「すべての楽曲、作品、目の前にいるみんなが、俺たちの誇りです」──帰ってきた“アニメ縛り” で前回を越える感動をFLOWが届けた

　青と赤、対照的な色でエモーションを描く中盤戦

リターンズというからには、“前回を越えなきゃいけない”。そんな気概を語ったMC。

「アニメ縛りに前回もきてくれた人は分かってると思いますけど……基本的にバラードとかないんですよ。まだまだ曲があるよ。前回から曲、増えていますから。果てしない(笑)」(KEIGO)

「毎回クライマックスだよね。俺ら、大体アニメのオープニングじゃない。エンディングだったらバラードもあるかもしれないけど、オープニングでは疾走感ないとダメじゃん。だからずっと走ってるわけ」(KOSHI)

そんな話をしながら、アニメ縛り用アフレコの裏話を披露。「せっかくだから楽器隊も」と、TAKE、GOT’S、IWASAKIにも話を振る。

「皆さんお元気ですかー。今日開催できたのはほんとに皆さんのおかげです。手前味噌ですが、ここまで用意したスタッフの皆さん、お疲れ様でした。最高の景色見てます。冥土の土産に持って帰れます(笑)。最後まで全力でやるんで楽しんでってください！」(IWASAKI)

「こんばんは！　ニコ生のネット民もこんばんは！(笑)　なんか、フェスなのかなと思っちゃったよ。みんな歓声が頼もしい。8割くらいが2次元なんじゃない？(笑)皆さん、ありがとうございます！」(GOT’S)

「(声色を変えて)元気ですかー！　元気があればなんでもできる！　元気があったのでアニメ縛り帰ってこられました。ありがとう。(声色を素に戻して)声優さんをはじめ、この日のためにたくさんの人が力を貸してくれました。それによって今日を実現することができています。ネット民のみんなも、お集まりのみんなも、間違いなく優勝させるので、最後まで心置きなく楽しんでってください！」(TAKE)

ここで『交響詩篇エウレカセブン』のレントンとエウレカの声が……レントンの名言「I can fly！」から「DAYS」がはじまり、壮大な曲の世界に合わせて、緑、青のペンライトが爽やかに光り輝く。

KOHSHIがギターを持ち、ゲームソフト『エウレカセブン TR1:NEW WAVE』テーマソングの「Realize」、『エウレカセブンAO』後期OP曲「ブレイブルー」。美しい蒼に染まった客席が、燃えるような赤に変わったのが次のブロック。

ベルベットの叫び声と共に、熱く激しい「BURN」へ。＜命燃やして＞の言葉に合わせるようにステージに火が迸る。

そんなステージから一転、次の場面では、『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』の主要メンバー、スレイ、ミクリオ、ロゼ、アリーシャが旅を思い出しながら穏やかに語りあった。

そして「俺たちの旅は、思い出は、みんなの心に。響け」というスレイの言葉に続いて、声を合わせて「風ノ唄」。スモークが漂うなか「INNOSENSE」。『交響詩篇エウレカセブン』、『テイルズ オブ』シリーズのブロックは毎度ながらエモーショナル。

シンガロングが吹き荒れる「風ノ唄」の＜僕らだから歌える唄がある＞というツインボーカルは、彼らの生きざまをも感じて毎回グッときてしまう。

この直後「FLOWにしかできないライブをやってる自負があります」とキッパリと言い切ったKEIGOのMCも熱かった。

「このアニメ縛りってライブは、いつも挑戦です。やる曲を全部言って、ライブをみんなやらないでしょ？　全部やる曲を言ってるからね(笑)。最初のライブでは初めて日本青年館でやらせていただきましたが、キャパを間違えました。それくらいうれしい反応が皆さんからあって。僕ら本当にありがたいことに、日本全国、いろいろな国でライブをやらせていただいています。

そのたびに、日本のアニメは愛されているなぁと実感します。アニメと同じくらい、僕たちの曲を愛してくれていることを感じています。今回、サブスクで「Sign」が2000万回再生を越えて、全体の楽曲で言うと1億回再生を越えた、と。数が大きすぎて意味が分からないのですが(笑)、いろいろな国で聴いてもらって……。本当に感謝しかないです。

その気持ちを伝える方法は、自分たちにとってはライブしかないです。だから、もう一度“リターンズ”としてパワーアップした“アニメ縛り”を実現したいなと思いました！　いろいろな無茶なお願いをしました。本当に、怒られるレベルです！(笑)。

