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アニメ『僕のヒーローアカデミア』第4期 向井雅浩監督インタビュー

アニメ『僕のヒーローアカデミア』の第4期シリーズもいよいよ終盤へ!向井雅浩監督が第4期シリーズを振り返りつつ、見どころを語る!!

エリは「可哀想な子」ではなく「いい子」。だからこそ泣ける!?

――そして、もう1人、キーになるのがエリで、彼女の生い立ちと“個性”が物語の大きな要素になっています。

向井:エリはいい子ですが、大人から見た時のいい子とは、大人の言うことに不平不満を言わず従ってくれたり、我慢してくれる子と考えられている節があって。エリも、自分が辛くてもいい子になろうとしているところが痛々しくて。

でも、かわいそうなシチュエーションを強調して見せるのではなく、エリが大人にいい子だと思われるように頑張っている姿を見せられるようにと。

キャストの小林星蘭さんにも「とにかく我慢しなくてはいけないと思っている子なんです。自分が悲しい境遇にいるとはまったく思っていないので、悲惨さは強調しないでください」とお願いしました。

だからこそ、デクが「そんなの間違っている!」と自信を持って言えるわけです。それを成立させるためにも芯の強さを持っている子として描いています。

――死穢八斎會との戦いが終わった後、文化祭編にもエリがいるところもいいですね。

向井:そうなんです! 堀越先生のマンガは素晴らしいですよね。

文化祭編で、エリが「わあっ!」と笑顔になって、ミリオが「笑ったよ」と言うシーンは、ミリオ同様に僕も涙ぐみながら読んでいましたから(笑)。原作で「いいな」と思った印象を、読者の方がアニメでも追体験してくれたらいいなと。

死穢八斎會の登場で、敵<ヴィラン>連合の特異性が更にクローズアップ

――デクたちの敵である敵<ヴィラン>連合も、死穢八斎會が介入してきたり、問題を抱えているところもおもしろいですね。

向井:今までは敵<ヴィラン>連合が最大の敵として立ちふさがってきましたが、今回は死穢八斎會という別の組織が登場して、共闘を持ち掛けられてトガとトゥワイスが出向しています。

違う組織が共闘することで、相違点がハッキリ見えてくるんです。治崎(=オーバーホール)は親分に報いるためにはどんなことでもするし、死柄木たちにとっては好き勝手に行動することがオール・フォー・ワンのためになると思っていて、実際、自由になりたいからトガとトゥワイスも寝返るわけで。

インターン編では敵<ヴィラン>連合の特異性や違いがより強調されているなと原作を読んだ時から思っていました。

文化祭編はスポ魂風に!?ジェントル&ラブラバはキャスティングの時点で勝ちを確信!

――現在、文化祭編が放送されていますが、雄英の生徒たちの学生生活や青春の1ページを描きつつ、裏では学園に危機が迫っています。

向井:インターン編のエピローグは織り込んでいますが、新しい章に入るという明確な切り替えをしようと思いました。お祭り自体、俗世を忘れて楽しもうという側面があるので、インターン編を引きずらず、思い出さないようにしたほうがお祭り感が出せるかなと。

学生の時のイベントは、学生スポーツの試合に似たところがあって、やり直しがきかないんですよね。1年生の時の文化祭は1回きりで、来年があるよとはならないわけで。1発勝負にかける緊張感やチームの盛り上がりを高めていく様子はスポ魂ものに通じると思いながら描いています。

もう1つ、雄英への侵入を狙うジェントルとラブラバは、原作でもただの狂言回しにならないように織り込んでいらっしゃったので、そこを意識しつつ、2人のトリックスターぶりをいかに強調できるかが大切で。そこに気を付ければ、おもしろいシリーズになるはずだと確信していました。

――ジェントル役の山寺宏一さん、ラブラバ役の堀江由衣さんという豪華キャストで、存在感もすごかったです。

向井:キャスティングが決まった時点で勝ったと思いました(笑)。



 
(C)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
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