『劇場版 幼女戦記』SPイベントで悠木碧さん、三木眞一郎さん、戸松遥さんが“停戦”状態でトーク!声優陣・スタッフ陣の挙げる名場面をゲスト参加の上村泰監督が解説
2019年11月30日(土)、スペシャルイベント「劇場版 幼女戦記 スペシャルイベント 〜第203航空魔導大隊祝賀会〜」が開催されました。
声優陣から、ターニャ・フォン・デグレチャフ役 悠木碧さん、エーリッヒ・フォン・レルゲン役 三木眞一郎さん、メアリー・スー役 戸松遥さんが登壇。劇中では対立する組織からのキャストですが、この日は一旦停戦という形で作品について語り合い。
名場面を振り返る「劇場版 幼女戦記 回想録」ではキャストによるトークに加えて、TVシリーズから引き続き劇場版を手掛けた上村泰監督が駆けつけ、各シーンの制作時のエピソードを明かしました。
そのほかにも、志願兵が続々登場した「帝国軍 求ム志願兵」、脚本家猪原健太さん書き下ろしのオリジナル脚本での朗読劇。さらに、悠木さんによる「Los! Los! Los!」の生歌唱といった、“精鋭”(ファン)たちの士気を高めるコーナーの数々がおくられました。
イベント開催は精鋭たちによる後方支援の賜物!上村監督を迎えて劇場版についてトーク
悠木さん演じるターニャの掛け声で集結したキャスト陣。今回のイベントについて悠木さんは「皆様の後方支援のおかげで開催することが出来ました!」と会場に駆けつけた精鋭(ファン)たちへ感謝の言葉を寄せますが、「帝国軍の大勝利ですよね! あ、すみません……」と戸松さんをちらり。
多国籍義勇軍側を代表して登壇した戸松さんは「今日は中立でいこう(笑)」と、今回のイベントではキャラクターの立ち位置関係なく楽しんでいこうと双方が同意を交わします。
また、2月8日の劇場版公開から半年以上の期間を経ての開催について、三木さんは「ドンピシャのタイミングでなぜやらぬ(笑)」とツッコミ。
これに対して悠木さんは「こんなに売れると思ってなかったんや……(笑)」と喜びを隠せない様子で、三木さんとともに改めて全ての『幼女戦記』ファンに感謝の言葉を贈ります。
最初のコーナーは、『劇場版 幼女戦記』の名場面を振り返る「劇場版 幼女戦記 回想録」。キャスト陣はもちろん、上村監督、脚本の猪原健太さん、キャラクターデザイン・総作画監督の細越裕治さんといったスタッフ陣の選んだ名シーンについてクロストークが行われます。
キャスト陣による振り返りトークというだけでも貴重なコーナーですが、ここで、作品を語るにあたってうってつけなゲストとして、TVシリーズ及び、劇場版を手掛けた上村監督が参加。サプライズゲストの登場に、会場の精鋭たちから惜しみない拍手が寄せられます。
名場面を振り返る前に、全国44館から150館までの拡大ヒットについて問われた上村監督は「まさかですよね。会う人会う人に『観たよ』なんて声を掛けていただいたり」とコメント。
また、映画化についても「(TVシリーズ時は)全然考えていなくて……」と当時の心境を語り、TVシリーズで戸松さんにメアリーの話をした時は「続きが“もしあったら”(メアリーが)活躍するんですよ」というやりとりが交わされていたんだとか。
戸松さんも当時は「ありますように!」と願っていたと語り、実現したことを改めて喜んだ様子でした。
映画化前の裏話が明かされたところで、上村監督の選ぶ名場面の紹介に。上村監督は、ウィリアム・ドレイクとその叔父であるダスティン・ドレイクがタバコを嗜みながら会話するシーンをチョイスします。
本シーンについて上村監督は「森川智之さん(ウィリアム・ドレイク役)と高岡瓶々さん(ダスティン・ドレイク役)の渋い芝居が最高で……!」とキャスト陣の演技を絶賛しつつ、“然り然り”といった独特なセリフについては「カルロ(・ゼン)先生のアイディアなんですよ」と明らかに。
本シーンは三木さんも挙げるか悩んでいたとのこと。汽車の動きに合わせた窓の描写といった作画クオリティの高さや、今の時代では中々描き辛いタバコの描き方も『幼女戦記』の世界観ならではと言及しました。
