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『群れなせ!シートン学園』座談会!前編【連載Vol.05】

『群れなせ!シートン学園』座談会!【前編】 博史池畠監督&シリーズ構成・脚本 &青木隆夫プロデューサー│津田健次郎の宣伝隊長&毎話出演など奇抜なアイデアが生まれた経緯は?【連載Vol.05】

キャラたちを早く勢ぞろいさせようとするも多さゆえの難しさも

――アニメ化に際して山下先生や編集サイドからのオーダーは?

青木:ほとんどなかったですね。

村越:しいて挙げれば、原作ではいろいろなキャラクターに焦点をあてて物語が展開していくので、その分少しだけランカが目立たなくなる瞬間があります。

TVアニメでは原作よりも物語を描ける時間が短い分、シリーズを通してランカを中心に据えたいという要望を頂いたことでしょうか。

青木:ビックリするほど何も言われないので、むしろこっちが不安になるくらいで。シナリオをチェックしていただいても基本的には「大丈夫ですよ」と。

池畠:だから僕の中で「ここははみ出てはいけないな」というラインは設定して、意識しました。

――では皆さんが制作するにあたって心がけたことは?

池畠:原作は単発の話が短く続いていくため、それを30分そのまま並べると機械的になってしまうので、アニメの30分尺でどう再構築するのかが最初の課題でした。

村越:ほぼ全話に渡って、原作の異なるエピソードや離れたエピソードを1つにまとめてお話をつくらせて頂いています。

――毎回、1回のお話の中で新キャラが続々と登場する、出し惜しみしていないところがすごいなと思いました。

池畠:早いうちに勢ぞろいさせたくて。

村越:監督から「生徒会長が3話くらいで出てくるテンポ感でどんどん行きたい」という要望を頂いたので、全般的に原作よりも早いタイミングで各キャラクターを登場させています。

――キャストの皆さんがおっしゃっていたのが、新キャラが登場した後は扱いが少なくなったりするケースが多くなりがちなのに、この作品では登場後もスポットが当たったり、フィーチャーされているところが素晴らしいと。

池畠:ユカリやクルミの出番がちょっと少なかったかなとは思っているんですけど(笑)。

村越:バランスを見つつ、例えば「クルミがちょっと目立たないからここで入れたほうがいいかな」というようなことはシナリオ時から気にはしていたのですが、キャラが増えていくとどうしても……という部分はありました。

池畠:しゃべるだけのキャラになってしまいそうになるので、そこは気を遣いました。ユカリのう●こエピソードは後半にも入れておこうとか(笑)。

――青木さんからは監督にオーダーはされたのですか?

青木:お二人が作品のバランスを取ってくださったり、再構築する上でファンの方にどうすれば受け入れてもらえるのか考えてくださったので、お任せしました。

僕が唯一意識していたのは「漫画の中で僕らが汲み取れていない表現はありませんか?」と、山下先生や編集の方に確認することでした。印象に残っているのはクルミとメイメイが仲良くするエピソードです。

終盤のシーンでメイメイに毛布がかけられているんですけど、その毛布には「人」という文字がたくさん描いてあって、実はジン(人)がメイメイに毛布をかけていたんですね。

僕らが原作を読んだ時にその意図が読み取れていなかったんですけど、編集の方から教えていただいて、これは映像でもっと出さなくてはいけない!そんなやり取りをした記憶があります。

池畠:あとジンを原作の通りに描くとすごく嫌なヤツに見えてしまう可能性があったので、そこはマイルドにしています。原作の前半では特に。でも最近では馴染んでいますよね。その最近の感じをアニメの前半に持ってきています。

村越:そこは気を付けました。ただ、観て頂いた皆さんの中には、ちょっとランカたちに厳しすぎではと感じた方もいたようです。

ジンは決して心の底から動物を憎んでいる訳ではないのですが、周りのキャラが愛らしい分、かわいそうに見えてしまう部分はあるのはわかります。なるべくそうならないようにと思いつつも、まったくなくすとジンではなくなってしまう。

――みんなが天然系やボケ側で、ジンが唯一のツッコミということもありますよね。

池畠:今の若い子は当たりが強いのは苦手な傾向もあるので(笑)。

今作のキャスティングのポイントとは?

――今回のキャスティングのポイントを教えてください。

池畠:イメージを決めて、オーディションをして、という流れは従来通りですが、ランカ役の木野日菜さんは満場一致でしたね。瞳役の宮本侑芽さんもそうかな。

青木:ランカと瞳がナチュラルで、優しいテイストの声なので、ジンはツッコミとして映える、トガった声が欲しいなと。その希望通りで、石谷春貴さんは素晴らしかったと思います。

池畠:僕はキャスティングに口を出すと生声っぽい役者さんが増えてしまうんですよね。ユカリ役の久野美咲さんやミユビ役の小原好美さんとか(笑)。

メイメイはパンダでアイドルの設定なので、今勢いがある売れっ子さんがいいんじゃないかと思って芹澤優さんをキャスティングしました。あと一応、「この人どうですか?」と提案してみて、スケジュールが問題なければ出演していただきました。

今までの経験上、大御所でもスケジュールが空いていればやってくれるので(笑)。ナレーションの玄田哲章さんはマストで、まず玄田さんのスケジュールを聞いてくださいと。

青木:我々的にもそれは面白いと思ったので、お声がけさせていただきました。

池畠:ちなみに学園長役が龍田直樹さんであることを1話のアフレコで初めて知って。郷さんセレクションだったんですけど、もし事前に知っていれば『ダ●ウィンが来た!』っぽいセリフをもっと入れたのにと(笑)。郷さんは、特に意識しないで選んだそうですが。

(C) 山下文吾・Cygames/アニメ「群れなせ!シートン学園」製作委員会
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