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アニメ『アクダマドライブ』小高和剛×田口智久×富永禎彦スタッフ座談会

オリジナルTVアニメ『アクダマドライブ』メインスタッフ トクベツ座談会 ストーリー原案:小高和剛×監督:田口智久×プロデューサー:富永禎彦(studioぴえろ)

己の生き方を貫く悪人たちの物語が、スタイリッシュな映像とともに描かれるオリジナルTVアニメ『アクダマドライブ』。

本作のストーリー原案とキャラクター原案を担当するのは、TooKyoGamesの代表にしてシナリオライター・小高和剛氏とキャラクターデザイナー・小松崎類氏。ゲーム『ダンガンロンパ』シリーズでタッグを組んできた二人が、アニメーションで再び手を取り合います。

監督は『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』や劇場版『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』を手がけた田口智久氏。そして、アニメーション制作は『おそ松さん』や『東京喰種トーキョーグール』シリーズを制作したstudioぴえろが担当。充実のスタッフ陣によるオリジナルTVアニメーションが2020年7月より放送スタート!

放送に先駆けて、小高和剛氏(ストーリー原案)、田口智久氏(監督)、富永禎彦氏(studioぴえろ プロデューサー)のトクベツ座談会を実施! 作品の誕生秘話や謎に包まれた世界観・キャラクターにまつわるエピソードなどを語っていただきました!

オリジナル作品は好きなものを作るほうが作品の力になる

――オリジナルのTVアニメーション『アクダマドライブ』が発表されました。企画がスタートした経緯から聞かせていただけますか?

富永禎彦氏(以下、富永):もともと小高さんとは大学の同級生なんです。といっても卒業後は特に連絡を取るわけでもなく、共通の友人から有名人になっているという話を聞いたくらいで……。

小高和剛氏(以下、小高):いやいや、有名人って(笑)。

富永:(笑)。それで2014年に、彼の手がけた『ダンガンロンパ』の舞台を共通の友人と見にいったんです。そのときに久しぶりに会って、「何かやらない?」と話したのがきっかけでした。

小高:もちろん、すぐに実現するわけではなくて、まずはお互いにネタを考えようとなったんです。もともと、僕らは日芸(日本大学芸術学部)の映画学科出身で、入学したのが’97年。当時はタランティーノの『パルプ・フィクション』('94年)やブライアン・シンガーの『ユージュアル・サスペクツ』(’95年/日本公開'96年)のようなクライム映画が流行っていて。企画を練っていく中で、そんな過去を振り返っていたら、やっぱりタランティーノみたいな作品がいいよねって盛り上がったんです。

富永:最初からオリジナル作品をやるつもりでお声がけしていていましたし、オリジナル作品をやるのであれば自分たちが好きなものを作ったほうが作品の力になると思ったので、年齢が一緒で見てきた映画も近いなら、そういうものがいいだろうと。

小高:それが本格的なスタートでしたね。

――田口監督に声が掛かったのはどのぐらいのタイミングだったのでしょう?

田口智久氏(以下、田口):今から3年前ぐらいですね。サイバーパンクでタランティーノのようなクライムサスペンスをやりたいというお話をいただきました。あまりアニメでは見たことのない企画だったので、これは面白そうだなと。……まぁ、思ったんですけど、当時のアニメのトレンドとも違いましたし、アニメファンに受けるのかどうかはわからなかったです(笑)。でも、それはそれでやりがいがあるなと思ったのは覚えています。

――小高さんと富永さんが田口監督にオファーした決め手はなんだったのでしょうか?

富永:以前所属していた会社で田口監督とお仕事をする機会があって、若くて才能のある演出家さんだなって印象を受けたんです。特にアクションを描くのがお上手だなと。それで弊社の別件を一度お願いしたんですが、それは私が担当できなかったので、またお願いするタイミングを窺っていたら、この作品がぴったりだと思ったのでオファーさせていただきました。

小高:僕は監督のお名前だけは存じ上げていたので、どんな人かを業界の方に伺ったら、みんな言うんですよ、天才だ、天才だって。

田口:いやいや、普通ですから!

富永:確かに、アクションだけじゃなくて画面作りもうまいんです。”光と影の魔術師”じゃないですけど、光の入れ方、影の付け方が抜群にうまい。もちろん色彩設計や撮影の力もあると思いますが、『アクダマドライブ』も監督の才能が多分に発揮される作品になるだろうと確信しています。

小高:『アクダマドライブ』は田口監督の才能を見るための作品といってもいいくらいです。

田口:そんな大層なことはないですよ(笑)。

一同:(笑)。

――設定やキャラクターなどについても伺えればと思います。まず、この“アクダマ”という呼称はどのように生まれたのでしょうか?

小高:クライムサスペンスをやるに当たって、悪い奴らをどう呼ぶかとなったときに、善玉菌、悪玉菌の“悪玉”って今どきあまり言わないし、それをカタカナにしたら一つの名詞になるんじゃないかって思ったんです。だから、最初から『アクダマ』って仮タイトルを使っていました。

富永:7人いるから“アクダマセブン”というアイデアもありましたね。いろいろタイトル案を考えていって、何の意味もないけどとりあえず“ドライブ”をつけたら、語感がよかったのでそれに決まりました。

田口:“悪玉”をカタカナの“アクダマ”にするところが小高さんっぽいですよね。

小高:タランティーノの『レザボア・ドッグス』(’92年/日本公開’93年)の“ドッグ”みたいに一つわかりやすい名詞を入れたかったというのもありましたね。

――キャラクター名もユニークです。“一般人”とか“運び屋”とか。どういった理由で一般名詞がキャラクター名になったんですか?

小高:僕が原稿を書くときは、いつも最初にキャラクターのあだ名をつけるんです。今回はあだ名のままシナリオ会議まで進んでいって、いつ直すんだろうと思っていたら、監督も富永も「このままでいい」って雰囲気だったんですよ。

田口:今さら名前がついてもって感じがありましたからね。

富永:それに、『レザボア・ドッグス』も色がコードネームになっていましたし、コードネームっぽくてむしろそれでいいんじゃないかって。

――匿名性を持たせるためにそういう名前をつけたのかと思いましたが……。

小高:結果的にそうなったということですね。ただ、メインキャラクター7人って、少ないようで意外と多いんです。アニメで7人の名前を覚えてもらうのは至難の業なので、結果的にわかりやすい名前になってよかったなと。

富永:それに、こんなキャラクター名をつけるアニメってそうそうないですし、オリジナルアニメということでいろいろ目立ったほうがいいので、いい特長になったと思います。

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