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『ID:INVADED』あおきえい×碇谷敦×小玉有起が7〜10話を振り返る

冬アニメ『ID:INVADED イド:インヴェイデッド』あおきえい×碇谷敦×小玉有起が7〜10話を振り返る|「津田さんのお芝居は僕のイメージを軽々超える」

冬アニメ『ID:INVADED イド:インヴェイデッド』の振り返りインタビュー。1〜3話、4〜6話に続き、今回は7話〜10話の振り返りをしていただきます。

登場するのは、監督のあおきえいさん、キャラクターデザインの碇谷敦さん、キャラクター原案の小玉有起さんです。

6話で起こった出来事をきっかけに、物語が大きく動き出した後半戦。見どころや制作の裏側について語ってもらいました。

「鳴瓢=円周率」あおき監督の解釈は?

――小玉さんには個別にお話を伺いましたが、振り返りインタビューは初参加となります。

小玉:よろしくお願いします。

碇谷:やっとこういう形でお話できますね。

小玉:やっとですよ。来たかったので嬉しいですね!

――ありがとうございます! 早速、7話から聞いていきたいです。以前、小玉さんはインタビューで「原案で苦労したキャラが今後出てくる」と言っていました。それが聖井戸だそうですね。

小玉:そうです。一番描き直しましたね。正解にたどり着けなくて。

――あおき監督の中に明確なイメージがあったということでしょうか?

あおき:というより、正解がわからなかったんですよね。名探偵要素のある女の子ってどんな感じだろう?と。あと、本堂町の井戸に登場するドリルをどこに入れたいんだけど……という考えもあり、いろいろと難しかったんです。

碇谷:ドリル、今は一応首(スタンドカラー)に入っているんですよね。

小玉:一応そうですね。

あおき:でも、一度頭に乗せるという話にもなりましたよね。

――ドリルをですか?

小玉:そうなんですよ。だからとんがった帽子をかぶせたこともありますよね。それはそれで可愛いかなと思ったんですけれど(笑)。

後半は、基本的に自己リテイクを繰り返していました。納得いく形にならず何度も何度も描きましたね。あと、あおきさんが最初に「アイドルが良い」って言っていたんですよ。

あおき:ああ、そうでしたね。

碇谷:いわゆる、AKB48みたいなアイドル衣装をイメージしていたんですよね。

小玉:だけど、本堂町のボーイッシュな感じからどうやってもアイドルにならなくて(笑)。しかも、6話で冷酷な一面を見せた直後なのにヒラヒラした服を着ているっていよいよヤバい奴になってしまいそうじゃないですか。

だから名探偵になるという先入観のもと、ホームズ的な鹿撃ち帽をかぶせました。いろいろ言った挙げ句、ベッタベタにたどり着きましたね(笑)。でも、それがしっくりきました。

碇谷:ここで言えて良かったですね。安易に鹿撃ち帽にしたわけじゃないと。

小玉:本当ですよ。

 

――聞いた話によると、井戸の中に入る名探偵は絶頂期の姿になるそうですね。聖井戸はどうですか?

小玉:特になかったです。あの容姿からさらに若くなってしまうのもちょっと……ですし。逆にお姉さんになってしまうのも、面白いですけどちょっと違うなと思いました。

あおき:そうですね。年齢感が一番変わらないのは聖井戸です。キャラも一緒ですし。あと、7話ならあれも言っておいたらいいんじゃないですか? 「THUNDERBOLTED」ですから。

小玉:あ、そうですね。酒井戸の靴に稲妻のマークが入っているのは、鳴瓢の井戸に雷が落ちているからなんです。

――そうなんですね! 気づかなかったです……。

碇谷:マフラーもそうなんですよね?

小玉:そうです。稲妻を意識してあの色にしました。変に稲妻キャラになってしまうのは嫌だったので、それくらいさり気ない装飾に留めています。

というか、「THUNDERBOLTED」って超カッコいいですよね。「鳴瓢の井戸、『THUNDERBOLTED』なんだ!」ってしびれましたよ。雷がずっと落ちている、それくらい怒りにあふれているんだなと感じます。

――なるほど。

小玉:そういえば、鳴瓢の井戸では円周率の順番に雷が落ちていくじゃないですか? 鳴瓢の深層心理のなかになんで円周率があるんですか?

あおき:それは知らないです(笑)! 舞城さんと話したわけではないですが、円周率って“割り切れない”じゃないですか? それが、鳴瓢の終わらない後悔みたいなものに表れているのだと思います。

小玉:それ、すごく良い解釈ですね。

碇谷:それでいきましょう。

 

譲れなかった穴井戸へのこだわり

――8話は、前回の振り返りインタビューで言っていたコメディ回でした。

碇谷:何も起きないですけど、すごく楽しいエピソードですよね。

あおき:楽しいよね。男2人がくっちゃべっているだけなのに(笑)。

――10話で鳴瓢だと判明した死体を観て、2人で笑うのも面白かったです。

小玉:なにより、穴井戸のキャラにつきますよね。あいつを観ているだけでも結構楽しいです。

――そんな8話で、印象深かった制作の裏側など聞かせてください。

碇谷:砂漠ですごく暑いという設定だったじゃないですか。だから当初、コンテでは穴井戸が裸になって顔を覆うように上着を巻いていたんですけど、コンテ打ち(合わせ)のときに小玉さんが「これは嫌だ!」と。

小玉:「嫌だ!」って(笑)。

碇谷:それで結局、服は着たままにして、上着をほっかむりにするという形になりました。思えばあそこで裸になっていたら、あの回も10話のラストもずっと裸になるところでしたね。小玉さんが言ってくれて良かった良かった。

――小玉さんが拒んだのは、そういう理由からなんですか?

小玉:というか、穴井戸が出てくるのって4話で撃たれて死ぬシーンくらいじゃないですか? それでいよいよガッツリ出るというときに、裸になってほぼ顔を隠してしまうのもキャラクターとしてどうなんだと。僕、そこはゴネたんですよね。

あおき:漫画家ならではの意見でしたよね。

碇谷:すごく助かりました。あと、聖井戸が走るシーンはへそ出しルックなんですけど、あれをちゃんと見せるように、あおきさんがコンテで細かく……。

――シリアスな物語の中に垣間見える癒やしですもんね。

あおき:なんとかしてポンチョの中を見せたいんだけど、どうしたら良いんだろうってめちゃくちゃ考えながらやりましたね。

あと、聖井戸は走り方が忍者走りみたいで可愛いんですよ。それこそポンチョなので、普通に手を振って走るのが難しかったという話なんですけど。

小玉:確かに、すごく可愛かったです。

碇谷:『イド』の原画は基本的に少数精鋭なのですが、7話くらいから加わった新しいスタッフが可愛い子を描ける人だったんですよ。だから聖井戸が動かしやすかったですね。僕は、可愛い子を描くのが苦手なのでおじさんばかり描いていましたが(笑)。

小玉:でも、対マンは全部描いていますよね。

碇谷:ほぼやっていますね。7話は、聖井戸は描いていないですけど鳴瓢が対マンを撃つシーンはやっています!

(C)IDDU (C)2019「イド:インヴェイデッド」製作委員会
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