でも皆さんが気持ちよく協力をしてくれて。今こうやって、アニメ縛りリターンズをみんなと一緒にできています。ありがとうございます」

さらに続ける。

「僕らはアニメのテーマソングをただのタイアップと思ってやっているわけじゃないです。制作スタッフの皆さんが命をかけて作っている姿を見ています。声優の皆さんが命を吹き込んでいる場所も直接見させてもらっています。

だから自分たちも思いっきり、この作品と向き合って、ぶつかり合って、コラボレーションさせてもらっています。ただのタイアップだと思ってやってたらアニメ縛りなんてできていないし、みんなにも伝わらないと思います。

これだけアニメに対して、音楽に対してぶつかってきてくれるなら、自分たちも全力で作品とみんなにぶつかっていきたいと思っています。全作品に感謝です、ありがとうございます」

観客も含めて全員で“FLOW”と伝え「これからも俺たちにしかできないライブを作っていきたい」とメッセージ。

その覚悟と決意に大きな拍手と歓声が送られるなか、最後のブロック＝『NARUTO-ナルト-』シリーズの楽曲へ。ミラーボールが輝くなか、明るくひとつにしていった「光追いかけて」に続き、ナルト、サスケ、サクラ、ヒナタ、シカマルの応援の声から「Re:member」をかき鳴らす。

新しく仲間に加わったミクスチャーソング「Break it down」は、火がバンバン打ち上がるなかの熱演に。個人的にはFLOWの初期衝動がたっぷり詰まったこの曲がライブで聴けたことが嬉しかった。

そこからFLOWを代表する名曲たち「SUMMER FREAK」「虹の空」「GO!!!」で、すべてを巻き込みながら会場を極彩色に染め上げていく。

シンガロングのたび、客席の温度がぐいぐい上がっていくのが分かる。あまりの熱さからか、いつの間にかKOHSHIがトレードマークのサングラスをはずしていたことに気づいた。

KEIGOが力を振り絞るように「今日歌わせてもらったすべての楽曲、作品、目の前にいるみんなが、俺たちの誇りです！」と叫ぶ。

クライマックスを飾ったのは、この日の主役でもある「Sign」。＜あの痛みが君の事を守ってくれた その痛みがいつも君を守ってるんだ＞。

この曲をお守りのように大切にしてきたであろうリスナーたちの心がひとつになる。驚くなかれ。文字通り、本当に“ひとつ”になった。

後半の大合唱のあと、突如画面の向こうで楽しんでいるファンの声が、リアルタイムで画面に表れたのだ。

自分たちの声がライブのスクリーンに出て「えええええええ」「おおおおおおおおお」「!!!???」と驚いているファンの声に、ふいに泣きそうになる。世界中にいるみんなと音楽で想いを共有するって、なんて尊いことなんだろうか。

最後はゼロが締めてくれた、アニメ縛りリターンズ。思い入れのあるアニメの曲たちの一斉披露とあって、それぞれグッとくる曲は違っただろうし、浮かぶ景色も違っただろう。

でも、私がこの日何より素晴らしいと思ったのは、ジャンルの垣根を越えた先にある一体感であった。客席にいる観客、画面の向こうにいた人たちが、FLOWと共に歌った己の人生を彩る大切な曲たち。

ジャンルも作品も垣根を越えてひとつにするという職人技は、FLOWの原点であるミクスチャーロックそのものである。アニメを彩る名曲たちをみんなで体感して、改めて、ライブハウスに立つFLOWに会いたくなった。

リリース情報

「TRIBALYTHM」

【収録楽曲】※初回生産限定盤・通常盤 同一
M1．TRIBALYTHM -Intro-
M2．風ノ唄 -『テイルズ オブ』シリーズ20周年記念TVアニメ「テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス」オープニング主題歌
M3．Break it down -PC・アプリゲーム「NARUTO×BORUTOボルティカルジェネレーションズ」テーマソング
M4．火花
M5．PENDULUM -PC・アプリゲーム「コードギアス 反逆のルルーシュ ロストストーリーズ」テーマソング
M6．サンダーボルト
M7．INNOSENSE -「テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス」第2期エンディング主題歌
M8．音色 -ドラマ「幸色のワンルーム」(ABCテレビ)主題歌
M9．BELIEVER
M10．Smells Like 40 Spirit
M11．BURN -PS3、PS4用ゲームソフト「テイルズ オブ ベルセリア」
M12．ONENESS -日本武道館テーマソング
M13．アイオライト
M14．TRIBALYTHM -Outro-

【初回生産限定盤 特典BD収録内容】
・15th Anniversary Final「FLOW LIVE BEST 2019 in日本武道館～神祭り～」（全25曲/2時間30分）
・15th Anniversary Final「FLOW LIVE BEST 2019 in日本武道館～神祭り～」ドキュメンタリー

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