アニメ『歌舞伎町シャーロック』青山穣さん、橘龍丸さんによる座談会第10弾|アルバート・トレヴァを演じる大塚芳忠さんの演技は必聴の価値アリ! 最終回までの展開にミッシェルと寅太郎の活躍は?
TBS、 MBS、BS-TBS“アニメイズム”枠とAT-Xにて放送中のアニメ『歌舞伎町シャーロック』は、名探偵シャーロック・ホームズが活躍する探偵小説の要素がありつつ、架空の街“新宿區歌舞伎町”を舞台に、コメディあり、サスペンスありのストーリーが繰り広げられるオリジナルTVアニメです。
アニメイトタイムズでは、放送を振り返りつつ、キャストと共に作品の魅力に迫る連載キャスト座談会を企画。
第10弾は、ミッシェル・ベルモント役の青山穣さん、小林寅太郎役の橘龍丸さんを迎え、2クール目を振り返って思い出深いシーンやキャラクター、物語が大きく動き始めた#19についてなどを伺った、座談会後編の模様をお届けします!
2人が思い掛けないディレクションを受けたシーンとは……
――主に2クール目を振り返って、思い出深い、印象に残っているシーンやセリフはありますか?
小林寅太郎役の橘龍丸さん(以降、橘):思い出深いシーンやセリフはいっぱいあって、1つ1つパンチがありますけど、僕は#14の京極の復活シーンはうれしかったです。
ミッシェル・ベルモント役の青山穣さん(以降、青山):頭に(ウンチを)乗せられちゃうシーン?(笑)
橘:(京極は)あまりに叩きのめされて、探偵長屋のメンバーの中では一番ボロボロになっていると思うので、ちゃんと復活シーンがあって良かったなと。
実は、#14は「おっぱいがいっぱーい」を言うためだけにスタジオに行ったようなものなので、それも思い出深いシーンで(笑)。
音響監督の長崎(行男)さんから「おっぱいが2~3個あるんじゃない。無数にあるんだ」と、ディレクションいただいて演じたことを思い出しました。
青山:僕が覚えているのは、#12のハドソン夫人からパイプを探す依頼で、一人ずつブツブツ言いながら退出するシーンで、“ブツブツ言いながら”を一人ずつ収録することになって。
ミッシェルが一番最初だったから「まったく、もう」みたいなセリフをアドリブで入れたら、他の人もセリフを入れちゃって。絵で口の動きを作るのは大変だから「全員が(セリフを)入れるのはやめて」と怒られたことあったよね。
橘:ありましたね(笑)。青山さんが(セリフを)入れていたので、「入れて大丈夫なやつか」と思って。
青山:一人ずつと言われて、前の人がやると後の人もやらざるを得なくなるからね。
橘:ああいうのも楽しかったです。
青山:まさかの、(セリフを)入れて怒られるという……。
一同:(笑)。
橘:入れて怒られることもあるんですね(笑)。
いろいろなタイプのおじさんキャラが登場☆ トレヴァを演じる大塚芳忠さんのお芝居に青山さんも聴き惚れる!
――その後の#15はマルチ商法の話を軸に、メアリとワトソンが活躍する回で、#16はすでにお話を伺ったミッシェル回ですね。#16のゲストキャラ・あほぼんは、これまでのゲストキャラに負けないインパクトがありました。
青山:あほぼんには、いいように操られ、ガンガン振り回され。家まで潜入したのに、結局縛られて終わり……という、「本当に(ミッシェルの)お当番回なの?」みたいな(笑)。
一同:(笑)。
青山:お当番回だから、あほぼんを縛り上げて「やったぞ!」で終わるかと思ったら、逆に縛られて終わりだからさ。
橘:「これは、あほぼん回じゃないか」みたいな(笑)。
青山:あほぼんの方が遥かに目立っていて、楽しい回だったと思うよ(笑)。
――(笑)。毎回、いろいろなゲストキャストさんが登場するのも、楽しみの一つになっています。
青山:本当に、いろいろな人が来たよね。
#17には、チョーさんや稲葉実さん、高島雅羅さんもいらっしゃって、なかなかアニメで一緒に演じる機会もないので、良かったですよ。
橘:2クール放送するにあたって、1クール目から濃い敵キャラといいますか、犯人がとても多かったですが、2クール目に入って一段とまたギアが上がった感じがしていて。
僕が声優として初めての現場で、こんなに豪華な方ばかりの中に入れてもらえて、本当にありがたいです。
青山:特に(大塚)芳忠さんが演じていたアルバート・トレヴァでしょ。
芳忠さんのセリフは、全てマネする価値がある、勉強する価値があるセリフだよ。
橘:もちろん、青山さんからも勉強させていただきましたが、大塚さんのトレヴァは側でお芝居を聞いていて、怖かったです。
舞台でも、そういう役を演じるベテランの方たちとお芝居する時に、本当に怖いなと思うんですけど、後ろ姿だけで目を見ていないのに、怖いと思うのは初めての感覚でした。
うまく言葉にできないですが、ゾワゾワして血が引くような感覚というか、心臓をつかまれるんじゃないかと思いました。
青山:芳忠さんは特別な人ですから、全然別格です。
なかなか、あそこまでできる人は他にいないと思う。僕の中では、芳忠さんは全声優界の中でトップの人だし、誰も芳忠さんみたいにはできないと思っているよ。
芳忠さんのセリフなら、僕はずっと聞いていたいと思う。
橘:そうですね。僕はこの現場で、いつもゾクゾク、ゾワゾワしながら楽しい感覚をいっぱい味わわせてもらいました。
青山:トレヴァが長セリフをしゃべるところもあるから、オンエアで注目して、芳忠さんのセリフがいかに素晴らしいかをみんなに聞いてもらいたい。
逆に、いかにミッシェルがいい加減にしゃべっていることか(笑)。
橘:そんなことないです。ミッシェルみたいな渋くてカッコいいおじさんがいて、芳忠さんみたいに怖くてゾクゾクする方もいるかと思えば、トニー茂みたいな少しかわいらしいおじさんもいて。
僕にとって意外に茂はツボで、「かわいい」と思って見ていました。
青山:「茂に何か見返りは?」とかね。
橘:若い子たちが、自分の名前を一人称にしていると「やめなさい」と思うんですけど、茂くらいの年齢の方が、自分の名前を率先して使っていくスタイルがかわいくて。
僕もあの年齢くらいになったら、「龍丸は思うんだ」と使ってみようかなと思っています(笑)。
一同:(笑)。
橘:かわいくないですか? あんなおじさんになりたいと思っちゃいました。
青山:茂の出番は、もう少し多くても良かったかな。もうちょっと出してほしかった。
橘:でも、2クール目も登場してうれしかったです。
――ゲストさんも含めると、年齢や経験値といった幅広い層の方が出演されていて。なかなか1つのアニメで、これだけの方の演技を楽しめることは少ないと思うので、ファンとしてはもちろんうれしいですし、収録現場も楽しいことになっていそうだなと。
青山:やっぱり、いろいろな年齢の方が来ないと、どうしても(作品に)厚みが出ないから。勉強することも多いしね。
橘:本当に、勉強になりました。
青山:そういう意味でも、良い現場だったと思うよ。