エルサの出生の謎などあの大人気作が遂に完結! 映画『アナと雪の女王2』監督&プロデューサーが語る本作のテーマとは?
2013年にアメリカから、そして翌年に日本で公開され、劇中歌「Let it Go」と共に大ヒットを記録した『アナと雪の女王』が再び! 『アナと雪の女王2』が2019年11月22日より日本で劇場公開中です。
アレンデール王国の女王となったエルサと妹のアナは仲良く平和に暮らしていましたが、ある日、エルサにだけ不思議な歌声が聴こえるようになって……新たな物語が動き出します。
歌声を発するものの正体やエルサに魔法の力がある理由など明らかになります。また劇中歌「イントゥ・ジ・アンノウン」も「Let it Go」のようにエモーショナルで存在感があり、キャッチーな楽曲になっており、歌が流れるシーンも注目です!
そんな注目作『アナと雪の女王2』の監督を務めるジェニファー・リーさんとクリス・バックさん、製作プロデューサーのピーター・デル・ヴェッコさんにインタビュー。作品とキャラクター愛あふれるお話をお伺いしました。
姉妹愛を描いた作品のヒットに驚き!
――前作『アナと雪の女王』は世界中で大ヒットを記録しましたが、反響を肌で感じた時の感想は?
プロデューサー ピーター・デル・ヴェッコさん(以下、ピーター):アメージング!(笑)
クリス・バック監督(以下、クリス):ヒットの要因についてよく聞かれるけど、僕らにも正直わからないんだ。姉妹の絆や真実の愛、楽曲の素晴らしさなどいろいろな理由があると思うけど。
ジェニファー・リー監督(以下、ジェニファー):ディズニー作品としては珍しい、姉妹愛を描いた作品が受け入れられるだろうかという心配もありましたが、たくさんの方々に愛していただいてとてもうれしかったです。特に日本の皆さんはとても愛してくださって感謝しています。
――前作の制作中から本作の構想はあったのでしょうか?
クリス:まさか! 続編の制作が決まって、「エルサとアナたちが成長したらどうなるんだろうね?」と話していているうちに、「あれはハッピーエンディングで、めでたしめでたしで終ったけど、人生ってそうじゃないよね。変化もあるし、成長もしていかないといけないよね」と。それが本作のストーリー制作のスタートでした。
冒険を通してエルサとアナたちの成長を描こうとした結果、アクションシーンが増えてエキサイティングに!
――劇場公開に先駆けて試写会で拝見させていただきましたが、エルサが魔法の力を持って生まれた理由や前作にあった伏線や謎が明らかになって納得できました。また参加しているのは関係者ばかりなのにコメディシーンであんなに笑いがあったのは珍しい光景でした。特にオラフが前作のダイジェストを一人で演じるシーンは。
ジェニファー:よかった(笑)。
――前作同様にアナとエルサの姉妹愛や、クリストフやオラフなど周りの人たちとの絆を描くという芯の部分は変わらず、でも冒険感が増しているなと思いました。
クリス:確かにより冒険は増えています。それぞれのキャラクターが成熟し、いろいろな経験して変化させていく上で、いろいろな状況を経験させました。
そしてもっと成長していく様子を描きたかったんです。その結果、アクションシーンが増えて、エキサイティングな出来になっていると思います。
リード曲「イントゥ・ジ・アンノウン」などストーリーを引っ張る力がある楽曲たち
――また前作よりも曲数が増えているような気がしました。
クリス:曲数自体は前作と変わらないんですけど、前作では歌が前半部分に集中していたのが、今回はあちこちに散りばめられているし、アナの曲が後半に出てくることもあって、そういう印象を受けられたのかもしれませんね。
――あと前作の「Let it Go」同様に、本作でも「イントゥ・ジ・アンノウン」も作中でストーリーと密接に絡みつつ、大きな存在感と役割を担う曲になっています。内面の繊細さから決意して踏み出す強さに加え、エモーショナルで民族音楽的なアレンジは作中で登場する魔法の森の住人のイメージにも重なって。
ジェニファー:音楽に関しては前作から引き続きとなるロペス夫妻と作曲家のボビー(・ロバート)さんと話し合いながら作っています。
キャラクターや物語と密接につながっていて、例えば作ったシーンに曲を付けてもらっていますが、どの曲もストーリーを進めたり、キャラクターの何かが明らかになったり、よりキャラクターやテーマが深まるような曲を作ってもらっています。
前作では「愛」や「恐怖」がテーマでしたが、今回は「成熟」や「変化」というテーマがあるので、そのテーマに絡んでいますが、楽曲たちの最終的なゴールはあくまでストーリーの助けとなることです。
アレンデール王国と日本が友好国? 両監督の日本アニメーションで好きな作家と作品は?
