑)。一緒にいるんですけど、絡みがないねーって(笑)。

――ちなみにメリダと戦ったシーンのアフレコはいかがでしたか？

石川：まず、ここがどういう仕上がりになってるかがすごく楽しみなんです。メリダの物理戦みたいなところがどうなってるんだろうって。エリーゼは1～2話でしゃべらなかった分台詞も多かったんですけど、感情を出さないキャラクターって、出したときにどのくらい出すべきか、どのくらいまでがキャラとして許されるんだろうみたいなところをすごく考えるんです。

でも、それほどディレクションもなく、自由にやらせてもらえてたのかなと。思いをぶつけるけど、エリーゼなので出し切らないところがあって、常に憂いを帯びている切ない感じも含ませながら、悲痛な気持ちを込められたらなという感じだったと思います。

――ちなみに先程言ってましたが、すれ違いの原因とも言われる、前に立ちたくなかったという理由についてはどう思いました？

石川：私も性格的にはエリーゼタイプなんですよ。あまり目立ちたくはない、みたいな(笑)。誰か上にいてほしいところがあるので、すごくわかるんです。メリダみたいな子がいたら絶対に頼っちゃう。

それであそこまで追い詰められていたのかって思うとあれですけど、本人からすると憧れの存在だからこそ常に上にいてほしいメリダが自信をなくしてしまってるのがツラかったんだろうなって。常に真っすぐ立っていてほしいというのをどうにかわかってもらいたいという気持ちが強かったんだと思います。だからこそ「私にだけは安心して甘えなさい」っていうメリダの台詞は、演じながらもグッと来てしまいました。

〔文・塚越淳一〕

TVアニメ『アサシンズプライド』作品情報

放送・配信情報

10月10日（木）より放送開始！

TOKYO MX：毎週木曜24：00～
サンテレビ：毎週木曜24：30～
BS日テレ：毎週木曜25：00～
AT-X：毎週木曜23：30～
※リピート放送：毎週（土）15:30／毎週（日）8:00／毎週（水）7:30
※週1話ずつ4回放送

U-NEXTで独占配信　10月10日よりスタート予定

ストーリー

マナという能力を持つ貴族が、人類を守る責務を負う世界。

能力者の養成校に通う貴族でありながら、マナを持たない特異な少女メリダ=アンジェル。彼女の才能を見出すため、家庭教師としてクーファ=ヴァンピールが派遣される。『彼女に才なき場合、暗殺する』という任務を背負い――。

能力が全ての社会、報われぬ努力を続けるメリダに、クーファは残酷な決断を下そうとするのだが……。

「オレに命を預けてみませんか」

暗殺者でもなく教師でもない暗殺教師の矜持（プライド）にかけて、少女の価値を世界に示せ！

スタッフ

原作：天城ケイ（ファンタジア文庫）
原作イラスト：ニノモトニノ
監督：相浦和也
構成：赤尾でこ
キャラクターデザイン・総作画監督：吉川真帆
美術監督：松本実希子（スタジオ風雅）
色彩設計：小山知子（Fine Colors）
撮影監督：宮坂凌平（レアトリック）
CG監督：柴田渉（EMT2）
編集：瀧川三智（リアル・ティ）
音響監督：本山哲
音響制作：HALF H・P STUDIO
制作：EMTスクエアード