劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』佐倉綾音さん&釘宮理恵さんインタビュー|佐倉さん「ホクトは絶対に理恵さんがいいと思っていたんです」
男の子役を演じる難しさとは
――今回はお二人とも、男の子の役として出演されていますが、男の子の役を演じる時ならではの難しさや、意識していることはありますか?
佐倉:それ、私も聞きたいです!
釘宮:ホクトくらいの年齢の男の子だと……実は、何も考えたことがないんです(笑)。
一同:(爆笑)。
釘宮:大事なのはその子がどういうことを考えたり感じたりするかであって、男の子とか女の子とかはあまり重要じゃないと思っていて。
なので、小学生くらいの年齢なら男女の差とかはあまり考えないです。台本に沿って、できるだけ自然な演技を心がけています。むしろ青年役とか、年齢が上がった時の方が難しいです。声質の問題もありますし。
佐倉:けど、理恵さんの青年の声って、すごく青年に聞こえるんですよ。それこそ、小学生くらいだった頃から理恵さんが青年役をやっている作品を見ていましたけど。
釘宮:(男性の世界が)どういう世界なのか、自分ではまったく想像がつかないんだよね。なんでやらせてもらえているのかが、ずっと不思議なくらい(笑)。
――佐倉さんの方は、ハヤトを演じるにあたって苦労はありましたか?
佐倉:だいぶ遡った話になってしまうのですが、『シンカリオン』のオーディションを受ける際、「ロボット物」「朝アニメ」「子供向け」というキーワードから、いわゆる猪突猛進タイプの熱血主人公をイメージして、オーディションでも最初はそのアプローチをしていました。そうしたら、「それは全部捨てて」と言われたんです。
――確かに、子供向けロボットアニメの主人公といえば、ガキ大将的なキャラクターのイメージが強いですね。
佐倉:ハヤトは「オタクでシティボーイで、周りがとても見えているキャラクター。今までの主人公像は、ツラヌキに任せて欲しい」という話を聞いて。すごく新しい主人公だなと感じたのですが、同時にその時から「男の子」ということはあまり意識しなくなった気がします。
もしハヤトが、最初に私がイメージしていたような、猪突猛進的なキャラクターのままだったら違っていたかもしれません。
ただ自分の好きなものをとことん追求するという部分で、男の子というよりも純粋な一人の人間としてハヤトを見る機会が増えたのが、演じる上で大きかったのかなと思います。
――ハヤトといえば、電車の話題が出た時の早口での語りも特徴だと思うのですが、やはりあのシーンは収録も大変でしたか?
佐倉:もう……大変でした。(ハヤトが)何を言っているのかまったくわかりませんでした(笑)。
実は私も子供の頃は鉄道が好きで、親に連れられて鉄道博物館にも行っていたことがあったらしいんです。ただ、それこそ5歳くらいだったので、私はまったく覚えていなくて。でも、たしかに家には電車の図鑑などが残っているんですよ。
だから最初に『シンカリオン』の出演が決まったのを報告した時、母から「綾音、電車好きだったもんね」ということを言われて、「そうなの!?」と驚きました(笑)。
それくらい昔のことだったので、ハヤトが喋っている台詞の意味も当然分からなくて、一つ一つ読み方やアクセントは必ず確認するようにしていました。
また難しいのが、正しいアクセントで発音すればいいという訳でもなくて、鉄道ファン独特の発音や言い回しみたいなのもあったりするんです。
そういうのは現場にいる鉄道に詳しい方にも確認を取りながら、ハヤトが“にわか”になってしまわないように演じるのは苦労した部分でしたね。
――ちなみに、あのパートは別撮りとかではなく……?
佐倉:一発(録り)ですね。そういうシーンに限って、予定されている尺が妙に短かったりして。「これが鉄道愛か!」と(笑)。
釘宮:好きなことについて話すと、どうしても早くなっちゃうんだよね。
――お二人にはハヤトのように早口になるくらい好きなものってありますか?
釘宮:私は物語が好きですね。読んだ本や観た映画の感想とかは早口になりますね。とくに『ハリー・ポッター』を読んだ後はすごかったです(笑)。一巻からまた語り合いたいくらい。
佐倉:(笑)。私の場合は、「乃木坂46」がすごく好きなんです。メンバーももちろん好きなんですが、洋服が好きなので、衣装を見るのも好きで。
「このステージでのパニエの翻り方が最高」とか、「裾のお芝居がPVでめっちゃいい仕事してる」みたいなことを喋る時はすごく早口になります(笑)。
スタイリストさんによっても、刺繍の入れ方が全然違っていたりするのも面白くて。ただ、なかなか普通の人には共感してもらえないんですよ(笑)。