ほかスタッフ陣の選んだ名場面はメッセージとともに紹介。
規則重視のターニャが羽目を外すことを許した“飲みニケーション”のシーンを挙げた脚本の猪原さんは「203大隊は激戦続きなので、こういう日常の細やかな芝居が愛おしく感じられました」。
ターニャとホーフェン少佐の会話シーンを挙げたキャラクターデザイン・総作画監督の細越さんは「ターニャが気の良いおっさんと話す機会は珍しい。会話の内容はともかく、極めて日常的、現実的な『絵』」とメッセージを寄せました。
ここからはキャスト陣の選ぶ名場面が演じた際の感想などとともに紹介されます。
戸松さんが選んだのは、戦いのクライマックスとしてターニャとメアリーが教会を舞台に繰り広げた死闘。アフレコ時を振り返った戸松さんは「かなりエネルギーを使いましたね。生まれてはじめて貧血で倒れかけました」と告白し、それだけ全力を出し切ったシーンだと熱弁しました。
また、一撃一撃の生々しさが全面に強調された無音の演出について監督は、悠木さん、戸松さんのアフレコを確認した音響監督の岩浪美和さんが「ここは音楽をつけちゃだめだ」と判断していたことを明らかに。
鬼気迫る戦いにかけられた制作陣のこだわりが語られました。
そして悠木さんが選んだのは、ターニャがルーデルドルフ、ゼートゥーア、レルゲンの前で後方勤務を進言するシーン。
敵との戦いを終えて無事終幕とはいかない『幼女戦記』らしさあふれるシーンですが、悠木さんの理由は意外にも「レルゲンさんが偉い人たちの話に“はわわわぁ”となってる姿です(笑)」とにっこり。
三木さんはレルゲンの魅力に同意しつつ、緊迫したこのシーンについて「外画みたいだよね。玄田哲章さん、大塚芳忠さんの声が飛び交ってね」と言及。
監督は「静かに派手に魅せる」場面だと語り、スタッフ陣による度重なる話し合いの末に完成したシーンだと述べました。
最後に三木さんは、ターニャの「人助けか……」が印象深い、203大隊の軍議のシーン。「チームとして練度が上がっているじゃないですか。速攻木箱を出したり」と、TVシリーズから増した203大隊の練度が印象深いとコメント。
また最後のヴィーシャの笑顔を絶賛するとキャスト、監督ともに納得の様子を覗かせました。
監督ならではの裏話も明かされた本コーナー。ここで上村監督が降壇すると、再び惜しみない拍手が贈られました。
ターニャの元に志願兵続々!会場の精鋭たちへターニャから有り難い一曲も!
「名場面を振り返った後は、『幼女戦記 ラジオの悪魔』で好評だったあの企画にいってみましょう!」。悠木さんのナレーションで発表された次のコーナーは、ラジオで人気のコーナーが本イベントで帰ってきた「帝国軍 求ム志願兵」。
イベント開催前に精鋭たちが寄せた履歴書をキャスト陣が吟味し、ターニャの率いる大隊に入隊させるかの採用、不採用をジャッジします。
寄せられた履歴書には、“劇場版を15回以上観た”、“朝起きて5秒で朝食を食べられる”といった猛者や、電車の車掌さん、調理師さんといった各職のプロからの熱いメッセージが。
自己PR、特殊技能といった項目から、忠誠心、適応力が判断された結果、採用者にはここだけのプレゼントに加えて、ターニャからの「我が軍にようこそ、死地まで着いてくるように」などの有り難い言葉が贈られました。
作品にちなんだコーナーもおくられたイベントは終盤に突入。ここでステージにマイクが設置されると、オリジナル脚本による朗読劇が行われます。
物語はターニャとメアリーによる激戦から始まり、壮大な展開を予感させますが、レルゲンの独白で一転。「プロパガンダラジオ」勝負という予期せぬ流れに。
戦場のアイドル、白銀のターニャと忠実なる神のしもべ、エンジェル・メアリーによる予想だにしない可愛さ満点のボイス、時折、背筋の凍るようなセリフを交えた、帝国と多国籍義勇軍による水面下の戦いがおくられました。
存在Xの登場で華麗とも言えるオチが決まり、朗読劇は大団円。終えてみて悠木さんは「やっぱり一番可愛いのはヒロインのレルゲンさん!」と会場の笑いを誘いました。
