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『キラッとプリ☆チャン』兵頭一歩×林鼓子 対談|二人で振り返るこれまでの物語

『キラッとプリ☆チャン』シリーズ構成:兵頭一歩×桃山みらい役:林鼓子が振り返るこれまでの物語【シーズン1~2】

 シーズン2から新キャラが大活躍!みらい幻の「ガクメキ」とは?

――そんな葛藤も経験し、少し成長したみらいたちが活躍するシーズン2も後半に突入していますが、テーマのようなものはあったのでしょうか?

兵頭:個人的に、今回はこれがテーマですというのは、作業上の都合で作るときはありますけど、明確に立てることが好きではないんです。これを描くためにやって行きましょうってガチガチに縛るのは、あまり面白くないなぁと思って。だからスタッフに投げる提案も、すごくふわっとしているんです。

でも、ネット配信で番組作るというネタは明確にあって、よく配信のタイトルにもなっている「やってみた」をヒントにして、1年目からずっと言ってきている「やってみなくちゃわからない」というキーワードが生まれました。

それが、毎回何かを「やってみる」みらいたちの行動指針になり、話を動かしていく力になりました。そういう意味で、1年目も2年目も、「やってみなくちゃわからない」がテーマといえばテーマなのかもしれません。

――みらいは一貫して「やってみなくちゃわからない」と言っていますもんね。

林:そうですね(笑)。ミラクル☆キラッツはそういう行き当たりばったりなところもあって、そこが彼女たちの良いところであり、フレッシュさでもあると思うんですけど。

――キャラクターを増やそうという話はどこから?

兵頭:このシリーズは、基本的にタカラトミーアーツさん発信の企画でもあるので、最初にこういうキャラクターを出したいですというのを受け取る所から僕たちの仕事は始まります。

シーズン2ならば、金森まりあ(CV:茜屋日海夏)と黒川すず(CV:徳井青空)、バーチャルアイドルだいあ(CV:佐々木李子)という子が出ますと。

そこにまだ決定稿ではないデザイン案と、好きなものや口癖のメモ書きが届いて、そこから膨らませていくんですけど、新キャラクターが出るということは新しいキャスティングがされるということなので、僕がまずやることは、ストーリーが何も決まってない状態から、とりあえずオーディション用の台詞を作ることなんです(笑)。

林:そうなんですねっ!

兵頭:何となくこんな感じですかね?って作って行くんですけど、林さんは覚えてます? ゲームのほうのみらいの口癖で「ガクメキ!」っていうのがあったの。

林:ありました! あははは(笑)。なつかしい!

兵頭:あれは本編でも使おうと思ってたんです。トキメキの逆の、トキメかないことを「ガクメキ」って。

台詞はアミューズメントゲームの筐体に組み込まれたんですけど、僕はあくまでオーディションのための仮の台詞だとばかり思っていて、いざ本編に入ったときに、あんまりネガティブな口癖はいらないかなぁって使わなかったんですね。

結果、ゲームだけにそれが残ることになって、今となっては「あれってなんだったんだ?」という(笑)。

林:父にも言わました! 「ガクメキって言わないの? 今度アドリブで入れてみなよ」って(笑)。ファンの方からお手紙で「ガクメキとはどういう意味でしょうか?」みたいなのが届くので、みんなめっちゃ気になってるんだなぁって(笑)。

▲黒川すずと金森まりあ

▲黒川すずと金森まりあ

――謎が解けましたね。だいあも強烈な口癖がありますよね。

兵頭:だいあはいただいた最初のメモで「キラにちは」って言いますというのがあったんです。その後、毎回のお話の前にだいあがしゃべることになって、「キラにちは」だけでは寂しいなと思って、もう少し台詞を盛ることにしたんです。

みらいたちが「キラッと」なら、だいあは「カラッと」だろうと思って、「カラッとジュエルにキラにちは~!」という挨拶ができ、バーチャルアイドルなので、それを表す「そこにいるのに、ここにいない!」というフレーズを思いつきました。

でも、その「そこにいるのに、ここにいない!」を物語の中で結構きれいに回収することができたのは、実は自分でも意外でした。あそこまで明確なシーンになることは実際に脚本を書くまで想定していなかったので、だからなんというか……仕込んでおくものだなぁって(笑)

林:すごくいい話になってましたもんね(笑)。

――「そこにいるのに、ここにいない!」を聞いたときは、なんてキャッチーでセンスのあるワードなんだろうと震えました。

兵頭:よくよく考えるといろいろ矛盾があるんですけどね(笑)。

▲だいあ

▲だいあ

――すずとまりあも強烈でしたよね。

兵頭:最初はすずが年下でもなく、同級生の幼なじみという設定でした。けれど見た目から年下っぽいとの意見が出て、いろいろあって今の形になりました。

この2人は、僕が作ったというより、各話のライターさんが「きっとこういうキャラです!」というのをドンドン出してきてくれて、ただもう「そうですか」と(笑)。百戦錬磨、手練のライターさんばかりなので、ものすごいものが投げられてくるんですよ。

――まりあは、「かわいい!」しか言ってないし、最初強烈過ぎて、これ外したらどうするつもりなんだろうってドキドキしていました(笑)。

兵頭:でも、林さんたちが作ってくれたミラクル☆キラッツとか、メルティックスターの後から出てくるキャラクターだし、それを超えるとなると、よっぽど強烈じゃないといけないんですよね。

林:強烈でした…。もう消される(震)って思ってましたから(笑)。

兵頭:キャスティングについても、ある意味強烈な二人だから、それがみらいたちと交わったらどうなるのかというのは、結構ライブ感覚でしたね。

自分の想定を超えた所で、現場のスタッフみんなで作り上げて行ったんじゃないかなと思います。それはまりあとすずに限ったことじゃないですけれど。

――林さんは、新キャラについてどう思いました?