――制作秘話として、アナの衣装の帯が和風なのは、アレンデール王国と日本が友好国という裏設定があるとお聞きしました。
クリス:プロダクションデザイナーがコスチュームも見ているんですけど、彼が日本のファッションやデザインをとても愛していて、また日本の文化にリスペクトしていること、そして前作が日本でとても愛されたので、感謝を伝える意味もありました。そして日本との友好・友情の印として描かれています。
――ちなみに日本のアニメーションに触れたり、影響を受けた作品はありますか?
ジェニファー&クリス:ミヤザキ!(宮崎 駿監督)
クリス:『となりのトトロ』がずっと大好きなんです。あと『君の名は』も。
ジェニファー:あの作品も素晴らしいです。あと日本のマンガも大好きです。私の娘も。
4つの精霊など映像美を高い技術力とチームワークで実現! 我々からのメッセージを受け止めてください
――本作を制作する上で意識した点や苦労した点は?
クリス:大きな挑戦はストーリーです。ストーリーを考えていくといろいろなキャラクターが出てきて、例えば今回は地・水・火・風の精霊が登場しますが、それと相まって技術的な難しさも出てきます。
また水の馬もいますが、水の中にいたり、水中で溶けたりするので、アニメーターや視覚効果の方々などいろいろな部門のアーティストたちが緊密に協力しないと実現できません。
私見ですが、今までのディズニー映画の中で最もテクニカルで複雑だったような気がします。
――改めて本作に見どころや注目ポイントを教えてください。
ジェニファー:メッセージの部分だと思っています。テーマとして挙げた変化をしていくことに加え、あえて未知の方向に進んでいくことや、どん底に落ちてしまったとしてもあきらめずに堪え忍ぶことも必要ということが私たちにとって特別なメッセージになっています。
アナたちの旅路は私たちの誇り。皆さんも彼女たちの旅に同行を!
――では最後に皆さんへメッセージをお願いします。
ジャニファー:まず日本の皆さんに「ありがとうございます」と申し上げたいです。前作『アナと雪の女王』と一緒に旅をしていただいてありがとうございます。そして、今回の『アナと雪の女王2』の旅にも参加していただけて幸せです。私たちが描いたキャラクターたちの旅路が皆さんにとっても誇れるものになることを願っています。
クリス:日本のファンの方が示してくださった前作への愛に感謝しています。私たちもすべてのキャラクターに愛情を注ぎ込んでいますし、今作も私たちにとって満足できる映画になりました。
皆さんにとっても満足していただけたらうれしいですし、今回キャラクターたちが描いた軌跡と旅路を誇らしく思っています。皆さんにもそう感じてもらえたらうれしいです。
ピーター:僕たちはこのキャラクターたち、このストーリーが大好きです。キャラクターたちへの情熱からストーリーを作り上げました。それを皆さんにお渡ししますので、しっかりと受け取ってください。
『アナと雪の女王2』作品情報
2019年11月22日(金)より絶賛公開中!
原題:Frozen2
全米公開:2019年11月22日
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督:クリス・バック/ジェニファー・リー
声の出演:松たか子(エルサ)、神田沙也加(アナ)、武内駿輔(オラフ)、原慎一郎(クリストフ)
STORY
アレンデール王国を治めるエルサとアナの姉妹は、深い絆で結ばれ、幸せな日々を過ごしていた。だが、エルサにしか聞こえない不思議な“歌声”によって、姉妹は未知なる世界へと導かれる。それは、エルサの“魔法の力”の秘密を解き明かす、驚くべき旅の始まりだった…。なぜエルサに力は与えられたのか?アナとエルサに加え、前作で大事な仲間となったクリストフとオラフと共に歩む先で待ち受ける冒険と明かされるすべての秘密とは一体・・・?