アニメ『歌舞伎町シャーロック』東山奈央さん、東内マリ子さんによる座談会第5弾|東山さんへの東内さんの愛情が爆発!? 互いが感じるキャラクターとの類似点や、坂本真綾さんが演じる女性をも惹き付けるアイリーン・アドラーの魅力に迫る!
TBS、 MBS、BS-TBS“アニメイズム”枠とAT-Xにて放送中のアニメ『歌舞伎町シャーロック』は、名探偵シャーロック・ホームズが活躍する探偵小説の要素がありつつ、架空の街“新宿區歌舞伎町”を舞台に、コメディあり、サスペンスありのストーリーが繰り広げられるオリジナルTVアニメです。
アニメイトタイムズでは、放送を振り返りつつ、キャストと共に作品の魅力に迫る連載キャスト座談会を企画。
第5弾は、メアリ・モーンスタン役の東山奈央さん、ルーシー・モーンスタン役の東内マリ子さんを迎え、キャラクター紹介や本作で共演しての感想、新しく登場したアイリーン・アドラーなどについて伺った、座談会(前編)の模様をお届けします!
第一印象は好感度が高くない女の子&突出した“真面目”の先に妹への愛情がある変な人☆
――まず、ご自身が演じられているキャラクターの紹介をお願いします。
メアリ・モーンスタン役の東山奈央さん(以降、東山):見た目はかわいらしくて、ギャルっぽい。男性が多い探偵長屋の中で、唯一の女の子……あ、ルーシーも女性なんですけど……ハドソン夫人も女性ですね(笑)。
パッと見て、女の子だなとわかるのはメアリくらいかなという中で、個性的なキャラクターではあるんですけど、見た目の純真無垢さとは裏腹に、中身は結構えげつなくて、女の悪いところを濃縮したような部分もあって。
ルーシー・モーンスタン役の東内マリ子さん(以降、東内):(笑)。
東山:でも、最終的には、“いい子だな”というところに着地はするんですけれども、ちゃっかり具合が度を越していて、かなりの策士ですよね。皆さんのオンエアの反応でも「とんでもない女だな」とか(笑)。「私もそう思う」と思いながら、演じております。
東内:考えたんですけど、ルーシーは探偵たちの中では珍しく、いろいろな要素を持っているキャラクターではなく。ただ、“まっすぐ”という要素は「すごく強い!」みたいな感じです。
ツッコミでもなければボケでもなく、あえて分類するなら“天然キャラ”かなとは思うんです。
ゲームとかのステータス表で「知力」「体力」といった要素の中で、「真面目」が1つだけバンっと突出していることで、変なところを持っている人だなという印象で演じていました。
その真面目の先には「妹への愛」があるので、妹に対しての愛情も少し狂っている感じですが、探偵たちの中では珍しく、一般的な感覚を持った人です。
東山:一番まとも。
東内:他の人たちが変すぎると思うんですけど、メアリのことは抜きにして、視聴者からしたら、何か行動した時に納得する選択をする人だなと。
東山:(笑いこらえて)思わず笑っちゃった。
東内:そりゃあ、皆さんの反応を見ていると「妹に甘過ぎやしないか」「大丈夫?」という心配の声が多くて。やはり、そこが変わっているなという感じの人ですね。
――役づくりの上で、キャラクターはつかみやすかったですか?
東山:私はすごく難しかったです。メアリのキャストが発表された時に、第一印象では「ピッタリだね」と皆さんからは言っていただいていたんですけど、実際演じるとなると、私個人としてはすごく悩んでしまって。
たぶん、発言が自分本位なことが多かったりするので、好感度が高い子ではない、第一印象として“つかみは悪いタイプ”だと思うんですよ。
後々、この子は自分の心に素直すぎるんだということを理解していただけたり、決して嫌な子ではないと気付いていただけると思いますが、私自身は、キャラクター愛が深くなりがちなタイプの役者なので、自分が演じる子、我が子は愛されてほしいという思いが、自然とにじみ出ちゃって。
愛されるように、かわいく見えるように本能的に演じてしまうらしくて、音響監督の長崎(行男)さんに「もっとギャルっぽく、あざとく」という演出をいただき、その感じをどう出したら良いのか考え込んでしまって……どうしても無垢っぽくなってしまうんですよね。
ワトソンなど男の人がグラッとくるような、手の平で転がすような小悪魔的なかわいさをどうやって出そうか、長らく考えながら演じていたかもしれないです。
東内:そうだったんですね。ずっと「かわいい、好き!」と思いながら見ていました。
一同:(笑)。
東山:そう思ってくれるからこそ、ちマさん(東内さんの愛称)はルーシーにぴったり。
東内:なるほど、そうなのかも。メアリのことは、永久にかわいいと思っちゃったからな(笑)。
ルーシーは、今までの人生で演じたことがないくらい、かなり難しくて。
東山:そうなの!?
東内:こういう、男性らしい見た目だけど、本当は女性で。でも、男性性を前面に出して、というキャラクター自体を、演じたことがあまりなかったです。
私は役を演じるに当たって、参考になりそうな過去のいろいろな作品に出ていたキャラクターとかを観るタイプなので、どういう役を参考にしたらいいかなと、最近の作品からは該当する人が見つけられなくて。
自分の中で、本当にゼロから作り出さないといけないということがこれまでなかったので、最初の収録の時に、長崎さんから「そっちのカッコよさじゃない」とディレクションをいただきました。
私が持ってきたカッコよさではなくて、もっと王道のカッコいいなんだと思ったものの、これまで王道のヒーローみたいなカッコよさを追ってこなかったので、一度家に帰って改めて王道のヒーロー作品とかを観て。
こういう時はこうした方がカッコいいんだなということなど、少しずついろいろなピースを集めて作ったようなキャラクターなので、今回はすごく難しかったですね。