林:まりあちゃんは、同じラブリー属性だったので、これは負けるんじゃないかと思ったんですけど(笑)、みらいって、いろんな人に肯定的なんです。

それはまりあちゃんも同じで、すごくいい子だったので、みらいとしても絡みやすかったですし、茜屋さんもまりあでいてくださったので、実際は消されずに一緒にいけそうだなと思いました(笑)。

すずちゃんに関しては、まず後輩キャラができたことがすごく嬉しかったんです! みらいってずっと後輩っぽい立ち位置だったので、シーズン2になってからは、みらいがお姉さんみたいになったのが嬉しくて。

あとこれは個人的にですけど、私の公式のあだ名が「はやまる」なんですが、これは徳井青空さんの「そらまる」から来ているんです。父が徳井さんのオタクでして…。

なので最初お会いしたときはすごく緊張したんですけど、先輩方はやさしすぎて、こんなにぬくぬくと育てられて大丈夫なのかな?と思うくらいなんです。だからアフレコもすごく楽しかったです。

兵頭:なんで「ここまる」じゃなかったんだろう?

林:そうなんですよ! そっちのほうがかわいいですよね(笑)!

――でも茜屋さんも徳井さんもやさしいですけど、すごくぶっ飛んだところもあるので、アフレコはすごそうですね。

林:お二人はアドリブもすごいんです。特にまりあは本当にアドリブが多くて。

兵頭:走ってくるシーンで「タタタタタ……」とか擬音をしゃべってたし。

林:あと座るときに、「よっこらしょ」じゃなくて「よっかわしょ」と言ってて、すごいな~と(笑)。

――だいあはいかがでした? 今回サブタイトルもすべて「~~だもん」でしたが。

林:それも取られたー!って(笑)。サブタイトルを言う権利を取られてしまったバーチャルプリ☆チャンアイドルのだいあちゃんは、まだ謎が多いんですけど、虹ノ咲さん(※虹ノ咲だいあ。みらいのクラスメイトで、バーチャルプリ☆チャンアイドルだいあは、虹ノ咲だいあの持つデザインパレットから現れたナビキャラ)のほうは、とにかくヤバい奴だなって思ってます。

兵頭:ヤバイって……みらいに言われたら虹ノ咲さん大ショックだから!

――確かに、ずっとモニターがみらいですからね。

林:みらいのことが好きなのはわかるんですけど、8画面くらいで見てるじゃないですか(笑)。でも、虹ノ咲さんって一番共感できるんですよ。

好きなものに対して一直線になっちゃうところとか、ちょっと人見知りで、周りと馴染めないなって気持ちとか、すごくよくわかるんです!

だからシーズン1はみらいが視聴者目線だったとすると、シーズン2は虹ノ咲さんが見ている人に寄り添っているのかなって感じました。

――確かに、一番共感するかもしれないですね。アイドルになりたくても前に出れない人はいっぱいいますし。でもそんな虹ノ咲さんが殻を破っていくというところは、ある種テーマになってたのかなと。

兵頭:でもそういうテーマを作って虹ノ咲さんを動かすのではなく、虹ノ咲だいあという子がいて、その子がどうなっていくのかなっていうのを見守っていたら、何となくテーマが見えてきた感じだと思うんです。

コミュニケーションが苦手なのって確かにネガティブな要素かもしれないんですけど、それは誰しも持っている部分で、実際に虹ノ咲さんみたいな子も多くいると思うんです。

そんな中でも虹ノ咲さんのいい所は、ちゃんと夢を持っている所。夢を持っていて、それに対して頑張っているけれど、みらいたちみたいにいつも積極的に頑張れるわけではない。

でも決してひがんだりすることもなく、自分なりに考え、何とかしたいと思っているところをバーチャルプリ☆チャンアイドルのだいあが助けてくれて、ライブをする(76話~77話)。

もしかしたら、そういう虹ノ咲さんを取り巻く環境自体を肯定したことが、テーマと言えなくもないかもしれません。虹ノ咲さんみたいな子たちでも楽しめる時間は必ずあるんだよっていう。

でもだいあの謎なところは、まだ明かされていない部分もたくさんあるので、今後の展開で、見え方も違ってくるかもしれません。

(C) T-ARTS / syn Sophia / テレビ東京 / PCH製作委員会
(C) T-ARTS / syn Sophia / テレビ東京 / PCH2製作委員会
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