そんな悠木さんといえば、ターニャとして歌うEDテーマ「Los! Los! Los!」。イベントのEDとして本曲が生披露されることがアナウンスされると、悠木さんはターニャを連想させる軍服姿で登場。
メロディが流れると「命捨てたその覚悟を示せ!」「為すべきことは唯一つ地獄を創れ!」、会場に集った精鋭たちを歌という形で昂ぶらせます。
歌い終えた悠木さんは「人がいる時といない時でテンションの上がり具合が全然違う曲で、ともに戦う兵士(観客)がいるということはとても重要なんです」と語り、「皆さんすごく盛り上がってくれて!」と、会場の精鋭たちとともに楽曲を歌い上げることが出来たと述べました。
この熱い模様に戸松さんは「改めて歌詞がすごい!圧倒されました」と感激した様子を見せました。
最後にキャスト陣から精鋭たちへ向けてメッセージ。
戸松さんは「今回のイベントで劇場版を振り返りましたが、改めていい作品と役に出会えたんだなと思いました。これをきっかけに続きもやれたらなと思います!」、
三木さんは「DVDの発売後にこういったイベントが出来るのは皆さんに愛していただいているおかげだと思います」と感謝の言葉を残しました。
悠木さんは「最近では、アニメ『異世界かるてっと』や『オーバーロード』のアプリ(『MASS FOR THE DEAD』)などでターニャを演じさせていただいていますが、こうして『幼女戦記』のファンの方々にお会いできたことはとても嬉しく思います!」と喜びを露わにし、最後に「これにて、解散!」とイベントを締めくくりました。
『劇場版 幼女戦記』の公開から半年以上が経ち、ついに開催となった大型イベント「劇場版 幼女戦記 スペシャルイベント 〜第203航空魔導大隊祝賀会〜」。
イベントではキャスト陣、上村監督をはじめ、関係者全員の熱量の高さがひしひしと伝わってくるコーナーの数々が行われました。そんな練度の高いキャスト陣が作り上げた『幼女戦記』の今後の展開は一体? より目が離せません!
〔文・MoA / 写真・相澤宏諒〕
『劇場版 幼女戦記』作品情報
INTRODUCTION
統一暦1926年。
ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐率いる、帝国軍第二〇三航空魔導大隊は、
南方大陸にて共和国軍残党を相手取る戦役を征す。
凱旋休暇を期待していた彼らだが、本国で待ち受けていたのは、
参謀本部の特命であった。
曰く、『連邦国境付近にて、大規模動員の兆しあり』。新たな巨人の目覚めを前に、
なりふり構わぬ帝国軍は、自ずと戦果を拡大してゆく……
時を同じく、連邦内部に連合王国主導の多国籍義勇軍が足を踏み入れる。
敵の敵は、親愛なる友。
国家理性に導かれ、数奇な運命をたどる彼らの中には、一人の少女がいた。
メアリー・スー准尉。
父を殺した帝国に対する正義を求め、彼女は銃を取る。
STAFF
原作:カルロ・ゼン (「幼女戦記」/KADOKAWA刊)
キャラクター原案:篠月しのぶ
監督:上村泰
キャラクターデザイン・総作画監督:細越裕治
脚本:猪原健太
副監督:春藤佳奈
服飾デザイン:谷口宏美
魔導具デザイン:江畑諒真、月田文律
銃器デザイン:秋篠Denforword日和、大津直
エフェクトディレクター:橋本敬史
美術監督:上田瑞香
色彩設計:中村千穂
撮影監督:頓所信二
3DCGIディレクター:高橋将人
編集:神宮司由美
音響監督:岩浪美和
音楽:片山修志
アニメーション制作:NUT
配給:角川ANIMATION
製作:劇場版幼女戦記製作委員会
CAST
ターニャ・フォン・デグレチャフ:悠木碧
ヴィーシャ:早見沙織
レルゲン:三木眞一郎
ルーデルドルフ:玄田哲章
ゼートゥーア:大塚芳忠
シューゲル:飛田展男
ヴァイス:濱野大輝
ケーニッヒ:笠間淳
ノイマン:林大地
グランツ:小林裕介
ド・ルーゴ:土師孝也
ビアント:小柳良寛
ドレイク:高岡瓶々
ウィリアム・ドレイク:森川智之
エドガー:福島 潤
ビビ:田村睦心
メアリー:戸松遥
ロリヤ:チョー
ヨセフ:稲垣隆史