BL用語集|801やワンコ攻めってどんな意味? これからボーイズラブ作品を楽しみたいと思っているアナタに捧げる初心者向け用語解説
20年以上前は知る人ぞ知る秘匿性の高いジャンルだったボーイズラブ、略してBL。
BLはまだまだ暗黙のルールやひとめ見ただけではわからないキーワードが存在しているジャンルです。最近はアニメ化だけでなくドラマ化や映画化など、様々な媒体でブームを呼んでいます!
しかし、BLを楽しむためにはBLに関連する用語の理解が欠かせません。そこでボーイズラブ初心者の方でも楽しむことができるBL関連用語をまとめてみました!
本記事ではこれからBLを楽しみたいと思っている初心者の方に向け、初級編を中心としたBL関連用語を解説。あわせて、用語と関連性の高いオススメ作品を紹介しています。用語の意味を知ってボーイズラブ作品を楽しみましょう!
まずはここから始めましょう! BL関連用語初級編
BL(ビーエル)
Boys Love(ボーイズラブ)の略称。男性同士の恋愛関係を題材とした作品、ジャンルの総称をいう。
隠語としてベーコンレタスと呼ぶこともある。
やおい
ヤマなし、オチなし、イミなしの頭文字を取って「やおい」という。男性同士の主に性愛のみを題材とした作品やジャンルの総称。
同人誌分野で使用されることが多い。「801」と数字で表記する場合もある。
オリJune(オリジュネ)
オリジナルJuneの略称で、やおい、BLの前身となったジャンルの総称。
主に1980年代の同人誌即売会にて使用されていた。現在は「創作(June・BL)」と区分表記されている。
関連語:耽美系、June系
【補足】
諸説あるが1978年頃、同人誌即売会で性行為を中心とした男性同士の恋愛を退廃的に描いた一次創作作品やジャンルをオリJune、耽美系と呼んでいた。これはジャンルの先駆けとなった1978年創刊の雑誌『Comic Jun』(のちのJune、現在は休刊)に由来している。その後、様々な経緯を辿り、1980年頃から同人誌即売会の二次創作ジャンルで男性同士の恋愛・性愛を題材としたものを「やおい」と呼ぶ認識が広がっていった。同時代のサブカルチャージャンルではやおいを好む女性をヤオラ―、やおい少女と呼んでいた。
攻め(せめ)
男性同士の肉体関係で、いわゆる挿入する側のこと。
肉体関係がなくとも精神的にリードする側のことを指す場合もある。送り仮名をつけず「攻」と表記したり、かけ算表記では左側に位置するため「左」と呼ぶこともある。
別名:攻、左、タチ、トップ
受け(うけ)
同じく、いわゆる挿入される側のこと。
想いを寄せるキャラを精神的に受容する側のことを指す場合もある。
別名:受、右、ネコ、ボトム
ノンケ
同性愛者からみた異性愛者のこと。
一般の同性愛者たちから広まった言葉で、外来語のnon(いいえ)に「その気」(そのケ)を組み合わせて「その気(同性愛の気)がない人」を表している。
カップリング
恋愛関係、性愛関係があるとみなしたふたりを指す言葉。カプ、CPと略す。
かけ算
乗算記号「×」(かける)を使用し、キャラクターのカップリングを端的に表すもの。
「攻め×受け」で表示する。
腐女子(ふじょし)
分野を問わず、男性同士の恋愛を題材とした作品、いわゆるBLを好む女性のこと。
婦女子(ふじょし)をもじったものである。
腐人(ふじん)
BLを好む既婚女性または妙齢の女性のこと。
関連語:貴腐人、汚超腐人(おちょうふじん)
腐死鳥(フェニックス)
腐女子としての経験が豊富にある人たちのこと。
腐女子や腐人が進化した最終形態や最高位を指し、自虐を込めて使用される場合が多い。
腐男子(ふだんし)
腐女子と同じようにBL作品を好む男性のこと。
腐男子だからといって同性愛者とは限らない。
別名:腐兄(ふけい)
【おすすめ作品】
男子寮の腐男子がうっかりオタバレしちゃってBL展開に⁉
『入室ノックは忘れずに』著:黒木えぬこ
(海王社GUSH COMICS)
腐る
腐女子的な思考をすること。または腐女子に転じること。
お腐施(おふせ)
推しているボーイズラブ作品などの関連グッズや高価な限定版を購入すること。作家さんや関係各所を支持する意味合いで購入し、作品を通じて心ときめくような楽しい感情が得られることを喜びとする。
腐教(ふきょう)
ボーイズラブ愛好家の間で自分の好きな作品を薦める、または互いにプレゼンテーションし合うこと。
BL脳(びーえるのう)
物語の本筋に沿いつつも、キャラクターのどのような関係性も男性同士の恋愛として置き換え、オートマティックに妄想できてしまう脳のこと。腐死鳥級になると無機物、有機物に関係なく二つのものを組み合わせ、そこに関係性を見いだすことができてしまう。
関連語:やおい脳
脳内変換腐ィルター(のうないへんかんふぃるたー)
元となる作品をボーイズラブに換えて想像を楽しんでしまうこと。フィルターを通すことになぞらえた言葉。自分に向けられた意見を自分の都合のいいように脳内で組み換えてしまう自虐的な例えから由来している。
メンズラブ
登場人物の年齢が青年以上であり、設定がより現実的な類のボーイズラブのこと。
サブカプ
サブカップリングの略。ボーイズラブ作品や男性同士の恋愛、性愛関係を描いた作品において、メインで描かれるカップル以外の、脇に登場するカップルのこと。
【おすすめ作品】
自然豊かな山あいで始まる3カップルのストレートラブストーリー。
『花鳥風月』著:志水ゆき
(新書館 ディアプラス・コミックス)
固定
カップリングの際、キャラクターの受けと攻めの役割が固定している状態、またはそれを示す言葉。
逆カプ(ぎゃくかぷ)
キャラクターのカップリングが同じであるものの、攻めと受けの役割が逆である状態、またそれを示す言葉。
【補足】
商業分野のボーイズラブにおいて、読者は作品の購入時に表紙のイラストで攻めと受けを判断しなければならないことがある。「逆カプ」は自分の想像した攻め受けが逆だった場合に使用される。攻め受けについては本の帯や裏表紙に記載してあるなど、最近では読者に配慮した商業ボーイズラブ作品の方が多い。
隠れ腐女子
周囲に腐女子であることを明かしていない腐女子のこと。
【補足】
腐女子であることをオープンにするかしないかは、個人により考え方が違うので多様かつデリケートな事柄とされる。ボーイズラブがメディアで取り上げられることが多くなったジャンルであるとはいえ、学校生活や社会生活を送る中で、ボーイズラブを秘めた楽しみとしておきたいたくさんの方がいるのもまた事実である。ボーイズラブは楽しみを皆で共有する側面と個人で密やかに楽しむ側面を持つ、多面的なジャンルだということを理解しておく必要がある。