アニメ業界歴半世紀の『超獣機神ダンクーガ』『ドリームハンター麗夢』の奥田誠治が語る「面白すぎるアニメの仕事!」
70歳を超えて現役! その理由は「仕事が楽しい!」
――奥田さん、70歳を超えていて、今でも現役でアニメのお仕事を続けられているっていうのは何か理由があるんでしょうか?
奥田:やっぱりアニメの仕事が好きなんですよね(笑)。いまだに続けられているのは、この歳でも気力と体力があるってことですかね。歳取って駄目になるのは体力ですが、仕事自体が面白ければまだ力は出せると思っています
――まさに、今でも仕事が楽しいという感じですね。
奥田:仕事は嫌いじゃないですね。1日24時間しかないのに8時間を仕事に取られて、その8時間を嫌々やるのって無駄じゃないですか。だから、生き方を変えることで、その無駄を止めると決めたんです。アニメ業界に入ったのが、二十歳くらいですから、この「楽しい仕事を仕事にする」は、ずっと続いています
好きな仕事に出会えたのも、運の良さだと思っています。本にも書いてありますけど、当時の周りのスタッフには漫画家出身が数多くいて「いつかはもう一度漫画家に戻って、一花咲かせてやる」みたいなことを考えながら、嫌々やってた感じがありましたからね。自分は、嫌々ではなくて「やってることが楽しい」と思って仕事していましたね
――楽しかった中でも特に楽しかった事というとなんでしょうか?
奥田:新しいスタイルを生み出したときかな。私は『ルパン三世』のファースト(『ルパン三世(第1シリーズ)』1971年放送)にも参加しているんですが、ファーストらしさは1話から4話しかないと思っているんです。その絵コンテを作ったのは、1話が吉川(高橋和美名義)、2話が私で、3話は出崎統(斉九洋名義)、4話は石黒昇です。ファーストは、その4人が全力を出し切ったんです。これが、今でも『ルパン三世』のスタイルになっていると思います。新しいものを目指して、作るってやっぱりとても面白いんですよ。
――奥田さんがここまでお仕事を楽しいと思える理由は、どこにあるんですか?
奥田:絵コンテを描いたり、物語を作ったりするっていうのは、基本パズルみたいな感覚ですね。与えられた条件の中で、何か答えを見つけていくというか。私は自分の仕事で、新しいパズルを毎回楽しんでいる感じかもしれませんね。
『超獣機神ダンクーガ』(1985年)。奥田さん監督作品であり代表作のひとつ。書籍では誕生の経緯なども細かく語られている。
1000作品以上に関わった奥田さんが語る「アニメの観方」
――では、最後に、発売された奥田さんの書籍『アニメの仕事は面白すぎる 絵コンテの鬼・奥田誠治と日本アニメ界のリアル』、どんな人に読んでほしいですか。
奥田:人生一回きりだから、精一杯生きらないとつまんないというメッセージを込めたので、できるだけたくさんの人に読んでほしいです。あと、アニメの好きな人にも当時のアニメの面白さを知ってほしいですね。
――ちなみに奥田さんのおすすめのアニメはなんですか?
奥田:何よりも沢山の作品を観ことです。沢山観る事で、選別出来ていきますし。沢山の本を読んで知識が蓄えられるのと一緒で、沢山のアニメや映画を観て、自分自身でその良さに気付いたときに、自分の中での本当に面白い作品に出会えるんだと思います。
――なるほど、ありがとうございました。
DATA
書籍情報
発売日:2019/12/20
定価:1800円+税
イベント情報: 『アニメの仕事は面白すぎる』(出版ワークスさま) 刊行記念!!トーク&サイン会
日時:2020年1月17日(金) 開演:19:00(開場:18:45)
場所:芳林堂書店高田馬場店8階イベントスペース
参加券配布
[店頭受付]2019年12月17日(火)10時より芳林堂書店 高田馬場店にて3階カウンターにて配布
[電話受付]2019年12月17日(火)14時より、 電話(代表03-3208-0241)にて3F受付
詳細は下記を参照してください。
奥田誠治先生 『アニメの仕事は面白すぎる』(出版ワークスさま) 刊行記念!!トーク&サイン会開催
イベント情報: 奥田誠治監督新刊出版記念上映会『超獣機神ダンクーガ』
日時:2020年2月15日(土) 13:45〜
場所:シネマノヴェチェント
上映作品:『超獣機械神ダンクーガ』
#37「暗黒の終焉」 / #38「最後の咆哮」 / OVA「失われた者たちへの鎮魂歌」連続トークショー / サイン会 / 終演後、ゲストを囲んでの懇親会あり